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2020年10月31日(土) | ♯590 新十津川町 スマート稲作編
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2020年10月31日(土) |  ♯590 新十津川町 スマート稲作編
少子高齢化が進む日本。
農業分野も例外ではなく、生産者が高齢化し、
さらに、就農人口も年々減っています。
その一方で、農家1戸あたりの経営規模は拡大しています。
そこで、限られた労働力で、
より広い面積に作付が出来るよう、
農作業の省力化が、今、強く必要とされています。

今回のあぐり王国北海道ネクストは、
新十津川町で稲作の最新技術に迫ります!
森結有花アナウンサー
「新十津川町にやってきました」

森崎博之リーダー
「新十津川町は米どころ!首を垂れた稲穂!」

森アナ「稲刈りの時期ですよねえ」  
リーダー
「新十津川町で特出すべきは
 うるち米もたくさんあるんですけど
 酒米がチョー有名で道内トップの出荷量!」

森アナ
「新十津川町はそんな米どころですが
 今回は稲刈りをしま~す」

リーダー
「楽しみだなあ。
 年に1回稲刈りしないと肩が錆びちゃうからなあ」

森アナ
「今日はリーダーの登場シーンはないかもしれない…
 私も稲刈りしなくて済むかもしれません」

リーダー「どういうこと?」
森アナ
「今回伺う農場では
 最新の農業技術の実証実験を行っておりまして
 近未来の稲作を見ることができるんです!」

リーダー
「つまりあれですか…【スマート農業】!
 アレやコレを駆使した…なんか…すごいやつだ!
 スマート農業、スマート稲作!
 今回あぐりっこがいないんでね…
 人手が足りないからね…
 まあ今年はしょうがないでしょう」

森アナ
「今回は近未来の稲作、スマート稲作を見に行きましょう」
スマート稲作の開発・実証をしている農園へ-
森アナ「稲刈りの時期はいいですね」

リーダー
「今日は秋晴れで作業が進むんじゃないでしょうか」

ぶおおおおおおー

森アナ
「機械の音が聞こえてきました!
 あちらで操作されている方が白石さんです!」
 
何やら機械とともに現れた、白石学さん。
まずは何を見せてくれるのでしょう。

リーダー「遊んでるんですか?」

白石さん
「一応草刈りしてます!ラジコンの草刈り機で!」

白石さんが手元で操作すると…

ぶおおおお~~ん

リーダー
「すごい!子供でもできるじゃないですか!!」
リーダー「森アナでもできるんですか?」

白石さん「全然できますよ」

リーダー「森アナは無理ですよ…」

白石さん「大丈夫です!手を離せば止まります!」

リーダー「いいんですか?やって…」

白石さん「どうぞ!」

リーダー「ラジコンはやったことあるの?」

森アナ「初めてです!!前右左…」

白石さん「書いてある通りです」
森アナ、人生初のラジコンを操ってみると…

ぶおおおおお~ん

草刈り機が直進しました!

森アナ「曲がったりもできるんですか?」

白石さん「右に(レバーを)倒せば…」
森アナがレバーを倒すと…

ぶおおおおお~ん

右前方へ移動し始めました!!

リーダー「曲がるなって!危ない危ない!」

楽しくなってきた森アナ♪
森アナ「うおおおお~~♪」

リーダー
「バックしながらでも刈れるんですか?」

白石さん「刈れます!取りこぼしを刈ってます」
こんなにスッキリ雑草が刈れています!!

森アナ「楽しい~~」
リーダーもチャレンジ!!

リーダー「GO!!」
リーダー
「これはすごいねえ!便利!ラクですねえ~
 遊び感覚で草を刈れるね」
田んぼの周りの雑草を刈るための、
「ラジコン草刈り機」。
普通の草刈り機と違い、押す力が必要なく、
腰をかがめることもなく、
また、斜面の草を刈ることも出来、
肉体的な負担をおおいに軽くしてくれます。
続いてのスマート稲作技術とは…?
森アナ
「種まきの段階から様々な取り組みが
 行われていきます!まずはこちらですが…?」
白石さん
「これは種のマットを並べているところです」

リーダー
「ハウスの中で育苗する準備をしているところ。
 何か道具みたいなのがありますね…」

森アナ「滑り台みたいな…」

白石さん
「育苗マットを上から流してあげると
 自動というか重みで並べてくれる!!」

リーダー
「ハイテク最新機械とは思えないですが…」
白石さん
「機械を導入する前は全部手で置いて並べていたんです」

リーダー
「この苗床を1個1個(トラックの荷台から持って)置く!」

白石さん「3枚とか持って順番に…」

リーダー「膝を曲げて腰を曲げて…の繰り返し!」
白石さん
「かなり重たい!
 それが腰の高さくらいから流してあげるだけ!」

リーダー「この腰高のテーブルに置くと…」

白石さん「勝手に流れる!!!」
リーダー
「う~~ん!スマート!!納得!!!」
リーダー
「ハイテクを駆使するだけじゃなく
 こういった機械も高齢者や人手不足の作業を
 軽減してくれている!」

森アナ「だいぶ楽になりましたか?」

白石さん
「相当違いますね!!
 いつも腰と背中がパンパンになってたのが
 これだと全然ラク!!」

2020年10月31日(土) |  効果抜群!体力温存&仕事量もアップアップ♪
さて続いては?

白石さん
「これは田んぼをおこした後に
 【代掻(しろか)き】をしています!」

森アナ
「代掻きって田んぼに水を張って 
 その土を細かく砕きながら混ぜ込むことで
 土を慣らしている作業ですよね。
 このトラクターの中ですが…」

リーダー「あっ!誰もいない!!」
白石さん
「これは自動運転ですね!」

リーダー
「出た!無人農業トラクター!!!
 本来であれば人間が運転するんですよ。
 ここに乗って真っすぐ運転して
 またUターンして真っすぐ運転してって
 起こしたり・植えたり・刈ったりするのを
 人が運転すると真っすぐ走るのがすごく大変!
 舗装された道路とは違うんです!」

森アナ「ぬかるんで…」
リーダー
「下はどろどろべちゃべちゃ。
 その中を真っすぐに走るって
 どれだけの集中力と精神力、
 それをこれだけ大きい田んぼですから
 長時間に及ぶんです。
 そしたらね…その日、どんだけしんどいか!!」

白石さん
「やっぱり真っすぐ走るのが大変で…
 長ければ長いほど目印がない!!」

森アナ
「何年もやってらっしゃる生産者さんの方でも
 やっぱり大変な作業なんですね」
リーダー
「それを機械が精密に計算しながら
 まっすぐ走ってくれる!
 自動で全部やってくれる!となれば
 農家さんの負担は軽いですよね!
 その軽い分、体力も温存できるし時間もあるから
 何かできるんですよね」

白石さん
「今回はもう1台のトラクターを自分で運転して
 2台を一人で動かす形でやっています」
 
白石さん
「そうすると倍くらいの仕事量になるかなと思います!」

リーダー「そうですよねえ」

森アナ
「その分、他のことに費やせますからね!」
スマート稲作の開発と実証を行っている、白石農園。
育苗マットを並べる作業の自動化で、
およそ160%の作業効率アップ。
水田を耕す作業で、
無人トラクターと有人トラクターを併用したところ、
およそ150%の作業効率アップ。
田植え作業では、
直進アシスト機能が付いた機械を使用したところ、
使った苗箱の数と作業人数が減り、
労働力とコストの削減につながっています。
水田をスマホで管理!?
さてまだまざ続きますよ!

森アナ
「さて棒に機械がついてますね」

リーダー「何だこれ?これで何が分かるんですか?」

白石さん
「水田の水位と水温が分かります!
 ここのスマートフォンで管理できますので…」

リーダー
「えっ!?それがスゲーや!飛んでくるの?」

白石さん
「スマートフォンに今何センチだとか何度だとか
 流れてきます」

リーダー
「はあああ~~!
 うちのじいちゃん
 東川町で当時田んぼを9枚作ってたんですけど
 田んぼの中に全部温度計を入れて
 何度だってメモしてましたよ。
 1周回ると2Kmくらいかかる…」

森アナ「うわああああ」

リーダー
「それ付き合わされたもん。
 じいちゃん何やってんだよっ!て思いながら
 少年森崎は体験してる!」

森アナ
「その水の管理作業というのが
 米にとってすごく大事!!」
この水田センサーなどを導入して、
水管理作業の時間がトータルで、
およそ35%削減されています。
続いて、さらに驚きの技術が…
ボタン1つで大活躍!もはや相棒のドローン!
リーダー
「あちらに準備されたドローンを使うんですか?」

白石さん
「田植え終わった後もそうですし
 途中もやりますし、収穫前もやります。
 稲の生育をドローンで写真撮影して
 出来の良い所・悪い所を判断しています」
 
森アナ
「ではデモンストレーションをやってもらいましょう」

リーダー
「飛びました~~上がった~!!
 いってらっしゃ~~い!」

リーダー
「今もう撮影しているんですか?」

白石さん「はい!」

上空に向かって変なポーズをとるリーダー

森アナ
「ふざけないでください!!
 記念撮影用じゃないんですよ」
森アナ
「こうハンドルで操作したりしないんですね」

白石さん
「そうですね!
 あらかじめ飛行ルートを設定してあるので
 ボタン1つで!!」

リーダー「プログラミング済みですね!」
白石さんの水田は23ヘクタールの広さで
29区画あります。
ドローンが区画ごとに自動で撮影をして、
データを収集します。
白石さん
「こちらは同じ圃場の写真です。
 ご覧になって分かるように
 色の違いが2019年は
 すごい青い所と赤い所があるんです」
リーダー「この辺りですね」

白石さん「いやこれは家ですね…」

リーダー
「これ家ですか!?
 何か冷え切った家ですね…」

森アナ
「失礼なこと言わないでください!」
白石さん
「温度じゃないんです。
 葉っぱの色を見て表示されるんです!
 赤色はおそらく雑草のエリア」

リーダー
「水田の中にもあきらかに色の違いがあります」

白石さん
「青い(水色)ところは生育が悪い状態です」

リーダー
「その場合はどのような処置をするんですか?」
 
白石さん
「肥料の量を変えたりとかにつなげます」

リーダー「ピンポイントにまく!」

白石さん
「去年のデータを基に春に肥料を与えるんですが
 肥料の量を良い所と悪い所で変えるのを
 自動でやってくれます!」

リーダー「すげーーーーー」
白石さん「それである程度、均一化ができます」

リーダー
「良い田んぼにもなりましたし
 家も少し冷え切りが収まりました!
 真っ青だったのがちょっと穏やかになりました」
白石さん「それである程度、均一化ができます」

リーダー
「良い田んぼにもなりましたし
 家も少し冷え切りが収まりました!
 真っ青だったのがちょっと穏やかになりました」

森アナ
「家族で過ごす時間も増えましたねえ
 スマートですねえ」

リーダー「スマートですねえ」

2020年10月31日(土) |  ここまで来た!収穫しながら味が分かるコンバイン!
さて、スマート稲作の見学も、いよいよ大詰め。
続いては、稲刈りの最新技術を見せて頂きます。
リーダー「これ(コンバイン)も無人??」

白石さん
「無人ではなく人は乗るんですが
 刈り取りをアシストしてくれます!
 旋回だとかもしてくれます。
 それだけではなくて収量と食味も分かる!」

リーダー「食味も分かる??」

白石さん
「刈りながら収量とタンパク値が表示され
 データとして残ります。
 運転席にあるモニターで確認できます」

リーダー「何それ~~!!!」
ということで森アナが、
小型カメラとトランシーバーを使って、
運転席の様子をレポートしてくれます。
リーダー
「森さん、コンバインの乗り心地はどうですか?」

森アナ「サイコウで~す!!」
リーダー
「さあ今コンバインが動きだしました!
 森さんが操縦席に座ってるんです。
 それでも見事に刈ることができるんでしょうか」

森アナ「動きました~~」

リーダー「稲が刈りこまれていきます!」

森アナ
「ただハンドル操作は特にしていないですね!
 目の前にモニターがあって
 タンパク値や水分量が表示されています!」
モニターに表示されるタンパクや収量は、
全体の平均値やピンポイントごとの値などが、
データとして残ります。
リーダー
「まもなく端っこに行きます!
 あ~回ってる!!!」
森アナ
「今何も触ってませ~~ん!
 旋回してま~す!!向きが変わりました!
 何も触らずに向きが変わりました!!」
 
リーダー
「そのまま真っすぐ進む!
 狩り残し…一切ありません!
 この6列を刈った後、
 ここで90度方向転換し…」
リーダー
「こう今進んでます。
 見る限り、一切刈り残しないですね。
 角まで全部…刈り残しナシ!!!」
データ化で翌年への課題も見えてくる!
森アナが操縦席に座っているものの、
運転も稲刈りも自動。
機械が正確な作業で、
ゆめぴりかを収穫してくれました。
ところでタンパク値のデータ化は、何の為なのでしょう。
森アナ
「(タンパク値が)6.8%だったのが
 7.0%や6.2%になったり
 場所によって変わってました!」

リーダー
「ゆめぴりかのタンパク値は 
 どれくらいが望ましいんですか?」

白石さん
「一応6.8%以下が高品位米となります」
リーダー
「全部混ぜちゃって平均とったら
 6.8%上回ります。
 でもこの畑にはタンパク値が
 7.0%という場所があったことを
 ちゃんとメモリーしておけば
 翌年以降に対処できるんですよね?」
白石さん
「悪い所にタンパク値が下がる資材を
 投入することができるようになります」

リーダー
「(スマート農業は)今年の結果と来年に向けての
 課題を残してくれますね!」

白石さん
「農業は人が手を加える部分が少なく
 天気が頼りというところがあるんですが
 少しずつ人がサポートしてあげて
 良い物ができるようになるのは
 すごい画期的だと思います!」

リーダー「そうですね!」
じゃじゃん!もんすけです!
新十津川町のスマート農業は、
マチとJAなど地元の農業団体が連携して、
国から実証実験を誘致したんだって!
どんな目的で始めたのか、
役場の政所(まんどころ)さんに聞いてみたよ!

新十津川町 スマート農業技術 開発・実証プロジェクト
政所 正人さん
「新十津川町の課題は高齢化による農家戸数の減少や
 大規模化による作業負担など…
 その課題を解決するために、
 このスマート農業技術が
 将来必要になると思い取り組みました。
 作業の省力化の効果が大きいというが
 見えてきましたので
 その効果を生産者にお知らせして
 導入していただきたいと思っています。
 またデータに基づく農業ということで
 高品質・良食品米をつくる取り組みを
 広げていきたいと思っています」
新十津川町の新米をいただきましょう♪
森アナ
「さあスマート稲作の結晶!
 新米をいただきましょう!!」

リーダー「最高です!」

森アナ
「白石さんのお母さまと奥様が握って下さいました」
リーダー
「感謝を込めていただきましょう!」

リーダー&森アナ
「いただきま~~す♪」
リーダー
「うわ~うわうわ…うまいっ!!
 あまいっ!!感動するね」
リーダー
「ゆめぴりかの特徴の1つでもある
 噛んでいるとしっかり粘りが出てきて
 それが口の中になが~く旨みを残してくれます」

森アナ「うわ~最高ですね!もっちもち!」
森アナ「あま~い!!!」
リーダー
「ベテランの知識や体験談って大事なんです。
 それともう1つ最先端の技術を持っているのは
 強みですよねえ!!」

白石さん
「そこをうまく融合して
 匠の技をデータでも継承していけるようになれば
 一番いいのかなと思いますね」

リーダー
「新時代の入口を見た気がしました。
 これからも北海道農業を応援していきます!
 よろしくお願いします!!」

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10月24日のクイズ
「今回取材したショウガは、
なんてマチで生産されていたかな~?」

正解は「栗山町」でした。
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