あぐり王国 放送内容

2017ǯ0204土
酪農家と教師。熱く語り合う


斎藤先生
「うわ~お正月にしか食べないような
 すごいごちそうだね」

午後9時。遅い夕食になりました。
えっ?いつもこのくらいの時間なんですか?

大野さん
「ここからがボクの唯一の時間なんですけど
 11時から12時の間くらいには寝たいかな」

ところで大野さん、
酪農という忙しい仕事を続けながら
農村ホームステイを受け入れるのは
何故なんですか?





大野さん
「僕はこの仕事を知ってもらうことが
 一番大事だと思っていて…
 僕らの周りにはいっぱい仕事があるんですよ。
 獣医さんとかしか頭に浮かばないかも
 しれないですけど
 農機具メーカーさんもそうですし
 運送会社の人たちも僕らには必要なんですよ。
 だからそれらの仕事は厚岸町で 
 人が足りていないんですよ」



大野さん
「だから僕が子供たちに言ってきてるのは
 『厚岸に帰って来てくれ』ということ!
 どの町に行ってもいいから
 札幌行ってもいいから
 東京行ってもいいから
 何かを掴んで厚岸に帰ってきてくれ。
 厚岸で仕事始めていいからって!」



地元への熱い愛情を持つ酪農家・大野さんの
お話を聞いて先生は?
 
斎藤先生
「学校で地域学習をちゃんとやらないと
 いけないと思うのは、そこなんですよね!
 点数ばかりをあげて、良い大学に行って
 良い会社に行って…って行ったら
 どんどん地域を捨てて都会に行ってしまう。
 でもちゃんと地域を子供にみせて
 見せた地域に自分たちが生きていくって姿
 見えるような学習を学校でやるってことが
 都会に行ったとしても、また厚岸に戻って、
 こういう仕事で厚岸で生きていくんだって
 思いを持てていれば帰ってくると思います。
 そのためには何回も言いますけど
 教師が地域を知らなければいけない。
 僕も色んな所に行って酪農のことを
 勉強してきたつもりだったけども
 こんなにもね、大変な仕事だっていう
 そこは体験してみないと分からない。
 そのことを体験するのとしないのとでは
 子供に酪農の仕事の魅力や思いを伝える時に
 やっぱりそこは弱くなりますよね」



酪農家と教師。
立場は違えど「厚岸」を愛する者同士が
熱く語りあった夜でした。



農村ホームステイ2日目。
早朝5時から仕事が始まります。



この日の斉藤先生の仕事は、
子牛にミルクを飲ませることからスタート。
育ち盛りの子牛たち、良い飲みっぷりです。



つづいては「牛舎」へ行きますよ。

大野利春さん
「これでフン押しをしてください」

斎藤先生「はい!」





牛舎の清掃です。
搾乳中に170頭分すべてのベッドを
掃除しなければいけません。



氷点下に達する気温の中、
この作業は2時間以上も続きました。


(C)HBC