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2012年07月21日(土) | ♯202 北海道の酪農を支える草地資源について
>>

2012年07月21日(土) |  ♯202 北海道の酪農を支える草地資源について

森崎
いや~広大な北海道!
 みんな気持ち良いか~~!」

あぐりっこ「気持ちいい~」

森崎「よーしスピードあげるぞ~」

なんと今回のあぐり一行のスタートは
とある場所でのサイクリングです!

見渡す限りどこまでも続くひろ~い大地。
そして真っ直ぐな一本道…
鳥のさえずりが優しくあぐり一行を
出迎えてくれた、この場所とは…

森崎
「あらめてこんにちは~!」

佐々木
「札幌から400キロ離れた
 別海町にやってきました!!」

藤尾「気持ち良いぞ~」

道東の酪農地帯にある別海町。
この町では人口のおよそ7倍もの乳牛
飼育されています。
別海町を含むJA道東あさひエリアは
生乳の生産量、
全国第1位を誇っています。

森崎
「今日、紹介するのは…牧草です!」

藤尾「牧草??」

森崎「みんなアレ??反応は?」

みなさん牛がどんな食事をしているか、
気にしたことありますか?
ミルクの元にもなる牛さんのエサ、
牧草を今日は勉強していきますよ。

さっそくあぐり一行は
橋本明雄さんの牧場にやってきました。

まずは牛さんのエサやりをお手伝いです。

橋本さん
「食べやすいように牛の口が届くところまで
 エサを押してちょうだい!」

牛さんが一日に食べるエサの量は
およそ60キロ
1日2回のエサやりは
とても重要なお仕事なんです。

森崎
「みんなお疲れ様~!」

ここで今回参加のあぐりっこを紹介。

地元別海町から参加のケイタツ。
酪農家の息子ですが
「お手伝いはあまりしない…」とのこと。

同じく釧路から参加したマユ。
酪農業に触れるのは初めてです。

札幌からは初参加のタクトと
体力には自信あり!ユウナです。

では具体的に牛さんのエサを見て行きましょう。

森崎
「目の前に牛の食べる物をのせています。
 今、みんなが牛舎であげた物はどれかな?」

ケイタツ
「よくわかんない…」

橋本さん
「まず1つが<濃厚飼料>
 栄養価の高い穀物を食べやすいように
 加工した物です。
 しかしこれだけでは牛さんの健康や
 体のバランスを整えられません」

橋本さん
「そこで粗飼料(ソシリョウ)という
 <牧草>を与えます。
 これは今は栄養価も高く、
 質も良くなっているので基礎飼料と言ってます。
 これをメインの基礎として足りない部分を
 他の物で補いながら牛に与えてます。
 これがエサの基本中の基本ですね」

藤尾
「(この牧草で出来た基礎飼料は)
 人間で言えば白いごはんみたいな

橋本さん「そうですね!」


2012年07月21日(土) |  牧草も色々…漬物もある!?

粗飼料の牧草にはいろんなタイプがあります。

森崎
「牛さんは牧草をいっぱい食べるんですけど
 牧草地に生えている生のままの牧草
 乾燥させた牧草
 そして発酵させた牧草サイレージなどが
 ありますね」

なかでも橋本さんが
おいしい牛乳づくりのために
一番こだわっているのが「サイレージ」。

橋本さん
「これは牧草を乳酸発酵させた
 牧草の漬物みたいな物です」

森崎
「みんなお漬物だって!」

森崎
「漬物にすると保存も効きますよね。
 干したり漬物にすることで
 冬の間も栄養がとれるんですね。
 サイレージにこだわっているということは…
 漬物名人と考えていいですか?」

橋本さん「その通りだと思います」

橋本さん
“エサが全て”と言っても間違いない!
 このエサでどのくらい牛乳を出すか?
 あるいは健康に体を維持できるか?
 これらのほとんどが決まります」

森崎
「おいしくて牛が好んでガツガツ
 食べられる牧草を育てることが
 重要なんですね」

橋本さん「そうなんですね~」

牧草にも色々あることが分かりました。
ではその牧草をどのように収穫するか
見学しに行きました!

橋本さん
「“自走式ハーベスター”です。
 前日に刈った牧草を裁断して
 運搬用の車に積んでいます」

藤尾「細かく裁断するのは食べやすいように?」

橋本さん「そうです!」

間近で見ると-

藤尾
「でか~い!!」

森崎
「トラックの荷台にメッチャ入ってた!」

細かくなった牧草は
「バンカーサイロ」と呼ばれる所へ
運ばれます。
ここで行うのが
「鎮圧(ちんあつ)」という作業。
重機でなんども踏み、
水分と空気を抜いて圧縮していきます。
こうすることでよ~っく発酵するのです。

そうしてシートをかぶせ密封し、
3か月ほど経つと完成するのです。

このサイレージ作りには、
もうひとつ方法があります。
それは-


2012年07月21日(土) |  牧草は雑草じゃない!作物と同じだ!

森崎「ハハハ良い眺めだなあ~」

藤尾「出た!北のお調子者」

リーダーが特別に立たせてもらっている
この黒いカタマリも
サイレージを作るためのものなんです。

これは「ロールベールサイレージ」というもの。
牧草をカットせずに専用のシートに包んで密封し、
シートの中で発酵させます。
すると水分量が少ないサイレージができるんです。
ちなみに白いものと黒いものがありますが、
出来上がりに違いはないそうです。

※あぐりっこも登りましたよ。
 「ギャラリーコーナー」に写真をアップしてます。

さてこのロールベールサイレージ、大きさは?

橋本さん
「直径は1m50cm。500~600㎏あります。
 これが牛20~30頭の1日分のエサです」

おいしいミルクを出してくれる
牛さんのエサ「サイレージ」作り方を学んだ一行。
続いてはその原料「牧草」について…

藤尾
「そもそも論なんですけど…
 牧草って何なんですか?」

橋本さん
「そこら辺に生えてる草とは違うんですね」

藤尾
「広い野原に生えている雑草ではないんですね?」

橋本さん
「違います!雑草も一部分はありますが
 種をまいて育てていくんです
 

橋本さん
「ここの畑に生えているのは
 イネ科のチモシーと言う品種と
 マメ科のクローバー。
 これを混ぜて植えてあって
 これが基本的な牧草になります。
 作物と何も変わらないんです」
じゃ~ん もんすけです!
どこまでも続く牧草地。
酪農王国北海道を象徴する風景だよね。
このように牛さんがのんびり
草を食べたりするエリアは「放牧地」といいます。

そして牛さんが食べる牧草を栽培している畑は
「採草地」と言います。
衛生面を考えて、牛さんは入れません!

ちなみに、牧草は年に2~3回収穫していて、
この時期に収穫するのは1番草。
栄養価が高いって言われているんだよ。

藤尾
「だけど広いよね~
 奥まで橋本さんの畑だって!」

森崎
「タクトとケイタツ走っておいで!」

すると素直に二人でダッシュ!

藤尾
「ほんましんどいで!」

あまりにも広くて途中で姿が消える二人…

しばらくして無事に戻ってきました。

森崎
「タクト、どうだった?」

タクト「とっても遠かった!」

ケイタツ「すんごい広い!」

続いては牧草を育てるための
「土」について-


2012年07月21日(土) |  牧草の味比べ?違いの分かるリーダー?

土づくりのキーワードが【草地更新】

佐々木「これはどういうコトですか?」

橋本さん
「草地は牛が歩いたり、
 さっきのような大きな機械が走るので
 土が固くなります」 

土が硬くなると水や肥料が
浸透しにくくなります。
さらに牧草の根がしっかり伸びていきません。
そこで、土をおこして空気を含ませます。
こうすることで土が若返り、
牧草が育ちやすい環境になります。

佐々木
「牛のエサの牧草作りもありますが
 その牧草を育てる土作り!
 ここまで考えてやっているんですね」

藤尾
「ボクなんて最初の印象が
 草むらの草を食べていると思っていたので…
 まさか種をまいて、
 わざわざ牛さんの栄養を考えた物を
 育てていることも驚きですし、
 その草がおいしく育つために
 土をおこしている
 その苦労に驚きです」

こうして出来たエサをたっぷり食べて
おいしいミルクが搾れるんですね。

ではみんなで別海の牛乳
「いただきま~す」

タクト「濃厚で美味しい」
マユ「いつも飲んでる牛乳より甘くて美味しい」

森崎
「牛乳のおいしさって
 “草のおいしさ”“土のおいしさ”
 いうのも、あるのかも知れない!」

さてお次はJA道東あさひ営農センターの
畑にやってきました。
一体何が植えられているのか…

JA道東あさひ 白岩恵佳さん
「ここは約40種類の牧草を育ててる畑です

森崎「これで実験するの?」

白岩さん
「食べ物によって嗜好性も違うので
 嗜好性のの良い草はコレですよ!と
 酪農家のみなさんにお伝えしています」

森崎
「今日みんなが学んでいるのは
 チモシーやクローバーなんですけど
 それぞれどういう特徴があるんでしょう?」

白岩さん
食べてみたら分かると思うんですけど
 甘みや栄養価が違います!

森崎「食べるって牛が?」
白岩さん「いえ人間が!かじる程度なんです」

さあココまでくればもちろん
森崎「オレ夢でした!牧草食べてみたいっす」

ということで
まずはイネ科「ペレニアルライグラス」を試食。
森崎「ほんのり甘いです」
他にチモシーも試食すると「柔らかい!」

森崎
「甘みでいうとさっきのほうが甘いですかね?

白岩さん
「牛もさっきの甘い方を喜んで食べてくれます」

藤尾「スゴイ!牧草語ってる~

森崎「牧草ソムリエになるわ」

この試験圃には、
品種の特性などを学ぼうと、
勉強熱心な酪農家たちが
よく訪れているんです。

白岩さん
「私も実際に牧草地に行って
 草をかじってみたりしてます」

藤尾「味を確認するのに…」

白岩さん「甘いなって感じてます!」

平成21年に誕生した 「JA道東あさひ」。
(JA上春別・JA西春別・JAべっかい・JA根室が合併)
このエリアの年間の乳量は37万トン(平成23年度)
なんと全国一位なんです!
さらなる乳量アップ!乳質アップ!のために
「JA道東あさひ」が取り組んでいることは?

JA道東あさひ 営農センター長
小島友喜さん
「サイレージの品質を良くしようということで
 農家に出向きまして作業の状況を確認しながら
 畑に行って刈高(収穫量)がどうなっているか、
 そして草地の3割~4割ぐらいに
 雑草が入っているという調査結果もありまして
 雑草が多いってことは
 おいしくない牧草ということになるので
 草地の改善提案もしています」

牛さんの健康にはエサがとっても重要!
現在は多くのエサが海外から輸入されていますが、
北海道など広い土地のある都府県では、
牧草のほとんどを酪農家さん自ら栽培しています。
安全安心なエサを食べて
おいしい牛乳を出してほしいよね!

2012年07月21日(土) |  苦労を知るとさらに美味しい!

森崎
「おいしいミルク料理をいただきましょう~」

「海鮮工房やっとこさ」小林康之さんに
ミルク料理を作っていただきました。

小林さん
「牛乳豆腐というミルクを固めた豆腐を
 ご飯に混ぜてのり巻きにしましたよ」

牛乳豆腐とは、牛乳を沸かし酢を加え、
豆腐のように固めたもの。
カッテージチーズのような食感で
酪農家の食卓にはよくのぼるメニューなんです。
※作り方は「レシピコーナー」へ。

森崎
「牛乳豆腐って栄養価高いんですよね。
 これを太巻きに入れちゃった!」

さあお味は?

ケイタツ「美味しい!」

マユ「おいしいです!」

あぐりっこも大満足のおいしさ。
太巻きの作り方は「レシピコーナー」に
掲載されていますよ。

橋本さんも試食されて…
「牛乳のコクが残りますね!
 すごいあっさりしていて、美味しいです」

お次はお店の人気メニュー
小林さん
「地元のゴーダチーズを使った
 ソフトナンピザです!」

おいしいチーズもミルクのおかげ!
今日一日、牛さん達のゴハン、
「牧草」について学んで何を思ったかな!?

タクト
「酪農家さんが苦労していることを
 考えて食べると、もっとおいしくなると思った」
マユ
「エサをあげたりして
 大変だということが分かりました」
ユウナ
「頑張って牧草とかを作っていることを
 思い浮かべて食べたら
 おいしく感じるから
 そういうことを学んでから
 食べたほうが良いと思いました」

普段は家のお手伝いをしない。
と言ってた酪農家の息子ケイタツは?

森崎
「改めてお父さんお母さんのやっている
 酪農という仕事をどう思いましたか」

ケイタツ
「搾乳とかしているときは
 スゴク忙しくしているし…
 そういう搾った牛乳を各地に
 乳製品かもしれないけど
 届けたりしているので
 すごくいい仕事だなと思いました!」

橋本さん
「酪農家ってのは
 土・草・牛・働く人と…
 血の通ったものでないと
 本当においしい牛乳は出来ないんです。
 もっともっと美味しい牛乳を提供しようと
 頑張っていますので、
 みんな一生懸命食べてください!」

森崎
「オレは次に土を食べてみたいと思いました!」

橋本さん
「ぜひ食べてみてください!」




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