2020ǯ0620土
日本初の乳牛とは?
哺育舎にやってきました。
森アナ「この辺ですか?」
篠原さん「あそこら辺です」
森崎リーダー
「見る限りいつも私達が出会ってる乳牛ですけど?
どれがってことですか?みんながですか?」
篠原さん「2頭だけいます」
リーダー&森アナ「2頭??」
リーダー
「この子…何か…違うような違わないような…」
篠原さん「顔の辺りが…」
リーダー「白い!まつ毛が白い!」
森アナ
「あと毛も少し普通より茶色がかっている気が…」
リーダー
「そうだね。白黒というよりは…
ちょっと茶色みがあってオシャレ髪だね。
でも注意して見れば、ちょっと違うかなくらい…」
篠原さん
「そうですね。この乳牛は顔が白くて
フランスのモンベリアードという
顔が白く体が茶色い牛の血をひいているので
白い顔がでてきている」
リーダー「フランスとのハーフということ?」
篠原さん「今回はカナダも入っているので…」
リーダー「カナダも!!」
篠原さん
「3か国(日本・フランス・カナダ)の
血が入ってます!!」
こちらは、日本で初めて3種類の牛を交配させた牛。
そのような異種交配を
『クロスブリーディング』と言いますが、
詳しく説明して頂きましょう。
篠原さん
「北海道の場合は99%ホルスタイン種になります。
このホルスタイン種に
フランスのモンベリアードという
顔が白くて体が茶色い牛をかけ合わせます。
するとF1(エフワン)交雑種が生まれます」
リーダー
「ここで生まれたF1(エフワン)交雑種は
日本とフランスのハーフになりますよね」
篠原さん
「このハーフのF1交雑種のメスに
カナダのエアシャー種という
茶色い牛をかけ合わせて『三元交配種』という
3つの血が入った乳牛が出てきてる!」
リーダー
「三元交配種…よく三元豚と言いますが…」
篠原さん「同じです!」
では、なぜこのような交配を行うのでしょうか?
篠原さん
「それぞれの品種の特徴があります。
それをかけ合わせることで『雑種強勢』と言って
良い所ばっかりが出てくる事があります。
ホルスタインって素晴らしい牛乳が出て
良い牛なんですけど、
その反面、繁殖成績が下がっていたりとか
ちょっと病気に弱い部分もある…。
そういうのをホルスタインと全然違う種類を
かけ合わせることで、
繁殖成績が良くなって、病気も少なくなって
結果的に長生きになって生涯乳量も増える!」
リーダー
「優秀のまま長くいてくれるってことですね」
篠原さん
「そうです!ほどほどの乳量を出しながら
長生きしてくれるんじゃないかということです」
リーダー
「それは牛にとってももちろん酪農家にとっても
いいことですよね?」
篠原さん
「できれば病気とかなければ楽に飼えますので
治療とかの手間も減りますし、
病気の薬代とかも減りますから
経済的に人間的も楽になるだろうといわれてます」
森アナ「今はまだ研究段階?」
篠原さん
「そうです。
実はこの牛にホルスタインをかけるんです!」
リーダー「えっ!もう1回??」
篠原さん
「実はその後にモンベリアードをかけて…
ず~っとグルグルかけていきます。
3種類をずっとかけ続けていくことで
バラつきのない牛ができてくると言われてます」
リーダー「へ~~」
森アナ「なるほど~」
篠原さん
「実は根室管内の生産者のもとで
F1種が今年の秋に産まれてくる予定です。
我々のほうが少し進んでやってる感じです」
リーダー
「いやあ~近い将来、北海道の酪農が様変わりというか
牛たちがガラリと変わっちゃうというか…」
篠原さん
「ひょっとすると色んな模様の牛が道路から
見れるようになるかもしれません」
リーダー
「将来を背負っているように見えてきました!」
酪農家にとっては、飼育作業の軽減や
利益率の向上が期待される、三元交配種。
これからどのように発展していくのか、
とても楽しみです。
(C)HBC