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2013年03月16日(土) | ♯234 JA伊達市 震災から2年目の復興の姿編
>>

2013年03月16日(土) |  ♯234 JA伊達市 震災から2年目の復興の姿編

今回あぐり一行が訪れているのは、
北の湘南とも言われる「伊達市」の物産館。
店内には町の特産品が所狭しと並んでいます。

なかでも今回取り上げるのは…イチゴ。
しかし、ただのイチゴではなく-

佐々木
「東日本大震災で津波の被害を受けた
 宮城県亘理町の皆さんが
 姉妹都市である伊達市に移り住んで
 この土地で作った“イチゴ”が並んでいます」

森崎
「ここに飾ってある皆さんの写真、
 懐かしいねえ~」
 
あぐり王国では去年、海を越えて
北海道の伊達市でイチゴ栽培を始めた
生産者を取材しました。
気候や栽培方法の違いに
戸惑いを隠せない皆さんでしたが
あれから一年、
新しい一歩を踏み出したというのです。

そこで…

河野
「これから皆さんに会いに行くんですね!」

佐々木「1年ぶりです」

森崎「再会ですね。嬉しいですね!」

北海道に移住し伊達市でイチゴ栽培に
奮闘する生産者さんたち。

「伊達市をイチゴの産地に!」

今回は生産者さんが踏み出した
一歩を紹介します。

ロケ地
■道の駅だて歴史の杜 伊達市観光物産館
住所:伊達市松ヶ枝町34-1

今回のあぐりっこは、
宮城県亘理町編の放送回にも
参加してくれたタクヤ君。

一年前の伊達市のイチゴの回に
参加してくれたレン君。

そして宮城県亘理町の回と
1年前の伊達の回の両方に参加してくれた 
ワカナちゃんの3名です。

1年前に訪れたイチゴハウスの前で
待ち合わせ…すると遠くに皆さんの姿が!

佐々木「お久しぶりで~す」

森崎「お久しぶり!1年ぶりです~

走るあぐり一行。

森崎「お久しぶりです~」

生産者さん「こんにちは~」

温かく迎えてくれた皆さんに、
ちょっとした変化が…

森崎
「お久しぶりなんて挨拶しましたが
 初めてお会いする方も 
 いらっしゃいますね…」

 

佐藤長市さん
「人恋しくなったんだか…あの…
 追っかけてきました!

そうです!佐藤さんの奥様の恵里子さんが
去年4月から伊達市に移住
されてきたのです。

森崎「北海道の印象は?」

恵里子さん「雪が毎日降るんで…(驚)」
 
森崎
「今年は雪がスゴイですねって
 去年も言いました(笑)」

そして鈴木秋衛(あきえ)さんの奥さん、
和子さんは去年6月に伊達市に移住。
離れ離れだった期間は約1年でした。

和子さん
「何より2人でいるのが一番楽しいです!」

森崎「あら~~ヒューヒュー♪

秋衛さん「オレは憂鬱だ!」

森崎「またあ~」

照れ屋の秋衛さん特有のごまかし術。
でもとっても良い顔してますよっ♪


2013年03月16日(土) |  営農スタート!伊達にイチゴを根付かせる…

宮城県亘理町のイチゴ生産者が
伊達市に移住する決意をしたのは、
2011年3月11日
「東日本大震災」がきっかけでした。
冬場、北海道で消費されるイチゴの
およそ60%を担ってきた亘理町を
大きな津波が襲ったのです。

そしてイチゴ生産者のほとんどが
生活の糧を失いました。

そこで復興の兆しがまだ見えなかった
その年の5月。
亘理町と姉妹都市だった伊達市
亘理町のイチゴ生産者に
伊達市への移住を提案-

将来的には「伊達市をイチゴ産地にする」
という構想を掲げ、亘理町で培った
栽培技術を普及してもらいたい…
そしてなによりイチゴ生産者としての
生活を送ってもらいたい…
ということからでした。

森崎
「実は先日、亘理町に行ってきました。
 まさに津波を被った場所にもお邪魔しまして
 かなり塩の被害があったという事でしたが
 少しずつですが復興してきて
 イチゴが育っている…
 そのイチゴが北海道のスーパーにも
 並びだしているという事を取材しました」

ワカナちゃん
「(海の)塩がいっぱいあって
 除塩するにも時間がかかるし
 大変だなって事がすごくわかった

佐々木
「改めて現場にいくと、この先もっと
 時間のかかるものなのかなって感じましたが
 その中で砂地を利用したイチゴ栽培を
 やっていこう!という生産者さんもいらして
 勇気をもらいましたね」

森崎
「あの砂地で農産物が育っているのを
 僕も農業番組5年近くやっているんですけど
 初めて見て印象的でした!

秋衛さん「勉強不足!」

森崎
「勉強不足??秋衛さん!
 一言も二言も余計だよ~

みんなでお腹を抱えて大笑い!

佐々木
「さてみなさんは新しいことを
 スタートしていると聞いたのですが…」

佐藤さん
「今月いっぱいで私達はここを独立して
 自分達のハウス“すずあかね”という
 夏採りのイチゴ栽培を再開します」

佐藤さんたちは伊達市に移住してから
試験栽培用のハウスで、
伊達市の気候に合う品種を見つけるための
テスト栽培を行うなど、
本格生産に向けての準備を
みんなで行っていました。

そして今年の4月からは
生産者ごとのハウス
でイチゴを栽培し、
自分たちが育てたイチゴで
生計を立てていくことになるのです。

佐々木「この1年間どうでしたか?」

小野彰吾さん
「あまりにも忙しすぎて
 記憶が飛んでいるんです!夏場の!

佐々木
「そんなに忙しかったんですか?」

雪が降り積もる中でのハウスの設立作業、
イチゴの収穫サイクルの違いや
病気などのトラブル…
亘理町とは全く違う環境で
数々の試練が襲いかかる中、
それでも伊達市に残り
生産者としての道を歩む事にしたのには
理由(ワケ)がありました…
小野さん
「メーカーからのサポートや
 選果場や出荷場のサポートがあって
 今まで教えてもらったし
 やはり伊達市にイチゴを
 根付かせていこう
 という気持ちです!」 

鈴木博之さん
「触ったことのない品種を育てて
 自分の営農にむけてのシュミレーションが
 しっかりできたので
 ありがたい環境だと思います」

奥様の志野さん
「復興が終わったから“帰ろう”というのは
 簡単だと思うんですが、
 その気持ちだけだと
 亘理町で『行っておいで』って
 言って下さった方にも、
 それから伊達市で迎え入れて下さった
 皆様にも本当に申し訳ないんじゃないか
 と思うんです。
 頑張ってきた時間があるので
 その成果を出せるように
 まずはここでしっかり頑張ると考えてます」

秋衛さん
「プレッシャーなんて全然感じてないよ!
 必ずいい物ができる自信があるから!

森崎「でかいっすね!」
河野「力強い!」


2013年03月16日(土) |  営農ハウスでお手伝い♪ベット作り挑戦

続いてお邪魔したのは今年の4月から
皆さんがそれぞれ経営をしていく営農ハウス。
各世帯それぞれ3棟から8棟のハウスを
管理することになります。

森崎「新しいハウスですよね」

丸子裕人さん「出来立てホカホカです」

森崎「まるで新居のよう!」

これがこイチゴを栽培する高設栽培の
土が入ってない状態です。

丸子さん
「このパイプ(赤)が培地暖房の管です。
 水を温めてそれを通します。
 そして培地を温めたら戻ってきます(青)
 
森崎
「ここに全部土をいれるんだよ~」

ピートモスを高設栽培のベッドに
入れるのですが、
重要なポイントがあるのです。

丸子さん
「モコモコしているので手でならします。
 押したら分かるですけど、
 土って均一じゃないんですよね。
 なので端っことか土を補充してならす!」

丸子さん
「去年あまり補充とかしなかったんです。
 そうすると生育にムラが出たり
 水の流れが良くなかったので、 
 それをふまえた上で自分のハウスで
 やってみようと思います」

ではここで-
チームに分かれてお手伝い~~!

イチゴの苗がすくすく育つベッドを作ろう。
スピードではなく、
いかにいいベッドを作れたかが勝負!
判定は丸子さんご夫婦にお願いしま~す。

リーダーチームと河野チームに分かれて
まずは重たいピートモスをベットに入れます。
たったコレだけでも大仕事…どうなるかな?

じゃ~ん もんすけです!
丸子さんたちイチゴ生産者は、
今年の2月26日に「いちご部会」を発足。
4月からは「いちご部会」のイチゴとして
共同販売していくんだって!
さらに…

JA伊達市 佐々木康行さん
「“野菜集出荷貯蔵施設”の中に
 新たにイチゴの棟を建てまして
 重量選果機”や“冷蔵庫”を整備して
 そこで共同選果をやろうと思ってます。
 選果は労力がかかるので農協が引き受けて
 生産に集中してもらうことです!」
 
皆さんが販売するいちごは
伊達いちごってネーミング!早く食べたいな~

あぐりっこは作業を続行中。
いよいよ終盤にさしかかりました!

丸子さん
「もともと(ピートモスは)フワフワなので
 もっと圧縮してもらわないと…」

森崎「なるほどね…」

あぐりっこ、真剣にベットを作ります。

さて作業終了~~!
各チームのベットをみてみましょう。

まずコチラがワカナ・タクヤのベットです。
出来栄えは?

タクヤ「大丈夫だと思います」

佐々木「リーダーのアドバイスはどう?」

ワカナ
「人生のアドバイスをされて
 イチゴのアドバイスが無かった!

そうなんです!振り返ってみると-

森崎
「1つの事に絞るにはまだ若い!」
「見たもの触れたもの全てチャレンジ!」

あれれ~大丈夫かなあ?

こちらは河野チーム。レン君が作りました。

レン「台形にするのがいいって…あっ! 」

河野
言ったらアカン!
 それコッソリ教えてもらったん…
 間違いなく、勝ちました!」

では丸子さんにジャッジしてもらいましょう。
土の入れ方が良いのは~?


2013年03月16日(土) |  イチゴを食べ比べ♪

丸子さん
「こちらで!(リーダーチーム)」

リーダーチーム「やった~~!」

丸子さん
「(リーダーチーム)
 土量が足りないぐらいなんです。
 (河野チームは)
 もう少し土を押してほしかったかな!」

ということでリーダーチームの勝ち!
しかし両チームとも真剣に取り組んでくれた
ということで、
丸子さんが別なハウスに案内してくれました。

森崎「じゃ~~ん」

ハウスの扉を開くと…
真っ赤なイチゴがズラリ! 

あぐりっこ「うわ~~!」

丸子さん
「こちらのイチゴを食べてもらおうと思って」

ワカナ「すっごく嬉しい!」

丸子さん
「丸い果実の“さがほのか”、
 少し細長い“あきひめ”の2種類を
 食べ比べてみてください!」

完熟の“さがほのか”を収穫。
ハサミで丁寧に収穫しました。

レン「美味しい!」

ワカナ「おいしい!甘い」

森崎「甘い!ジュースタップリ」

お次は“あきひめ”を試食。

タクヤ「さっきよりジューシー!」

丸子さん
「道の駅で販売するときは
 みなんさんこれが美味しいって言って
 買っていく方が多いですね」

森崎
甘みと酸味が両立しているので
 次々食べちゃいたい!」

森崎
「では改めて…試験栽培期間が終わって
 4月から営農が始まります。想いは?」

丸子さん
「これから独立して自分で経営して
 いかなきゃいけないので
 “頑張るぞ”という強い気持ちではいますが
 不安材料も無くなった訳ではないので
 手放しに喜べないんですけど、
 その不安材料は亘理から一緒に来た方や
 伊達の農家さんの栽培技術を聞きながら
 一緒にやっていければと思います

奥様
「新しいことをいっぱい吸収して
 毎日楽しく頑張っていきたいと思います
 
今年の4月以降、いちご部会の皆さんは
自らの経営と新規就農者や
試験栽培ハウスのアドバイザーとして
生活をしていくことに…
伊達市で実ったイチゴは、
市内の物産館で販売されている他、
道内の菓子店でも使われています。

そして市内のお店でも
あるものに変身しているんです!

とココで美味しい物には目がない河野くんだけ、
あま~い香りのする場所…

河野「美味しい臭いする…ハハハハ」

河野くんが匂いを嗅ぎつけてやってきたのは、
伊達市内にあるパン屋さん。

河野
「おいしそうなパンいっぱいありますよ」

河野
「スゴイ!見渡す限りイチゴになってる!」

パンの店コスモス 篠原雅之さん
「商工会議所から試験栽培のイチゴを使った
 商品開発をしてみないかと話をいただいて
 2月から伊達市民のみなさんに提供してます」

さてこのパン、どうなるのかな?

■パンの店 コスモス
住所:伊達市松ヶ枝町59-4


2013年03月16日(土) |  日本の農業のたくましさ知る…

佐々木
「亘理町の名物をいちご部会の奥様に
 作っていただきました」

教えてくださったのは
佐藤恵里子さんと鈴木和子さんです。

恵里子さん
「これは“ほっきめし”です。
 お店でもたべますけど味が違うので
 各家庭でもたべますね」

今回は宮城県亘理町のご当地メニュー
「ほっきめし」を北海道の食材で
作っていただきました!

※詳しい内容はレシピコーアをご覧ください。

さてお味は?
レン「美味しい!」

ワカナ「おかわり何杯でも出来そう

ポイントはホッキ貝をさばく時に出る汁も使い
だし汁を作ること。
ご飯ひと粒ひと粒にホッキ貝の旨みが
染み込んでいます。

とココで河野君が「デザート」を持って登場!

あぐりっこ「すご~い」

目の前には先ほどのイチゴパン!

河野
「試験栽培で作ったイチゴを使って
 この商品を作っているんです!」

篠原さん
「全部で10種類あるんですが
 今回は厳選して持ってきました」

※期間限定のため販売終了商品もあります。

ではみんなで頂いちゃいましょう!

タクヤ「おいしい~」
ワカナ「おいしい!」

二人が食べているのはお店の一番人気
シュークリーム!
まとめ買いするお客さんも多いんだとか!

恵里子さん
しょっちゅう買いにいってるんです!
 私達のイチゴだな~
 食べるのもったいないなあ~(笑)」

東日本大震災をきっかけに
苦渋の選択を余儀なくされた
亘理町のイチゴ生産者たち。

それぞれの道を歩み始めた生産者を
取材して思ったこととは-

河野
「亘理町でいちご団地が始まるのと
 伊達でも始まる風景…
 同じ風景が見れて嬉しいなあと思いました」

森崎
北海道に残る!
 ここでイチゴを育てていくからって
 伊達市の皆さんに恩返ししていくんだって
 その言葉とかすごく響きましたね」

ワカナ
「不安もあったかもしれないけど
 今こうやって『イチゴ作りをしよう』
 意気込みを持って北海道で頑張って
 くれていることがスッゴク嬉しかったし
 それに宮城県にいてもあきらめずに
 “いちご団地”で頑張っていこうって
 気持ちを持っていた人もいたから、
 すごい頑張ってほしいと思った!」

産地を復興させることも、
産地を作り出すことも、
とても大変なことですが
一歩一歩、確実に進んでいる様子。

そこで頑張る生産者の姿に
日本の農業のたくましさを感じました。




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