2019ǯ0608土
鮮度を維持するスーパー袋とは?
さて、あぐり一行は、次の研究現場へ。
森アナ
「ここからは野田さんにお話し伺います」
一行がやってきたのは保鮮(ほせん)実験棟。
作物ごとに適した保存方法や、
流通時の保存方法などを研究しています。
野田智昭さん
「北海道から首都圏に野菜を運ぶとなると
2~3日…どうしてもかかってしまいます。
その間、どうやったら鮮度を落とさず運べるか
研究しています」
例えばブロッコリーの一般的な輸送方法は、
発泡スチロールの箱に氷を詰め、
冷蔵トラックなどで運びます。
リーダー
「ブロッコリーはすごく元気!
これも以前取材したんですが、
畑でクラッシュアイスを入れて
そのまま送る!」
野田さん
「出荷直後はこんな感じなんです。
ところが、外気温の条件にもよりますが
2~3日かけて運ばれた先でどうなるか…
それがコチラの箱です」
リーダー「ああああ~」
マリカ「(氷が)溶けちゃってます!」
野田さん
「水に浸かるのはあまりよろしくはない…」
リーダー「そっかー」
そこで、新たに開発された輸送技術が…
野田さん
「ホクレンと一緒に開発したのが
こちらの『MAフィルム』!」
あぐり一行「えっ?」
野田さん「これで包む」
リーダー
「包んでいるだけですね。
アイスはない!ですよね」
野田さん「氷も入れません!」
マリカ「そのまんま?」
野田さん「そのままです」
この見た目は普通のビニール袋。
MAフィルムという素材で出来ていて、
水はほとんど通さず、空気を少し通すくらいの、
ごく小さな穴がいくつも開いています。
野田さん
「このフィルム内の空気は
酸素が低い状態になってます」
野田さん
「普通の空気の状態だと野菜は呼吸をします。
呼吸をしてどんどん中の糖を消費します。
しかし、箱の中の酸素を低い状態にすると
植物は自ら呼吸を止めるんです。
呼吸を止めて鮮度の劣化を防ぐんです」
MAフィルムで植物を包むと、
中の空気は適度な低酸素状態になります。
植物は休眠状態となり、
鮮度の劣化が遅くなります。
10℃以下の温度環境であれば、
氷詰めと変わらない鮮度で
輸送することが出来るのです。
森アナ「これが普通のビニル袋だったら?」
野田さん
「ブロッコリーが窒息してしまって
臭いが出てしまいます…。
たくあんのような感じ!!」
リーダー
「たくあん味のブロッコリーいやだ~
せっかくみずみずしいブロッコリーなのに
いやだああああ」
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