突然ですが、冬休み中の子供たちに、 ある野菜について質問してみました! あなたは、この野菜が好き?それとも苦手?
街頭インタビュー 女の子(6歳) 「好きじゃない… なんかちょっと苦いと思っちゃうから…」
女の子(4歳)「苦い…」
お母さんの声 「グラタンに入れるけど避けていますね」 「すごく栄養があるので食べさせたい!」
このように、お母さんたちの気持ちとは反対に、 苦手な子供たちが多い、その野菜。 しかし!大人が期待するように、 その栄養価は、とてつもなくスゴイんです!
今週のあぐり王国ネクストは、 気温は氷点下数十度! 極寒の産地で育つ、「パワフル野菜」に注目! 子供たちの苦手意識が無くなるかも?
憧れ 「今日は名寄市風連町にやってきました。 一面真っ白ですね~!」
森崎「すごいね~」
森崎 「顔が冷たいね。 他の人より多く寒さを感じてます」
憧れ「表面積が広いですもんね」
憧れ 「実はこの寒さの中で育つ野菜が あるんです!」
森崎 「この寒さで育つなんてあり得ません! この時期は越冬野菜と言って 夏秋で育った野菜を 一回雪の中に置いておくんですよ。 キャベツとかイモとか。 それがとても甘くなるんですよ」
憧れ 「でもそれじゃないんですよ! 越冬野菜じゃなくて この寒さの中で育つ野菜があるんです」
森崎 「こんな寒い場所で野菜は育つと思いますか?」
あぐりっこ「思わない!」
憧れ「冬のイメージがある野菜ってある?」
ナナ 「おでんとか…ダイコン!」
アヤナ「ニンジン??」
森崎「気になるねえ~」
ということで、 真冬の名寄で育つ野菜の正体とは何なのか。 その答えを探しに、生産者の元へ-
憧れ 「いらっしゃいましたよ~こんにちは」
今回の生産者・神田勇一郎さん。 春から秋には、もち米やピーマンなどを 生産しているのですが、 この冬に栽培している野菜とは?
神田さん 「このハウスの中にあるんですよ」
憧れ 「ハウスの中ってことは暖かいですよね?」
神田さん 「暖かくないないです!!」
森崎・憧れ「えっ」
森崎 「見て!あのハウス凍ってる!」
ナナ「えっ!?」
憧れ「本当だ。凍ってる…」
さて一体この中にある野菜とは…??
ではハウスの中に入ってみましょう。 オープン!
憧れ 「一面ビッシリ!あぐりっここれは何ですか?」
あぐりっこ 「…えっ?」
あらら。まさかの??
あぐりっこ 「わからない…」
森崎「見ても分からない(笑)!」
触ってみますが…
ナナ「え~っ???」
森崎 「確かに…この状態で見ることは ないかもしれないですね」
森崎「正解を教えてください!」
神田さん 「はい!ホウレン草です」
あぐりっこ「えええええ~っ」「これが…?」
森崎 「言われても分からない」
神田さん 「ホウレン草の中でも 寒締(かんじ)めホウレン草です!」
あぐりっこ「聞いたことない…」
冬の名寄で栽培されていた野菜は、 「寒締めホウレン草」
通常のホウレン草とは品種が異なり、 耐寒性に優れていて、 葉が縮むように生長していきます。 中でも、最大の特徴が…
神田さん 「甘くなりやすい! 寒さに当てれば当てるほど 自分の身を守ろうとして 糖を溜めるんです」
ナナ 「あの質問なんですけど… 葉っぱに付いてる白い粉は何ですか?」
神田さん 「これね… 寒さに耐えた証(あかし)なんですよ」
森崎 「寒さに耐えた証し??」
神田さん 「葉の水分を外に出して それが粉のように見えるんです」
あぐり一行「へええええ」
憧れ 「神田さんは寒さに強い?」
神田さん 「あんまり強くないけど、 でも寒いと嬉しいです! ホウレン草作っているときに 寒さに当たると!」
森崎「へえ~寒締め神田さんですね」
「寒締めホウレン草」は寒さから身を守るために、 体内の水分を外に出し糖分を中に蓄えます。 この白い粒々は、いわば汗のようなもの。
そんな厳しい寒さに耐えた葉を触ってみると…
実際に寒さに耐えたホウレン草を触ってみると…
森崎「柔らかいですね」
神田さん 「さっきまではカチカチに凍って いましたね」
憧れ 「ええ~ホウレン草が凍っていた?」
神田さん 「強いんですよ寒さに! ホウレン草って凍るんですよ」
神田さん 「ホウレン草は凍っても 日が当たって元に戻って また夜になって寒くなって凍って…を 繰り返すことによって 糖度を上げていくんですね」
森崎「意外だねえ」
憧れ「不思議不思議~♪」
神田さん 「この前マイナス25℃になった日で ハウスの中はマイナス10℃ぐらい!」
森崎 「-10℃のハウスってのが 言葉自体成り立たない…」
名寄は豪雪地帯なので、 雪よけとして2重構造の ハウスで栽培しますが、 中に暖房器具はなく、 気温は氷点下になることも。
しかし、その寒さもあって、 病害虫は少なく、 低農薬で済むことも特徴的で、 栽培方法には、さらなる秘密が…!
森崎 「肥料はさすがにたくさんあげるんでしょ?」
神田さん 「実はそんなにあげていないんです」
森崎 「え~だって冬の土って栄養が少ないじゃ…」
神田さん 「実はホウレン草を作る前は メロンを栽培していたハウスなんです。 メロンはお盆位に収穫が終わるので それから片づけて土壌診断をします。 土にどれだけ肥料が残っているか? 必ず残るので! それが少なかったら補います」
森崎 「そうか残ってる肥料で十分なんだ」
同じハウスで夏場はメロンやピーマンを 栽培する神田さん。
8月の収穫後、「寒締めホウレン草」の 土づくりが始まり、 9月に種をまき、生育していきます。
そして、名寄の気温が氷点下に近づく11月、 寒締めホウレン草に、 驚きの変化が見られるそうなんです!
神田さん 「地面の温度が5℃を下回ると 成長を止めて、寒さに耐えようとする!」
森崎「自らそうなるのですか?」
神田さん「そうですね」
憧れ「賢いですねえ~」
神田さん 「糖度が10度以上になったのを確認したら…」
森崎・憧れ「え?」「え?」
神田さん 「あれ?糖度の話してなかったですか?」
森崎「そんなに甘いんだあ」
森崎 「みんなホウレン草の味のイメージは?」
アヤナ「ちょっと苦い…」
森崎 「苦い!えぐみがね。 だからしっかりアク抜きをして食べるよね」
神田さん 「そんなアク抜きしなくていいんですよね。 うちのは…」
森崎「アク抜きいらないんですか?」
神田さん 「いらないですね~ 生でも食べられますんで」
森崎 「パリッてちぎって食べても?」
神田さん「いいですよ!」
森崎「ええええ~~」
まずは暖房器具もないハウスの中で行われる、 収穫方法をみていきましょう。
神田さん 「このハサミを使います。 まず葉っぱをまくり上げて ハサミを土に差し込んで ぐっと(根を)切ります」
神田さん 「これでとれました」
憧れ「うわ立派!」
森崎「大きいね~葉っぱが!!」
多い時は、1日およそ1000株も 収穫するという寒締めホウレン草。 早速、あぐりっこの2人も収穫をお手伝い!
みんな上手に収穫できました。
ナナ 「中心の方がシャキッとしていて 力強い感じが伝わってくる!」
ナナ 「ハサミが刺さらない!」
神田さん 「刺さらない?凍ってきたかな?」
森崎 「土が凍ってるの? 聞いたことないな… 土凍ってるけど作物育ってるって…」
土も凍るほどの厳しい寒さも、 寒締めホウレン草にとっては、 あま味を生み出す大切な要素。
早速、生でも食べられるという 寒締めホウレン草を試食。 すると、一同も衝撃のあま味が…!?
アヤナ 「最初苦いかなって思ったけど 甘くて食べやすいかった」
森崎「苦味は感じる?」
アヤナ「いや感じない!」
大人も食べますが…
森崎 「甘っ!味がしっかりしていて 美味しいですね」
憧れ「すっごく甘いですね!」
憧れ 「本当に好き過ぎて… このハウスの全部食べられるかも…」
神田さん「そうですか(笑)」
森崎 「いました。害虫がいました!」
憧れ「ひどい!虫扱い!」
森崎「防虫しましょう!」
じゃじゃん!もんすけです! 寒さを利用して栽培される 寒締めホウレン草♪ そのおいしさはもちろん、 栄養価にも、とっても優れているんだって!
天使大学看護栄養学部 荒川義人教授 「ホウレン草は冬が旬なので 普通のホウレン草でも夏に比べると ビタミンCの量が2~3倍になります。 寒締めホウレン草の場合は 更に寒さを活用してビタミンCが増えるので 普通のホウレン草やサラダホウレン草より 高い値を示しますし 夏に比べると5~6倍の量になりますね。 冬にビタミンCを供給してくれる とても強い味方だと思います」
おいしさも栄養もアップする、 冬の寒締めホウレン草。 子供たちにもいっぱい食べてほしいな。
さてハウスに戻って…。
森崎 「こうやって収穫してからは?」
神田さん「袋詰めをしていきます」
森崎「どっかに移動して?」
神田さん 「このハウスで行います! 外に持っていっちゃうと… 凍ってしまうので!」
神田さん 「根が付いていると大丈夫なんですが 収穫後に凍ると、それが解けた時に ベチャベチャになって 売り物にならなくなるんです」
森崎 「つまり土について 根っこがついた状態だったら 冷凍解凍を繰り返しても大丈夫なんですね。 でも収穫しちゃうと… 外だして冷凍しちゃうとマズイ!」
一度収穫した寒締めホウレン草は、 凍ってしまうと溶けた時に、 味も栄養価も落ちてしまうといいます。
このため、収穫から袋詰めまでの作業を 同じハウスの中で一気に行ってしまうんです。
神田さん「はいどうぞ!」
憧れ「うわっ枕にして寝たい!」
さて袋の名前をみてみると…
ナナ 「なよろ…ほしぞらゆきみホウレン草?」
神田さん 「読めたね!ありがとう。 今年で6年目の栽培になります」
神田さん 「最初は星空雪見法蓮草だったけど 新たに栽培したいという生産者と 組合を作ることになった時に <なよろ星空雪見法蓮草>って! ボクが名前を考えました。 ちょっと気持ち悪いって言われるんだけど」
森崎「いやいやいや…」
※ネーミングの理由… 夜、ヘッドライトをつけて -20℃のハウスの中で収穫していた時- シーンと静まり返ったハウスの天井を ふと見上げてみると、 霜がキラキラと輝き まるで星空のように見えたそう。 それで“星空”と入れたそう。 うーん神田さんロマンチック♪
憧れ 「北海道の冬にこの緑をみると 元気になりますよね」
森崎 「なるなる寝たいもん!ここで」
ロマンチックな名前の 「なよろ星空雪見法蓮草」。 どんなところで買えるのか、 JAの方に聞いてみたよ。
JA道北なよろ 営農センター長 石山 健一さん 「名寄市内では各スーパー、 または道の駅もち米の里☆なよろで 購入可能です。 また1月から大丸札幌店さんでも お取扱い頂いております。 今年は5軒の生産者で 年間約12トン、約6万袋を生産予定。 2月末までの出荷を計画してます」
道産の葉物野菜が減る冬に出回る、 名寄の「寒締めホウレン草」 スーパーで見かけたら、 ボクも買ってみよっと!
憧れ 「神田さんの奥様と生産者仲間にも 集まっていただきました」
寒締めホウレン草の料理を作って頂いたのは、 生産組合の皆さんと、その奥様たち。 全員が自信を持ってオススメする 食べ方とは…
“しゃぶしゃぶ”です♪
神田さん 「管理を徹底した安心安全な 名寄産のSPF豚と一緒にぜひ! それと株元の天ぷら! 一番食べていただきたい! 捨てては勿体ない!」
※詳しい作り方はレシピコーナーへ!
ではいただきま~す!
神田さん 「10秒もしゃぶしゃぶすると長いので 8秒くらいで!」
ではホウレン草投入!
いーち にーい さーん…
では食べてみましょう!
ナナ 「歯ごたえがシャキッとしていて美味しい!」
アヤナ 「おいしい!! 生の時より甘さがあって 苦味もないしおいしく食べられる」
森崎 「この食感すごい。 お肉は柔らかくておいしいし ホウレン草はしっかり味わいある!」
ナナ「おいしくて止まらない!」
森崎「止まらないぞ…これ」
神田さん 「僕たちメンバーも毎日食べてます」
森崎 「だから男性は大きくて 女性はキレイなんですね!」
あはははっ!
森崎 「真冬の名寄の“地の利”をうまく利用した 素晴らしい冬の新鮮野菜ですね」
神田さん 「まずはたくさんとれるようにしたい! たくさんとれるようになれば、 たくさんの方々に食べてもらう機会が 増えると思うんですよね。 これから名寄の冬野菜として どんどんPRしたいので頑張りたい!」
森崎 「ホウレン草は好きですか?」
森谷小雪ちゃん「好き!」
森崎 「夏のホウレン草と冬のホウレン草、 どっちが好きですか?」
小雪ちゃん「冬!!」
森崎 「おおおお~ よく今日の取材を分かってくれている!」
雪が多く極寒の地…という、 一見、名寄の弱点に見えることを 神田さんは逆転の発想で 「利用」してきました。
病気になったり失敗もあったのですが その度に「極寒」という地の利が 助けてくれたそうです。
たった一人から始めた寒締めホウレン草も 今では心強い仲間がいます。
これからも期待が高まる なよろ星空雪見法蓮草!
ぜひみなさんもご賞味くださいね。
お・ま・け
パッケージを読んでみたナナちゃん。 ナナちゃん 「マイナス10度 無防弾(むぼうだん)!!」
森崎 「む…むぼうだん?? 無暖房ですね!」
神田さん大爆笑♪
憧れ「無防弾!カッコイイね」
森崎 「無防弾ってジャックバウワーみたいな。 防弾チョッキ着ないぜ!みたいな」
ここで冷静になったリーダー。
森崎 「改めてすごいね。 商品に無暖房って初めてみました!」
正解は「酪農」でした!