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2012年11月03日(土) | ♯216 道内唯一の黒米品種“きたのむらさき”編
>>

2012年11月03日(土) |  ♯216 道内唯一の黒米品種“きたのむらさき”編

黒く光り輝くお米
「黒米(くろまい)」。

稲作文化発祥の地である
中国や東南アジアから伝来した作物と言われ、
日本では本州を中心に古くから
祝い事などに用いられる神聖な食べ物として
細々と作り継がれてきました。

そんな黒米ですが、
近年改めてその秘められたパワー
注目されているんです。

天使大学看護栄養学部 荒川義人教授
「黒米は栄養成分がいっぱい詰まったお米です」

栄養価にとても優れているお米「黒米」は、
もともと温暖な気候で育つ作物。
寒冷な北海道ではその栽培が困難と言われ、
国内流通のほとんどを
本州産に頼っているのが現状でした。
しか~し!
そんな黒米が
何とココ北の大地
誕生していたんです!

佐々木
「さて今回のあぐり王国は
 “黒米(くろまい)”に注目していきます」

藤尾「黒い…お米??」

森崎
「お米っていうと白いもんだと思ってますが…
 今、話題の黒米ですよね」
 
藤尾「話題になっているんですね~」

ということであぐり一行がやって来たのは
道内屈指の米どころ深川市です。
実は深川市は北海道産の
黒米の発祥の地と言われているんです。

森崎
「ここ深川から道内黒米が始まったんだ!」

ということで今回のあぐり王国は、
北海道唯一の黒米に注目。
そのルーツと魅力に迫りますよ。

まずはいつものあぐりっこ紹介。
初参加はタケル君(小5)ヒナコちゃん(小5)。
そして小学校6年のコウタ君とリネちゃん。
以上の4名で~す!
ところでみんな黒米って知っているかな?
あぐりっこ
「みたことな~い」
「聞いたコトな~い」

リネ「イメージがよくわからない!」

森崎
「そうだよね。みんな聞いたコトも
 見たコトもないお米だよね」

佐々木
「ここ深川市で2001年に“もち米”の新品種
 として誕生した黒米があって、
 その黒米の名前が【きたのむらさき】という
 品種なんです」
 
森崎「むらさきなんだね」
ヒナコ「【きたの“くろ”】 じゃないの?」

森崎「なんでだろう?疑問が出てくるね」
 
~私達が普段食べている白いご飯(お米)は
“うるち米(まい)”と言いますよ~

では【黒米】について簡単にお勉強しましょう。

佐々木
「中国・東南アジアが発祥といわれています。
 また《お赤飯》のルーツといわれています」

森崎「黒米がお赤飯のルーツなんだ」

 

佐々木
「お邪魔している深川市をはじめ、
 北海道のいくつかの市町村で黒米を
 作っているんですが…
 ここ深川市では3軒の生産者さんしか
 作っていないんです」

藤尾
少なっ!米どころやから、もっといっぱい
 作ってると思ったのにな~」

森崎
「発祥の地ですからもっと作っているのかと…
 色々と聞きたいことが増えてきたな」

深川市内で僅か3軒の農家しか栽培していない
黒米「きたのむらさき」。
その秘密を探るため一行は生産者のもとへ…


2012年11月03日(土) |  全てが手作業…黒米に情熱を注ぐ!

お話を伺うのは黒米生産者の
上島孝治(タカシマ・コウジ)さん。
深川市内で“きたのむらさき”を
大切に育てている生産者の一人です。

森崎
「【きたのむらさき】を探し求めに来ましたが
 今はどういう状態でしょうか?」

上島さん
「バインダーで稲刈りを終えて、
 それ(稲)を“はさがけ”している状態。
 そこにあるのが“はさがけ”です」

上島さん
「天日干しをして水分を抜いているんです!」

森崎
「今ではこういうふうにやる農家さんは
 なかなかいないですよね」

では近づいて観察してみると…

藤尾
「遠くから見たら普通の稲とそんなに
 変わらないと思ったんですけど、
 先っぽちょっと黒いですね」

藤尾「濃い茶色というか…」

あぐりっこ「本当だ!」「濃い!」

藤尾
「これ全部【黒米】でしょ?
 はさがけを全部するのに
 どれくらい時間がかかるんですか?」

上島さん「2日ぐらいかかります」
 
機械での乾燥が主流となっている白米とは違い、
全て手作業での乾燥となる黒米。
(機械だと一昼夜、はさがけではおよそ2週間)

ちなみに収穫もコンバインは使わず、
人の手で押しながら刈り取る
「バインダー」という機械を使います。
そしてさらに、
その栽培方法にも特徴があるんです。

上島さん
「黒米は発芽率(はつがりつ)が非常に悪くて
 普通のお米の半分ぐらいしか発芽しないんです。
 田んぼに植える時は、機械で植えるんですけど
 その後、植えられていないところを
 腰を曲げて手で植えるんですよ。
 そこらへんが手間ひまがかかるんです」

森崎「大変だあ」

リネ
「機械を使っても時間とか苦労がかかるんだ」

森崎
「なんか3軒しか農家さんがいないのも
 わかる気がします…」

藤尾
「なんでそこまでして黒米を作るんですか?」

上島さん
「この黒米は拓殖大学の石村先生が研究して
 10年以上かけてつくったお米なんです。
 私も拓殖大学をでてますからね…
 PRの一貫として作っているんです」

じゃ~ん、もんすけです!
深川市が発祥の黒米「きたのむらさき」。
この品種は、市内にキャンパスを構える
拓殖大学北海道短期大学で開発されたんだよ。
開発者の石村名誉教授に
研究開発のきっかけを聞いてみました。

石村櫻名誉教授
「1980年代に中国に行った先生が雲南省で
“お赤飯のルーツと言われているかもしれない”
 という黒米を買ってきたんですよ。
 それで行って来た先生に
 『北海道でこういうのを作ろうよ』と言われて
 私もそうだなって思ったし、
 日本ではお米の品種改良は農業試験場とかしか
 やっていないし、大勢の人が関わっていて
 対抗できないけど、黒米を作るぐらいなら
 コツコツやればできるかな…ということで
 スタートしました」

品種開発は特徴の違うお米の細胞を
組み合わせて
新しい種を作ります。
“きたのむらさき”は、
黒米が誕生したと言われる東南アジアの品種と
日本のもち米品種を組み合わせて
できたお米なんだけど、
海外から100種類以上の黒米を取り寄せたり
開発には10年以上もかかったんだって~
石村先生や大学の地道な努力で
誕生した品種だからこそ、
生産者の人達も大切に育てているんだよ!

2012年11月03日(土) |  風向きに注意せよ…脱穀スタート!

『はさがけ』して水分が十分抜けたら
続いて「脱穀」作業に入ります。

上島さん
「“はさ”から稲を下ろしてきて
 一束ずつ脱穀機に入れます。
 すると別なところから
 “もみ”と“わら”が出てきます」

ということで全員で力を合わせて
初めての脱穀作業に挑戦!

藤尾君が稲を“はさ”から下ろして
佐々木アナ→あぐりっこに手渡し。
最後にリーダーが脱穀機に稲を入れていきます。

さて順調に始まった脱穀作業。

とここで藤尾君から何やらサインが…

藤尾
「タカシマさん!タカシマさん!」

藤尾君、どうやら必死に
「タイム!タイム!(休憩!休憩!)」と
合図を送っていたようです。

藤尾
「タカシマさん!
 なんか…いっぱい…
 粉みたいなのが飛んできます!」

実はみんな風下で作業していたため
埃やもみ殻が飛んできていたのです!

佐々木
「これチョット風向きが悪すぎますね!

森崎
「風下にいるもんだから全部飛んできたね!」

風にも負けず脱穀した結果は-

森崎「“もみ”がこれだけ取れたよ~」

あぐりっこ「すごい~!」

藤尾
「白米の“もみ”より色が濃いですね!」

森崎
「ちょっと粒は小さめですかね?」

上島さん
「そうです。白米と違って粒が小さいんです」

森崎
「白米と比べて苦労が多くて、
 しかも取れたお米の粒が小さい!
 これもまた大変なところですね!」 

脱穀が終わったら、籾摺り(もみすり)。
専用の機械で籾殻(もみがら)を取り除いて
玄米にします。

では“もみすり”機に
“もみ”を入れてみましょう。

森崎
「お~中のローラーが回っているね」

もみがこすれて“もみがら”が取れ
何やら黒っぽくなんてきました。

あぐりっこ
「すご~い」「黒くなってきた~」

もみ殻が取れた黒米をよく見ると-
あぐりっこ
「真っ黒!!」
「こんなお米、初めて見る!」

みんな初めての経験に大興奮です。


2012年11月03日(土) |  みんなひとつになって黒米PR!

もみを取り除いて
やっと見ることのできた【黒米】の姿…

森崎「触ってみる?」

では黒米を触ってみるみましょう。

タケル「スゴイ!なんかしっとりした感じ」

リネ「感触はお米の感触になっている」

森崎
「ということで
 黒米のもみすりが終わりました。
 次は“精米”に入るんですか?」

上島さん
「いえ黒米は精米しないんですよ。
 これが出来上がりなんです」
 
森崎「つまり“磨かない”!

上島さん
「これを精米したら白いお米になるんです

森崎
「これを磨くと…」とツメで引っかいてみると…

タケル「黒いの取れた!」

表面の黒いのが出れてきました。

コウタ
「精米したらこうなるんだ…」

佐々木
「みんなが食べている白いご飯は
 もみすりをして玄米になって
 その玄米を精米して真っ白くなっている。
 だけど黒米は精米せずにこのままで終了!」

黒米が精米をしちゃいけないのは、
みんな知ってたかな~?
白米と違って黒米は、
「種皮」と呼ばれる外側の黒い皮で覆われた
玄米の状態で食べるんだけど、
その黒い部分にたっぷり栄養が
詰まっているんだって~

天使大学 看護栄養学部 荒川義人教授
「黒米は中のほうはデンプンで、
 白いお米と変わらないんですけど、
 外側に黒い“アントシアニン”という
 色素を持っている(ポリフェノールの一種)
 その他にビタミンB1・B2・ナイアシン、
 植物繊維などいっぱい含んでいて
 普通のお米に比べて栄養成分が
 タップリ入ったお米なんですね」

栄養たっぷりの黒米!
生産者達が手間ひまをかけて育てるのも、
納得しちゃうな~

森崎
「とにかく大変ですね!
 大変だからみんながみんな、
 出来ることでは無いと思います。
 大変なのに黒米を作り続ける理由は何ですか」

上島さん
「お客さんが“おいしいな”って言ってくれる
 そういうポイントが
 忘れられなくて…作る…。
 おいしいわって言ってくれたら、
 苦労も少し飛んでしまうというか…」

森崎
「ここまでお話聞いたら…食べてみたいね!
 食べに行こうか!よし行こう~!」

深川市で生まれた
北海道の新たな特産品「きたのむらさき」。
ごくわずかな生産量の貴重なお米だけど、
深川市ではその普及に向けた幅広い取り組みを
地域一丸となって行っています。
深川市経済・地域振興部 黄倉利昌さん
「『ふかがわ地域資源活用会議』という
 市民の皆さんで作る団体で、
 黒米サンプルを配布したり
 学校給食で出していただいたりしています。
 また商業者の方と協力して 
 商品化をしていただいてります」

深川市内の飲食店では黒米を使った
様々なメニューが開発されています。
黒米の粉を麺に練り込んだ、
モチモチ食感が特徴の“黒米ラーメン”。

そして黒米の粉と小麦粉を合わせたパンで
ジューシーなお肉を挟んだ“黒米バーガー”。

その他にも100品を超える
様々な商品が開発されています。
この“黒米プロジェクト”は、
北海道ならではの新しい特産品を
育てていこうという取り組み、
“食クラスター連携協議体”とも連携していて、
まさに“黒米の町”として
深川が注目されているんだよ。

深川市経済・地域振興部 黄倉利昌さん
「市としても生産者さんのみなさんや
 事業者のみなさん、市民のみなさん、
 大学と共同して、今後も全道・全国に
 広く普及できるように頑張っていきたいです」

幅広い活躍が期待できる深川の黒米!
今後が楽しみだね~


2012年11月03日(土) |  初めての黒米試食♪おいしい~!

佐々木
「それでは黒米の美味しい炊き方を
 教えてもらいましょう~」 「イエーイ」

藤尾
「イヤイヤ…
 同じお米なので白米と同じように炊けば
 おいしく炊けるでしょう?」

佐々木
「違うんですっ!」

ということで黒米の美味しい炊き方を
“あぐり工房まあぶ”で
料理インストラクターを務める
高橋真弓さんに教えて頂きます。

今回はあぐりっこにも
手伝ってもらいました。

※詳しい内容はレシピコーナーへ!
黒米の炊き方以外に「洋風ごはん」なども
掲載されていますよ。

さあ黒米ごはんが炊けましたよ~

「お~すごい」

あぐりっこ
むらさき色になっている~」
「すごい~」

さてそのお味は…

森崎
粘りがすごくて甘みがありますね」

タケル
「もちもちして美味しい!

森崎
「ご飯だけなのにバクバクいけちゃうね」

そしてもう一品の
洋風黒米ご飯も頂いちゃいます!

あぐりっこ、みんな同時に…
「いいにおい!」

森崎「いい顔するな~みんな」

さあ一口たべて…
タケル「美味しい!」
リネ「バターとコンソメ合う!」

もうみんな大絶賛!

藤尾「チョーうまい!」

今日1日黒米を学んだ感想は?

リネ
「生産者の人がすごい苦労して、
 そのお米だからこそ、色んなものとも合うし
 すっごく美味しかったです!」

タケル
「手作業でたくさん手間ひま時間をかけて
 やっていたから、
 最後に食べる時はすごく美味しかった!」
 
多くの人たちの情熱あふれる黒米。
あぐりっこの心にもズッシリ届いたようです。

みなさんもぜひ黒米チャレンジして下さいね!




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