酪農王国、北海道。 道内各地の酪農家によって 高品質な生乳が生産され、 日本の乳製品は支えられています。
そんな生乳生産の拠点である北海道でいま、 酪農家自らが取り組む、 “食と命の大切さ”を伝える教育活動が、 注目を集めているんです。 ※ナレーター 森崎博之
「酪農教育ファーム」とは、 認証を受けた牧場と教育機関が連携して、 酪農体験を通じた“食と命の大切さ”を 伝える取り組みなんです。
北海道だけではなく、全国でも実施されていて、 「心を養う教育」として、 高い注目を集めているんですよね。 そこで今回、その取り組みがどんなものなのか? あの方に、体験してもらったんです!
HBCの会議室。 扉を開けると森アナウンサーが!
森結有花「お疲れ様です…」 すごく不安げです(笑)
番組プロデューサー 「ちょっとお話が…」
森「え~怖い…」
去年の4月から、 番組の仲間に加わった森結有花アナウンサー。
北海道農業の応援団の一員として、 様々な産地にお邪魔しながら、 農業や食が持つ魅力に触れてきました。 そんな彼女も今月から2年目が突入! より強力なパートナーに なってもらおうじゃないか!と 今回たった1人で、 酪農教育ファームの取り組みの中で行われる、 1泊2日のファームステイに、 参加してもらうことになったんです。
森 「あ~なんか… 酪農体験っていうより 一人で番組やることの方が不安だな…」
ということで! 生乳生産の仕事にふれ 酪農の現実を学ぶ。1泊2日に密着しました。
酪農教育ファーム体験初日 午後2時30分
森 「ここですね…あのお家ですよね… いや~緊張するううううう」
ピンポーン
森「こんにちは~!森と申します」
こちらが、酪農体験でお世話になる、 岩谷史人さん・智恵さんご夫妻です。
岩谷さん 「お仕事の流れを説明する前に… 今日と明日の一泊二日の間はお家の娘です。 ゆうかって呼び捨てで 呼ぼうと思うんだけど」
森「ぜひ!」
岩谷さん「じゃあ、ゆうかでいきま~す」
さて、ここから岩谷さんからある提案が!
岩谷さん 「まずお家泊まるにはテストがあるんですよ!」
森「や~だなああああ」
いきなりテスト!? 教育ファームというだけあって、 まずは酪農の知識を試そうってことでしょうか?
岩谷さん 「牛の絵を書いて下さい!」
森「全身ですか??」 岩谷さん 「意外と難しいでしょ!上手下手じゃないから」
森さん、大丈夫? いやちょっとその絵なに? 犬?仔ヤギみたくなってるけど? 何回も見てるじゃない!! 森さ~~ん!!
岩谷さん 「上手下手じゃないからね~へへへ(笑)」
智恵さん「犬じゃなくて…牛!」
森「牛書いてますよ!」
さて、書けました。牛。(笑)
岩谷さん 「酪農体験の最後に もう1回描いてもらいます。 頭の中に覚えておきましょうね。 では実際に牛を見てみましょう」
初日午後3時
岩谷さん「こっちへ~」
準備が整ったら、 いよいよ牛との対面!…と思ったら あれあれ? なにかのパネルが並んでいる部屋に来ましたよ。
岩谷さん 「お家は酪農家といって牛乳を生産する 牧場になっています。 1年365日、1日も休むことなく盆も正月もない」
岩谷さん 「僕たちは牛が気分よく牛乳を出してくれるよう サポートするのが酪農家の仕事です」
なるほど!体験する前に、 酪農がどんな仕事なのかを学んでもらうんですね。
岩谷さん 「実際に牛を見ながら、あとはお話しましょう」
さあ、ついに牛との対面です!
森「大きい!!」
岩谷さん 「ひざはどこでしょうか?」
森「??」
岩谷さん「ひざはここです!」
腿かな?と思っていた辺りが膝でした。
森「知らなかった~」
さておっぱいの数は?
森「4つありま~す!」
岩谷さん「さっき何個書いたっけ?」
森「3つで~す」
岩谷さん「あれは6個って意味?」
森「そうですそうです!」
岩谷さん 「ネコじゃないから!笑」
森「わはははは」
絵に描いてから牛を観察してみると、 想像との違いだったり、体の仕組みだったり いろんなことが学べるんだね!
岩谷さん 「これが消毒液です。おっぱいにつけます。 ここから絞ります。機械を伸ばします。 勝手に吸い付いていきます。 手を放すと牛乳が出てきます」
森「すごい勢いですね。どんどん出てる!」
森 「ああああ~もう1回やり直しですか。 重たいですねえ…」
んー、わかる!わかる! 簡単そうには見えるんだけどね… 頑張れ!森さん
森「あっ!来ました来ました!」
岩谷さん「OK!」
森「ヤッター」
岩谷さん 「はい。そのペースでやると 明日の朝までかかるので… 頑張ってね!!!」
森「あははは」
岩谷さんのサポートを受けながら、 なんとか作業を進めていくんですが、、 搾乳を待ちきれない牛が、 どんどん入って来ます。これは大変だー!
岩谷さん「てんてこまいでしょ?」
森 「てんてこまいです!目が回りますね」
作業を続けること2時間。 夕方から始まった搾乳でしたが、 終わる頃には、 すっかり日も暮れてしまいました…
森「よいしょっ」
岩谷さん「終了!」
森「終わりました~パチパチ」
岩谷さん 「やりきった感あるみたいじゃん!」
森「大変!死んじゃう!」
初日午後7時 「いただきま~す!」
森「うふふ♪本当に美味しい~」
仕事を終えたあとのご飯は格別だよね! 夕食は、地元産のジャガイモやニンジンが 豪快に入ったカレーです! こうして酪農家さんと食卓を囲んで食べながら、 いろんな話を伺ったり、 ゆっくりとした時間を過ごすのも、 ファームステイの醍醐味ですよね!
森「牧場は何年やられているんですか?」
岩谷さん「20年!」
智恵さん「よく続いたねえ」
森「夫婦ケンカとかするんですか?」
岩谷さん「もう酷かったですよ」
智恵さん 「丸くなったんだよ。 言葉のイメージも違うのかもしれない。 関東と関西だから」
当初は44頭だった飼育頭数も、 今では100頭ほどまでに増えました。
「北海道で酪農がしたい」という夢を叶えて、 夫婦二人三脚で歩んできたのです。
森「北海道で酪農してどうですか?」
岩谷さん 「良かったと思う! 特に生産の方に向いてたのが 酪農教育ファームというのに出会って 人を受け入れて色々事を伝える仕事を 始めたのが転機になった。 すっごく楽しい!」
森 「一刻も早く寝ましょう!」
お疲れ様でした。初日の酪農体験が無事終了。 あとはゆっくり休んで、 2日目も頑張ってくださいね~!
2日目午前4時
森 「おはようございま~す。ふふふ… さむ~い。さ~む~い」
早朝の気温は、マイナス18度! 森さん。何で上着来てないの?
大変だよね~。 エサ押しのあとは、休む間も無く、 牛舎にいる牛すべての状態を確認します。
森「あっ起きてる~♪こっち見てますよ」
岩谷さん 「元気だね。元気な姿で良かったよ」
極寒のなかでも、子牛たちは力強い! こうした毎朝の見回りも、 生乳生産をするうえで欠かせない仕事なんです。
おっ、今度は搾乳の準備かな? 昨日に引き続き、2回目の搾乳! 森さん、がんばってー!!
森「来たあああああ」
扉を開けると「待ってました」と言わんばかりに 牛がやって来ました。
まず消毒後に手搾りをします。
森「あったかい!」
岩谷さん「あったかいよね~」
え~スゴイ成長してるじゃないですか? 手際よく搾乳できてますよ。 あれあれ…なんか… 顔つきも変わって来たんじゃない!?
森 「スムーズに作業できるようになりました。 だいぶ楽しくなってきました」
いつもの笑顔も出て来て余裕ですね。 酪農家さんのような身のこなしで、 着実に作業が進んでいきます!
森 「すごいキレイ!感動しますね」
岩谷さん 「条件がよければ日高山脈が 真っ赤に燃えて見える! それ見たら今でも感動する」
2日目午前8時
岩谷さん 「え~と。 780番という牛を探して下さい」
森「780番!はい!」
搾乳を終え、すべての牛が牛舎に戻っていますが、 なぜか、1頭だけを移動させるようです。 一体、どういうことなのでしょうか…?
さて780番の牛は一体何があるのでしょう?
岩谷さん 「なぜこの牛を連れてきたかというと… 廃用牛というものです」
森「廃用牛…」
岩谷さんが、酪農教育ファームで 一番に伝えたいこと。 それは“乳牛の命と食の関わり”。
「酪農は、生乳を生産するだけではない」。 という現実を知ってもらうため、 多くの人を受け入れているのです。
愛おしく780番を撫でる岩谷さんを見て 森アナウンサーも涙が溢れます。
岩谷さん「よし!じゃあ」
森 「(ズルズル)仕方ないですよね… 顔見ちゃうとダメですよね…」
森アナウンサーも 最後に頭を撫でてあげます。
森「お疲れさま~。お疲れさまです」
2人が向かったのは、 帯広市内にある 「北海道畜産公社 十勝工場」。 生産者が大切に育てた家畜を、 食肉加工している施設です。
体験者に“命をいただく意義“を 少しでも深めてもらいたい… そんな思いから施設見学をはじめたのです。
森 「うわ~うわ~大きい。これが枝肉」
職員 「食肉衛生検査委に合格したものです」
森 「人間も牛もしっかり仕事をした証しが ここに並んでいるってことですもんね」
乳牛を通じて学ぶ、「食と命の大切さ」。 しっかり、実感できたようだね!
施設見学を終え、牧場に戻ると、 牛乳と生クリームで簡単にできる、 バター作りも体験しました。
森 「柔らかい!おいし~い」
岩谷さん「いい笑顔だな」
森「終った~」
岩谷さん「おめでとうございます!」
森「終わりました!」
搾乳もすべてやり遂げ、 彼女の酪農体験が終了です。
幕別町忠類の酪農教育ファームに取り組む、 岩谷牧場での1泊2日のファームステイ。 2日間お世話をした乳牛の絵を描いて 締めくくります。
森「なんか、それっぽくなってきた!」
岩谷さん 「こういう地道な努力を僕らは これからも続けていく… 酪農教育ファームって そういうことなのかなって…」
森「いや~(涙なみだ…)」
森「では、ありがとうございました」
岩谷さん 「じゃあ、これでさよならじゃなくて いってらっしゃいってことで!」
森「あっお家ですからね」
固い握手をする2人。
森「ありがとうございました」
智恵さん 「ご苦労さまでした。よく頑張りました」
智恵さん「これからも頑張って!」
森さん。 今回の酪農体験はいかがでしたか?
森 「社会で生きていく人間として どうあるべきなのかを すごく教えて頂いたなって思いますし、 今後の自分の人生や アナウンサーをやるにあたって すごく大きな1泊2日だったなと… 1泊2日でそういう風に思わせてくれる人って すごいなあって思うし… 勉強になりましたね…」
森さんが体験した「酪農教育ファーム」。 生乳生産や食と命の大切さを知ることで、 体験者の生き方や自分らしさを見つめ直す…
そんな場所なのかもしれません。
森さん たくさんの涙を流していました。 ちょっとだけ逞しくなったように見えましたよ。
お・ま・け
牛のうんちのシーン
森「あった~い」
匂いをかぐ岩谷さん。
岩谷さん「匂いを嗅いでみたり…」
森アナウンサーも真似てみますが
うげえええええ~
どんな顔しちゃってるのよ笑
---------------------------------- 4月7日のクイズ 「道産原料にこだわった 新しい納豆の名前は何だったかな?」
正解は「雪の夢なっとう」でした。