2019ǯ1102土
♯545 滝上町しそ油作り!編
(森崎博之リーダーNa)
これはドレッシング。これはお菓子。これはお漬物。
今ご覧いただいている食品すべてに、
ある共通の農作物が使われています。
それはいったい何でしょうか?
答えはシソ。
でも、シソといっても、どこにも見当たりませんね。
実はこれ、シソの香りが使われているんです。
ここは、オホーツク地方の滝上町。
シソの香りの原料となる、
「シソ油」の生産が盛んに行われています。
シソ油に使われる品種は、
滝上町周辺のオホーツク地方と、
他にごくわずかな地域だけで栽培されているんです。
しかも輸入モノはなくて、100%国産。
シソ油っていうのは、とても珍しくて
とても貴重な産品なんです。
今回、この滝上町で森アナウンサーが、
シソの収穫から油の蒸留までを追いかけました!
今回のあぐり王国はドキュメンタリー企画。
「香り」という分野も支えている、
北海道農業の知られざる一面を、
ちょっと覗いてみませんか?
9月上旬の滝上町。
シソの収穫期を迎えています。
こちらは生産部会の部会長、瀬川博さん。
瀬川さん
「“大葉”で売ってるやつと
品種としては正式に違うんですよね。
油用に葉っぱの厚みがありますよね」
瀬川さん
「葉っぱの後ろが紫になるんですよね。
油が溜まってきたらね!
乾いてもね、パリパリにならないで
ネトッ~~て感じなんですよね」
普通の食べるシソは葉っぱを1枚1枚摘み取って
収穫するんですけど、油用のシソは、
こうして茎の根元から刈り取るんですね。
刈り取ったシソは、束にして、
その束同士を使って、立てた状態にします。
この作業を島立て(しまだて)といいます。
瀬川さん
「“島立て”ってオレが生まれる前から言ってる言葉。
島をいっぱい作るっていう…
畑を“海”とみなしてるんじゃないですか」
瀬川さん
「これ地面に置いといちゃうと腐っちゃうんで
乾燥しないと採油率が悪いんで
乾燥させるんですよね。
自然乾燥なんでパリパリにはならないですけど
腐らない程度には乾きますんで…
まあ重労働っていうより精神的な問題ですよね。
これ全部やるのか…と思うと
心が折れるかな…(笑)」
収穫も島立ても大規模な機械での
作業が出来ないので大変です。
そんなシソ油の生産において、
滝上町が占める役割は全国的に見ても、
とても大きいんです。
瀬川さん
「珍しいというか貴重ですよね。
国内で作っている量がホントに限られている。
網走管内と一部の富良野地方の一部しか
作ってないんで。それが全てなんで…」
瀬川さん
「それを各香料会社が契約などして
結構需要があるみたいで、
『天井知らずに作ってもらってもいい』って
言われているんですけど
農家の作れる面積はしれてますんで…
手間がかかるんでね…」
瀬川さん
「『これ以上は無理だ』っていう限度まで
みんなつくってもらっているんです」
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