お話を伺うのは黒米生産者の
上島孝治(タカシマ・コウジ)さん。
深川市内で“きたのむらさき”を
大切に育てている生産者の一人です。
森崎
「【きたのむらさき】を探し求めに来ましたが
今はどういう状態でしょうか?」
上島さん
「バインダーで稲刈りを終えて、
それ(稲)を“はさがけ”している状態。
そこにあるのが“はさがけ”です」
上島さん
「天日干しをして水分を抜いているんです!」
森崎
「今ではこういうふうにやる農家さんは
なかなかいないですよね」
では近づいて観察してみると…
藤尾「濃い茶色というか…」
あぐりっこ「本当だ!」「濃い!」
藤尾
「これ全部【黒米】でしょ?
はさがけを全部するのに
どれくらい時間がかかるんですか?」
上島さん「2日ぐらいかかります」
機械での乾燥が主流となっている白米とは違い、
全て手作業での乾燥となる黒米。
(機械だと一昼夜、はさがけではおよそ2週間)
ちなみに収穫もコンバインは使わず、
人の手で押しながら刈り取る
「バインダー」という機械を使います。
そしてさらに、
その栽培方法にも特徴があるんです。
上島さん
「黒米は発芽率(はつがりつ)が非常に悪くて
普通のお米の半分ぐらいしか発芽しないんです。
田んぼに植える時は、機械で植えるんですけど
その後、植えられていないところを
腰を曲げて手で植えるんですよ。
そこらへんが手間ひまがかかるんです」
森崎「大変だあ」
リネ
「機械を使っても時間とか苦労がかかるんだ」
森崎
「なんか3軒しか農家さんがいないのも
わかる気がします…」
藤尾
「なんでそこまでして黒米を作るんですか?」
上島さん
「この黒米は拓殖大学の石村先生が研究して
10年以上かけてつくったお米なんです。
私も拓殖大学をでてますからね…
PRの一貫として作っているんです」
じゃ~ん、もんすけです!
深川市が発祥の黒米「きたのむらさき」。
この品種は、市内にキャンパスを構える
拓殖大学北海道短期大学で開発されたんだよ。
開発者の石村名誉教授に
研究開発のきっかけを聞いてみました。
石村櫻名誉教授
「1980年代に中国に行った先生が雲南省で
“お赤飯のルーツと言われているかもしれない”
という黒米を買ってきたんですよ。
それで行って来た先生に
『北海道でこういうのを作ろうよ』と言われて
私もそうだなって思ったし、
日本ではお米の品種改良は農業試験場とかしか
やっていないし、大勢の人が関わっていて
対抗できないけど、黒米を作るぐらいなら
コツコツやればできるかな…ということで
スタートしました」