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2017年11月11日(土) | ♯451 札幌の高校生が酪農ヘルパーを体験編
>>

2017年11月11日(土) |  ♯451 札幌の高校生が酪農ヘルパーを体験編
酪農の作業は、1年365日を通じて、
休みなく続きます。
相手は、生き物。
毎日、情を持って向き合い、育て、
健康を管理して、生乳を搾る。
酪農家の気を抜けない毎日があって、
私たちの食卓に、
美味しい牛乳や乳製品が届くのです。
そう毎日。
今回のあぐり王国ネクストは、
そんな酪農にまつわるお話です。
札幌市南区にある、
札幌新陽(しんよう)高校。

そしてこちらは、
何やら怪しい動きを見せている、
我らが森崎博之さん。

ん?今回、酪農の話のはずなんですけど…
リーダーは一体何を?

森崎「あ、こんにちは~」

生徒「こんにちは~」

リーダー
「あぐり王国です!
 みなさんは“アグリクラブ”?
 似てるな」

アグリクラブとは新陽高校の部活動の一つ。
農作物の栽培から、その加工や販売、
はたまた、農業を通じて、
食や環境について学ぶなど、
とてもユニークかつ、
有意義な活動を行っています。
そんなアグリクラブで、
ある特別な体験をしてきた生徒がいるそうで…

リーダー「特別な体験してきたのは?」

1年 関陽菜(ハルナ)さん「はい!」

1年 湊陽愛(ヒア)さん「はい!」

リーダー「何してきたの?」

ハルナさん
「酪農ヘルパーの仕事を体験させて
 もらいました」

酪農ヘルパーとは、
毎日の作業で休みが取れない酪農家に代わって
牛の世話をする、酪農家の大切なパートナー。
酪農家が定期的に休みを取り、
肉体的・精神的にゆとりをもてるようにと、
酪農業界にとって欠かせない存在なのです。

酪農家
「(酪農家は)基本的に休みがないので
 家族旅行や様々な行事の時に
 酪農ヘルパーさんに来てもらうが
 いないと困る存在です」

関さん
「二泊三日の酪農ヘルパーのインターンシップで
 私たちが学んだことを発表します」

パチパチパチ…

この日アグリクラブでは、
酪農ヘルパーを体験してきた2人による、
報告会が行われています。
新陽高校としては、
どのようなことを学んでほしくて、
今回の研修を実施したのでしょうか。
校長先生にお話しを伺いました。

札幌新陽高等学校 校長 荒井優(ゆたか)さん
「アグリクラブで普段は農業をしている生徒達に
 今回は酪農ヘルパーを体験。
 農業も酪農も一次産業として命がある。
 それを直接触りながら
 人がいただいていく所までを考えてほしい。
 農業も酪農も同じく生産者の方がいることに
 ふれて学んでほしいと思いました」
「札幌の都会の女の子たちなので
 どこまで頑張れるか不安はありましたが…
 でも帰ってきたら目が輝いていたので
 すごく良い体験だったのかと思います。
 今後も学校として応援していきたいです」

森崎
「二人は素晴らしい体験をしたと思う。
 こうしたことをアグリクラブのみんなに
 そして他の高校のみんな、家族にも
 伝えてあげてください。
 素晴らしい報告でした」

都会に暮らす10代の女子高生たち。
酪農家を支える酪農ヘルパーの仕事を通して
彼女たちは何を学び、何を感じたのか?
酪農ヘルパーとして過ごした
二泊三日の貴重な体験に密着しました。


2017年11月11日(土) |  年々高まる酪農ヘルパーの需要
北海道東部にある酪農が盛んな町、中標津町。
ここに、日本で最大の酪農ヘルパー団体が
あります。有限会社ファム・エイ。

ファム・エイでは、
およそ500戸の酪農家を対象にヘルパーを派遣。
酪農王国北海道の中でも、
屈指の酪農地帯である道東において、
縁の下の力持ちとして、
生乳の安定生産を支えています。

現在、酪農家の高齢化や後継者不足に伴い、
酪農ヘルパーの需要は増すばかり…。
同時に酪農ヘルパーの担い手も
不足してきています。

フェム・エイ 代表取締役 廣木聖隆さん
「酪農ヘルパーの認知度がまだ足りないので
 インターンシップを通して、
 酪農ヘルパーをしっていただこうと」
そのインターンシップ制度を利用して、
新陽高校の2人が研修を受けます。

今回、彼女たちの指導をしてくれるのは、
その道15年のベテラン酪農ヘルパー、
猪俣勇(いのまた・いさむ)さん。

猪俣さん
酪農ってこういうものなんだと知って欲しいし
 酪農ヘルパーという職業があることも
 知ってもらいたいし…

 そういう意味でインターンに来た子たちが
 発信源になってくれたらと思います」

9月16日、午後1時。中標津空港。
札幌から関さんと湊さんがやってきます。

迎えるのは猪俣さんと、
猪俣さんの先輩、剱持(けんもつ)康一さん。

釼持さん
「関さんと湊さん?
 はじめましてファム・エイです。 
 宜しくお願いします。では早速移動します」

釼持さん
「中標津に来たらやってみたいことは
 考えてた?」

湊さん
ソフトクリームが食べたいなあって(笑)
 おいしそう♪」

釼持さん「ソフトクリームは食べましょう!」
湊さん
やったー!うれしい!!」

2017年11月11日(土) |  酪農ヘルパーって何だろう?

ファム・エイに到着しました。

釼持さん「今日からインターンで来ました」

関さん 湊さん「宜しくお願いします」

釼持さん
「今日は一緒に入る2人を紹介します」

藤本健佑さん 鈴木佑香さん
「宜しくお願いします」

釼持さん
「2人には普段の仕事についていってもらいます」

猪俣さん
「佑香!ソフトクリームはどこがおススメ?」

鈴木さん
「一番おいしいのは(札幌の)八紘学園!
 今までで一番おいしかった!」

湊さん
「家に近くて毎週のように行ってます。
 めっちゃ美味しいです」

猪俣さん
「彼女は八紘学園を卒業して
 この会社に就職したんです」

湊さん「へええ~かっこいい!」

この日は酪農現場へは行かず、
翌日から行う作業や酪農ヘルパーについての、
説明が行われます。
釼持さん
「(酪農家も)休みをとって出かけたいけど
 仕事があるので抜けられないですよね。
 そういう時にどうするのかって時に
 必要になるのが酪農ヘルパーという仕事です」

釼持さん「朝早いよ大丈夫?」

湊さん「がんばります…」

釼持さん
「もし起きてこなかったら置いて行くからね

湊さん 関さん「えええ~」

釼持さん
「厳しく聞こえるかもしれないど
 お客さん(酪農家)が待っているので
 そこはしっかり時間を厳守してほしいです」

(リーダー)
さすがにちょっと緊張しているみたいだね…
ひとまずは、この研修の序の口、
オリエンテーションが終わりました。

まだ始まったばかりだけど、
今どんな気持ちかな?

関さん「緊張します…」

いや~そうだよね。
何もかもが初めてだもんね。

湊さん
「ちょっと緊張するけど、すごい楽しみです

わかるなあ~その気持ち。
ワクワクドキドキな感じがするよね。
ほかにも何か思ったかな?

関さん
「陽愛ソフトクリーム食べたかったの?」

湊さん
「うん!めっちゃソフトクリーム好きだもん。
 絶対おいしいじゃん!
中中標津のソフトクリーム」

そ、ソフトクリームかぁ~!
緊張しながらも、ある意味頼もしいね。


2017年11月11日(土) |  ありがとう…この一言につきる

そんな2人を、先輩酪農ヘルパーたちが、
ある場所に連れて行ってくれました。
中標津の人気観光スポット、
開陽台(かいようだい)展望館です。

関さん「めっちゃキレイ!すごい」

そこから望むのは、見渡す限りの大パノラマ。
気持ちがいいね~!

湊さん「いただきま~す」

でたあ!
ここのソフトクリームが絶品なんだって!

~ずっと食べたかった中標津のソフトクリーム!
 とっても甘くておいしかった!~湊陽愛

夜、剱持さんと猪俣さんが、
2人に酪農ヘルパーの魅力を語ってくれました。

猪俣さん
「酪農ヘルパーとして出向いていって
 酪農家の代わりに仕事をして
 終った時にすごく感謝されるの。
 『ありがとう』って。
 その言葉が一番やる気に繋がる」

よし!研修を終える時には、
酪農家さんに「ありがとう!」って
言ってもらえるよう、
是非がんばろうではないか!
(森アナウンサー)
9月17日、朝5時。
2人の酪農体験が始まりました。

湊さん「陽菜~!5時だよ~」

関さん「う~~ん」

湊さん「5時だよおお!起きろっ!」

「おはようございます…」

5時半に猪俣さんが迎えに来て、
農場へと向かいます。

猪俣さん「よく眠れた?」

湊さん
「寝れました…
 でもめっちゃ眠いです!」


2017年11月11日(土) |  命と向き合う!

着いて早速、酪農家、そして牛との対面です!

「うわ~でかいっ!」「おはようございます」

「宜しくお願いします」

酪農家 藤田晋さん
「初めまして。宜しくお願いします。
 どこから来たんですか?」

「札幌から来ました」

この農場のオーナー、藤田晋(しん)さん。
両親と妻との4人で、子牛まで含めて、
およそ290頭の牛を飼育しています。
藤田さん
「今回は両親が旅行でいないので
 酪農ヘルパーの2人に入ってもらって
 空いてるところで僕が仕事をする感じです」
年間で、延べ30日ほど、
酪農ヘルパーを利用しているという藤田さん。
今回は実際にヘルパーとして農場に入っている、
藤本さんと鈴木さんの仕事場にお邪魔する形で、
研修が行われます。
湊さん「でかい…めちゃ怖い!」
酪農ヘルパーの仕事は、大まかに言うと、
牛舎の掃除、搾乳、餌やミルクの世話、
これを午前と午後、2回に分けて行います。

関さんと湊さんの、酪農体験が始まりました。

■牛舎清掃■

~臭いがとてもキツイし、牛も怖くて
 想像以上に大変でした~湊陽愛

■搾乳■

~あまりにも牛が大きすぎて放心状態になった。
 牛さんも緊張したよね…~関陽菜

■哺育・育成■

鈴木さん
「こっち側に指を入れて…」

~子牛が小さくてめちゃくちゃ癒された!~
関陽菜

 
指をチュパチュパ吸われて…
湊さん「うわ~あったかい♪」

こちらは子牛に与えるミルクを配合中の鈴木さん。
何やら、壁に貼ってある紙を気にしながら
作業しています。一体何が書いてあるのでしょう。

鈴木さん
「上からみた牛舎の絵になっていて
 どの子牛にどのミルクをあげるのか、
 育成だったらどの牛に
 どの(エサの)配合だったりだとか
 サイレージはあげるのか?
 細かいところまで書いてあります」

酪農ヘルパーの仕事は、
単に作業を行うだけではありません。
藤田さんの農場では、藤田さんのやり方で、
ほかの酪農家の農場では、そこのやり方で…
というように、酪農家それぞれの作業手順を
守ることが大切です。

そのために、酪農ヘルパーにとっては
お客さんにあたる酪農家と、
蜜にコミュニケーションをとりながら、
仕事を進めていきます。

牛と向き合う前に人と向き合う、
酪農ヘルパーとはそんな仕事なのです。

~先輩ヘルパーさんは動きがテキパキしていて
 かっこよく、とても憧れた~関陽菜


2017年11月11日(土) |  テキパキ先輩を見習って…
(リーダー)
さて午前の作業を終えた関さんと湊さん。
下宿先に戻って、ちょっと遅め…というか、
かなり遅い朝ごはんです。

「いただきま~す」

たっぷり働いた後の朝ごはん。
感想を一言!

「すごい美味しい」「めっちゃ美味しい!」

午後もまだまだ仕事があるからね。
心置きなくがっついちゃってください!

午後4時30分。
夕方から夜にかけて再び作業が始まります。

午後5時

~昼寝をたくさんしたのに
 ねむくなってしまった。
 とてもおなかがすいた~湊陽愛

午後6時
子牛にミルクをあげ…

午後7時
牛のエサやり…

午後7時15分作業終了

午後10時30分

湊さん
「朝から搾乳体験とか色々な作業があって
 すごい疲れて…明日も朝早いので…
もう寝るか!」

翌日、天気はあいにくの雨。

朝5時に起きた関さんと湊さんは、
牛舎の掃除など、前日同様の作業を行います。

~本来は子牛が飲む牛乳を飲むために 
 搾乳している。命をいただいてると感じた~湊

この研修は3日目の午前の作業をもって
終了となります。
先輩ヘルパーの指導のもと、
2人は眠気と疲れと闘いつつ、
なんとか研修の全行程を終えました。
猪俣さん
「これで完全に終了です!」

2017年11月11日(土) |  酪農ヘルパーを通して見えたもの
湊さん
「全然やったことなくて
 牛にも迷惑をかけたと思うんですけど
 お世話をさせていただいて
 本当にありがとうございました」
藤田さん
「こちらこそ!
 短い間でしたが
 どうもありがとうございました」

リーダー
藤田さんから
「ありがとう」言って貰えたね。

関さん 湊さん
三日間本当にお疲れ様でした。

リーダー
札幌新陽高校の1年生、関さんと湊さん。
所属するアグリクラブで
酪農ヘルパー体験の報告を終えた2人に
改めて話を伺いました。

リーダー
「酪農ヘルパーって仕事をどう思った?」

湊さん
「まず酪農と言う言葉を全然知らなかったので
 酪農ヘルパーって仕事はもっと知らなくて
 ちょっとお手伝いな感じ…の想像を
 失礼ながらしていたんですが…

「でも行って見て思ったのが
 酪農ヘルパーもすごく牛のことを分かっていて
 “手伝う”って感じじゃないなって思いました」

リーダー
「自分でだよね。
 酪農家の代わりだもんね。代理だもんね」

リーダー
「今回2人が体験した三日間って
 楽しいことだけじゃなかったと思う。
 大変なこともあったと思う。
 この体験が将来役に立つと思いますか?」

関さん
「将来こういう職業に就いてみたい!
 1つの候補になりました」

リーダー
「酪農家になってみたい?」

関さん
「なってみたいって決めた訳ではないですけど
 酪農家の仕事もいいなって感じました」

リーダー
「素晴らしい!ありがとうございました」

リーダー
「酪農ヘルパーは酪農家を助けるだけでなく
 地域に新たな雇用を生み出して
 経済を活性させる役割も担っているんです。
 こうした職業に魅力を感じて
 地域や北海道の酪農を元気にしよう!という
 志しをもった人達がどんどん増えることを
 僕たちも期待しています」

みなさん、こんにちは!
今日は札幌初開催の「農」と「食」の
魅力を伝えるイベントのお知らせだよ。

今月22日と23日の二日間、
「アクセスサッポロ」で開催される
「北海道 アグリ・フードプロジェクト」!

道産食材や加工品などの130を超えるブースが出展し、
「農」と「食」を話題とした主催者セミナーも
開催されるよ!

23日木曜日には「あぐり王国」のステージが登場!
森アナウンサーが番組の舞台裏を話すよ♪
みんなも遊びに来てね~

【北海道 アグリ・フードプロジェクト】
日時:11月22(水)・23(木・祝) 10時~17時
場所:アクセスサッポロ 
    札幌市白石区流通センター4丁目3-55
詳しくは「北海道アグリフード」を検索!
※23日のあぐり王国ステージは10時45分を
予定しています

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11月4日のクイズ
「石狩で生産されている、
 焼くと甘くなる作物は何だったかな?」

正解は「サツマイモ」でした。




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