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2019年06月08日(土) | ♯526 滝川・花野菜技術センター編
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2019年06月08日(土) |  ♯526 滝川・花野菜技術センター編
農業王国、北海道。
この北の大地から生まれる様々な農作物が、
日本の食卓を支えています。
それは、生産者たちの日々の努力、
そして研究者たちの果てしない挑戦が、
実を結んだ結果なのです。

今回のあぐり王国ネクストは
滝川の農業研究施設、花・野菜技術センターに突撃!
北海道農業の最先端を探る!
森結有花アナウンサー
「滝川市にやってきました!」

森崎博之リーダー
「いや~いい景色だなあ。最高ですね!
 北海道一番の観光地は…畑です!」
森崎リーダー
「会いたかったよ滝川~!!
 気持ちがいいなあ~」

森アナ「もういいですか…」

リーダー
「随分と早くに進めたがるなあ」
森アナ
「私達の後ろに広がっている畑は
 農家さんの畑じゃないんですよ。
 見えているのは、
 道総研 花・野菜技術センターの
 敷地内にある畑なんです」

道総研(どうそうけん)とは、
「北海道立・総合研究機構」の略称。
「道民のための試験研究機関」として農業を始め
道内産業の様々な研究をしている組織です。
森崎リーダー
「ここで色々と研究をされて
 未来の農業が始まってるわけだ!」

森アナ「そうなんです」

リーダー
「俺たちは今、未来を見ているんだな~」
リーダー
「道総研と言えば、これまで何度もお邪魔しました。
 あんな時…こんな時…色々ありました」

森アナ「本当に覚えてますか?」

リーダー
「あははは!行った行った。
 あっちこっちで研究を見せてもらいました」

森アナ
「今回もこちらで行われております
 野菜や果物の研究について見せてもらいます」

※去年は上川農業試験場や林産試験場に
お邪魔しました。
さて今回のあぐりっこは…
朗らかで好奇心旺盛な小学6年生、
行部凌生(リョウ)くんと、
番組初登場、しっかり者の5年生、
日下麻理香(マリカ)ちゃんの2人です!
リーダー
「農業の研究ってどんなイメージ?」

リョウ
「品種改良とか…
 寒さに強かったり、気候の変化に強かったり!」
リーダー
「農業の研究ってどんなイメージ?」

リョウ
「品種改良とか…
 寒さに強かったり、気候の変化に強かったり!」
マリカ「ニンジンとカボチャ」

森アナ「どうなる?」

マリカ「肌にも良くて体にも良い!!」

リーダー
「素晴らしい!
 子供たちが思う道総研の研究!
 今回も面白くて、ちょっと未来をのぞけるから
 いっぱい勉強しましょう!」
およそ50ヘクタール、
札幌ドーム10個分の敷地の中に、
広大な畑があり、たくさんのハウスが立ち並ぶ、
花・野菜技術センター。
どのような研究が行われているのでしょうか?

三好智明さんに、
花・野菜技術センターについて説明して頂きます。

2019年06月08日(土) |  あらゆる環境を想定して研究する!
三好智明さん
「花・野菜技術センターは道内に8つある
 農業試験場の1つ。名前にある通り、
 花と野菜を専門的に研究する機関です」
三好さん
「花や野菜の栽培方法から始まり、
 どうやったら長持ちするか?という
 貯蔵方法までを研究しています」

リーダー
「保存技術は最近すごい進化していますよね。
 あのとれたての美味しさを流通に回っても
 家庭でいただけるような形で
 すごく有難いなと思っているんですが
 そういうこともやっているんですね!
 最新の研究見たいです」

三好さん「ぜひ!見ていって下さい」
ということでまずは、
今まさに研究中のとっておきのイチゴがある、
とのことで…

森アナ
「ここからはイチゴ栽培について伺いましょう。
 柏谷さんにお話しをききましょう」
リーダー「イチゴ担当なんですか?」

柏谷太亮さん「そうですね!」

リーダー「イチゴ好きなんですか?」

柏谷さん「大好きですね。あははは」

リーダー「なんていうイチゴですか?」

柏谷さん
「こちらのハウスで栽培している
 来年市場に出回る予定の
 果実の大きな新品種『ゆきララ』です」
果実が大きいという、
イチゴの新品種「ゆきララ」とは?
早速ハウスの中へ…

リョウ「うわ~いっぱいある!大きい!」

マリカ「でっかい!」

リーダー
「でかいでかいでかい!すげーでかい」
こちらが「ゆきララ」。
品種開発と栽培の研究に、およそ10年を費やし、
来年いよいよ、私たちの食卓に届きます。
今はその栽培の研究の真っ最中。
リーダー「何かみて気付いたことある?」

リョウ
「このプレートはどういう意味があるんですか?」

リーダー「何が書いてある?」

リョウ「遅植え…大苗…??」

柏谷さん
「ゆきララの能力を
 最大限に引き出す研究をしてます」
柏谷さん
「植える時期はいつがいいか?
 植える時の苗の大きさはどれくらいがいいか?
 水のやり方はどうなのか?
 どのくらいの間隔で苗を植えるといいのか?
 だいたいこの4項目に分けられます」
リーダー
「この4項目を色々な条件で合わせて育てる!
 その結果…?」

柏谷さん
「収穫した後に、それぞれの条件で
 収穫量・果実の重さ・甘さ・酸度を総合的に見て
 どの栽培方法がゆきララに合っているのか?
 判断していきます」
ここで研究している栽培方法は、
生産者に情報提供されます。
この「ゆきララ」は、美味しいのはもちろん、
生産者にとってもメリットの大きい品種のようです。
柏谷さん
「従来春に収穫する主流の“けんたろう”よりも
 ゆきララは収量が多く、収穫作業がしやすいという
 利点もあるので農家さんにデビューしました」

リーダー
「農家さんにとって同じ手間をかけて
 より良い収穫ができるイチゴができたんですね。
 でも“けんたろう”って私のイメージでは
 大粒で甘くて美味しいイチゴですよ~!」
柏谷さん
「ただ!こちらのゆきララは
 “けんたろう”よりも1.3倍の大きさがある!」

2019年06月08日(土) |  ビックでいちご汁ジュワ―♪ゆきララの実力とは…
そんな、従来の品種「けんたろう」と、
新品種「ゆきララ」を比較してみると…
リーダー「すごくない?この違い」

マリカ
「けんたろうだってでかいのに!え~?」

リーダー
「(ゆきララ)びっくりイチゴな感じですが
 これで普通のサイズなの?」

柏谷さん「そうですね」
リーダー
「うわ~でかいっ!一口でいけないでしょ」

マリカ「絶対いけない!」

柏谷さん
「けんたろうの方が若干酸味があります」
ということでまずは、
「けんたろう」から味見することに。

ではいただきま~す!

リョウ
「甘くて酸味も丁度良くてとても美味しい!」

マリカ
「すっごく甘くて酸味もしっかりあって美味しい」

リーダー「1粒の幸せ!うまい」
一同絶賛の「けんたろう」に対して、
「ゆきララ」の味は?

いただきま~す
リョウ
「こっちの方が甘みが強くて
 イチゴ汁がブシャーって口の中で広がる!」

マリカ
「さっきのよりもめちゃくちゃ甘くなってて
 酸味がそこまでない感じ!」

リーダー
「そうなんだ…上手だなあ~リポート!」

森アナ「普通にいただきましょう(笑)」
一口いただくと…

リーダー「甘いっ!!」
一同、さらに大絶賛の「ゆきララ」。
実は、糖度は9度前後と、
けんたろうとさほど変わらないのですが、
酸味が少ない分、甘く感じるのだとか。
柏谷さん
「ぜひ一度作って頂いて
(生産者が)気に入って頂ければ
 どんどん導入していただきたいと考えてます」

リーダー
「私達消費者へのPRも大事ですけど
 作っていただく農家さんへのPRも大事ですね」
 
甘くて大きくて、収量が高く
収穫しやすいといわれる新品種「ゆきララ」。
消費者にとっても、生産者にとっても、
すごく楽しみなイチゴです。

2019年06月08日(土) |  鮮度を維持するスーパー袋とは?
さて、あぐり一行は、次の研究現場へ。

森アナ
「ここからは野田さんにお話し伺います」

一行がやってきたのは保鮮(ほせん)実験棟。
作物ごとに適した保存方法や、
流通時の保存方法などを研究しています。
野田智昭さん
「北海道から首都圏に野菜を運ぶとなると
 2~3日…どうしてもかかってしまいます。
 その間、どうやったら鮮度を落とさず運べるか
 研究しています」
例えばブロッコリーの一般的な輸送方法は、
発泡スチロールの箱に氷を詰め、
冷蔵トラックなどで運びます。
リーダー
「ブロッコリーはすごく元気!
 これも以前取材したんですが、
 畑でクラッシュアイスを入れて
 そのまま送る!」

野田さん
「出荷直後はこんな感じなんです。
 ところが、外気温の条件にもよりますが
 2~3日かけて運ばれた先でどうなるか…
 それがコチラの箱です」
リーダー「ああああ~」

マリカ「(氷が)溶けちゃってます!」

野田さん
「水に浸かるのはあまりよろしくはない…」

リーダー「そっかー」

そこで、新たに開発された輸送技術が…
野田さん
「ホクレンと一緒に開発したのが
 こちらの『MAフィルム』!」

あぐり一行「えっ?」

野田さん「これで包む」
リーダー
「包んでいるだけですね。
 アイスはない!ですよね」

野田さん「氷も入れません!」

マリカ「そのまんま?」

野田さん「そのままです」
この見た目は普通のビニール袋。
MAフィルムという素材で出来ていて、
水はほとんど通さず、空気を少し通すくらいの、
ごく小さな穴がいくつも開いています。

野田さん
「このフィルム内の空気は
 酸素が低い状態になってます」
野田さん
「普通の空気の状態だと野菜は呼吸をします。
 呼吸をしてどんどん中の糖を消費します。
 しかし、箱の中の酸素を低い状態にすると
 植物は自ら呼吸を止めるんです。
 呼吸を止めて鮮度の劣化を防ぐんです」

MAフィルムで植物を包むと、
中の空気は適度な低酸素状態になります。
植物は休眠状態となり、
鮮度の劣化が遅くなります。
10℃以下の温度環境であれば、
氷詰めと変わらない鮮度で
輸送することが出来るのです。
森アナ「これが普通のビニル袋だったら?」

野田さん
「ブロッコリーが窒息してしまって
 臭いが出てしまいます…。
 たくあんのような感じ!!」
リーダー
「たくあん味のブロッコリーいやだ~
 せっかくみずみずしいブロッコリーなのに
 いやだああああ」

2019年06月08日(土) |  研究によってコストダウンにも繋がる!
植物の鮮度を保つMAフィルム。
それだけではない、驚きの実用性とは?

野田さん
「もう一つ大きな利点があります!
 持ってみて下さい!」

あぐりっこ「せ~の!重い!です…」
リーダー「次は段ボールです」

あぐりっこ「せ~のっ!軽っ!!!」

あまりの反応の違いにリーダーたち大爆笑。

リーダー「全然重さ変わってますね」
氷を使わない分、1箱あたり5キロくらい軽くなり、
生産者や運搬業者の労働力が軽減されます。
また、容量は変わらずに箱が小さくなる分、
運搬費が抑えられるほか、
輸送コストがこれだけ安くなります。
リーダー
「1箱辺りのコストが200~250円近く下がってますよ。
 ブロッコリーにすると… 
 10円以上変わってくる!」
 
あぐりっこ「ええええ」

リーダー
「ブロッコリーを10円安くしたんだよ!
 この研究は!!」

野田さん
「これで実際に運んでくださっている
 農協さんあるので嬉しいです」
現在、実用化されているブロッコリーに続いて、
アスパラやスイートコーンの、
MAフィルムを用いた研究が行われています。
さて、あぐり一行は、更なる研究現場へ。

森アナ
「次は温室に移動してきました。
 ここからは江原さんにお話しを伺います」

リーダー「私達の前にある苗は?」

江原清さん「トマトの苗になります」
このトマトの苗は
温室で育てられた後、畑に定植。
7月下旬ころから収穫が始まります。
リーダー
「あれ?何かちょっと違いますね。
 普通のトマト栽培でしたら
 支柱を三角に立てて、そこにツルが巻き付いて
 育っていきますよ」

江原さん
「みなさんが普段食べられる生食用のトマトは
 普通北海道ではビニルハウスの中で支柱を立てて
 茎を上に高く伸ばして栽培します」
江原さん
「ただこちらのトマトは
 ジュースやケチャップなどの原料に使う
 加工用のトマトの品種。
 生食用と違って茎が植えに伸びない品種です」
 
リーダー「えっ!?そもそも違うんだ」

江原さん「全然違う特徴をもっています」
近年トマトジュースなどの需要が高まると同時に、
国内の加工用トマトの生産が
不足している状況とのこと。
江原さん
「本州では暑いこともあって
 加工用トマトが作りづらい状況になっています。
 そこで比較的涼しい北海道で
 加工用トマトを広める取り組みを行っています」

森アナ
「加工用トマトのメリットは?」

江原さん
「皮が硬いという特徴があるので
 収穫する際に、生食用より気を遣わずに
 どんどんコンテナに詰めていけます!」
そのほか、ハウスや支柱が必要ないので、
設備コストの軽減!

畑に定植してからは栽培しやすいなど、
労働力の軽減も見込まれています。

2019年06月08日(土) |  伸びないトマトの実力とは?!
さて、加工用トマトと生食用トマト。
栽培のほかに、どんな違いがあるのか?
去年収穫して凍らせておいた加工用トマトと、
普通の生食用トマトを見比べてみました。
リョウ
「加工用の方が色が濃い気がします」
江原さん
「生食用のトマトはピンク系と言われています。
 一方、加工用トマトは赤系!
 本当にキレイな真っ赤な
 完熟したトマトを収穫します」
森アナ
「色の違いはどうして出てくるんですか?」

江原さん
「色の成分であるリコピン含量が異なります。
 生食用のトマトに比べて
 リコピン含量が約3倍含まれています!」
そのほか、βカロテンや食物繊維なども
生食用より多く含まれる加工用トマト。
ミキサーですりつぶしたものを飲み比べてみると。
リーダー
「コクが出ましたね!」

森アナ
「トマトの味と香りがすごく強くなりました。
 トマトの味が生食用よりもしっかり感じられる!」

リーダー
「酸味が強いですね。
 酸味がぐっと上がって
 酸のコクがはっきりと感じる。
 よりトマトジュースらしい…
 ケチャップやピューレに寄った
 トマトの味の濃いところがでたトマトジュース」
江原さん
「トマトジュースだけではなく
 ケチャップなどの加工品が作られるので
 需要は高い状態が続くと思います。
 生産者が作りやすいような栽培法などを研究して
 北海道に貢献できるように頑張りたいです」
じゃじゃん!もんすけです!
今回見せてもらったように、
農業の発展に大切な研究をたっくさんしている、
道総研 花・野菜技術センター。
実は研究以外にも、
農業を始める人を育成するっていう機能も
あるんだって~!
研修を担当する鳥越さんに、詳しく聞いてみたよ!

鳥越昌隆さん
「これから農業を始めたいという
 農業後継者の方とか
 新規に農業を始めたいという方が
 4~9月までの半年間で学んで巣立っていく!
 実際に農業を始められるようにするのが
 我々のカリキュラムです
 ここでいいのが実際の普及員さんと研究員が
 一緒に農作業をしながら農業を覚える事ができる
 これが総合技術研修の一番の売りです!」
森アナ「色々な研究を学んできました」

リーダー「盛りだくさんでしたね」

リョウ
「これ農業に関係あるの?というのも
 最終的には農業に関係あることだって分かって
 農業の発展とかもよく分かった良かったです」
マリカ
「いつもは普通に食べてたけれど
 でも色々知ると
 ひと口ひと口がありがたいと感じました」

リーダー
「畑の恵み、育ててくれた農家さん。
 作ってくれるお母さんとか…
 いろんな人に感謝がこもりますけど
 これを研究開発してくれた人がいるんだって
 分かることができました」
三好さん
「もともと花・野菜センターもそうですし
 北海道の農業研究というのは
 生産者が品質の良いものを
 安定してたくさんとれるように研究するところ。
 そこにプラス流通・貯蔵を加えることで
 消費者のもとへ品質を落とさないで届けられる!
 そこまで続けることで生産者と消費者、
 両方に喜んでもらえるような研究を
 続けていければと思っています」

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6月1日のクイズ
「今回、種まきした北海道米の新品種は
何だったかな?」

正解は「えみまる」でした。



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