虫を使った品種改良の次は
味覚を頼りに行う品種改良について
知っていきましょう!
その研究は小麦で行われているということで
竹之内悠さんにお話しを伺いましょう。
竹之内さん
「秋に獲れた小麦をパンにする試験を
行っています」
森崎「パン♪早速作りましょう♪」
佐々木
「作りませんよ!ここにズラーっと
並んでいるものがありますが…」
藤尾
「1万種類の中から世に巣立って行く品種は
どれくらいあるんですか?」
竹之内さん
「世に巣立って行くのは…
ほとんどありません!
この研究所から世に巣立っていった品種は
1品種です…」
森崎
「今年生まれた生まれなかったじゃないんだ…
生まれたものは
この世に残っていくものを研究されてる…」
竹之内さん
「そうですね。
その1品種は全道の春蒔き小麦の
主要品種となっていて
1万ヘクタールを超える
作付面積を誇っています」
森崎「すごい。それは何ですか?」
竹之内さん
「春よ恋という品種です」
森崎
「春よ恋!産んだの!すごいじゃん」
藤尾
「すごい!歴史に名を刻んだよ」
ではここであぐりメンバーで
小麦の食味試験にチャレンジ!
香り・や味の違いがわかるかな?
竹之内さん
「まず一般の市販強力粉と比較してますので
市販強力粉から食べてみてください」
森崎
「いい香り…これにコメント付けるの難しい」
竹之内さん
「香りがあるのもひとつの評価ですよ。
次に真ん中をつまんで白い部分だけ食して下さい」
アオイ
「つまんだときからフワフワしている」
セナ「うまい!」
続いては‘春よ恋’
香りの違いはあるのかな?
アオイ
「嗅ぎ比べてもいいですか?」
佐々木「なんと研究心に火がついたか!」
嗅いで嗅いで…
セナ「春よ恋の方が香りが甘いかもしれない」
竹之内さん
「一般の市販粉よりも春よ恋のほうが
甘い香りがすると言われています」
藤尾「セナすご~い」
セナ「イエーイ」
アオイ「とった所の口がしっとり」
森崎
「風味がすごく活きてる感じがしますね」
竹之内さん
「市販粉はサックリした食感で
春よ恋は甘くてもっちりした食感です」
佐々木
「これだけで美味しい。
春よ恋おいしいですよ」
続いて開発途中の小麦粉「A」。
セナ「春よ恋よりしっとりしてる」
アオイ「歯触りと舌触りがいい感じ!」
竹之内さん
「さきほどの春よ恋よりはソフトな
食感だと思いました」
最後は小麦粉「B」。
森崎「重いよ…」
藤尾「しっかりしたパンだなという感じ」
セナ
「耳もちょっと固め…
どっちかって言うとしっとりではない」
アオイ「パサパサしている…」
セナ「ちぎるとポロポロ落ちる…」
竹之内さん
「このBという品種は小麦の特性として
パサパサしているので私達はこの品種を
悪い評価にしています」
こちらで研究しているのは‘春まき小麦’
パンに向いている強力粉です。
品種としてデビューするには
畑での様子も重要ですが、
生地にした時の特徴、
また食べた時の食感や味など
総合的に良いものでなければいけません。
そこで研究員の皆さんは、
ごくわずかな違いを判断し
より良いものを選抜するために
食味試験を行っているのです。
竹之内さん
「今流通している品種でも
病気の抵抗性だったり
収量が不十分なところがあるので
さらに上の品種を開発するのが
わたしたちの仕事です!」
雪に閉ざされる北海道の冬。
まさにこの時期に安全安心な作物を
安定的に食卓へ届けるための
研究が行われています。
北海道農業は生産者を始め、
作物と向き合う多くの人達に
支えられているのです。