森崎 「日本最長の農業用水路! ぜひ見てみたいです! 行ってみよう~」
一斉に「おお~~」
今回のあぐり王国は、 日本最長の農業用水路 「北海幹線用水路」を散策♪ 一行がやって来たのは、 雄大な空知川が流れる赤平市。
佐々木 「我々がいるのは空知川から 用水路へ水を送り込む 【北海道頭首工(ホッカイトウシュコウ】 という設備なんです。 つまりここがスタート地点なんですよ」
佐々木 「ここの水が使われている田んぼの面積は 26,000ヘクタール! 札幌ドームで表現すると… 4,700個分! 」
森崎「うえ~~」 河野「よく分からないでしょ?」 森崎 「けど4700個の札幌ドームにちゃんと 水を行き届かせるだけの用水路だよ!!」 河野「す・すごいですね…」
佐々木 「ということで今日は大規模なあぐり王国に なりそうですね!あぐりっこもよろしく~」
今回参加してくれたあぐりっこ隊は、 小学5年生のソウイチロウ君、 初参加の小学5年生のヨウジ君。 6年生のモモカちゃん。
みんなで両手を広げて- 森崎 「今日のあぐり王国はダイナミックだ! 日本サイチョ~~(最長)」
最長といっても、一体どのくらいの長さかな? モモカ「50キロ?」 ヨウジ「100キロ!」 ソウイチロウ「76キロ!」
佐々木 「ここは用水路のスタート地点です。 一体ゴールはどこにあるのか?行きましょう」
まずは散策のナビゲーターさんに会いに スタート地点「北海頭首工管理棟」へ向いました。
森崎 「ここはどんな施設なんですか?」
北海道開発局 岩見沢農業事務所所長 川口清美所長 「空知川から用水路に水を取り入れる所の 水量を調整している所です。 空知管内、広い水田があるので たくさんの水が必要なんです。 なので用水路でまとめて水を取っているんです」
森崎 「そういったシステムがないと これだけの田んぼには水が賄えないですよね」
森崎 「モニターに何か映ってますね」
川口さん 「水を取り入れるところが映ってます。 ゴミの状況や水がどれぐらい入っているかが 見られます」
なんとココで川口さんからサプライズ! 特別にあぐりっこたちに管理用カメラの操作を 体験させてくれることに!
あぐりっこ「うわ~動いた~」 森崎「ナイスズーム!」
ついつい楽しくなりましたが…
川口さん 「常にここで状態を確認しなくてはいけない!」
森崎 「管理がしっかりなされているんですね」
とココで意外な事実が-
川口さん 「ここは歴史もありますので “北海道遺産”に 指定されているんです!」
森崎「へえ~~」
さてあぐり一行はどうなったかな?
川口さん 「水を取り入れている“入り口”まで 行ってみましょう!」
森崎 「実際に見れるのかなあ~」
ということで用水路のスタート地点に行くと…
ヨウジ「あった!」
河野「結構な速さで入っていますよ!」
森崎「引き込んでるね!」
あぐり一行が立っている、 その下から水を取り込んでいます。
川口さん 「この水が反対側に流れ出ています」
森崎 「コッチだって!行こう」
取り入れ口の反対側に行ってみると…
あぐりっこ「波がスゴイ!」
森崎「これ川じゃん?」
川口さん「川じゃなくて用水路です!」
佐々木「水の量がすごいですよね」
川口さん 「深さは2m30cmぐらいありますよ」
森崎 「こういうふうにたくさんの水が 用水路を通って田んぼに行っているんだ! どういう風に流れているか… 見に行きましょう!」
いよいよ用水路散策スタート!
スタート地点の北海頭首工がある 赤平市を出発した一行は、 北海幹線用水路を辿りながら、 赤平市のお隣「砂川市」へやって来ました。
森崎 「いや~田んぼがいたる所にあるねえ~ あれ?田んぼの奥に見えるのは “鉄橋”ですか?」
川口さん 「いいえ…用水路なんです!」
森崎 「あれも?川の上を通っているんですか?」
川口さん 「はい!道路みたいなんですけど あれも用水路なんです」
森崎 「水の上(川)を“水の橋(用水路)”が 横断する!!」
河野 「普通“橋”っていったら人を通すものですが これは“水”を渡すための橋なんですね」
ということで特別に用水路の橋を 見せてもらうことに!
用水路を見てみると… 森崎「(水が)いっぱいじゃん!」 あぐりっこ「速い!」
川口 「こちらがさきほど見ていた“水の橋”です。 この下に川が流れているんです」
これはもともとある川を避けるための 用水路の橋なんです!
佐々木 「専用の“水の道”なんですよね」
森崎 「よく出来ましたね…」
森崎 「いつくらいからあるんですか?」
川口さん 「昭和4年(1929)に出来てます。 もう85年ぐらいになりますね。 水をこうやって運ぶことで 空知で水田が開拓できた… ということもありますね!」
モモカ 「下に川があって… 用水路が高速道路みたいでスゴイと思った!」
河野 「作った時って重機とか無い時代ですよね… すごいですよね」
川口さん 「人の手で作ったんですよね…」
「北海幹線用水路」は、 できるだけ水が自然に流れるように いろんな工夫や仕掛けが施されています。
長い用水路の途中には、 いくつもの川や線路があるんだけど、 それを横切るための用水路専用の橋が 15カ所も作られていたり、
2つの水路にある程度の水位差を持たせる事で、 高い方にある管の入り口から水が吸い込まれて 低い方にある管の出口からは 水が自然に吹き上がる… という科学の原理を利用したものなんだ。 「北海幹線用水路」は こうした人間の知恵と最先端技術が結集した 画期的な水路なんだね。
森崎 「先人たちの知恵と文化を結集させてね、 我々の生活を豊かにしてくれたって ことですもんね~」
北海幹線用水路の重要さを改めて感じた一行は、 用水路を辿り砂川市から美唄市へと向かいます。
佐々木 「我々美唄市にやって来ました。 スタート地点から36Km! ここで…終わりじゃないんですよね?」
川口さん 「ハイ!まだまだ続きます」
佐々木 「じゃあココは何なのか?と言いますと…」
川口さん 「水路の上を公園にして 景観づくりの利用しているんです」
この美唄市親水公園は、 地中に用水路が通った珍しい公園で、 市民の憩いの場として活用されているんです。 ココで用水路の役割を改めて感じてもらいたいと、 川口所長があるモノを見せてくれました!
川口さん 「あぐりっこにコレを数えてもらいたい!」
テーブルの上にはナゾのペットボトルが…
あぐりっこ 「イチニイサンシイゴウ…100本」
森崎 「1本が2リットルだから」
あぐりっこ 「200リットル!」
川口さん 「実はですね… お茶碗1杯のご飯に必要な水の量なんです」
森崎 「みんなは広い用水路を見てきたよね。 それを使ってお米になるまでを お茶碗1杯分で割り算をしていくと 200リットルの水が必要になるんだって!」
ヨウジ 「たった1杯だけなのに この水の量はかなり多いと思います!」
森崎「水に感謝ですなあ~」
佐々木「こうやって目で見るとビックリ!」
ここで空知管内でとれたお米のおにぎりを みんなでいただきました~!
みんなで「いただきま~す!」
ヨウジ「かなり美味しい!」 ソウイチロウ「●□△※●□△※…」 森崎「そうだよねえ~!」
美味しいおにぎりで お腹も心も満たされた一行は、 美唄市を離れ三笠市を抜けて 岩見沢市栗沢町へ…
森崎「いよいよゴールですか?」
川口さん「まだです!」
森崎 「まだですか~ けどみんな見てごらん! 水田がきれい! 色がはっきりしていて!」
川口さん 「ここはちょっと変わった農法が 行われている場所なんです」
一行が訪れたのは、 栗沢町由良(ゆら)地区にある 春木和昭さんの農園。 昔ながらのある自然農法が 行われているんです。
森崎「ちょっと見えた?」 あぐりっこ「鴨?」 森崎「カワイイね!」
春木さん 「合鴨農法と言って無農薬で お米を作ってます!」
春木さん 「田んぼ一面に合鴨を離して 雑草を食べさせたり、 泳いで水を濁らせて、 新たな雑草を生えなくさせるんですよ」
森崎「へえ~そんな効果があるんだ」
愛らしい姿に似合わず 雑草や害虫を食べてくれる 力強く頼もしいパートナーの合鴨。 特別に触らせてもらいました。
森崎 「貴重な体験したね。なかなか出来ないよ!」
森崎 「いろんな町を渡ってきましたね!」
川口さん 「みなさんお疲れ様でした。 南幌町がゴールです!」
森崎「ゴールということは?」 川口さん「用水路が無くなるということです」
森崎 「日本最長の農業用水路。 何Kmぐらい移動したと思う?」
モモカが50Km、ヨウジが100Km ソウイチロウが76Kmと予測していましたが…
佐々木「約80Kmです!」
森崎 「ソウイチロウ!すごい近いよ~!」
佐々木 「今日は用水路を巡る旅をしてきました… ついにゴールに着いたということで ある体験をさせてもらえるんです!」
川口さん 「田んぼに水を入れてもらおうと思います」
河野「スゴイごほうびに聞こえます!」
では用水路から田んぼへ給水します。 蛇口を右にひねると水が田んぼに流れます。
森崎 「じゃあ行くぞ~よう・すい・ろお~」
森崎 「なんかお疲れさんって感じだね。 なんだろう…用水路LOVE♪」
河野 「分かります! さっきから用水路を見たらトキメクんです。 移動してても『あれ用水路じゃない?』」
最後に南幌名物の「キャベツ天丼」を いただきました~!
モモカ 「この水で育ったから美味しいし 北海道って広いから、 やっぱり水は大切なんだって思った」
さて用水路を巡る旅にでてみて どう感じたでしょうか?
ヨウジ 「今日は用水路LOVEになっちゃいました!」
川口さん 「ふだん用水路を造ったり直したりしてますが なかなかこういうことを聞くことが無くて 本当に嬉しいなと思いました!」
北海道の食を陰で支えてきた農業用水路。
先人たちの想いや驚くような工夫や技術… そこには日本最長というだけではない ダイナミックな物語がありました。
そして今も続いている大地を命で潤す 水たちの旅路…
見慣れた田んぼにも「ありがとう!」って 伝えたくなる1日でした…