芋・麦・米など、こだわりの原料と 清らかな水で作るお酒…焼酎。 鹿児島や宮崎など、 九州が本場と言われるお酒ですが、 実は、日本で初めて誕生した焼酎が、 ココ北海道にあったんです!
ということで今回のあぐり王国ネクストは、 お酒を知り尽くしたスペシャルゲストと、 北海道の焼酎作りにふれていきます。
森結有花アナウンサー 「オホーツクエリアの清里町に やってきました~」
森崎リーダー 「ここから眺める斜里岳がホントに雄大!」
森アナウンサー 「今回は清里町で焼酎について学びます」
森崎リーダー 「焼酎を学ぶのは初めてじゃないですかね」
森アナ 「ゲストの方が展望台の上でお待ちです。 ではお呼びしましょう」
リーダー「ゲストの方~~!」
男性 「は~~い…すみません… ぼく高所恐怖症なんですけど…」
リーダー 「普通展望台って上で待つもんじゃないの?」
森 「ただあの方、かなりすごい人でですね…」
リーダー 「全然すごさないよ!!」
“男子 厨房に入ろう”という意味を込めた 月刊誌「dancyu(ダンチュウ)」。
首都圏を中心に 、 全国各地の「食」を幅広いテーマで取り上げ、 1990年の創刊以来、食通はもちろん、 料理人などからも根強い支持を受けています。
そんな月刊誌の編集長を務めているのが、 今回のゲスト植野 広生(こうせい)さん。
あらゆる食を知り尽くす植野さんに、 北海道の食材について伺ってみました。
植野さん 「北海道の食材は本当にすごいと思っていて 特にこの10~15年くらいで 進化と変化がすごいなと思っています。 例えばお米にしても こんなに美味しくなっているんだ!と ビックリしまして、他の食材をみても 色々な農産物がすごく美味しくなっていて 東京の市場だったり、お店に行っても感じるし 北海道のみなさんに、 こんな事を言うのも申し訳ないんですけど… 北海道の食材は本当にすごいですよ!」
自らの足と舌で 全国の食にふれてきたスペシャリスト。
そんな植野さんには今回、 日本で初めて清里町で生まれた あの作物を使った焼酎作りに触れて頂きます。
植野さん 「北海道のお酒は 素晴らしい世界品質のものがどんどん出てきて これからまだすごいものが出てくる 期待と楽しみもあって、 今回はどんなお酒に出会えるのか 非常に楽しみにしています!」
リーダー 「dancyuは愛読書です。お会いできて光栄です。 ところでここから雄大な斜里岳がそびえてます」 植野さん 「すごいですね~ ネタのないお寿司みたいなものですね」
????
植野「シャリだけ!(斜里岳)」
まさかのダジャレ!?
リーダー 「今日のゲスト…人選的にどうですか? しかも出役と衣装がかぶる!という…」
ということで、 ユーモア溢れる食のスペシャリストと一緒に、 まずは焼酎の原料を育てている生産者のもとへ-
こんにちは~
コチラの方が、生産者の柳谷克彦さん。 33ヘクタールの畑で、焼酎の原料や 小麦などの農作物を生産しています。
森 「焼酎の原料になる農作物は ここで今育てられているんですよね?」
柳谷さん「はいそうです!」
柳谷さん 「“コナフブキ”という デンプン用のジャガイモです」
リーダー「今は茎を倒した後?」
柳谷さん 「枯れてしまって収穫を待つだけです」
ジャガイモを掘り起こしてみることに!
リーダー「でた~~!!」
森「すごーい」
植野さん 「デンプン価は生食用が15%くらい。 コナフブキは今年最高値で約25%なので 10%も高い。とても美味しいです」
植野さん「すごいですね」
一般的にジャガイモ栽培では、 日光による変色を防ぐため ジャガイモを土で覆う、 「培土(バイド)」 と呼ばれる 作業を行ないます。
なかでも、1株あたりの収穫量が多いという でん粉原料用品種は、 その作業の回数も多くなるそうなんです。
植野さん「すごい楽しいですね!」 森 「ここしか掘ってないのに こんなに取れるんですね」
柳谷さん 「今は最後の収穫の追い込みですね。 もしよかったら乗ってみますか?」
ということで… 機械での収穫を体験させていただくことに!
収穫機の上では、 土の塊や規格外のジャガイモなどを取り除く、 選別が行われます。
森「ゴロゴロきますね」
リーダー「どんどんきたよ」
リーダー「この作業大変じゃない?」
森「この作業は普段は奥さんが一人で?」
奥様の亜紀子さん 「そうですね。大忙しです」
植野さん「うわっ!すごいあがってきた!」
森 「植野さん夢中になってますけど どうですか?」
植野さん「ごめん!いま仕事中だから」
じゃじゃん、もんすけです! でんぷん原料用ジャガイモの生産が 盛んな清里町!
焼酎の原料以外の収穫されたジャガイモは、 JA清里町でん粉工場へと運ばれます。 1日で最大10トントラック120台分も 運ばれるんだって~
膨大な数のジャガイモは、 「ポテトビン」と呼ばれる貯蔵スペースで 一時的に保管したあと、 工場の中へ送られて、でん粉に加工されます。
清里町では古くから、 こうした原料の栽培から加工まで、 一貫した生産が行われていたんだよ。
JA清里町 代表理事組合長 石井透さん 「清里町におけるバレイショ栽培は 明治30年の入植当時から始まりました。 現在、全耕作面積の3分の1弱にあたる 約2300ヘクタールを栽培しており 清里町では欠かせない農作物です。 JA清里町の製品は片栗粉・ミックス粉、 また、えびせんなどに広く使われています。 消費者のみなさまに信頼され 安心していただけるような、 そして求められる商品を つくり続けていきたいです」
道内で生産されるジャガイモ品種の 作付け面積をみると、 実は焼酎の原料としても使われる コナフブキが1位なんだよー! でん粉原料用のジャガイモは、 僕たち消費者にとっても大切なんだね。
生産者の畑を離れ、一行がやってきたのは、 モダンな建物が印象的な「清里焼酎醸造所」。 コチラで、日本初となる じゃがいも焼酎が製造されています。
「宜しくお願いします!」
焼酎作りをしている職人、竹村智郷さんに、 じゃがいも焼酎について詳しく教えていただきます。
リーダー「もうここに並んでいますよ」
竹村さん 「こちらの工場で作っている焼酎になります!」
リーダー「すごいカワイイ!」 竹村さん 「2014年にこちらのボトルに一新しまして GOOD DESIGN賞2015も受賞しています」
清里町で40年ほど前に誕生したジャガイモ焼酎。 現在、アルコール度数25度の スタンダードなタイプと樽熟成、 そして、アルコール度数44度の原酒と 5年熟成の原酒の4種類を製造販売しています。
■じゃがいも焼酎北海道 清里 (700ml 1080円税込)アルコール分25度
■じゃがいも焼酎北海道 清里≪樽≫ (700ml 1200円税込)アルコール分25度
■じゃがいも焼酎北海道 清里≪原酒≫ (700ml 2670円税込)アルコール分44度
■じゃがいも焼酎北海道 清里≪原酒5年≫ (700ml 4190円税込)アルコール分44度
森「すごく良い香りしませんか?」
植野さん 「工場に入った瞬間から ふわっといい香りがきてます!」
リーダー「甘い香りがしますよね」
竹村さん 「本日も蒸留の作業を行っているので だいぶ香りを強く感じられると思います」
ジャガイモ焼酎作りには おおまかに、このような工程があります。
まず、一次仕込みでは 、 網走産の大麦で作った麹と、仕込み水、 そして酵母菌を合わせて5日間ほど アルコール発酵させ、 “一次もろみ”と呼ばれるものを作ります。
竹村さん 「ジャガイモをふかしているところです」
リーダー「湯気がすごい」
竹村さん 「だいたい1つの釜に1.2トンの コナフブキが入っています」
森「美味しそうな香りがしますね」
リーダー 「美味しそうな匂いしてるって、 食べられるわけじゃないんですよね?」
竹村さん 「それが…食べられるんです!」
リーダー「なんとっ!!」
※お約束です(笑)
ということで、蒸したジャガイモを 食べさせていただけることに! まずは、製造室の中にお邪魔して、 大量のコナフブキを拝見します。
植野さん 「うわっ!すごい。 蒸したジャガイモをこんなにたくさん見たのは 生まれて初めてです! また皮がふわっとなったところが美味しそう」
コナフブキは、でん粉原料用として 生産されるジャガイモですが、 いったい、どんな味わいなのでしょうか?
植野さん 「普通のジャガイモと違いますね! あま味があるけれど 生食用のあま味とは違うね」
リーダー「あま味が強い!」
森 「香りが強い! 焼酎向きっていうのが分かります」
植野さん 「鼻に抜けていくような あま味をずっと感じますね」
竹村さん 「これを“かい棒”でかき混ぜます」
リーダー「これ大変ですよ」
竹村さん 「この作業は15~20分くらいかかります」
竹村さん「うまいですね」
森 「どんどんジャガイモが入ってきてますが 感触は変りますか?」
植野さん「ちょっと重くなってきました」
竹村さん 「仕込みが終ったもろみは10日間くらい さらに発酵させてお酒になります」
まず、2次もろみが入った蒸留機に、 直接スチームを送って加熱します。
そして、発生した水蒸気を冷却すると、 焼酎の原酒が製成されるのです。
竹村さん 「こちらで作っている焼酎は 全ての乙類の本格焼酎です。 単式蒸留という1回だけ行う簡単な方法で 原料特性が色濃く残るお酒ができます」
リーダー 「じゃあ下からガンガンお酒でてるんですか?」
竹村さん「ジャーって出てますね」
舌なめずりする植野さん。
続いて焼酎を熟成させている貯蔵庫へ-
竹村さん 「こちらが貯蔵庫になります。 こちらは原酒を貯蔵しているタンクです。 反対側が樽熟成です」
リーダー「かっこいい~♪」
蒸留した原酒を、タンクと樽それぞれに移し、 3年から5年かけて熟成させることで、 丸みのある味わいに仕上がるそうなんです。
まずは、アルコール度数44度の原酒から。
植野さん 「おー!ジャガイモの優しさが後ろから 寄り添う感じが サツマイモの芋焼酎とは全く違うし 麦焼酎の香りの強さでもないし…」
リーダー「強っ!!おおお」
竹村さん「けっこうググッとくる」
リーダー 「うわあああ~ でもアフターが…優しい…ベジタブル!」
森「なんか…変な英語混ざってませんか?」
続いて、5年熟成の原酒を。
植野さん 「うわっ!まろやまだし… ホントに粘度も感じるから なめらかに入っていくような」
森「うわ~~」
竹村さん 「だいぶまろやかで、とても飲みやすいです」
リーダー 「まるみがあって抱擁感のあるような! 」
森「わかりやすい例えですね」
植野さん 「わおっ!!別物ですね!」
リーダー 「スイーツみたいに感じますね」
森 「飲みやすい!すっごく飲みやすい! 焼酎を飲む女性は少ないですけれど 女性でも絶対好きだと思います」
リーダー 「お酒は色々な違いを楽しみながら 語り合うのも楽しいけど… 馬鹿話しながら盛り上がるのが 一番楽しいね!」
リーダー 「笑いながら飲むって!」
植野さん「そりゃそうだ」
みなさん仕事中ですよ~(笑)
森 「じゃがいも焼酎にある料理を頂きますが この料理を作られたのが…」
植野さん「はいっ!」
人気月刊誌、ダンチュウの編集長を務める 植野さんですが、年に数回、友人を集めた 食事会を開き、自慢の料理を振る舞うという、 料理人の一面も持っているんです!
しかもその腕前は、 プロも認めるほどなんだとか…
リーダー 「シェフの料理を紹介する立場じゃないですか。 ご自身も料理されるんですか?」
植野さん「自分で作るのも好きなので…」
植野さん 「じゃがいも焼酎に合う、 地元のものを合わせたにしたかったので きたほなみを100%使った“ひやむぎ”! 。 これをおつまみにしたかったので 焼きそばにしました!」
リーダー「何それ!!」
■清里 生ひやむぎ(300g 330円税込) 販売先)Aコープ清里店
清里町名産品の「生ひやむぎ」に、 香りづけのジャガイモ焼酎をかけて炒め、 メインの味付けは塩コンブ、 そして隠し味にカレー粉を加えた 植野さんオリジナルの一品です。
森「合わせる飲み物なんですが…」
竹村さん 「清里≪樽≫を炭酸で割ってます。 おススメの飲み方水です」 ●詳しいレシピはこちらへ― http://www4.hbc.co.jp/agri_recipe/list.php?selectdayforcal=20171209&selectmonthforcal=201712
柳谷さん 「ん!美味しいです! 食べやすいですね。 カレー味が少し効いていて美味しいです」
竹村さん 「カレー粉のスパイスがきいていて すごいおいしいです!」
リーダー「焼酎との相性は?」
竹村さん 「抜群ですね! お酒が進みますね!!」
森 「合う!!おいしい 麺がすごく美味しいですね。モチモチ!」
リーダー 「こんなの2~3軒目のバーで出されたら たまらんね~」
グビグビグビグビ…
植野さん 「ふあああああ~落ち着く!! すごくさわやか。 割ることでジャガイモのあま味や香りの 繊細な部分が出てくる感じがある」
森 「いかがでしたか? 北海道のジャガイモ焼酎は?」
植野さん 「ジャガイモを育てるのも焼酎を作るのも、 色々な方が手作業だったり 状況や自然に合わせて努力されている事が 感動するくらい一番印象に残っています」
リーダー 「デンプンをとるためのジャガイモで ひょっとしたら口に入らない ジャガイモだったかもしれません。 それがこんな人気商品になった! その農産物を作っている今の想いは?」
柳谷さん 「みんなが楽しんでもらえるものになると ますます身近になってもらえると思う。 新しい魅力を発見してもらいたいので もっとみなさんに知ってもらいたいです」
リーダー 「ぜひまた来てください」
植野さん 「来るなと言われても来ます!」 ---------------------------------- 12月2日のクイズ 「給食のカレーに入っていたのは 何のお肉だったかな?」
正解は「羊肉」でした。