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2019年11月30日(土) | ♯548 農業と漁業で守る網走川編
2019年11月30日(土) | 漁業者と農業者…何が出来るのか?
2019年11月30日(土) | 次の世代への橋渡しのために一致団結!
>>

2019年11月02日(土) |  ♯545 滝上町しそ油作り!編
(森崎博之リーダーNa)
これはドレッシング。これはお菓子。これはお漬物。
今ご覧いただいている食品すべてに、
ある共通の農作物が使われています。
それはいったい何でしょうか?

答えはシソ。

でも、シソといっても、どこにも見当たりませんね。
実はこれ、シソの香りが使われているんです。
ここは、オホーツク地方の滝上町。
シソの香りの原料となる、
「シソ油」の生産が盛んに行われています。

シソ油に使われる品種は、
滝上町周辺のオホーツク地方と、
他にごくわずかな地域だけで栽培されているんです。

しかも輸入モノはなくて、100%国産。
シソ油っていうのは、とても珍しくて
とても貴重な産品なんです。
今回、この滝上町で森アナウンサーが、
シソの収穫から油の蒸留までを追いかけました!

今回のあぐり王国はドキュメンタリー企画。
「香り」という分野も支えている、
北海道農業の知られざる一面を、
ちょっと覗いてみませんか?
9月上旬の滝上町。
シソの収穫期を迎えています。
こちらは生産部会の部会長、瀬川博さん。

瀬川さん
「“大葉”で売ってるやつと
 品種としては正式に違うんですよね。
 油用に葉っぱの厚みがありますよね」
瀬川さん
「葉っぱの後ろが紫になるんですよね。
 油が溜まってきたらね!
 乾いてもね、パリパリにならないで
 ネトッ~~て感じなんですよね」
普通の食べるシソは葉っぱを1枚1枚摘み取って
収穫するんですけど、油用のシソは、
こうして茎の根元から刈り取るんですね。
刈り取ったシソは、束にして、
その束同士を使って、立てた状態にします。
この作業を島立て(しまだて)といいます。

瀬川さん
「“島立て”ってオレが生まれる前から言ってる言葉。
 島をいっぱい作るっていう…
 畑を“海”とみなしてるんじゃないですか」
瀬川さん
「これ地面に置いといちゃうと腐っちゃうんで
 乾燥しないと採油率が悪いんで
 乾燥させるんですよね。
 自然乾燥なんでパリパリにはならないですけど
 腐らない程度には乾きますんで…
 まあ重労働っていうより精神的な問題ですよね。
 これ全部やるのか…と思うと
 心が折れるかな…(笑)」
収穫も島立ても大規模な機械での
作業が出来ないので大変です。

そんなシソ油の生産において、
滝上町が占める役割は全国的に見ても、
とても大きいんです。
瀬川さん
「珍しいというか貴重ですよね。
 国内で作っている量がホントに限られている。
 網走管内と一部の富良野地方の一部しか
 作ってないんで。それが全てなんで…」
瀬川さん
「それを各香料会社が契約などして
 結構需要があるみたいで、
 『天井知らずに作ってもらってもいい』って
 言われているんですけど
 農家の作れる面積はしれてますんで…
 手間がかかるんでね…」  
瀬川さん
「『これ以上は無理だ』っていう限度まで
 みんなつくってもらっているんです」

2019年11月02日(土) |  圧巻!背丈ほどのシソ畑!
さあシソの収穫真っ盛りの瀬川さんの畑に、
やってきましたよ!
出た!我らが森アナウンサー。

貴重なシソ油の生産を
余すところなく伝えてくれます!…はずです。

森アナ
「うわ~いい香りしてきた!」
(森結有花アナウンサーNa)
はいっ、ということで、ワタクシ森結有花、
シソ畑に行って参りました!
まずは収穫について余すところなくお伝えします!
瀬川さん
「機械は稲刈り機なんですけど…
 こんな風に束ねていきますね」

森アナ
「刈り取りながら、束ねてるってことですか?」

瀬川さん
「バインダーって言って
 麻ヒモで一定の太さになったらガチャンと束ねる!」
森アナ「はあああ。これ稲刈り機!」

瀬川さん
「本当はシソはもっと丈夫な機械がいいんですけど
 稲刈り機しかないんで…みんな使ってます」

森アナ「それだけ茎がしっかりしてる?」

瀬川さん
「稲に比べるとごつい茎なんで…
 ちょっと刈ってみてください!!鎌で!」
(リーダーNa)
あれあれ?瀬川さん? 
うちの森アナウンサーにそんなこと
やらせて大丈夫ですか?
しかも茎が、硬いんですよね? 
これは心配だぞ…

森アナ「じゃあ刈って…」

瀬川さん
「1本だけやってみてください。
 なかなか刈れませんから」

森アナ
「1本だけ?
 稲だとシャーってやるじゃないですか?」
森アナ
「確かに!これ太い!太いし強い!!」

ん?森さん今、稲刈りが上手な人の感じで、
しゃべってますよね?
あなた稲刈りひどいですからね?森さん。

シソは果たして刈れるのかな?
森アナ「うーんうーん…」

なぜか鎌をひかず茎をぐいぐい引っ張る森アナ。
瀬川さん
「刃物なんで…
 (瀬川さんが引っ張るとシャッと切れる)
 これで切れるんですけど…」
瀬川さん、その気持ち…すっごく解ります。
結局ね…ご自分で刈ってしまうんですよね。
ホントにご迷惑おかけしました…。
まあその森さんはね、
茎の硬さを鎌を使って表現してくれたんだって事で
完璧な仕事をしてくれたと思いましょう。

2019年11月02日(土) |  初めての島立て体験!
(森アナNa)
この茎が硬いシソを小さな稲刈り機で収穫します。
機械での作業とはいえ、これが大変なんです。

ガガガガッガ…

森アナ「きゃああああ~うわああああ」
瀬川さん「見えないでしょ?」

森アナ
「うわああ全然前が見えない!うわっはっは」
瀬川さんがしっかりサポートしてくれていましたが
瀬川さんが離れた途端に
暴走しだす森アナ!!

森アナ「うわあああ。ちょっと!ちょっと!!」

つかさず助けに入る瀬川さん!

森アナ「うわあああ」
瀬川さん
「まったく見えないでしょ?
 どこにいるか分からないでしょ?」

森アナ
「シソがワアアアアて倒れてきて
 シソに襲われているような感じですよね!!
 ずっと襲ってきて、だからどこ刈ってるかが…」

瀬川さん「本当はもっと早いんだよ」
さてそういって瀬川さんが作業すると…

あっという間に刈られて行きます!!

森アナ「すごいすごい!!!」
瀬川さんの作業は、もちろん早いのですが、
何せこの広さ。1.2ヘクタールもあります。

1列ずつしか刈り取れないので、
途方もない作業量です。
これでも滝上では
瀬川さんの畑が一番小さな畑だそうです。
何日にも分けて収穫をして、
その都度、島立て(しまだて)をしていきます。
瀬川さん
「まず2つ取って茎が絡み合う様に立てます。
 これで自立するんで、あと2個も横から…!」

森アナ
「分かりました。
 見てると立てるだけなのかなって思いますけど…」

※なぜかまた余裕の発言をする森アナ  
さっそく束をもってみますが…

瀬川さん「重いしょ?」

森アナ
「重たい!あっ重たい!!重たい!大きいですね」

瀬川さん
「もう一方持たないと倒れちゃうよ。
 こっちからやらんと」

森アナ「そっか2個同時にやらないと倒れちゃう」

瀬川さん
「あんまり理屈考えてたら仕事終わんないんだわ」

森アナ
「そうですよね。こんなペースでやってたら
 日が暮れちゃいますもんね」

瀬川さん「まじで日が暮れちゃいますね」
さあ森さん、よいしょっと!
ちゃんと立てかけていくんですよ!!

瀬川さん「大丈夫??」

ちょっとお股に刺さってますけど…
やっ森さん、何したいんですか?
一気にそんなに持てるはずないんですよ!
何してんのっ!!

森さん!全くできてない!!

あ~あ…やっぱりこうなっちゃうんですね
(森アナNa)
この島立て作業、本当に大変です。
これだけのシソを全部手作業で組み立てるんです。
しかも、強い風が吹いて倒れたら、
その度に立て直すそうです。
それだけの手間をかけて、
しっかり乾かすことが重要なんです。

森アナ「どのくらい島立てするんですか?」

瀬川さん
「全体で1万5000束。
 4で割れば約3000ヤマか!
 で3000ヤマを一夜にして風に倒されるんだよ!」

森アナ「うわああああ」
森アナ「いやになりますね…」

瀬川さん
「考えただけでおぞましいでしょ(笑)」

森アナ
「ほんとに…考えたことなかったけど
 ドレッシングかける時とかにも感謝が募りますね」

2019年11月02日(土) |  収穫から一か月…乾燥したシソだ!
(森アナNa)
シソの収穫から、ひと月ちょっと経った10月中旬。
私は再び滝上町におじゃましました。

瀬川さん
「9月に収穫を手伝っていただいて
 それがどうにか風にも負けず、
 ずっと立って乾きまして…」
森アナ「うわああ~」
瀬川さん
「島立てで4つずつ立てましたよね。
 それを2ヤマ、8束縛りまして
 このハウスに運んできています」

森アナ「全然色が違いますもんね」
瀬川さん「緑色だったのが乾いて…」

森アナ
「茶色になってますし
 葉っぱが小っちゃくなってる!!
 ここまで乾燥させないとダメなんですね」

瀬川さん「乾いた方がたくさん油がでます!」

森アナ
「だからこんなにチリチリカラカラになるまで
 乾燥させるんですね」
森アナ
「この乾燥させたシソをどうするんですか?」

瀬川さん
「トラックに積んでシソの釜に運んで…
 みんなで共同でやってる釜なんですけど
 今、うちの釜を蒸してるんですけど
 それが上がったところに
 このシソを刻んでまたいっぱいにします」
この時期、滝上町ではシソ油の蒸留が
始まっていました。
生産者がローテーションを組んで蒸留釜を使います。
この日は、瀬川さんが蒸留する日で4回蒸留します。
1回の蒸留をしている間に、
次の回のシソを釜に運ぶ…という段取りです。
森アナ
「思ったより重たくない!
 この前より軽いです…
 とはゆえ…とはゆえだ!
 背が高いから!!」
シソは水分が抜けて軽くなってはいるのですが、
トラックに積み終える頃には、すっかりクタクタです。
森アナ
「顔がすごいですよね…
 1個持った時は軽いなって思ったんですけど
 3個目くらいから…疲労!
 すごい疲れました」
瀬川さん
「120束くらい積んだかね…長い束をね。
 このままだと釜に入りきらないから刻むんです。
 釜にビッシリ隙間なく入れるために…」

森アナ
「持って行って釜に入れて終わり!じゃなくて
 まだ刻んだりとか…」

2019年11月02日(土) |  これは日本遺産レベル!シソ油作り
瀬川さんのビニールハウスから、
JAの蒸留施設へ移動。
この時期は早朝から夕方までフル稼働しているそうです。
森アナ「これは終わった釜?」

瀬川さん
「そうさっき入れたうちの釜が上がります」

森アナ
「鎖で持ち上げるんだ!
 うわ~すごい!こげたような香りがする。
 香ばしいですね!」
森アナ「すごい…シソの量!!」

瀬川さん「トラック1台分がこの量」

深さおよそ2.5mの釜には
シソがギッシリ!
1時間くらいかけて蒸し、
その蒸気が機械を通して油になります。
油の抽出の様子を見せて頂きました。

森アナ
「すごいシソの香り!すごいする」
スタッフ「上が油で下が水です」

分離した水と油の「油だけ」を、
バケツに流し込む仕組みになっています。
森アナ
「できてる!シソ油ですか」

スタッフ
「刺激物なので(香りが)ヤバいですよ。
 直接かぐと結構…」
嗅いでみると…

森アナ「うおん!」

スタッフ「原液だと刺激が強すぎる!」

森アナ
「これすごいですね。
 シソの香り嗅ぐよりもシソですね!すごい!
 でもすごいキレイでサラサラっとしてました。
 へえ~こういう風にできるんだ!」
さて油を抽出したら空になった釜に、
持ってきたシソを再び詰めます。
森アナ「うおおおおおおお」
森アナ
「すごい!粉々!!」

カッターで粉々にしたシソを
風圧で釜の中に詰めていきます。
一度スコップにぶつけて
釜の中に入れていきます。
シソが良く乾いているので、
とにかく埃がすごいんです。
森アナ
「すごい舞ってるシソが!!
 ゴホンゴホン
 全然下が見えない!!」

と、言っていると、まさかのまさかが!!

2019年11月02日(土) |  森アナ遭難寸前!シソ釜の中へ!
釜を遠くから眺めていた森アナ。
すると突然瀬川さんが釜の中に飛び込みました。

森アナ「瀬川さん!何やってるんですか?」

瀬川さん
「何やってるって遊んでないよ!!
 中に入って踏まないと均等に入らないので!
 吹き付けるんで一か所にしか入らないんで
 散らして均等に上げていきます!」

森アナ「均等に慣らしていくってことですか?」

瀬川さん「そうです。踏みながら…」
(リーダーNa)
森さん。実はね他人ごとではないんですよ。
さあ!ということで、
あなたも釜に入りましょう!

マスクやゴーグルは、
滝上の皆さんがご用意してくださいました。
ありがとうございます!
そうフードも被って!
さあ森さん、気をつけていってらっしゃい!
ガガガガ~
粉砕されたシソが吹き付けられます。

森アナ
「うわああああああ。きゃあああ」
森さん!何を言ってるのか解りません!
これは凄まじいですね!
シソで森さんの姿を見失ってしまいそうです。
(森アナNa)
リーダー、私もこの時、
何を叫んでいたかは覚えておりません!
何かを考える余裕もありません!

シソが溜まるまで脱出するスベもありません!

ただひたすらシソを踏み散らすのみです!
こうしてシソに打たれ続けること、およそ15分。
何とか無事に地上へ戻って参りました。
森アナ
「もう…修行!!!
 全然前見えないし、汗びっしょり!
 終わったっていうより生還しました!!」
森アナ
「ずっとシソを浴びてて
 滝に打たれてるみたいな感じでした。
 すっごい!戻ってこられてホッとしました!
 いつまで続くんだろうって
 終わりが見えなかったので!はああ」
こうして釜の蓋が閉じられました。

森アナ
「閉まった瞬間、なんか嬉しいですね」
瀬川さん
「一番はね…終わった後、
 油がいっぱい出てくれれば一番うれしい!」

森アナ「これであとは油が出るのを待つだけ!」

瀬川さん「やることは全部やりました!」

2019年11月02日(土) |  貴重なシソ油が抽出!ありがたい!
(リーダーNa)
森アナが取材した日とは、別の日の滝上町。
東京に本社がある大手香料メーカーの社員が、
シソ油の蒸留の蒸留の視察に来ていました。

「水の方をもしかしたら
 何かに使えるかもしれないので
 持ち帰って検討してみます」
この香料メーカーは、
蒸留のほかにも、
シソの収穫にも立ち会い、
なおかつ毎年滝上に足を運んでいます。

決して安くは無い経費をかけて、
はるばる滝上町にやってくるのには、
シソ油にそれだけの価値を見出しているからなんです。
小川香料 三浦健司さん
「シソの香りは合成というものだけで作れない
 天然オイルの良さがあるんです。
 そういう代えられない価値のものを
 私達は使わさせて頂いております」

小川香料 上野俊輔さん
「一緒にやっているんだという思いを
 共有させていただくために
 毎年足を運んでお話をさせてもらっている」

香料メーカー、シソ油の生産者、
そしてJAが一丸となって、
貴重なシソの香りを、
私たちのもとに運んでくれているんです。
JAオホーツクはまなす
滝本智さん
「小さな作付面積で大きな収益となっていますので
 欠かせない作物の1つとなっていると思います」
さあさあ森アナの取材も大詰めです。
先程、釜に入れた分の油が上がったみたいですよ。
瀬川さん「これだけしか取れません」

森アナ「ええええウソ~嘘ですよね」

瀬川さん
「嘘じゃないです。
 さっき踏んでもらった釜から出たのが…
 これだけです」
(森アナNa)
抽出した油は、その都度、重さが計られます。

瀬川さん
「5.48キロだけど
 缶の重さが2.1キロあるので、3.38キロ!
 これ転んでひっくり返したら大変なんですよ。
 ものすごい濃縮された油なんで」

森アナ「香りはものすごく濃いですからね」
瀬川さん
「仲間は少なくなりましたけど…」
瀬川さん
「切磋琢磨して人より多くって言ったら
 おかしいですけど
 少しでも多くのシソを
 今年はあいつより多く取ってやるぞって気持ちで
 頑張っていきたいと思います」
森アナ
「これからも頑張って下さい!
 シソ油、最高です!!
 ありがとうございました」
(リーダーNa) 森さん、お疲れ様でした!
最後に今回の取材を通じて何を感じましたか?

森アナ
「あれだけの作業をしてくれて
 だからこそ自分たちの身の回りに
 シソの香りがするものだったり
 シソの味がするものだったりするものが
 あるんだなって改めて思うと
 そういう方々にも日頃から
 感謝しなきゃって思ったし、
 あとは自分の生活は自分の知らない所でも
 色んな方が苦労して支えて下さっていることが
 良く分かりました!!」
みなさんこんにちは!もんすけです。
今日は北海道のお米の歴史を知ることができる
特別展を紹介するよ!

先月から来年1月19日まで、
厚別区の「北海道開拓の村」で
特別展「北海道と米~米・稲・飯ものがたり~」が
開催されています。
1000年以上前の遺跡から見つかったお米から
現在の食生活に至るまで
北海道とお米の係わりを写真や道具などで
紹介してるよ。
また米粉を使った和菓子作りや
稲わらでの草履やわらじ作りの体験など
楽しいイベントが随時行われます!
詳しくは北海道開拓の村のホームページで
確認してね!
以上もんすけのあぐりニュースでした。

特別展【北海道と米~米・稲・飯ものがたり~】
日時:~2020年1月19日 午前9時~午後4時30分
場所:北海道開拓の村
問い合わせ:011-898-2692

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10月26日のクイズ
「今回取材した、お米の新品種は
 なんて名前だったかな」

正解は「えみまる」でした。

 



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