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2012年11月24日(土) | ♯219 協同の精神で取り組む新たな「地域資源」編
2012年11月24日(土) | たい肥の中に町の連携が見える…
>>

2012年11月10日(土) |  ♯217 豊頃町の大型酪農を支えるアウトソーシング

さて今回のあぐり王国は
美味しい北海道のミルクを
ゴクゴク飲むところからスタート!

森崎
「あ~おいしい~!!」

ところが藤尾君のミルクの量が
リーダーの半分だったようで…

藤尾
「ボクの少なくないですか?
 量が少なくないですか?」

森崎「一応ボク2倍になりました」

藤尾「…?」

森崎「これには理由があるんですよ」

佐々木
「そうなんです!グラフをご覧下さい。
 過去10年間の出荷乳量と
 酪農家さんの戸数を推移グラフなんです」

森崎
「あれ…酪農家さんが減っているのに
 乳量はアップしている!」

藤尾「不思議」

森崎
「酪農家さん辺りの乳量が2倍になっている!」

藤尾「だからボク少なかったんだ」

佐々木
「どうして生乳量がアップしたのか
 その秘密を探りに行きましょう」

やって来たのは十勝管内にある
酪農と畑作が盛んな豊頃町。

生乳出荷量をアップさせる
新たな取り組みとは!?
今回は豊頃町の酪農システムに注目です!

まずあぐり一行がやって来たのは…
二宮金次郎の銅像の前??

佐々木「お二人はご存知ですか?」

藤尾
「薪を背負ってお仕事しながら勉強して
 “こんなふうになりなさい”って言われました」

佐々木
「二宮尊徳(たかのり)さん…
 そんとくさんとも言われていますけど、
 実はここ豊頃町は尊徳さんのお孫さんが
 切り開いた町でもあるんです」

森崎
「ゆかりの町なんだ~」

佐々木
「というコトで今回のあぐりっこと
 一緒に町のお勉強をしましょう」

小学5年生からはの
タクヤ君と初参加のチカルちゃん。
そして小学6年生からは
シンノスケ君とイツキちゃんです。

さてここでリーダーから質問。

森崎
「二宮金次郎ってどんな人かわかる?」

チカル「あんまり…知りません」

イツキ
「テレビとかで見たことあるだけで
 あんまり知りません」

森崎
「有名な人であって、その人のお孫さんが
 この町を開拓したのはビックリ!」

佐々木
「こちらがお孫さんの二宮尊親(たかちか)さん。
 畑も田んぼも何もなかった時に
 町の人と協力して切り開いていったんです」

二宮尊親さんは色んな教えを説いています。
その一部の教えの内容を児童や生徒に
分かりやすく伝えるためのものが
子ども報徳訓です。

藤尾
「人としての教えも、この町の人に広めた!」

森崎
「町の精神になっているわけですよね」

明治時代に入植が始まって以来、
二宮尊徳の「報徳の教え」を
代々受け継いでいるまち・豊頃町。
この町で酪農家の数が減っても
毎年、生乳出荷量が増え続けている
秘密を探るため
一行は二宮尊親が最初に開墾を始めたと言われる
二宮地区の生産者のもとへ向いました。

 


2012年11月10日(土) |  搾乳だけに特化するアウトソーシングとは?
お話を伺うのは軍司(グンジ)さん。
生乳出荷量を増やす取り組みを実践している
酪農家の一人です。

早速牛舎に案内してもらいました。

実はタクヤとチカルはこんなに近くで
牛さんを見るのは初めてです。

森崎
「どう?」

タクヤ
「すごい!迫力が!」

チカルは初めてエサやりにチャレンジ。

おとなしくエサを食べる乳牛に
チョット慣れてきたチカル。ところが-

ブウウ~~(ものすごい鼻息!)

鼻息の勢いとビックリでよろけるチカル。

森崎「何かかかった!大丈夫か?」

牛さんもあぐり一行に興味津々なんですね。

さてこちらの牛舎の中に
生乳量アップする秘密があるのでしょうか?

藤尾
「見た感じ今まで取材してきた牛舎と
 そんなに変わらない…と言いますか…」

森崎
「フリーストール牛舎ですよね。
 牛が自由にそれぞれの時間を過ごしている」

 

軍司さん
「実はうちはね…
 親牛しかいない!
 わかるかな?
 子牛は別なところに預かってもらって
 うちらは搾乳だけ専門にやっている。
 1つだけ一生懸命にやろうと!」

軍司さんの牧場のほか二宮地区大半の牧場では、
生まれた子牛を町内の
哺育専用の会社に預けて育成するほか、
牧草やデントコーンなど
飼料収穫も外部に委託して、
酪農家が搾乳に専念できる
経営スタイルを実践しているんです。

ここでリーダーがこの仕組みを簡単に解説!

 

森崎
「三軒の酪農家さんがいます。3つの仕事、
 “エサの収穫”“哺育・育成”“搾乳”を
 それぞれやっている…というのが
 本来の酪農家さんなんです」

藤尾「大変だよね~休み無く…」

森崎
「そうだよ。それで…仕事を分けたんだよね。
 Aさんは搾乳という仕事。
 Bさんは哺育・育成。Cさんはエサの収穫。
 こうなったらどうですか?」

タクヤ
「搾乳だけに集中できる!」

森崎
「そう!軍司さんは搾乳だけ集中している。
 その結果、乳量がアップする!」

森崎「飼育頭数は増えました?」

軍司さん「増えました!」

森崎「10年前は何頭ぐらい?」

軍司さん「今の半分以下です」

森崎
「じゃあ搾乳に集中することによって
 牛の飼育頭数が2倍以上になった!
 したらお乳の量はあがるわな~」

じゃ~ん もんすけです!
軍司さんを含め二宮地区ではおよそ8割、
豊頃町全体では3割ほどの酪農家が
町内の哺育施設に子牛を預けていて、
エサの収穫作業も町内のほとんどの酪農家が
外部にお願いしているんです。

ちなみに、この取り組みを
「アウトソーシング」って言います。

酪農家の負担を減らして
搾乳に専念してもらうことで、
牛の頭数が増やせて乳量もアップ!
それぞれの専門家が集中して作業してくれるので、
質の高い生乳が生産できるんだよ!
コレが生乳出荷量を増やし続けている
秘密だったんだね~!!


2012年11月10日(土) |  ハイテクが見守る子牛の幼稚園!?

早速、子牛を預かっている
哺育・育成預託牧場の「シー・ブライト」に
おじゃましました。
お話を伺ったのは桐山明子さんです。

佐々木「子牛がいるんですよね」

桐山さん「700頭ぐらいいます!」

森崎「マンモス幼稚園みたいですよね」

桐山さん「カワイイですよ」

酪農家から預けられた子牛
700頭の哺育・育成を10ヶ月間、
4名のスタッフで管理するこの施設。

早速、飼育されている子牛達を拝見!

森崎「見える?」

あぐりっこ
「カワイイ~!」
「ちっちゃい!」
「あ~かわいい!!」

先ほど軍司さんの牛舎で見た
牛さんと比べると
小さくてフカフカしてみえます。

シンノスケ
「…すごいカワイイ♪」

藤尾「ホレちゃっているな!」

こちらの哺育舎には
生後3週間ぐらいの子牛が大集合!

桐山さん
「生まれた順番に飼っています」

森崎
「一手に担うというのは、
 どんだけ大変なんだろうと思うんですけど…」

 

桐山さん
自動的にお乳が作られて
 自動で飲むことができるんですよ。
 この建物がそうなんです」

白い建物のサイドには
子牛が入れるようなボックスがあります。

するとみんなの目の前が
子牛がそのボックスに入っていきました。

 

佐々木「子牛が入っていきましたね」

すると哺乳瓶の飲み口のような
ものが出てきて
子牛がチューチュー吸い出しました。

森崎「出てきた!」

桐山さん
「1回に500cc作られて
 2リットル飲めることになります」

シーブライトでは子牛の哺乳を
全てロボットで行っています。
子牛の首に付いた数字とセンサーで
哺乳の量や時間、回数など、
全て自動管理しているんです。

藤尾
「だけど、ここでおっぱいを飲むことを
 覚えさせるのも大変ですよね」

桐山さん
「そうですね。ここは狭いので
 最初は入るのすごい拒否しますね。
 なので追い込んで入れてあげます」

本日まだお乳を飲んでいない
子牛がいるとのこと…
そこであぐりっこが子牛の誘導のお手伝いを
してもらうことになりました。


2012年11月10日(土) |  支えあう精神が根底に…

まずは男子チームからスタート!
桐山さん
「そ~っと行くと怖くないので…
 ネック(首)を押えながら付いていくと…
 ほら、持ってごらん!

手が全くでない男子チーム(直立不動)

桐山さん「ホラ持ってごらん!」

なかなか勇気が出てこない男子チーム。

なんとか子牛に触れたタクヤ。
子牛を誘導しようとしますが
なぜか子牛と一緒にシンノスケを牛舎の
隅に追いやってしまうことに!

藤尾「シンノスケ!どうした?」

すると子牛からシンノスケに頭突き!

シンノスケ「ウギャー!」

子牛と戯れて終わってしまった男子チーム。
このあと桐山さんと一緒に
何とか無事に哺乳ロボットへ誘導。

続いては女の子チームが挑戦!
すると…

藤尾
「あらっイツキ意外と強引なのね!」

佐々木
「積極的ですね!」

女子は怖さ知らず!
どんどん子牛の中に入っていきます。

お乳を飲んでいない子牛を見つけて
優しくお尻をたたきながら
誘導していきます。

最後も2人で優しく誘導して大成功!

藤尾「上手上手!」

桐山さん
「イヤとっても上手でした!
 土日アルバイトに来てもらおうかしら」

お手伝いをしてみて
カワイイだけでなく
子牛を預かる大変さも知ることが出来ました。

森崎
「軍司さんも、おっしゃってましたけど
 (シーブライトさんに預けることで)
 『助かるんだ』って言ってましたよ」

桐山さん
「そういっていただける事が
 私達の励みです!」

お互い支えあっているのが
豊頃町の酪農システムの強み!
そしてもう1つの秘密を探りに行ったのが…

巨大な倉庫の前でした。

実はコチラは、
豊頃町の乳量アップに必要不可欠な
大型の飼料収穫マシンが収められている
農業組合法人 とよころ農業機械センター。
早速、その大型マシンを拝見!

現われたのは
モンスター級の収穫マシン!

あぐり一行
「うわ~すご~い!」

颯爽とマシンから登場したのは
とよころ農業機械センター代表の
井下陸男さん。

藤尾
「めっちゃカッコイイ登場っすね!」

鉄道ファンのタクヤはもう目がハートです!

さてこのマシンの大きさを
実感してみましょう!
イツキにタイヤの前に
立ってもらうことに。

森崎「なんだこのタイヤの大きさ!」

イツキ「デカイ!」


2012年11月10日(土) |  スピードアップで乳量もアップ!
井下さん
「これは牧草を収穫する機械です。
 牧草を刈りながら、
 牛が食べやすいように細かく切って
 トラックに積んで農家さんの所まで
 運搬したりします」

井下さん
「5台!この機械があります」

森崎
「え~っ!合体したりするんですか?」

井下さん「合体はしません!」

機械センターに5台あるという
超大型の収穫機。

刈り取る部分は「牧草用」と
「デントコーン用」のものに取り替えられ
通常1ヶ月かかっていた作業を
わずか2週間ほどで行えるんです。

井下さん
一番美味しい時期に牧草を刈って
 それを牛に食べさせることによって、
 おいしい牛乳がたくさん生産される!」

森崎
「北海道の牛は幸せだな~と思ってましたが
 豊頃町の牛は特に幸せかもしれないね。
 エサが一番美味しい時期に
 まとめて全部収穫する!
 それを1年かけて食べましょうってこと。
 すごいですよね~」

さてココで乗り物大好きのタクヤが
巨大収穫マシンに乗りこんで
その迫力を体験することに!

隣にはインストラクターさんが付いて
ほんの少し操作をさせてもらいました!

タクヤがボタンを押すと…
デントコーン用の大型カッターが
音を立てて回り出しました。

あぐり一行「すご~い!」

操作も体験したタクヤ「楽しかったです!」

 

今日一日豊頃町の酪農システムを学んでみて…

森崎
システム化することによって
 少しでも負担が軽減されて
 酪農家のみなさんに優しいシステム
 ドンドン取り入れられていくのは
 北海道の酪農の未来は明るいなって思う!」

井下さん
「酪農家戸数が減っている中で
 ある程度の規模を町でも
 維持していかなければならないし、
 個々の規模を大きくするなどしてね…
 酪農業 頑張ります!」

森崎「お願いします!」

独自のシステムで酪農の進化と
発展を続ける豊頃町は、
開拓者の二宮尊親が町を切り開いてから
およそ100年を迎えます。
町内には二宮金次郎の銅像が数多く
設置されていて、その「報徳の教えや」
精神が今なお受け継がれているんだよ!

牛首別報徳会(うししゅべつほうとくかい)
佐藤 安会長
「『子ども報徳訓』というのを制定しまして
小学校・中学校の頃から
それを教えようという動きになっていますし
親が子どもに対して
『困っている人を助けよう』とか生き方とか
報徳訓の教えを通じて息づいているのか、
今に伝えられている感じがします」

助け合う心って大切だよね~
町の人同士の繋がりで育てられた牛さんの牛乳。
美味しいだろ~な~!

ミルクを使って簡単スイーツを作ろう♪

町内でスイーツショップ
「パティスリープレール~そら。」
オーナーパティシエ井村侑里香さんに、
子供から大人まで楽しめる
お手軽スイーツを教えて頂きました。

※詳しい内容はレシピコーナーへ!

こんにちは週刊あぐりニュースです。

早速、耳より情報です!
こだわりの野菜や果物を使った絶品メニューが
お手頃価格で楽しめる
ホテルランチバイキングがあるんです。

ホテルの一流シェフによって調理された
料理やスイーツ!これらの料理、
使われている食材は全て
後志産の農産物なんです。

これは「後志をもっと知るべし!フェア2012」の
催し。ホテルニューオータニin札幌にある
レストラン「フォーシーズン」で
ランチバイキングとして食べられるんです。

ランチバイキングは、
19日月曜日から21日水曜日の
3日間限定で行われます。

後志の味覚をお腹いっぱい味わってみては!

《「後志をもっと知るべし!」フェア2012》
日時:11/19(月)~21(水) 3日間限定!
場所:ホテルニューオータニin札幌B1 
    「フォーシーズン」
     札幌市中央区北2西1-1 電話011-222-1111

【ランチバイキング】
大人1500円/シニア(65歳以上)1260円 
小学生以下 500円 (全て税込)

【農産物プレゼント】
ランチバイキング会場入り口にて
毎日先着50人に馬鈴薯などの
農産物を無料配布。

------------------------------------------
続いては、農業や田舎暮らしに興味がある人への
お知らせです。

農業に関係する「働く」「暮らす」「学ぶ」
「食べる」をキーワードに
農業などへの新規参入や法人就職、
田舎暮らしをバックアップするイベント
「新・農業人フェア2012」が開催されます。

会場では農業に関する何でも相談や
家族で楽しめる農畜産物の直売会、
ステージイベントも予定されています。

さらに来場者やブース訪問者には
牛乳やお米などのプレゼントもあるそうです
入場は無料。入退場は自由なので、
お気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。

《新・農業人フェア2012》
日時:11/17(土)10:30~16:00
場所:札幌コンベンションセンター・大ホール
   札幌市白石区東札幌6-1-1-1
問合せ:
公益財団法人 北海道農業公社
電話)0570-044-055
★詳しくは「新・農業人フェア2012のHPへ!


2012年11月03日(土) |  ♯216 道内唯一の黒米品種“きたのむらさき”編

黒く光り輝くお米
「黒米(くろまい)」。

稲作文化発祥の地である
中国や東南アジアから伝来した作物と言われ、
日本では本州を中心に古くから
祝い事などに用いられる神聖な食べ物として
細々と作り継がれてきました。

そんな黒米ですが、
近年改めてその秘められたパワー
注目されているんです。

天使大学看護栄養学部 荒川義人教授
「黒米は栄養成分がいっぱい詰まったお米です」

栄養価にとても優れているお米「黒米」は、
もともと温暖な気候で育つ作物。
寒冷な北海道ではその栽培が困難と言われ、
国内流通のほとんどを
本州産に頼っているのが現状でした。
しか~し!
そんな黒米が
何とココ北の大地
誕生していたんです!

佐々木
「さて今回のあぐり王国は
 “黒米(くろまい)”に注目していきます」

藤尾「黒い…お米??」

森崎
「お米っていうと白いもんだと思ってますが…
 今、話題の黒米ですよね」
 
藤尾「話題になっているんですね~」

ということであぐり一行がやって来たのは
道内屈指の米どころ深川市です。
実は深川市は北海道産の
黒米の発祥の地と言われているんです。

森崎
「ここ深川から道内黒米が始まったんだ!」

ということで今回のあぐり王国は、
北海道唯一の黒米に注目。
そのルーツと魅力に迫りますよ。

まずはいつものあぐりっこ紹介。
初参加はタケル君(小5)ヒナコちゃん(小5)。
そして小学校6年のコウタ君とリネちゃん。
以上の4名で~す!
ところでみんな黒米って知っているかな?
あぐりっこ
「みたことな~い」
「聞いたコトな~い」

リネ「イメージがよくわからない!」

森崎
「そうだよね。みんな聞いたコトも
 見たコトもないお米だよね」

佐々木
「ここ深川市で2001年に“もち米”の新品種
 として誕生した黒米があって、
 その黒米の名前が【きたのむらさき】という
 品種なんです」
 
森崎「むらさきなんだね」
ヒナコ「【きたの“くろ”】 じゃないの?」

森崎「なんでだろう?疑問が出てくるね」
 
~私達が普段食べている白いご飯(お米)は
“うるち米(まい)”と言いますよ~

では【黒米】について簡単にお勉強しましょう。

佐々木
「中国・東南アジアが発祥といわれています。
 また《お赤飯》のルーツといわれています」

森崎「黒米がお赤飯のルーツなんだ」

 

佐々木
「お邪魔している深川市をはじめ、
 北海道のいくつかの市町村で黒米を
 作っているんですが…
 ここ深川市では3軒の生産者さんしか
 作っていないんです」

藤尾
少なっ!米どころやから、もっといっぱい
 作ってると思ったのにな~」

森崎
「発祥の地ですからもっと作っているのかと…
 色々と聞きたいことが増えてきたな」

深川市内で僅か3軒の農家しか栽培していない
黒米「きたのむらさき」。
その秘密を探るため一行は生産者のもとへ…


2012年11月03日(土) |  全てが手作業…黒米に情熱を注ぐ!

お話を伺うのは黒米生産者の
上島孝治(タカシマ・コウジ)さん。
深川市内で“きたのむらさき”を
大切に育てている生産者の一人です。

森崎
「【きたのむらさき】を探し求めに来ましたが
 今はどういう状態でしょうか?」

上島さん
「バインダーで稲刈りを終えて、
 それ(稲)を“はさがけ”している状態。
 そこにあるのが“はさがけ”です」

上島さん
「天日干しをして水分を抜いているんです!」

森崎
「今ではこういうふうにやる農家さんは
 なかなかいないですよね」

では近づいて観察してみると…

藤尾
「遠くから見たら普通の稲とそんなに
 変わらないと思ったんですけど、
 先っぽちょっと黒いですね」

藤尾「濃い茶色というか…」

あぐりっこ「本当だ!」「濃い!」

藤尾
「これ全部【黒米】でしょ?
 はさがけを全部するのに
 どれくらい時間がかかるんですか?」

上島さん「2日ぐらいかかります」
 
機械での乾燥が主流となっている白米とは違い、
全て手作業での乾燥となる黒米。
(機械だと一昼夜、はさがけではおよそ2週間)

ちなみに収穫もコンバインは使わず、
人の手で押しながら刈り取る
「バインダー」という機械を使います。
そしてさらに、
その栽培方法にも特徴があるんです。

上島さん
「黒米は発芽率(はつがりつ)が非常に悪くて
 普通のお米の半分ぐらいしか発芽しないんです。
 田んぼに植える時は、機械で植えるんですけど
 その後、植えられていないところを
 腰を曲げて手で植えるんですよ。
 そこらへんが手間ひまがかかるんです」

森崎「大変だあ」

リネ
「機械を使っても時間とか苦労がかかるんだ」

森崎
「なんか3軒しか農家さんがいないのも
 わかる気がします…」

藤尾
「なんでそこまでして黒米を作るんですか?」

上島さん
「この黒米は拓殖大学の石村先生が研究して
 10年以上かけてつくったお米なんです。
 私も拓殖大学をでてますからね…
 PRの一貫として作っているんです」

じゃ~ん、もんすけです!
深川市が発祥の黒米「きたのむらさき」。
この品種は、市内にキャンパスを構える
拓殖大学北海道短期大学で開発されたんだよ。
開発者の石村名誉教授に
研究開発のきっかけを聞いてみました。

石村櫻名誉教授
「1980年代に中国に行った先生が雲南省で
“お赤飯のルーツと言われているかもしれない”
 という黒米を買ってきたんですよ。
 それで行って来た先生に
 『北海道でこういうのを作ろうよ』と言われて
 私もそうだなって思ったし、
 日本ではお米の品種改良は農業試験場とかしか
 やっていないし、大勢の人が関わっていて
 対抗できないけど、黒米を作るぐらいなら
 コツコツやればできるかな…ということで
 スタートしました」

品種開発は特徴の違うお米の細胞を
組み合わせて
新しい種を作ります。
“きたのむらさき”は、
黒米が誕生したと言われる東南アジアの品種と
日本のもち米品種を組み合わせて
できたお米なんだけど、
海外から100種類以上の黒米を取り寄せたり
開発には10年以上もかかったんだって~
石村先生や大学の地道な努力で
誕生した品種だからこそ、
生産者の人達も大切に育てているんだよ!

2012年11月03日(土) |  風向きに注意せよ…脱穀スタート!

『はさがけ』して水分が十分抜けたら
続いて「脱穀」作業に入ります。

上島さん
「“はさ”から稲を下ろしてきて
 一束ずつ脱穀機に入れます。
 すると別なところから
 “もみ”と“わら”が出てきます」

ということで全員で力を合わせて
初めての脱穀作業に挑戦!

藤尾君が稲を“はさ”から下ろして
佐々木アナ→あぐりっこに手渡し。
最後にリーダーが脱穀機に稲を入れていきます。

さて順調に始まった脱穀作業。

とここで藤尾君から何やらサインが…

藤尾
「タカシマさん!タカシマさん!」

藤尾君、どうやら必死に
「タイム!タイム!(休憩!休憩!)」と
合図を送っていたようです。

藤尾
「タカシマさん!
 なんか…いっぱい…
 粉みたいなのが飛んできます!」

実はみんな風下で作業していたため
埃やもみ殻が飛んできていたのです!

佐々木
「これチョット風向きが悪すぎますね!

森崎
「風下にいるもんだから全部飛んできたね!」

風にも負けず脱穀した結果は-

森崎「“もみ”がこれだけ取れたよ~」

あぐりっこ「すごい~!」

藤尾
「白米の“もみ”より色が濃いですね!」

森崎
「ちょっと粒は小さめですかね?」

上島さん
「そうです。白米と違って粒が小さいんです」

森崎
「白米と比べて苦労が多くて、
 しかも取れたお米の粒が小さい!
 これもまた大変なところですね!」 

脱穀が終わったら、籾摺り(もみすり)。
専用の機械で籾殻(もみがら)を取り除いて
玄米にします。

では“もみすり”機に
“もみ”を入れてみましょう。

森崎
「お~中のローラーが回っているね」

もみがこすれて“もみがら”が取れ
何やら黒っぽくなんてきました。

あぐりっこ
「すご~い」「黒くなってきた~」

もみ殻が取れた黒米をよく見ると-
あぐりっこ
「真っ黒!!」
「こんなお米、初めて見る!」

みんな初めての経験に大興奮です。


2012年11月03日(土) |  みんなひとつになって黒米PR!

もみを取り除いて
やっと見ることのできた【黒米】の姿…

森崎「触ってみる?」

では黒米を触ってみるみましょう。

タケル「スゴイ!なんかしっとりした感じ」

リネ「感触はお米の感触になっている」

森崎
「ということで
 黒米のもみすりが終わりました。
 次は“精米”に入るんですか?」

上島さん
「いえ黒米は精米しないんですよ。
 これが出来上がりなんです」
 
森崎「つまり“磨かない”!

上島さん
「これを精米したら白いお米になるんです

森崎
「これを磨くと…」とツメで引っかいてみると…

タケル「黒いの取れた!」

表面の黒いのが出れてきました。

コウタ
「精米したらこうなるんだ…」

佐々木
「みんなが食べている白いご飯は
 もみすりをして玄米になって
 その玄米を精米して真っ白くなっている。
 だけど黒米は精米せずにこのままで終了!」

黒米が精米をしちゃいけないのは、
みんな知ってたかな~?
白米と違って黒米は、
「種皮」と呼ばれる外側の黒い皮で覆われた
玄米の状態で食べるんだけど、
その黒い部分にたっぷり栄養が
詰まっているんだって~

天使大学 看護栄養学部 荒川義人教授
「黒米は中のほうはデンプンで、
 白いお米と変わらないんですけど、
 外側に黒い“アントシアニン”という
 色素を持っている(ポリフェノールの一種)
 その他にビタミンB1・B2・ナイアシン、
 植物繊維などいっぱい含んでいて
 普通のお米に比べて栄養成分が
 タップリ入ったお米なんですね」

栄養たっぷりの黒米!
生産者達が手間ひまをかけて育てるのも、
納得しちゃうな~

森崎
「とにかく大変ですね!
 大変だからみんながみんな、
 出来ることでは無いと思います。
 大変なのに黒米を作り続ける理由は何ですか」

上島さん
「お客さんが“おいしいな”って言ってくれる
 そういうポイントが
 忘れられなくて…作る…。
 おいしいわって言ってくれたら、
 苦労も少し飛んでしまうというか…」

森崎
「ここまでお話聞いたら…食べてみたいね!
 食べに行こうか!よし行こう~!」

深川市で生まれた
北海道の新たな特産品「きたのむらさき」。
ごくわずかな生産量の貴重なお米だけど、
深川市ではその普及に向けた幅広い取り組みを
地域一丸となって行っています。
深川市経済・地域振興部 黄倉利昌さん
「『ふかがわ地域資源活用会議』という
 市民の皆さんで作る団体で、
 黒米サンプルを配布したり
 学校給食で出していただいたりしています。
 また商業者の方と協力して 
 商品化をしていただいてります」

深川市内の飲食店では黒米を使った
様々なメニューが開発されています。
黒米の粉を麺に練り込んだ、
モチモチ食感が特徴の“黒米ラーメン”。

そして黒米の粉と小麦粉を合わせたパンで
ジューシーなお肉を挟んだ“黒米バーガー”。

その他にも100品を超える
様々な商品が開発されています。
この“黒米プロジェクト”は、
北海道ならではの新しい特産品を
育てていこうという取り組み、
“食クラスター連携協議体”とも連携していて、
まさに“黒米の町”として
深川が注目されているんだよ。

深川市経済・地域振興部 黄倉利昌さん
「市としても生産者さんのみなさんや
 事業者のみなさん、市民のみなさん、
 大学と共同して、今後も全道・全国に
 広く普及できるように頑張っていきたいです」

幅広い活躍が期待できる深川の黒米!
今後が楽しみだね~


2012年11月03日(土) |  初めての黒米試食♪おいしい~!

佐々木
「それでは黒米の美味しい炊き方を
 教えてもらいましょう~」 「イエーイ」

藤尾
「イヤイヤ…
 同じお米なので白米と同じように炊けば
 おいしく炊けるでしょう?」

佐々木
「違うんですっ!」

ということで黒米の美味しい炊き方を
“あぐり工房まあぶ”で
料理インストラクターを務める
高橋真弓さんに教えて頂きます。

今回はあぐりっこにも
手伝ってもらいました。

※詳しい内容はレシピコーナーへ!
黒米の炊き方以外に「洋風ごはん」なども
掲載されていますよ。

さあ黒米ごはんが炊けましたよ~

「お~すごい」

あぐりっこ
むらさき色になっている~」
「すごい~」

さてそのお味は…

森崎
粘りがすごくて甘みがありますね」

タケル
「もちもちして美味しい!

森崎
「ご飯だけなのにバクバクいけちゃうね」

そしてもう一品の
洋風黒米ご飯も頂いちゃいます!

あぐりっこ、みんな同時に…
「いいにおい!」

森崎「いい顔するな~みんな」

さあ一口たべて…
タケル「美味しい!」
リネ「バターとコンソメ合う!」

もうみんな大絶賛!

藤尾「チョーうまい!」

今日1日黒米を学んだ感想は?

リネ
「生産者の人がすごい苦労して、
 そのお米だからこそ、色んなものとも合うし
 すっごく美味しかったです!」

タケル
「手作業でたくさん手間ひま時間をかけて
 やっていたから、
 最後に食べる時はすごく美味しかった!」
 
多くの人たちの情熱あふれる黒米。
あぐりっこの心にもズッシリ届いたようです。

みなさんもぜひ黒米チャレンジして下さいね!




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