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2018年09月04日(火) |  札幌ディープ 104 旬の味処 どらちゃん
 
鎌田 強
 たった一度だけでは良さがわらないという店がある。しかし、気になり早く再訪を果たしたいとせつに願う。そんな店に半年ぶりにようやく行くことができた。 
 どらちゃんは西区役所のとなりにある。こんな通りにお店があるのかと思ってしまうほどがらんとしている通りだ。しかし、赤ちょうちんに灯がともるころになれば店内はすぐに活気に満ちる。地元客が次々に訪れ話に花が咲く。
 さりげなく、しかし手を惜しみなくかける肴。たとえばこの秋刀魚。内臓を丁寧に取り除き、お湯で皮をぴんと張ってから味付けし煮込む。臭みはなく、秋刀魚特有の油の味がストレートに感じられる。
 鱈のブリュレは、かしらの身をこそぎチーズと合わせ焼かれる。
 鱈肝の煮付けはフォアグラより上品だ。
 型は小さいが驚くほど美味しい寿都のサバを含めた道内産のお刺身。
 日本酒が嬉しい。しかもわたしの故郷秋田の新政が、まだ一升瓶を販売していた頃の2014年物を寝かせていた自家貯蔵古酒の口開け。
 店主の大友さんは大手スーパーの鮮魚担当から独立し店を始めたという。なるほど魚には詳しいはずだ。どらちゃんは奥さんの愛称。そんなご夫婦で29年
 琴似に住み、どらちゃん愛が深い友人がいう「どんどんこの店が好きになるんですよ」。一目ぼれの恋愛もいいけれど、初めはただすれ違っただけの恋愛も素敵じゃないかと秋の戸口に立ち思う。
旬の味処 どらちゃん
札幌市西区琴似二条六丁目1−30
電話 011-614-1999 

2018年08月12日(日) |  札幌ディープ 103 すし処 多加良
 
鎌田 強
 わたしは行動半径が狭い。車を手放してからますます狭くなった。それを見かねたのかグルメおじさんのSさんが車で月寒まで鮨を食べに連れて行ってくれた。なんでも通い出してから十数年。大将やお女将さんとも馴染み。そんなSさんと食事をすると楽しい。わたしよりちょいと年上だけれど、朗らかだし、小難しいを言わない。だからSさんはほとんどの店の人に愛されている。わたしも愛されたい。
 さて、すしだが札幌には名店が数々ある。ネタで勝負というところもあるだろうけれど、それだけはよしてほしい。ネタで勝負ならおさしみ定食でいいんじゃない。すし屋は職人だからね。ネタに施すさりげない仕事と調和のとれた酢飯の具合。そしてかっこいい握りの動作なんだと思う。月寒のすし処多加良(たから)の大将は愛しそうに握る。お女将さんは品良く優しい佇まい。だから30年以上も愛され続けているのだろう。キャッチフレーズもいい。「心に優しい、体に美味しい」。何組か家族連れもいた。そういえば今日はランチだった。
突出しが出るんだね。やや甘口の熱燗で一杯行きたいけれど・・・
 ソイのすましは白が鮮やかだ。写真だと結構脂が目立つけど嫌味はみじんもない。
 ますには辛口のぬる燗か・・・
 デザートは多加良のオリジナル。とまとのまんま。和風のコンポートといった感じで爽やかな甘さだ。これには甘口の冷でもいいなあ。
 帰りにSさんの家庭菜園に立ち寄った。なんと桃がたわわに実をつけていた。熟したら高級ブランデーをかけて食べてみたい。
すし処 多加良(たから)
札幌市豊平区月寒東1条2丁目10−19
電話 011-855-0330

2018年07月21日(土) |  札幌ディープ 102 ワルンジャワ
 
鎌田 強
 二年前だったと思う。雑誌じゃらんのキャンペーンを悪用した詐欺事件がありそのニュースが流れて、はじめてじゃらんのアクセントの下がり目はのところにあると知った。それまでわたしは、じゃらんのアクセントの下がり目はにあり専門用語でいうと頭高アクセントだと思っていた。最近のCMを聞くと、わたしがかつて勘違いしていた頭高になっていて「はて?」と疑問に思われてならない。思い切ってじゃらんに聞くのが手っ取り早いのだが、こういう問題は周辺から固めていったほうが長く楽しめるのでネーミングのもととなっていると聞いているインドネシア語から攻めてみたいと思った。
 インドネシア語のネイティブといえばハラールフードレストランのウィデイアさん。テレビ番組にも登場していたのでご存じの方も多いかもしれない。しかもその店はディープ感漂うビルの地下一階。
 開店からもう17年もたったそうだ。ハラールフードとはイスラム法上合法な食べ物。近頃インバウンドの期待もあってハラールフードが注目を浴びている。17年も前から活躍しているウィディアさんはエライとしかいいようがない。しかし、今回はタイミングが悪かった。ランチはミーゴレンしかないという。ランチを休むこともあるということで行く前には必ず電話をして出かけたほうがいい。
 肝心のじゃらんだが、雑誌の語源になったといわれる「ジャランジャラン(散歩)」のアクセントは最初のジャランがラ、後ろがジャにアクセントの下がり目があるそうだ。単独で発音する場合(道の意)はジャの後ろにアクセントの下がり目があるという。いわゆる頭高。東京で活躍する江戸っ子フリーアナの先輩に聞いてみたら頭高で発音するそうだ。またまた疑問が深まった。しかし解決は先延ばししよう。そのほうが楽しめそうだから。
ハラールフードレストラン ワルンジャワ
札幌市北区北14条西3丁目 ゼウスビルB1
電話 011-708-6880

2018年06月28日(木) |  札幌ディープ 101 はるな屋
 
鎌田 強
わたしは「はるな屋」の刺身五点盛りの写真をタブレットで見せながら何人かの同僚に聞いてみた。「このお刺身の盛り合わせいくらだと思う?」と。たいていは1800円ぐらいと答えた。じつはニ三人前というこの舟盛が980円だ。
ある日の内容はこうだった。
先日、一人飲みができないわたしが一人飲みに行ってみた。晩酌セットというのを頼んでみたかったからだ。晩酌セットといえば一人飲みだよね。
おひとり様のお刺身とじゃがいもの煮っころがしと飲み物二杯ついて1000円だった。
後日メニューにあったハムカツが気になって食べに行った。390円だった。
6月はウニがチラシ持参で500円だった。
地下鉄円山公園駅直結のこのビルのこの場所には礼文島のもずく酢が美味しい居酒屋があった。礼文ビールも飲める貴重な店だったけれど閉店して残念に思っていたがまた新しい楽しみができた。わたしはひそかに「はるな屋」を円山公園駅の奇跡と呼んでいる。
NEOさかな酒房 はるな屋
札幌市中央区南1条西26丁目1−1 ターミナルハイツB1
電話 011-590-0829

2018年06月06日(水) |  札幌ディープ 100 RED
 
鎌田 強
  酒場はほぼすすきのしか行かないという年上の知人Sさんに、地下鉄西28丁目駅界隈のディープツアーを提案したらとても興味を示してくれた。自分のテリトリー以外で飲むというのはどこか旅に出た気分になって良いと思う。Sさんは旅好きだし、およそディープとはかけ離れた店ばかりなじみにしているから興味津々、当日の期待は相当膨れ上がっていた。期待には必ず答えてあげたい。しかしSさんは何軒もはしごするタイプではない。せいぜい二軒。そう、二軒で鎌ちゃんディープワールドに満足してもらわなければならない。
  まず案内したのは2015年10月1日にアナウンサー日記にアップした伊豆。一見がひとりで入ることを拒むオーラが漂っている焼き鳥専門店だ。ここはお客が来るまで炭をおこさない。しかも北海道産で、硬く火力の強い炭を使用しているので炭がおこるまで時間がかかる。一カ月前、思いついてふらりと入ったところ火が起きるまで90分、空酒を飲むことになった。ここは予約必須だ。
   Sさんは焼き鳥屋では珍しいポークチャップにご満悦。いまでは出す店が少なくなったと懐かしんでくれた。そして異次元空間ともいえる店内で店主のうんちくに耳を傾け2時間以上過ごす。帰りの階段は急なので少し酔いがさめる。
 さて、二軒目はカラオケスナックへ。さっぽろディープ100回目にしてはじめてカラオケスナックを紹介する。というのもこの店REDは7月24日で閉店してしまう。わたしが通うカラオケスナックは二軒しかなくそのうちの貴重な一件が無くなってしまう。おじさんにはかなりしっくりくる店だったのに・・・
 店内はRED!
 音もいい。自分の歌が上手く聞こえる。

 Sさんは歌う。わたしも歌う。
 真っ赤に燃えた青春時代を思い出して・・・

RED(レッド)
札幌市中央区北五条西28丁目1-5 28丁目ビルB1F
電話 011-613-1212

2018年05月15日(火) |  札幌ディープ 99 タイ国料理専門店マニータイ
 
鎌田 強
 中島公園近くの名建造物ノアの方舟がタイ料理だったころ、エスニック料理がマイブームだった。山口文憲氏の「香港旅の雑学ノート」や関川夏央氏の「海峡を越えたホームラン」「ソウルの練習問題」に影響されどんどんアジアにはまっていった時代だった。タイの関連本は記憶がないけれど・・・
 辛いもの好きの友人とマニータイに出かけた。たしか開店当初はサンスリービルにありマニアックなエスニック料理好きに大人気だった。それが三条美松ビルに移転し店内が明るく、広くなった。あれから何年立ったのだろう。久しぶりに訪れたマニータイは入口ではかわらずサワディー人形がえてくれた。店内を改装したのか小上りが掘りごたつのようになっていた。
 タイ料理で、はじめに何を食べるか。わたしはかならず必ずヤムウンセンだ。春雨を混ぜるというこの料理はナンプラーやパクチーの香りもよく、すっぱ辛く食欲がそそられる。タイ料理への期待感が高まるというものだ。
 つぎにソムタム。青パパイヤを使ったサラダだが「これはな〜んだ」なんて会話も弾む。わたしは青パパイヤが手にはらないときに大根で作ったことがあったが別ものだ。
 パックブン・ファイデーンは空芯菜の炒め物。中華料理の空芯菜も美味しいけれどタイ風はまた一味ちがう。
 終いに甘いたまご焼き。カイチャオ・ムーサップ。カレーは次回にとっておこう。
 タイのビールが美味い!
 久しぶりにマニータイに来てうれしいことが二つあった。ひとつは辛いもの好きを満足させられたこと。そしてもうひとつはオーナーシャエフのサージェンオラワンさんが変わらず健康的で美しかったことだ。

タイ国料理専門店 マニータイ
札幌市中央区南3条西5丁目 三条美松ビルB1
電話 011-232-5665

 


2018年04月23日(月) |  札幌ディープ 98 ベトナムゴハン チリン堂
 
鎌田 強
 札幌駅前通りのすすきの交差点を過ぎ南8条から中島公園にかけてのエリアを通るといつも異空間に迷い込んだ感覚にとらわれる。西に行けばマンションの下を流れ速く、クランクして通る鴨々川が見られる。鯉や鴨が遊ぶ鴨々川とは様相を一変した流れに異空間感覚が増してくる。
 そんな地域にチリン堂はある。一年ばかり前、この店に友人と入ろうとして、開店時間前であることを店の人に詫びてもらい残念な気持ちで立ち去ったことを思い出す。それから行きたい店のひとつとなっていたが先日出版関係のA女史に声をかけてもらい喜んで出かけた。
 わたしにとってベトナム料理は親近感が湧く料理だ。なにしろニョクマムとわたしの故郷の名物「しょっつる」は親戚筋だ。しかも10年前にベトナム料理がマイブームだったことがあり東京でも何軒か行った経験があった。
 ベトナムで数年すごしたことがあるというオーナー夫婦が創る味はとても優しかった。ベトナムの人が毎日食べる庶民的な味わいなのだと思う。定番の生春巻き。まずはわたしはこれを食べたかった。シンプルな中に店の個性が光ると信じているからね。
蓮のサラダ
甘く香り良い手羽先
ベトナム風お好み焼を野菜で巻いたり、ライスペーパーで巻いたり楽しく食べた。
締めはやはり鶏肉のフォーだね。
ベトナムビール333が美味い。
 穏やかな味を醸すこの国に悲惨な戦争があったことが信じられない。映画ペンタゴン・ペーパーズを観た直後だったからなお強く感じられた。しかしそれもつかの間、昨年ベトナムを旅した友人たちとよく食べ、よく飲み、よく笑い、時間があっという間に過ぎていく。チリン堂はそんな店だった。
ベトナムゴハン チリン堂
札幌市中央区南9条西3-1-11 ドエル中島公園 1F
電話 011-839-1121

2018年03月30日(金) |  札幌ディープ 97 北海道ジンギスカン蝦夷屋
 
鎌田 強
 ディープじゃないだろうといわれそうだ。たしかにディープとはいえない。鎌田は転向したのかといわれても仕方がない。しかし、ここのこれはこの日記のタイトルを無視しても掲載する価値があると思う。それがこれだ。
 厚さ1p以上にこだわり。特製だれにつけこんだ名物「なまら厚切りジンギスカン」ジンギスカンの概念が変わるほどのインパクトではないだろうか。しかもジューシーで柔らかい。羊肉独特の香りも少なく食べやすい。焼いた後つけだれで食べるのだが、そのたれはさらさらとしてくどさがない。
 そしてもうひとつ驚いたのが熟成したジンギスカン。熟成肉が流行りの昨今だが、ジンギスカンの熟成は初めてだ。味が凝縮しているのか、かなり濃厚な味わいだった。ビールもいいし赤ワインにも相性がよさそうだ。前にジンギスカンにはシェリーがいいと書いたことがあった気がするが魚介が定番のティオペペと合わせてみたいと思った。逆に少し重めの日本酒もいいはずだ。
 ここのジンギスカンはことさら色がきれいだ。このラムロールなんてまるで貴婦人のようではないか。いちいち、肉の色をながめ、器を愛で、こころ静かに焼き始めたらふと思った。これはもはやジンギスカン道ではないかと。
 わたしが知っているジンギスカンとは明らかに違うジャンルのものだと思う。二月末にオープンした蝦夷屋は店内もオシャレだし、強制排気が強力だから服に匂いが付きにくい。ディープなジンギスカン屋はもちろん大好きだがこういう店を一軒知っておくと便利だ。
北海道ジンギスカン蝦夷屋
札幌市中央区南5条西3丁目北専プラザ1F
電話 011-513-0677

2018年03月05日(月) |  札幌ディープ 96 ピッツェリア ェ タベルナ アッセ
 
鎌田 強
 かつて札幌市民の台所といわれた二条市場界隈は創成川イーストとして開発がすすみ、ディープであるとともに比較的若い料理人たちの情熱であふれている。ASSE(アッセ)もその一つだ。狭いながらもピッツァにかける思いの軸をぶれさせないという意気込みを感じる店だ。しかし、そこはタベルナ。安くて、美味くて、居心地がいい。もうすこし椅子が柔らかいと助かるのだが・・・
 ASSEのオーナーはピッツァ職人の半田太一さん。イタリア料理の人気店オリゾンテの出身だ。だからピッツァが美味い。
たとえばこのメランザーナ。長ナスのスライスとモッツァレラチーズにナスのソース。ランダムに並べられた長ナスが美しい。クリスピータイプのパリパリした生地にもっちりとたチーズ。しっとりとしたナスの食感ははじめての味わいだ。
 メニューは食べたいものばかり。迷ってしまうが半分ずつでも焼いてくれるという。そこで、バジリコの緑、チーズの白とトマトの赤がまるでイタリア国旗の配色になっているマルゲリータ。トマトがフレッシュなのでマルゲリータフレスコと白ワインに合いそうなシラスのビアンケッティ。ハーフ&ハーフなんて嬉しいじゃないか。なんだかうきうきしてしまう。
じつはASSEのおもしろさは酒にもある。もちろんワインも良いのだがASSEでは日本酒だ。半田さんのおじいさんが秋田出身で、そのつながりで秋田でも仕事をしたことがあり、そのときにいろいろな酒蔵と知り合ったという。
ピッツァと秋田の日本酒。この取り合わせはなかなか無い。秋田なまりのイタリア語で叫んでしまおう。ボンノボンノ〜
ピッツェリア ェ タベルナ アッセ
札幌市中央区南2条東1丁目 M’S EASTU
電話 011-211-4565

2018年02月10日(土) |  札幌ディープ96 和み処 ちどり
 
鎌田 強

亀さんと出会ったのは1990年代初めだったと思う。まだまだバブルの余韻があり大型ホテル系列の新ホテルが建設中だった。その建設現場監督が、なんとわたしの実家の隣の家の長男で、秋田県人会で出会い仲良くさせていただいていた。その現場の近くに高級な郷土料理店「くろさわ」があった。なかなか一介のサラリーマンが気軽に行ける店ではなかったが、そこはバブル期のことだ。いろいろあって、何度かおじゃました。

その「くろさわ」にいた亀さんにいろいろ料理のことなど教えてもらった。そのご亀さんは独立し自分の名前を冠した店を開いたが、いまは「和み処ちどり」で腕を振るっている。

亀さんの料理は正真正銘料亭仕込みだ。しかし気取っているわけでなく庶民的な印象だ。料理人の料理からお客様の料理へと考え方を変えたのだという。

例えば油あげの巾着にゆで卵を入れ煮込んだ料理。連れの30代の知人がひとくち食べるなり「これは美味いわ〜」と声にした。

たこまんまはこの時期の珍味。たこの卵巣は少々生臭いが亀さんはお手製の三升漬けをからめて出してくれた。

これだと若い人にも抵抗が無い。

タラ汁に
お刺身

ポテトサラダにはタルタルソース。
考えたことのない組み合わせだ。

そして、酒は国稀の特 別本醸造「千石場所」。わたしは増毛の蔵とここでしか見たことがない。

この辛口は肴のうまみを引き立てる。

カウンターに座れば亀さんと話ができる。料理ことと思い出話は面白い。

料亭の味を居酒屋感覚で・・・あまり懐を気にすることもない。

和み処 ちどり

札幌市中央区南4条西3丁目だ第2グリーンビル6階

電話 011-511-5788



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