先日、クラシックコンサートの司会という、まさに僕にピッタリの仕事を担当した。
どの辺が僕にピッタリなのか…。
実際には、ただそう書いてみたかっただけで、僕は決してクラシックに詳しいわけでも、ましてや何か楽器を演奏できるわけでもない。
「僕にピッタリ…」などと書いてしまったことを、ここにお詫び申し上げる次第である。
さて、そのクラシックコンサートであるが、開催場所は道南の北斗市。当日の午前中の特急で札幌を出発し、函館市内で道南いさりび鉄道に乗り換え夕方前に到着した。
北海道新幹線の開業に伴い誕生した道南いさり火鉄道。今回が初めての利用だった。そして、札幌に居を構える人間としては、次に利用するのがいつになるか正直分からない。そういった意味で今回は、“乗り鉄”でも“撮り鉄”でもない僕ではあるが、大変貴重な機会となった。
そして、クラシックコンサートの方もまた、大変貴重な経験であった。
なにせ、これまでの僕の人生における“クラシックコンサート”との関わりを振り返ってみると…僕の記憶力の問題かもしれないが、なかなか思いつかない。
あえて挙げるなら、現在、札幌を中心に行われているPMF=パシフィック・ミュージック・フェスティバルのタダで見られる演奏とか、芝生の上で寝そべりながら聞ける“ピクニック・コンサート”に行ったことがあるくらいだろうか。46歳、お恥ずかしい限りである。
そんな“クラシック素人”の僕だが、間近で聞く演奏はやはり素晴らしいと思った。できることならば、客席でゆっくりと聞いてみたかったが、そこは仕事。舞台の袖での鑑賞となったものの、それはそれでなかなかできない体験だ。
演奏する皆さんの楽器を大切に扱う姿を目の当たりにすれば、そこには“一流となるべく条件”を見出すことができる。指揮者の汗を見れば、そこには仕事にかける情熱や思いを感じることができる。 また、そんな中でも気さくに写真撮影に応じてくれた当日の指揮者=垣内悠希さんの寛大さには、ただただ感謝するばかりである。 ところで…
そのコンサートの司会であるが、雨の日の開催であったため、僕は冒頭、「雨の中ようこそお越し下さいました。実は僕は『HBCイチの雨男』でして…」などとあいさつしたのだが、その瞬間、会場内にあまり聞きなれない音が鳴り響いた。
大雨に関する避難勧告を伝えるエリアメールのアラームであった。
「クラシックは僕の体の一部」などと言える日が100年経っても来るかどうか分からない僕ではあるが、雨とは切っても切り離せない“運命共同体”であるのはどうやら間違いないらしい…。
いつか、そんな僕の“厚い雲に覆われ光も差さない、じめじめとした”雨に関する体験談をステージで披露しようか。
暗&湿気…。 “クラ・シッケ”の独演を。