こちらの施設では
現在、直播き栽培用として使われている品種、
‘ほしまる’をバージョンアップする研究を
行っているということ。
岩田さん
「こちらは“ほしまる”という品種を
低温下に置いていたものです。
ほしまるは発芽は出来るんですけど
発芽できる種子の割合が低いんです…
もしこれをもっと発芽できるようになれば
播種(ハシュ:種をまくこと)に使う種の量を
減らすことができますし
また収量も安定してとれるようになります」
藤尾
「今でも充分、主力品種だけど
さらに良くしようとしている。
大谷翔平に170キロを
投げさせるようなものじゃ?」
佐々木「さらにね…」
そんな“ほしまるにかけ合わせているのが
ポルトガルの品種‘アロズダテラ’。
岩田さん
「アロズダテラは寒い中で発芽して
大きくなるのは得意なんですけども
美味しくなかったり…
病気に弱かったりと良くない所も
多く持ってる外国の品種です。
ここでは“ほしまる”の美味しさや
早く花を咲かせるという良い所をそのままに
アロズダテラの発芽性だけを
ピンポイントで取り込む!
という研究をしています」
森崎・佐々木「はあ~(感心する)」
藤尾
「でもそんな簡単には行かないでしょう!」
佐々木
「どんなやり方で品種改良を
しているんですか?」
岩田さん
「葯培養(やくばいよう)という方法です」
藤尾「ヤクバイヨウ??」
セナ「聞いたことない…」
岩田さん
「植物は1つの細胞から元の植物体を
再生させる不思議な性質を持っています。
葯培養(やくばいよう)というのは
葯というのは雄しべのことなんですけど
1つの葯(雄しべ)から
元の植物体を作り上げることです!」
葯(やく)、おしべから植物体を作る
葯培養(やくばいよう)とは!?
まず通常の品種改良は
両親を掛け合わせても数世代は
特徴がバラついてしまいます。
そこで何代も何代も栽培をして
性質を安定させる事が必要なんですが
これだと何年も何年もかかってしまいます。
そこで「葯培養」という方法を取り入れると、
より短い期間で性質を安定させる事ができます。
とても画期的な方法なんです。
そんな葯培養は
4つの行程に分かれています。
まずは穂のサンプリング
培養に必要な葯をとるために、
適した葯が入っている穂を選びます。
続いては葯置床(やくちしょう)。
どんな作業なのかというと…
詳しいお話を移動してお聞きします。
森崎
「ここは絶対実験する場所だね!」
佐々木
「新しい言葉の葯置床とは?」
岩田さん
「稲の穂の1粒1粒から未熟な花粉を含む
葯(雄しべ)を取り出して
培地に置くことです」
穂のなかに黄色く透けて見えるもの。
これが葯(やく)です!
これを取り出し、
特定の栄養が入っている培地にのせるのです。
森崎「うわ~」
藤尾
「雄しべって小さいんですねえ」
では実際の作業を見せてもらいましょう!