青々としてハリがあり、 まっすぐに伸びる鮮やかな葉…。
食欲を刺激するツンとした独特の香り… 突然ですが、この野菜が何かわかりますか?
街頭インタビュー 「ニラ!100%ニラ!」 「ニラ」「ニラ」 「ネギ?ニラ?」「小ネギ?」
その見た目から9割の方が「ニラ」と答えた この野菜。実はニラではないんです!
オホーツク・網走市で産地限定生産されている 新食材なんです!
北翔大学学長 西村弘行教授 「スタミナ満点! ●●と□□をかけ合せた新しい野菜です」
今週のあぐり王国ネクストは 未知なる新顔野菜に注目! あの野菜とあの野菜を掛け合わせたという、 ハイブリッドな新スタミナ野菜、 その正体と味に迫ります!
憧れアナ 「今回はですね 網走市でしか生産されていたいという 新食材です!」
森崎「新食材?」
憧れアナ 「こちらなんですよ…」
森崎 「これは知ってるよ!ニラ!」
憧れアナ「違います!」
森崎「ニラでしょ!」
憧れ「違います!」
北川「ニラだと思います」
森崎 「これがニラじゃないならお手上げ! ではあぐりっこに聞いてみよう」
今回のあぐりっこは新しい体験が大好きな 小学6年生の2人組。 川出愛(アイ)ちゃんと、 ニラ好きの太田璃花(リリカ)ちゃん。 2人にもこの食材について聞いてみると…
アイ・リリカ「ニラ!!」
憧れ 「違うんですよ~ では答えを探しにいきましょうか」
ということでニラじゃなければ何なのか。 その正体を探るべく、生産者のもとへ―
なぞの食材の生産者・金澤尚秀さん いよいよ新顔野菜の謎が明らかに…
憧れ「今日の食材はなんですか?」
金澤さん 「これは行者菜(ぎょうじゃな)という 新しい野菜です!」
北川 「行者菜??初めて聞く~!!」
森崎 「ギョウジャナ??」
森崎「掛け合わせなの??それ?」
金澤さん 「見た目はニラです。 味は行者ニンニクです」
森崎 「へええ~でもどうして ニラと行者ニンニクと掛け合わせた?」
金澤さん 「行者ニンニクは一回収穫すると そのあと2~3年収穫できないとか 短い期間で終わってしまうんです…」
森崎「確かに収穫期間が短いですよね」
金澤さん 「(行者ニンニクの収穫は)1週間から10日。 それでいうと行者菜は 4月中旬から8月上旬まで 収穫しています」
森崎 「なるほど~長く食べられるようにしたのが 行者菜なんですね」
数年かかる育成期間に対し、 収穫は数週間と短い行者ニンニク。 その短所を補い、 毎年長い期間食べられように 改良された行者菜。他にもこんな違いが…
金澤さん 「行者ニンニクよりも加熱すると においが少なくなります! 食べた後に外出してもお口の中に においがあまり残らないです!」
森崎「いいですねえ」
北川「いいとこどりなんですね」
じゃじゃん!もんすけです。 ニラと行者ニンニクをかけ合わせた 新顔野菜「行者菜」。 気になる栄養価について行者ニンニクを 研究して50年近くになる 北翔大学の西村学長に聞いてみたよ。
北翔大学学長 西村弘行教授 「行者菜に含まれている硫化アリル。 その中のトリスルフィドという成分は 血流改善に効果的ですし 肉と卵などの動物性食材との組み合わせが とても良いですね。 辛味の成分と肉や卵などに含まれる ビタミンB1との反応によって生まれる アリチアミンによって疲労回復効果が とても高くなりますので 夏バテ防止に適していると思います」
ニラの豊富なビタミンと 行者ニンニクのスタミナ要素を、 より多くあわせ持った行者菜。 これからの季節にピッタリだよね~
森崎 「行者菜を北海道で育てているのが 網走市だけなんですか?」
金澤さん「はい!そうです」
森崎「網走でしか作ってないの?」
金澤さん 「1都道府県1産地ということで 本部との契約がありまして 行者菜の株の譲渡や廃棄についても 決められているんですよね」
そもそも行者菜の生産は2006年に 山形県の長井市から始まりました。 行者菜は長井市の生産者グループが 認めた産地しか生産できず、 現在、東北5県と網走市でしか 栽培できないんです。
金澤さん 「必ず生産者のもとには苗の状態で 送られてくるんです」
森崎 「これが行者菜の苗。この状態で届く… 生産者が種から育てることは出来ない??」
金澤さん 「一切やってはいけない 契約なんです!」
森崎「厳しいルールがあるんですね」
北川 「ブランドを守るため なんですか?」
北澤さん「はい!そうです」
今まさに旬を迎えているという、 その収穫作業を見せていただきます!
行者菜の葉を片手で束ね、 根元をバッサリと刈り取っていきます。
森崎「うわ~」
北川「ふわ~っと香ってきた」
あぐりっこもにおいをかぐと…
アイ「…(苦笑い)」
リリカ「苦そう…」
さてリーダーもやってみると…
森崎 「番組8年やってきて 新野菜を収穫するとは 思わなかったなあ」思わなかったなあ」
ザクザクッ…
森崎「したった~~」
なんと行者菜の切り口から水分が ポトリポトリ…
森崎「うわ~出たあああ」
森崎 「行者菜の雨が降りました」
北川「すごいねえ~」
森崎「太いわあ~」
金澤さん「かじってみたらいいですよ」
ということでかじってみると…
森崎「甘い!」
ポリポリポリポリ
リーダー食べ続けます。
森崎 「甘くてやわらかくて…辛い!」
憧れ「リーダーの息がすごい。刺激的!」
北川 「生で食べるのには向いていないんですよね」
金澤さん 「そうですね! 加熱したり揚げ物料理とか肉と炒めると 辛味があま味に変わる 不思議な野菜!」不思議な野菜!」
あぐりっこの2人は上手にできるかな?
アイ 「持てるかな~ 両手だと手が届くけど片手だと届かない!」
ザクザクザク…
アイ「スパッと切れるから!みずみずしい」
リリカ 「行者菜とれましたあ! 持つのが1本1本太くて大変だったけど
気温が上がると水分が出て 葉がしなってしまうので、 収穫は早朝4時頃から行うのだとか…
根元にたっぷりと水分を溜め込みピンと張った、 みずみずしい状態で収穫していくんです。 さらに…
金澤さん 「行者菜は生育が早いから 収穫が終わった株からもすぐ伸びてくる!」
森崎「今切った株からまた…」
金澤さん 「伸びてくる!これが2~3日前に収穫した株」
ニラと同じように刈り取っても 1ヶ月ほどで伸びてくる行者菜の葉。 シーズンに2回から3回収穫できるんです。 しかも…
金澤さん 「1回植えたら5年ぐらいは収穫できるんです」
森崎「来年もここで?」
金澤さん 「来年もまた新しい芽が出ます」
森崎 「農家さんにとっても 効率が良い育てやすい 手間のかからない…」
金澤さん 「いや~その手間が次の段階でかかる…。 収穫の後の選果の段階で 手間をかけてる!」
森崎「選果もご自身で?」
金澤さん 「袋詰めまでやっています。 そのままスーパーまでいきます」
収穫した行者菜は生産者自ら選別し、 袋詰めまで一貫して行います。 手間がかかるという、その工程とは?
金澤さん 「まず下の泥とかホコリを 吹き飛ばす作業をしていきます」
プシューーーーー
行者菜の根元についた土や余分な皮を、 機械で一気に吹き飛ばします。
あぐり一行「うわ~」
森崎「予想以上!」
憧れ「風で吹き飛ばしているんですね」
金澤さん 「土だけじゃなくいらない葉っぱも飛ばす」
こうしてキレイにした後、 人の手で選別していくのですが…
金澤さん 「雨の日やホコリがついているときは 葉を1枚1枚拭いて 出荷しています」出荷しています」
北川「え~すごい手間…」
森崎「1個1個ですか?」
森崎 「いや~拭いてるもん。1本1本…」
金澤さん 「濡れた状態で出荷をすると 痛むのが早いので キレイに1本1本全ての葉を拭いている!」
憧れ 「1本1本拭きながら左右に分けているのは 何でですか?」
金澤さん 「商品として出荷できないものは外す!」
左側は規格外なんです…
森崎 「これ細すぎるの? いいじゃん細くたって~!!」
金澤さん 「やっぱりうちらのブランドとして 出す以上は責任感を感じて やっています!」
1枚1枚 葉を拭き、 サイズや見栄えが少しでも悪いと、 商品として出さないという徹底的なこだわり。 こうして選び抜かれた行者菜のみが 出荷されるんです。
森崎 「さて次は袋詰めです」
金澤さん 「これは新兵器(手作り塩ビ管)です」
森崎「新兵器?」
金澤さん 「刈った行者菜を入れます。 そしてふっと(塩ビ管を)抜くと キレイに行者菜が残ります」
アイ 「最初はニラにしか見えなかったけど でも1本1本丁寧に拭いている姿を見て 早く買って美味しく食べたい と思いました」
森崎「そうだねえ~金澤さん♪」
金澤さん「ごちそうしますよ!」
森崎「ありがとうございます」
憧れ「どんな料理なんですか?」
金澤さん 「それは対面するまでヒ・ミ・ツ♪」
森崎「カワイイ!おとめ♪」
北海道では網走市だけで生産されている 行者菜。新しい野菜なので、 もっともっと道民にも知ってもらおうと、 生産者やJAなど4つの機関が一体となって がんばってるんだって~ その中で行者菜の広報活動を担当している、 網走市の方に話を聞いてみたよ。
網走市経済部 佐藤岳郎さん 「現在6戸の農家で13アールのほ場、 年間7トンの生産を目指して頑張ってます。 出荷先は網走市のほか 北見・札幌・釧路・東京・大阪です」
北海道ではどこで買えるの? 「網走と北見のスーパー。 JAオホーツク網走の直売所。 北広島のくるるの杜。 札幌の一部スーパーで取り扱ってます」
インパクトのあるパッケージで、 わかりやすい行者菜。 どんな料理になるのか楽しみだな~
憧れ 「生産者の奥様に行者菜お料理を 作っていただきました」
教えて下さったのは 金澤みどりさん、鎌田由美子さんです。
行者菜の天ぷら、手羽ギョウザ… 詳しい作り方はレシピコーナーへ!
金澤さん 「今は食育の一環で網走市内の 小中学校の給食に行者菜を提供して みなさんに多く知ってもらおうと 頑張っています!」
森崎「みんな食べてるの?」
リリカ「食べたい!」
アイ「ずるい!」
金澤さん 「網走行者菜丼は他の野菜と肉を炒めて 出しています」
森崎「反応はどうですか?」
金澤さん 「最初は生の時に匂いが臭いとか 辛そうって話もありましたが 食べたら“あら!おいしいわ”って みんな喜んで食べてますね」
金澤さん 「やっぱり小さい子どもたちが 社会人になって札幌や東京に行った時に スーパーで行者菜を見て “あっ!食べたことある!”って 買って頂けることが夢なんです! そして我々も畑一面、 麦じゃなくて行者菜畑が理想です」
森崎「すごいねえ~!においもすごい笑」
憧れ 「でも我々ロケ前と比べて 元気になりました」
森崎 「そうだよ!よしもう1本撮るか!」
素晴らしい食材に出会えました。 もうご飯との組み合わせは最高です♪ 出演者もスタッフも幸せなひと時でした。
みなさんご協力ありがとうございました。
正解は「土(の館)」