リーダー
「地元にあるめん羊牧場へと向かう廣田さん。
これから羊の解体作業を見学するそう…」
廣田さん
「命をいただくって感じじゃないですか。
羊を丸々一頭、
子供たちのために提供して下さるので…
その一部始終というか… と殺は見られないけど
どうやって給食センターに運ばれるかという
道のりを知りたい。やっぱり作る側もきちんと
(子ども達に)伝えないといけないと思ってます」
廣田さん
「宜しくお願いします!」
石田さん「これ…半身」
廣田さん
「あそこの牧場にいたんですよね?」
石田さん「いましたよ。21キロ」
手際よく解体していく石田さん。
廣田さん「うわ~すごい!すごい!」
石田さん
「脂をどこまで使うか?
羊肉の脂は融点が低いから…」
廣田さん
「冷めると(脂っぽさが)出てくる?」
石田さん
「熱々で食べるんだったら
たっぷり入れた方が味は濃厚になる!」
廣田さん
「アキレス腱と胃袋は一緒に煮ても大丈夫ですか?」
石田さん「脛とかと同じような扱いで大丈夫!」
「羊を知り尽くした生産者の言葉を、
一つ一つメモに書き留めていくんです。
今回のカレーは、肉だけではなく、
骨から内臓に至るまで、
すべてを使って作るようです」
廣田さん
「三歳の羊は人間の年齢でいうと…?」
石田さん
「20歳かな…だから本当はカレーにするなら
もっと年をとってる方が逆に美味しいんですよ」
廣田さん「うーん。旨みがあるんだ。そうなんだ」
「命をいただく。
その意味をしっかり受け止めている様子の
廣田さん。
その思い、子ども達にも伝わるといいですね」
廣田さん
「もうちょっと子供たちに
ありがたさを受け止めてもらいたいです。
まだ伝わってない部分もあるので
地域みんなで子どもを育てられていることを
もう少し伝えたいですよね」
「足寄町で育った羊を丸ごと使ったカレー。
どんな味わいになるのか、楽しみです!」
調理人という枠を超え、
食に関わるすべてに全力で向き合う。
そんな廣田さんの原点とも言える場所に、
案内していただきました。
ピースする女性。
「いきなりのピースサイン…この方は?」
廣田さんの母、星川礼子さんです。
町内で小さな民宿を営んでいます。
「宿泊客への料理を提供したり、
家族で食に関わる仕事をしているんですね」
町内で飲食店を営んでいた
廣田さんのご両親。幼い頃から、
食に携わる環境で育った廣田さんは、
家業を継ぐため、
札幌にある調理専門学校へ進学。
卒業したあと、実家へ戻り、4年間、
家業を手伝いながら調理の技術を磨きました。
その後、病院の配食センターで調理人として働き
2003年、足寄町学校給食センターの
調理員になりました。
廣田さん
「ただ作るだけでしたね。入った当初は。
ただ作ればいい…それだけでしたね」
給食の調理を始めた頃は、
ただ作ることだけに専念していた廣田さん。
しかし、あることがきっかけで、
その思いに大きな変化が起こります。
廣田さん
「子どもを産んでからですかね。
自分で親になって
子供の口に入れるものは
安全性に優れたものを選ぶ!
自分の子供も給食を食べるようになった時に
変えなきゃダメかなと思って。
切り方ひとつにしても
味付けにしてもベストな状態で出す!」
廣田さん
「小中高の12年間、給食を食べるとなったら
家庭の次に
給食が食べる回数が多いんですよ。
なので自分の子供みたいなんですよね」
安全安心で美味しい給食を…
そんな思いが、廣田さんの原動力となり、
地域食材への思いを深めたのです。
廣田さん
「子どもたちの2番目の母になりたいと
思っているので、
子供たちが舌に記憶をする順番として
給食が2番目にくるように
足寄の給食を根付かせたいんですよね」