今回あぐり一行は北見市にやって来ました。 札幌からおよそ320キロ! 美味しいミルクの産地でも あるこのエリアで注目するものは???
そのヒントをあぐりっこに 絵に描いてもらいました。
森崎「お~みんな上手だね」 今回のあぐりっこは 札幌からはユウト(小6)、カイト(小5)、 地元北見からはアヤカ、 お隣津別町からミクが初参加してくれました。
カイト 「ボクはギザギザしていると思って!」
森崎「バリカンのような!」
あぐりっこが描いてくれたのは牛の【足】! 普段注目したことのないパーツで苦戦した様子。
と突然、藤尾君の雄たけびが!
藤尾 「あぐりっこ見て! すごい集団が近づいてきたよ~!」
森崎「あらあら…カッコイイ!」
藤尾「すごい威圧感…」
はるか彼方の道の上より登場したのは…
手ぬぐいでグイと頭髪を縛り上げ、 眼光鋭く、足には見慣れぬサポーター 揃いの着流しに…いやいや ジャンパーを着て颯爽と現われたのは…
ジャパニーズカーボーイ! ではなく…
佐々木 「牛のネイリスト集団です!」
藤尾「ええっ!男性ばっかりですけど!」
この集団は一体何者!? 現場は牛舎! 道具は刃物! さてどんな風に仕事をするのでしょうか?
では早速 お仕事のようすを覗いてみますが…
あぐりっこ 「なんか打ってる??」 「トンカチみたいので…」
カンカンカン…
牛舎にトンカチのような音も響きます。
藤尾「牛を打ってる??」
あぐりっこ「何だろうアレ?」
あの謎の集団は一体? こちらの牧場主の神田典廣さんに 聞いてみましょう。
森崎 「中では何が行われているのですか?」
神田さん 「今は牛の“ツメ”を切っている ところで 《削蹄(さくてい)》と言います」
森崎 「さくてい?わかるみんな?」
あぐりっこ「わかんない」
神田さん 「“ひづめ”を削って形を整えている!」
あぐりっこ 「(まだキョトンとしつつ) へえ… (理解はできていません…)」
森崎 「あぐり王国5年目の番組ですけど 牛の“ひずめ”に着目するのは初めて! ですし、なかなかこういう番組 ないです!!」
許可を頂き、牛舎の中へ… 病原菌などを持ち込まないように 靴底を消毒して準備万端!いざ牛舎へ!
大きな道具を使ってツメを削っています。
藤尾「豪快ですね~~」
あぐりっこ「うわ~~」
私達人間はツメを切っても痛くありません。 当然「牛も痛くないはず…」と思っていますが、 その豪快さや鋭い道具、 響き渡るトンカチの音に あぐりっこも大人たちもかなりビックリ!
何がどうなっているのか… あぐりっこ、言葉が見つかりません。
牛の“ひづめ”をケアする 「削蹄師(さくていし)」集団のボス、 この道28年の片山正幸さんに、 謎だらけの「さくてい」について聞いてみよう!
森崎「3人でやっているんですね?」 片山さん「そうです」 森崎 「1人は牛の足を脇にしっかり抱え、 もう1人は尻尾を持ち、 後ろには『落ち着けよ、大丈夫だよ』と 言っている方がもう1人います」
まずは牛のヒヅメに注目! どんな形をしてるんだろ!? 片山さん 「“かかと”みたいな部分は“副てい”です」
ひづめの長さは7~8cmです。
片山さん 「1トン近くになる牛もいるんですよ。 その体重を支えている“ひづめ”は とても大事な部分ですよね」
では削蹄作業を見せていただこう! まずはナタとハンマーを使って 伸びた外周部分のツメを整えていきます。
あぐりっこ「すご~い」
早速、前足の裏側を削る作業に入ります。 すると慣れた手つきで足をクッと折り曲げて 自分のひざの上に乗せました。
森崎 「うわっ自分のヒザを 置き台にしているよっ!」
するとヒザの上に“ひづめ”を置いて 直てい刀(ちょくていとう)と言われる道具と ハンマーを使って蹄を削りだしました。
ハンマーで直てい刀を叩くと キレイにツメがはがれていきます。
佐々木 「これは技術がいりますね…」
片山さんからみんなにプレゼント。 それは削られた“ひづめ”!
あやか「硬~い!木の板みたい」
リーダーも触ってみます。 森崎 「うわ~木の薄い板みたいな感触あるよ」
牛の‘ひづめ’をケアする削蹄は 実は食卓に上がるミルクに 関係の深い仕事なんです!
ではプロの片山さんに色々聞いてみよう! 【牛の‘ひづめ’は どのぐらいのペースで切るの?】
片山さん 「1年に2~3回。牛舎に出向いて削ていします」
牛の蹄はひと月に約5mm 伸びると言われています。 つまり1回の削蹄でおよそ2~4センチ 削ってるのです。 ちなみに人間の手の爪は ひと月に2ミリ伸びると言われています。 牛の方が2倍も伸びているんです。
二つ目のギモン 【そもそも伸びっぱなしじゃだめなの?】
片山さん 「例えばケガをしたり… “ひづめ”の病気にもなったりするんです」
ひづめが伸び過ぎると歩きにくくなったり、 ひづめの病気にかかりやすくなります。 病気がひどくなると 牛は痛くて立っていられません! ひづめを削るという事は 病気の早期発見にも繋がるのです。 さらに伸びっぱなしだと…
片山さん 「牛乳の量が少なくなってしまうんです」
森崎「ツメの長さで?」 片山さん「ツメの長さでです!」
とても小さな面積で体重を支えている牛。 ‘ひづめ’が病気になったり、 しっかり立っていられない事は 大きなストレスになります。
牛はストレスにとっても弱い生き物なので ミルクの出が悪くなってしまう 原因の一つになるのです。
そこで酪農家は牛舎内を清潔に保つなどの 工夫をしています。 お邪魔した神田さんの牛舎は心地が良いらしく、 満足げに座っている牛がたくさん!
美味しいミルクのため、酪農家と削蹄師は タッグを組み、日々気を配っているのです。
藤尾 「牛のツメと美味しい牛乳が関係しているって ここに接点があったのが意外でした」
森崎 「全ては牛の健康からってことだよね!」
ではお次は 《削蹄につかう道具を見せてもらおう》
※並んでいるのはハンマーやナタ、ヤスリ。 下段の右から2番目のニッパーのようなものは 「せんかん」という道具です。 色々不思議な道具がありますが…
森崎 「これは何の道具ですか??」
塩ビニール管を半分に切ってヒモが付いている この道具の正体は??
片山さん 「踏まれても大丈夫なように手作りしました」
これは足を保護する手作りプロテクターでした。
藤尾 「体を張った仕事っすね~~!」
道具の説明をしてくれた武田守さん。 実はスゴイ人なんです!
片山さん 「全国牛の削ていの競技大会で 最優秀賞に輝きました!」
森崎 「これは“前掛け”ですね」
武田さん 「刃物を使うので 刃物から保護するために使います」
さて道具に触れてみた感想は?
ミク「小さくて軽いと思ったら意外と重たい!」
カイトが持っているのは“ヤスリ”!
森崎「ヤスリも粗いよ~!」
カイト「すごい重い!」
ここでリーダーから武田さんに質問が…
森崎「足持つだけでも難しいですか?」
武田さん「難しいですね!最初は難しい」
森崎 「僕らができるような事じゃ無いですか?」
武田さん 「…そうですね!やってみますか? 牛の足持ち??」
ということで… もちろん藤尾君がチャレンジすることに!
さてここからは藤尾君の奮闘ぶりを ダイジェストでお伝えします。
①その後も力いっぱい牛の足を 持ち上げようとする藤尾君 ②「それじゃ~だめだよ!」と 片山さんにコツを教えてもらい ③チャレンジすること数回。
すると… 森崎「動いた動いた!うお~」 前足が上がってきました。
森崎「上がった!上がった!」
一瞬足が上がりましたが、 スルッ抜けてしまいました。やった~~!
額に汗がにじむ藤尾君。
足上げにチャレンジした感想は?
藤尾 「いや~難しい!ちょっと足をずらしてあげると 牛さんも曲げてくれるんですよ。 その感覚はわかるけど…牛さんの 『お前に委ねようか…』ってとこまでには 行っていないですね!」
森崎 「いあ~それでツメを 切らせてもらうなんて… 大変なんだね~ やっぱり1人前になるのには 4~5年かかるって 言われるのが、わかるよね」
佐々木「スゴイですね~」
あぐり一行は子牛の牛舎にいました。 かわいらしい子牛にウットリのあぐりっこ。 実はこの子牛たちは神田さんの息子さん達が お世話をしているです。早速お話を伺ってみました。
神田修輔くん(中2) 「エサやりをしてます。 牛(の身長)が伸びていると時は タンパク質をあげたり、 太っている時は濃厚飼料を減らしたり…」
修輔君が子牛の世話を任されたのは 小学校6年生の冬。 それから毎日、学校と子牛の世話を 両立しているんです。 今は部活が終わり家に着いたら、 早速着替え子牛の牛舎へ。 エサをあげたり牛舎内を掃除したり、 牛の観察をします。 この中にはコンテストに出場する牛もいるので エサの管理は重要なのです。
さらにご両親の搾乳を手伝っています。 神田ファームでは家族みんなで 牛の世話をしているんです。
とここであぐりっこが- 「牛に触りたい…お願いします!」
実は朝からず~っと 牛を触ってみたかったあぐりっこ。
ユウト 「気持ち良い! 洗いたてのカーペットみたいで気持ち良い!」 アヤカ「ふわふわしている」 ミク「あったかい!」
大満足の体験でした!
さて今日一番印象的だったことは何かな?
アヤカ 「牛のツメ切りかな~やっぱり。 すっごいワイルドだな~って思った」 ミク 「(牛さんが)近くで見たら可愛かった」
カイト 「危ないんじゃないかってぐらい 太く(ツメを)切っていて、怖かったけど… 見ていて気持ちよかった!」
ユウト 「牛のツメの話でこんなに盛り上がったことが なかったから、すごく勉強になったし 最後の牛も可愛かった!」
森崎 「削ていで一番気をかけていることは?」
片山さん 「削ていをする牛に対して ストレスをあたえないこと! そのためにはツメに対しての知識・技術を 持っていなければ出来ない仕事ですね」
森崎 「片山さんはどんなリーダーですか?」
武田さん 「グイグイ引っ張ってくれますよね。 ついて行きたいと思いますね」
あぐり一同「お~~」
片山さん「照れますね…」
美味しいミルクは健康な牛から。 食卓にあがるミルクは、 プロ達の技と牛への愛情で 守られているものなのです。
こんにちは週刊あぐりニュースです。 これからの北海道農業の方向性を決める JA北海道大会が先月、札幌で行われました。
3年に1度開かれるこの大会には、 道内の109すべてのJAから 職員や役員などおよそ2000人が集結し、 これからの3年間で、 JAが目指すべきビジョンなどが決められました。
飛田稔章(とびたとしあき) JA北海道中央会会長はあいさつの中で、 『安全で安心な農畜産物を生産し、 安定的に供給するという使命を果たすため 「農業生産の担い手の確保と育成」に 取り組むとともに、 地域の一員としてJAが地域における ライフラインの一翼を担って 豊かな地域社会の実現を目指していく という方針を説明しました。
大会では「持続可能な北海道農業の実現」と 「次代を担う協同の実践」に関する 2つの決議案が承認され、 食料自給率の向上や新規就農支援に これからも取り組んでいくほか、 地域との連携を進め、 消費者や地域住民の満足度の向上を図っていく ことなどが確認されました。
またTPP環太平洋パートナーシップ協定の 交渉参加問題については、 交渉参加を阻止するための理解促進運動を 続けていくことなどを盛り込んだ 「TPP交渉参加阻止に関する特別決議」が 満場一致で承認されました。
日本の「食の安全安心」を確保して、 北海道が食糧基地であり続けるために、 私たち消費者も北海道農業にもっと関心を持って、 そして応援していきたいですね。 以上、週刊あぐりNEWSでした。