先月の9月10日。 札幌から車で1時間の長沼町に、 東京の『帝京高校』の修学旅行生、 およそ240人がやって来ました。
長沼町の生産者のところで、 2泊3日の農村体験を行う 『グリーン・ツーリズム』という 取り組みに参加する為なんです。
『グリーン・ツーリズム』とは、 都会に住む人達が 生産者の仕事を体験するほか、 現地の人々との交流やその土地の文化に 触れるなどして、農村が持つ魅力を 存分に体感できる取り組みです。
今回は『グリーン・ツーリズム』を 積極的に行っているという長沼町を訪れ、 その魅力に迫ります!
佐々木 「今回は長沼町で積極的に行っている グリーン・ツーリズムです。 農家に都会の子供たちが泊まって 農業のことを学んだりするものです」
森崎 「あれ?どこか… あぐり王国にちょっと似てませんか?」
佐々木 「そうですね。今回は高校生ですが こちらをご覧ください。この取り組みは 北海道でいろんなところで グリーンツーリズムをやってるんです」
森崎「これだけ色んな場所で!」
佐々木 「今回は東京の高校生がうかがっています」
森崎 「東京の高校生? 都心であればこういった光景も テレビとか写真とかしか見たことが ないでしょうね。 実際自分たちの目で見てどうなんだろうね」
佐々木 「見て体験するのがだいご味ですから! では実際にグリーンツーリズムで どういった事をやっているのかを 見に行きましょう!」
早速あぐり一行は生産者さんと所へ―
佐々木「みなさんもう作業されてますよ」
森崎 「こんにちは~みなさん高校生ですか」
男性「ハイ!私も高校生(笑)」
森崎「明らかに違うな!」
佐々木 「生産者の窪田さんですね」
窪田さん「ハイそうです!」
窪田さん「おい!みんな来い!」
畑かダッシュで駆け寄る男子生徒。
森崎 「t担任の先生みたな!焼けてるなあ~」
森崎「北海道に何泊するの?」
越川君「4泊5日です」
森崎「ずっと農業するの?」
越川君「2日間です」
森崎 「お前たち…結構大変だな」
佐々木 「今はどんな作業をしてたんですか?」
窪田さん 「“こも”で包んだ長ネギを (等間隔に)置いてもらっています」
帝京高校では修学旅行の一環として 生徒が3日間にわたって農業を体験。
4人の男子生徒は長ネギの収穫のほか 選別した長ネギを束ねて 出荷用に箱詰めする作業も行っています。
ここで彼らの仕事ぶりを見学!
森崎 「はあ~軽トラに(ネギを)立ててる!」
藤尾 「すごい!慣れたもんですね」
森崎「どうだ?重いか?」
榊原君「重い!」
森崎 「そんな難しい作業ではないけど重いよ!」
佐々木 「なんか…たくましく見えますね!」
普段は体験することのできない農作業。 東京で生活する彼らにとっては、 かけがえの無い時間となったようです。
西本君 「ぜひ食べてほしいですね! いろんな人に!」
森崎 「学校行事でこうしたことを させてもらっているって 素晴らしいと思うよ」
一澤くん 「一度はこういうことを体験してみないと 普通に食べている食べ物のこととか 考えられないと思う。 苦手や野菜とか多いんですけど (苦労して)作ってもらっているから しっかり残さず食べたい!」
森崎 「そうね!やっぱり体験しないと なかなか分かんない想いとかありますよね」
窪田さん 「高校生が卒業して 『昔こういうことをやったな』と 思い出してくれたらいいかなと思って。 そしてちょっとスーパーとかに行った時 ネギを見てくれたりとかしてくれたら それでいいかなって、やっています!」
森崎 「一度こういうのを見たら 野菜を見る目が変わりますよね」
窪田 「これでまた作業を続けると 別な感情がでるかも…」
佐々木 「毎日この作業を続けたら… ネギ収穫して縛ってってね…」
窪田さん「ちょっと大変かもしれない」
森崎「毎日できるか?」
一澤君「…きびしいです…(笑)」
続いて訪れた生産者さんは…
森崎 「ここにも高校生が修学旅行の一環で グリーンツーリズムとして農業体験してる」
佐々木「続いては…女子ですよ!」
森崎 「なんだ女子高生かあ~(笑顔)」
藤尾「めっちゃ嬉しそうじゃないですか!」
森崎 「こんにちは~あれ? 女子高生が6人もいますよ!」
藤尾 「違う!まだお母さんはわかりますけど… 完全にオッサン! じゃなくてお父さんじゃないですか!」 2軒目に訪れた荒井一博さん・千明さんの ところでは帝京高校の女子生徒が ファームステイを行っています。 大石さん、山本さん、中西さん、杉浦さん。 元気いっぱいの4人です。
森崎「今何をやってるの?」
大石さん 「今はカボチャを磨いて重さを量って 重さごとに仕分けをしています!」
森崎「これ全部やったの?」
大石さん「全部です!(笑)」
森崎「ほんと?」
荒井さん「本当ですよ!」
森崎 「このカボチャが(土がついて汚れている) こうなるの?磨いただけで?」
大石さん 「そうそう!綺麗になるの!聞いて~」
盛り上がる女子高生! 「キャキャキャ~」
藤尾 「40過ぎたおじさんなので 一応敬語使ってもらっていいですか?」
森崎 「俺は頑張れば… お前ぐらいの娘がいても おかしくない歳だぞ~~!」
女子高生「キャキャキャ~」
何でも楽しいお年頃! 現場は笑いでいっぱいです。
森崎 「みんなは初めて(出荷作業を) 見たわけでしょ?どう思った?」
杉浦さん 「昨日初めて見た!」
森崎 「こんだけカボチャが集まってるの見て どう思った?」
大石さん「ビックリしたよね」 中西さん「怖いと思った!」 杉浦さん「でかい!」
佐々木 「まるまる1個のカボチャをみたのは?」
女子生徒「初めて!」
森崎 「待って待って… カボチャ1個まんまを初めて見たってか…」
佐々木 「今日でだいたい何個ぐらいやったの?」
荒井さん 「昨日今日で1000個です!」
女子生徒「うわっ」 みんなも改めてビックリ!
森崎「うわ~~」
ということで… その作業の様子を見せてもらいました。
荒井千明さん 「ある程度の土を落とすんです。 ヘタの周りは特に汚れが気になるので ここをよく磨きます」
機械にかける前に布をつかって 1つ1つ丁寧に汚れを落としていきます。
そのカボチャをたわしがついた機械に入れ 自動で全体的に磨きをかけます。
機械から出てきたら重さを量ります。
杉浦さん「25キロです!」
そのカボチャをある列に並べます。
荒井さん 「25キロの場所があるので(そこに置く)」
カボチャの出荷作業を初めて体験している 女子高校生。
藤尾「辛くない?」
大石さん「腰が痛い…です…」
森崎「腰痛いよなあ」
荒井千明さん 「見た目は楽そうなんですけどね。 実際やるとね…力入るから腰にくる!」
森崎 「こうやって1個1個さ手でツヤツヤに 磨いているって思わないよね?」
大石さん 「東京だと4分の1の大きさしか 見たことないから、 これを磨いて食べるのと 東京で食べるのは違うと思うし やっぱカボチャだけじゃなくて 他の野菜も好き嫌いをしないで 食べなければいけないと思った! 昨日とか今日とかやって… それが感想かな」
藤尾「すごいやあ~」
荒井さん「あとわずかですよ~」
森崎「あと10個ないぞ~」
みんなで力を合わせて…
森崎「終わりました~終了~」
藤尾「お疲れ~」
森崎「ハイタッチ~イエーイ!」
女子生徒「イエ~イ!」
とにかく明るく元気な女子高生たち。 辛い作業も笑顔で終えました…
大石さん 「達成感があります。 だってこんなにやったんですよ! …でも帰りたくない…正直…。 もうちょっとやってもいいと思う!」
じゃ~ん もんすけです! 農作業を通じた貴重な体験ができる グリーン・ツーリズム。 長沼町ではJAをはじめとした 地域全体の協力によって、 2005年に受け入れがスタート。
今では毎年およそ5000人が長沼町を訪れ、 様々な農業体験や生産者との交流を 深めています。
JAながぬま 大和田健さん 「食や農業の大切さをはじめ 都会とは違った景観や環境など 農村の持つ魅力や多面的な機能を伝えながら 消費者の皆様と農業の生産現場を 近づけたいという願いがあります。 またながぬま農業の応援団になって欲しい という想いも込められているのが 長沼町のグリーンツーリズムの 取組となっております!」
グリーン・ツーリズムの取り組みが もっともっと広まって、 沢山の人に農業や北海道の魅力を 知ってもらえたら良いよね~
カボチャの出荷作業を終えた 荒井さんのお宅では、 ご主人が納屋でバーベキューの準備。 一方の奥様と生徒達は、 台所でおにぎりを作るようです。
荒井千明さん 「水つけて…こうやって握る(実践して)」
杉浦さん「え~すごい!うまい」
中西さん「さすがママだ!」
大石さん「すごい慣れてるね」
荒井千明さん 「これは荒井家でとれた“ゆめぴりか”です」
ではみんなでおにぎりを握っていきましょう。 4人中3人が初めておにぎりを握るとのこと。 千明さんの指導を受けさっそくトライ!
千明さん 「出来ればこう三角に…あの…」
中西さん 「知ってるよ~なってるしょ~(笑)」
少々いびつではありますが 立派に三角おにぎりです!
中西さん「どう?」
千明さん「いい!いい!」
佐々木「上手だよ~」
実は農作業だけではなく 調理体験なども行って、 食への関心を高めているんです。 しかしそこは女子会♪ 話すことと言えば…
生徒「いつも2人で農作業してるんだよね?」
千明さん「うん」
質問「ケンカとかしないの?」
千明さん「ケンカ?まあ…時にはね…(笑) 」
佐々木「結婚して何年ですか?」
千明さん「28年です」
生徒「長い!」
生徒「決め手って何?」
千明さん「決め??」
生徒 「だっていっぱい(他の男性が) いたんじゃないの?」
千明さん 「いっぱい、いたけど…」
生徒「やっぱ顔かな?」
千明さん「う~ん…顔かも!」
一同大爆笑!
しばらくの間キッチンは 女子会で大盛り上がりでした…
カボチャのお手伝いをした納屋で 長沼町の名物「ジンギスカン」を頂きます。
荒井さん「どんな味?
生徒「美味しい!」
荒井さん「初めての味?」
佐々木「これ何の肉だかわかる?」
生徒「ヤギ!」「ウシ!」「ウマ!」
藤尾「きれいにバラバラになったね」
荒井さん「ヒツジ!ヒツジ!」
森崎 「ジンギスカン初めてで 長沼のジンギスカンかあ~」
生徒「おいしい」
荒井さん 「何も味つけてないカボチャだけ」
山本さん「うん!甘い!」
みんなが握ったおにぎりも登場。
佐々木「品種なんだっけ?お米の」
生徒「ゆめぴりか!」
限られた時間の中で、 様々な体験を行った生徒達。 初めて訪れた長沼町の魅力と 生産者の温かさに触れた4人は、 この2泊3日で何を感じたのでしょうか。
森崎「みんなは今日は?」
生徒「もう一泊します!」
森崎「ここが最後か」
生徒「次は札幌と小樽…」
森崎「じゃあ農作業は主に今日で終わり?」
荒井さん「はい…もっと居てほしかったね…」
生徒「小樽行かないでここに残ろう!」
佐々木 「実際に家族みたいに密着してやる 2日間の農業体験はどうでしたか?」
中西さん 「正直あんまり楽しみにしてなかったけど 思った以上に楽しいし… もうここに暮らしたいなみたいな! この家に(荒井さん宅)! いやこの場所もです!北海道も!」
杉浦さん 「(東京と比べて) 人があたたかいなって…」
みんなも「あ~!」と納得の声が-
杉浦さん 「どっか行くと“こんにちは”って 挨拶をみんなでしていて 羨ましいなって思った」 森崎「すごいですね充実していて…」
荒井さん 「授業の食育として食の大切さとか どう感じてもらうかも勿論大事だけど 本当に『来てよかった』『楽しかった』 『また来たい』と言ってくれるのが 嬉しいかなあ」
森崎「彼女らが大人になって彼氏と来てねえ」
荒井さん 「結構聞くんですよ。 (過去に体験した生徒が) 子供生まれたから見せに来たって!」
森崎「へええ~うわ~」
藤尾 「ご夫婦同士で変わったなという変化は?」
千明さん 「なんか(夫は)常に楽しそうです。 鼻の下伸ばして!」
生徒「キャハハハハ…」
藤尾「それは問題ありですよ!」
帝京高校のグリーンツーリズム最終日。 生産者と生徒達が最後の交流を深める 解散式が行われました。
窪田さんと荒井さんにお世話になった生徒達も いよいよお別れの時を迎えます。
あんなにワイワイはしゃいでいた 元気印の女子高生たちも 泣き出してしまいました…
千明さん「いやだ~もう…」
最後はみんな抱き合って 別れを惜しみます。
農業を学ぶだけではなく、 人間としての豊かな心も養ってくれる グリーン・ツーリズムの取り組み。
荒井さん「したっけね~!」
最後まで手を振って見送る農家の皆さん。
荒井千明さん「ああ~大騒ぎだった(笑)」
荒井さん「泣かされるね!」
来年もまた若者と生産者の絆を深める かけがえのない出会いが 待っていることでしょう!
週刊あぐりニュースの時間です。 JR札幌駅で空知のおいしい食べ物を 紹介するイベントが開かれています。
現在行われている「空知フェア」。 これは空知地方の生産者や JA・食品業者がこだわりの農産物や加工品を 販売しているイベントです。
会場となったJR札幌駅西コンコース1階の 「北海道どさんこプラザ札幌店」には 空知でとれたお米や野菜、 自慢の農産物から作られた加工品が 1日から2日交代で並んでいます。 行くたびに違う物を発見できるイベントですよ。
この「空知フェア」は今月29日(火曜日)の 午前8時半から午後8時まで開かれています。
食欲の秋、空知のおいしいものを 見つけてみませんか?
以上、週刊あぐりニュースでした。
≪空知フェア≫ 日時:10/2(水)~29(火) 8:30~20:00 場所:北海道どさんこプラザ札幌店 (JA札幌駅西コンコース1階) 問い合わせ: 北海道どさんこプラザ札幌店 TEL011-213-5053