佐々木 「天高く馬肥ゆる秋!秋晴れですよ~」
森崎 「気持ち良い!北海道大好きだ。 青い空、緑の山。 そして…黄金色の稲穂! きれいだ~ ………あれ?あれ?」
森崎 「アレアレ?あれひょっとして… なんか黄金色の中に 黒っぽい丸が4つある! あれは…… あぐりっこ~(呼ぶ) 」
あぐりっこ「……」
微動だにせず隠れ続けるあぐりっこ。
森崎 「出てこない!出てこない」
藤尾 「ばれてないと思っているんでしょうね」
森崎 「いやあれバレバレだろう~」
今回やって来たのは道南の米どころ北斗市。 さてどんな事をお勉強するのかな? まずはあぐりっこをご紹介。
去年厚沢部町でお米作りを体験した アユちゃんとルリちゃんとは久々の再会。
森崎「元気だった?お米食べてる?」
アユ・ルリ「ハイ!」
藤尾 「俺の顔見た瞬間に『あっ違った!』って」
森崎「河野君に会いたかったか…」
藤尾 「あの顔はねえ~ おじさん一生忘れないと思う!」
一同大笑い。
実は今回あぐり一行は ビッグニュースがあると聞いて 北斗市にやってきました。 JA新はこだて三浦治さんにお話を伺うと-
三浦さん 「新しい品種が今年から デビューすることになりました!」
森崎 「今ボクらが見ている稲穂は新品種ですか?」
三浦さん 「そうです!新しいお米です」
森崎「道南と言えばさあ、あの有名な…」
アユ・ルリ「ふっくりんこ!」
森崎「ですよ~」
冷害に強くふっくらとした柔らかい 「ふっくりんこ」。 道南では広く栽培されているお米です。 そのふっくりんこに次ぐ米として期待される ニューフェイスとは?
三浦さん 「ジャジャーン!きたくりん!」
森崎 「ふっくりんこの子供って書いてある?」
三浦さん 「そうです!お父さんんがふっくりんこで その血を引いているきたくりんが 今年デビューします」
森崎 「(ポスターを読んで) 力強いふっくりんこの子供… 病気に強い道南のニューフェース!」
佐々木 「またまた新しい品種が出たと言うことです」
三浦さん 「特徴は非常に病気に強くて 尚且つ食味も良い!ということで ふっくりんこを継いでいるだけあって おいしいお米で生産者の方も きたくりんに期待しています!」
待望の新品種きたくりん! もっと詳しく知りたい~
三浦さん 「道南農業試験場という所があります。 色んな試験もやっていますので 勉強してきてください!」
森崎「わかりました~」
今回は「きたくりん」の品種改良に 携わっていた菅原彰さんにお話を聞きます。
菅原さん 「この大きな木なんですけど ユリノキと言います。 田園の幸福という花言葉がありまして、 ちょうど試験場が出来た時というのは 水田があったり畑があったり… 田園風景そのものだったんですね。 そこの一帯が幸福になるように… そういう願いがユリノキに込められてます」 森崎「ステキ!」 佐々木「今日のテーマにピッタリ♪」
きたくりん!見てみましょう!
森崎 「僕らの後ろにあるのが… “きたくりん”乾燥中」
菅原さん 「きたくりんの“くりん”は クリーン農業に活用されるように… という願いが込められています。 実はこのきたくりんは この地方で広く栽培されている “ふっくりんこ”の子供なので その“くりん”をとってもいます」
森崎「くりん一族なのね」
名前の秘密を知ったところで、 どんな特徴のあるお米なのか聞いていこう! 実はとっても画期的なお米だったです。
菅原さん 「このきたくりんの特徴なんですが いもち病に強い」
森崎「いもち病、知ってる?」
ルリ「黄色い斑点がつく!」
菅原さん「当たってますね」
菅原さん「これがいもち病にかかった稲ですね」
森崎「実はついてる?」
コウタロウ「ついてる…けど少ない!」
森崎 「日本の稲作にいもち病は天敵で ずっといもち病をどう克服するかが 必要だったんですけど、 その病気に強く耐性のある品種!」
病気に強いということは?
菅原さん 「いもち病に対する農薬を 普通の栽培ならまかなくても 被害は最小限に抑えることができます!」
森崎「そっか~」
藤尾 「1ついいところが引き出ると なんかへっこむ(悪いこともあり)みたいな。 ちょっと味が落ちたりするとか…」
菅原さん 「味のほうもななつぼしと同じくらい、 もしくは少し優る!と言われています」
今年デビューしたきたくりん。 いいお米が実りにくくなる『いもち病』の薬を 減らして栽培できる! という特徴を持っているのですが 一体どのように開発されたのでしょうか…
そこで親として選ばれたのは この3つの品種。 病気に強く味が良いとされる「ふ系187号」 「空育(くういく)162号」を掛け合わせ さらに寒さに強く味が良いとされる 「渡育(といく)240号」いわゆる「ふっくりんこ」を 掛け合わせてできました。
菅原さん 「親となるのは全部、番号の状態。 これは品種になる前のものなんです。 品種になる前のものを選んでくると それこそ日本全国で数百~千の 候補が出てきます」
森崎 「つまり1000×1000の組み合わせが 考えられる…100万!?」
菅原さん 「場合によっては それ以上のものになってきますね」
あぐり一同「へえ~」
菅原さん 「実はこの番号がつく…ここまで 辿り着くまでも大変なんです!」
藤尾 「この“ふ系187号”だった色んなものから 勝ち抜いた1つですもんね」
コウタロウ 「この2つがかわいそう…」
佐々木「惜しいところまで行ってね」
菅原さん 「のちの子供が空育172号(きたくりん)として デビューしたということですね」
森崎 「ななつぼしよりも食味が優れている! 子供(きたくりん)がオヤジ(空育162号)の 無念を晴らしましたね」
ここで興味津々のコウタロウが質問!
コウタロウ「食べられる?」
コウタロウ 「この2つが無かったら… これ(きたくりん)が無かった… ありがとうだね」
佐々木 「そうだね。 親になる品種の存在は大きかったね。 この子たちも優秀でなければ 良いところは次に残せない」
品種改良の大変さを学んだ後は 目と舌で品種改良を体験しよう~
ということでご用意いただいたのは 炊き立てのお米!ですが…
コウタロウ「玄米っぽい」 ユメ「あんまり白くない」 ルリ「カピカピしてそう」
んんん~?茶色い線が見えるし 全体的に茶色っぽいような… これは正直、おいしくなさそう… あぐり一行もなんだかけげんな表情を 浮かべてます。まずは、よく見てみよう!
アユ 「ふっくりんこの特徴を受け継いでいるとは 思えない…」
藤尾 「ここまでの話を聞いてるものとは イメージが違うよね」
コウノスケ「食べるには勇気がいる」
恐る恐る食べてみると…
コウタロウ 「いつも食べてるお米より… 甘みがなくて…さっぱりしている」
コウノスケ「ごはんだけでいける!」
森崎「コウノスケは好きなのね」
ルリ「粘り気はあんまりない…」
藤尾 「そしてちょっと不機嫌な感じになりました。 これ炊いた人初めてごはんを炊いた? 水の加減を間違えてるな」
佐々木 「普段食べているお米と違いますか?」
みんな「ちがう…」
あぐり一行が試食しているこのご飯。 実はとっても貴重なお米だったんです!
菅原さん 「みなさんにいただいてもらったのは ≪赤毛≫という昔の お米の品種なんです」
森崎 「これきたくりんじゃないんですか! きたくりんを食べさせるような演出で! きたくりんを応援できないな… と思っていましたよ~」 赤毛の稲穂を見てみると… 「毛みないなのが長い!」 ルリ「髪の毛の茶髪みたい!」 コウノスケ「茶色とオレンジ混ざってる」
森崎 「その赤毛という品種は今でも 作っているってことですか?」
菅原さん 「道南農業試験場では品種保存をするために 毎年、昔の品種を植えて参観に来る方に 見てもらうために作っているお米です」
森崎 「これはもう箸を入れた瞬間に お米のやわらかさ・ふんわり具合が わかりました。ふんわりそして 噛んでると甘いこと~」
アユ 「甘くて結構モチッとしていて美味しい」
藤尾「粘りは確実に強くなりましたね」
コウタロウ 「いつも食べているごはんより もっとモチッとした感じがある」
菅原さん「これがきたくりんです」
森崎「甘いわ。ご飯に何にもいらない」
藤尾「粘りが全然違います」
コウノスケ 「きたくりんの粘り気と甘みが ものすごい感じて… もうこれしか食べられないぐらい甘い!」
森崎 「もう赤毛には戻れない!」
コウノスケ「戻れない!」
菅原さん 「このきたくりんの食味ですが 特に粘りそしてやわらかさが評価が高くて ななつぼしと同等からやや優る!と そういう評価をうけています」
菅原さん 「これからはこのきたくりんのように 美味しいのはもとより より生産者のみなさんが 作りやすい品種 病気に強い品種や寒さに強い品種など そういったものをこれからも 開発していけたらと思います」
佐々木「北海道米ってすごい!」 森崎「進化していますね」
菅原さん 「さらに高みを目指して 品種改良は続いていきます」
じゃーん、もんすけです! 環境に配慮した品種であり、 食味も良い「きたくりん」。 実際に今年栽培した生産者さんは どう思っているのかな?
森 隆志さん 「きたくりんはいもち病に非常に強い と言うことで我々も興味を持って栽培しました。 やっぱりいもち病はみえませんでした。 非常に強い品種だと思いました。 安全安心なお米と言うことで 消費者のみなさんに食べてもらいたです」
そして函館で米屋を営んで3代目、 お米マイスターでもある 名久井修平さんにどんなお米が人気か 聞いてみたよ!
名久井さん 「最近は粘りがあってモチッとした感じが おいしいというイメージが広がって そういうお米を求める方が 多くなってきていますね。 いもち病に強く その分農薬がかからないとなれば ただでさえ北海道は農薬が少ないので 今のニーズには合っていると思います」 来月からは北斗市の小中学校の給食に 使われることが決まっている「きたくりん」 大注目だね! ≪米の名久井≫ 住所:函館市松陰町28-23 ℡0138-51-3097(定休日:日・祝日)
さて今日1日きたくりんを学んで…
コウタロウ 「名前は百何十号って名前だけど 売られてないお米も親のお米も 食べてみたいと思った」
コウノスケ 「きたくりんだけじゃなくて 他のお米も色んなお米と組み合わせて 出来ている関係がすごい面白いなあ!」
品種改良を学んだあぐりっこに ご褒美!きたくりん100%のいかめし!
いかは近海、しょう油も北海道産の大豆に こだわったいかめし。
アユ「おいしい!」
森崎「イカとごはん最高!」
さて振り返って…
森崎 「北海道米はさらにドンドン進化していく。 まだまだ品種改良される! もっともっと美味しくなるんだなって 未来が切り開けた!」
週刊あぐりニュースの時間です。
北海道の安全安心な農業のシンボル クリーン農業のイメージキャラクターができました。
四角い顔に北海道のカタチをした帽子が チャームポイントのハタケダ博士と ハタケダ博士の頭の上に乗って、 クリーン農産物を目指す「くりーんだね」は、 先月、北海道のクリーン農業を より多くの人に知ってもらおうと誕生しました。
クリーン農業は化学肥料や農薬などを できるだけ使わずに 安全で安心な農作物を作る農業です。
クリーン農業のひとつに「YES!clean」という 北海道独自の取り組みがあります。 これは「北海道クリーン農業推進協議会」が認めた 農薬や化学肥料の使用基準をクリアした農作物に YES!cleanマークをつけるというものです。
人と環境にやさしい農業の取組みを これからもハタケダ博士から たくさんの人へ伝えてもらいたいですね! 以上、週刊あぐりニュースでした。