突然ですが問題です! 最も多いのはオーストラリアからで9万トン。 次がニュージーランドからで5万5千トン。 そして3番目がアメリカからで2万トン。 コレは日本が輸入している とある加工食品の原産国と輸入量。
何だかわかりますか~~?
一般の方の声 「小麦粉?」「牛肉」「ジンギスカン?」 「(答えを聞いて…) 道産のは少ないんですね…ふーん」
こちらは日本人一人当たりの年間消費量。 ヨーロッパ諸国では、 日本の10倍以上も食べられているんです!
さて何の加工品だかわかりましたか?
最後のヒントは天使大学看護栄養学部の 荒川義人教授からです。 「カルシウムが豊富で吸収性がいいので 特に成長期の丈夫な骨を作っていく子供達、 骨粗しょう症の心配がある ご高齢の方にとっても良い食材ですね!」
国産品の原料は主に北海道産の牛乳ですが、 その国産品は消費量全体のわずか 2割程度しかありません。
北海道民であれば 誰もがこの現状に目を疑う食品、 それは…チーズなんです!
佐々木 「富良野市にやってきました~~! みなさん…チョット 笑顔が硬いようですけど」
森崎「寒いねっ!寒いっ」
藤尾「気温、低すぎませんか?」
森崎「今年の冬は厳しいぞお~これは~」
森崎 「さてみんなはチーズ好きですか?」
あぐりっこ「好きです!」
森崎「じゃあどんなチーズを知ってるかな?」
カオリ「ブルーチーズ!」 ミサキ「モッツァレラチーズ!」
藤尾 「最近の小学生はチーズに詳しいですね」
佐々木 「チーズは大きく2つに分類できます。 ナチュラルチーズとプロセスチーズです。 ナチュラルチーズはミルクから作られ チーズを作る菌が生きたまま入ってます。 プロセスチーズはナチュラルチーズを 加工してできたチーズで保存性に優れ、 長持ちするチーズなんですね!」
藤尾 「僕が子供のときはナチュラルチーズって 知らなかったですよ~」
さて今回はこのチーズの中でも ナチュラルチーズについて勉強していきます。
ということで一行は そのナチュラルチーズを製造する 富良野市郊外にあるチーズ工房へ。
森崎「立派な建物だね~」 藤尾「オシャレですね~」
■訪問先■ 富良野チーズ工房 住所:富良野市中五区 ※工場見学・チーズ作り体験も出来ますよ。
小林さん 「平成5年に建てた富良野チーズ工房! 日本で唯一ここでしか 作っていないチーズや珍しいチーズを 全部で6種類、製造しています」
藤尾「日本で唯一って言いました?」
森崎 「大好きです唯一って言葉! 唯一って聞いたら 食べずにはいられません!」
佐々木 「世界のチーズパッケージと題して 色んなチーズが展示されています」
藤尾「パッケージ見てるだけでも楽しい」
小林さん 「ヨーロッパ中心の物を展示してますが、 モンゴルやインドでも たくさん食べられています。 日本人ですと“そのまま食べる”か “ピザにのせて焼く”ぐらいですが ヨーロッパでは調味料代わりだったり デザートとして食べたりして 消費量が多いと思います」
森崎 「またチーズって種類がスゴイですもんね…」
小林さん 「だいたい1000~2000種類あると 言われています。フランスだけでも 400種類あるとも言われています。 ただチーズも名前で分けると 数千種類になるんですが、 硬さの分類だとグッと減ります…」
藤尾「硬さ?硬さで種類分かれるの?」
小林さん 「分類の種類も色々あるんですが 硬さが一番分かりやすいです」
ここでチーズの硬さによって 細かく分類した種類の違いを教えて頂きました。
ナチュラルチーズは4種類に分類されます。 【軟質チーズ】 カッテージ・クリーム・カマンベールなど 【半硬質チーズ】 ブリックチーズ・ブルーチーズなど 【硬質チーズ】 エメンタール・コーダ・チェダーなど 【超硬質チーズ】 パルメザン・ロマノなど
この4つの種類は何が違うかというと… 小林さん 「水分の量が違います!」
小林さん 「水分の多い物のほうが熟成期間も短く すぐ食べられますが、日持ちしない! 逆に水分を徹底的に排除して作る 超硬質チーズになると日持ちするので 5年ぐらい普通にもちます」
森崎 「5年!5年も待ったらこの子たち 高校生になっちゃいますよ!」
小林さん 「今買って高校行ったら食べるって、 できますよ!」
じゃ~ん もんすけです! 世界におよそ1000種類以上もあると 言われる種類豊富なチーズ! 国産チーズに使用される 生乳の98%が 酪農王国北海道産!
だけど…
その消費量をナチュラルチーズで換算すると 80%が輸入品なんだよね…
グラフの2008年で消費量が 急激に下がっているんだけど、 これは最大の輸入先オーストラリアの 干ばつの影響で、日本への輸出量が減って 国内の消費量も落ち込んでしまったんです。
最近は日本国内でもチーズの生産が 盛んになってきて、 道内でも富良野チーズ工房を含めた 110以上の工場や工房で チーズの製造が積極的に行われています。
酪農王国北海道の美味しいチーズ!
もっともっと食べたいよね~
しっかりチーズのお勉強をしたところで こんどは製造室でのチーズ作りを見学です。
みんなの目の前には 大きな牛乳のプールのようなものがあります… 一体コレは何かな~?
さてこの真っ白いプールですが…
森崎「プルンプルンじゃないの?!」 カズサ「においが違う」 フウガ「牛乳の匂いだ」
小林さん 「軟質系チーズ“メゾン・ドゥ・ピエール”。 牛乳に乳酸菌と酵素を入れて 固めている状態です」
小林さん 「富良野の牧場から タンクローリーで集められた牛乳が、 低温殺菌65度・30分で 牛乳の成分が変質しないように殺菌、 それをすみやかに冷やします。 その牛乳に乳酸菌と酵素を添加して 固まるまで保温します」
乳酸菌と酵素で牛乳をしっかり固めたら、 続いての工程へ-
細い針金のようなものがついた 鉄の網を持った職人さんが登場!
すると固まった牛乳に静か沈め ゆっくりと動かしていきます。
藤尾「うわ~楽しそう!」 森崎「細かくカットしているって事?」
小林さん 「縦横それぞれ細かくカットしていきます。 この白い部分は牛乳を固めた“カード” 黄色い部分(水分)が“ホエー”です」
固まったばかりのチーズの赤ちゃん “カード”を試食してみると…
森崎「んっ!何だろう~甘いっ」
フウガ「美味しい、甘いっ」 カズサ「バターのプリンみたい!」
藤尾 「甘みが凝縮された感じですね」
小林さん 「牛乳本来の甘みがギュっと凝縮してます!」
さてこの工程は実は大変重要なんです。 小林さん 「水分の抜く度合いや切る大きさ、 加える温度だったりで ソフトタイプ・ハードタイプが決まります」
森崎 「ここで決まるんだ! ここからドンドン色んな分類が始まるんだ」
このあとホエーを全て排出したあと、 一晩かけてさらにホエーを特殊な機械で しっかり抜きます。 そして熟成室へと運ばれます。
では熟成室を覗いてみましょう。
カズサ「すごい!チーズの匂いがする」 フウガ「カビの匂いする」 藤尾「酸っぱい匂いするね」
小林さん 「これは先週作ったチーズを種カビを付けて 熟成庫で1週間、冷蔵庫で3週間で 合計1ヵ月熟成します」 藤尾 「製品で買うとパッケージされてるので 周りのカビがペタッとなってますけど、 本当にカビなんですね!」
小林さん 「そうです!フワフワ… 毛足の長いモコモコになってますよね」
まずは製造見学をした軟質タイプの メゾン・ドゥ・ピエールから-
森崎「癖がなく食べやすい」 フウガ 「口に残らない。あっさりしている!」
お次も軟質チーズ“セピア”。
小林さん 「イカスミを練りこんだ カマンベールタイプのチーズです」
さてお味は… 森崎「うん芳醇!!」 藤尾「美味しい!」
小林さん 「料理にもお酒のツマミにも合います。 ワインや日本酒だったり…」
佐々木「続いては“ホワイト”」
小林さん 「熟成2ヶ月の半硬質チーズです」
藤尾 「噛めば噛むほど香りが出てきますね」
小林さん 「このまま食べても美味しいですし 熱をかけると伸びるので ピザとかの料理に最適かと…」
佐々木「次は“ワインチェダー”」
小林さん 「富良野産の赤ワインを練りこんだチーズ。 食べても酔っ払わないですよ。 硬質タイプのチーズです」
藤尾 「チーズの発酵の酸味プラス ワインのちょっと違う酸味!」
佐々木 「日本で唯一作っているチーズがある!と 言っていましたが、この中にありますか?」
小林さん 「こちらのワインチェダーです。 富良野を表す逸品です」
料理にも使えて色々な食べ方が楽しめるチーズ。 その栄養価を聞いてみました。
天使大学看護栄養学部 荒川義人教授 「チーズは栄養の成分をギュッと 濃縮したものなのです。 牛乳に特徴的なタンパク質や脂質が 豊富に含まれています。 それから吸収性のいいカルシウムも たくさん含まれていますし、 牛乳だと乳糖(乳に含まれる糖質)が苦手で 下痢を起こしたりする人がいます。 ‘乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)’ と言いますが、乳糖もチーズでは分解されて 少なくなっているので、そういう方にとって 牛乳の成分を取り入れる有効な食材です」
北海道産の美味しい牛乳で作る、 栄養がぎっしり詰まったチーズ! みんなも沢山食べて健康な毎日を送ろうね~
《使用する材料》 牛乳360ml、生クリーム120g、乳酸2ml
※電気ポットを使用します ※乳酸は薬局で購入可能です。
カオリ 「さっきの牛乳の匂いとは変わってきた」
土田さん 「ミルクの良い匂いかな?」
藤尾「ホントだ!香りの良いホットミルク」
出来立てのマスカルポーネをいただきます!
フウガ 「なめらかだけど、もっちりしている!」
森崎「豆腐!」 藤尾「美味しい~!」
さてこのマスカルポーネは お料理にも使えるのですが どんな料理に変身するのでしょうか…?
佐々木「どんな料理に使えますか?」
土田さん 「そうですね! 普段食べる“おじや”とか!」
……おじや?
森崎 「ハッ???」
チーズがおじや??固まるあぐり一行。
土田さん 「和風の物に洋風の物を入れてみようかと!」
土田さん 「マスカルポーネチーズを使った 《マスカル雑炊》です」
森崎 「今回のあぐり王国の料理は “未知”すぎます!」 マスカル雑炊に使用する材料は、 マスカルポーネチーズとご飯、 そして卵とみそ汁だけ。 残りものの冷やご飯やみそ汁でも大丈夫!
マスカル雑炊の作り方は レシピコーナーをご覧下さいね。
では早速いただきま~す!
カズサ 「チーズが溶けたようにすごく美味しい!」
ミサキ 「雑炊とチーズって合わないと思ってたけど すごい合っていて美味しい!」
リーダーもまず一口。
あれれ…見る見るうちに表情が変わります。 すると-
森崎 「ツッチー! (グッドジョブ!と右指を差し出して…) 最高においしいよ!」
藤尾 「マスカルポーネが 和食感をもっと引き出してますね」
佐々木 「本当にお味噌汁との相性バッチリ!」
※この他にもう逸品ご用意いただきました。 詳しくはレシピコーナーへ!
さて今日1日チーズをお勉強してきて みんなはどう思ったかな??
カオリ 「チーズがこんなに幅広く料理に 使われているなんて知らなかったし こんなに美味しい料理ができるのも ビックリした」
フウガ 「僕はもともとチーズが好きで 今日はどんな見学をするのかと思っていたら 色んな経験をして特にビックリしたのが おじやにチーズが合うなんて 一番ビックリしました!」
森崎 「ビックリしたね。 テレビご覧になっている方も 多分驚かれていると思うんだけど 正直な感想を言ったつもりです… マスカル雑炊、おかわり欲しい人?」
「は~~~い!」
全員ピシッと手が上がりました。
そのままでもお料理でも美味しいチーズ! 毎日の食卓に取り入れたいですね。
番組で紹介した「富良野チーズ工房」のほか、 道内のチーズ工房や乳製品メーカーが参加する 「ミルク&ナチュラルチーズフェア2013」が 札幌と帯広で開催されます。 札幌会場には60社以上の工房やメーカー、 帯広会場にも50社以上が参加予定。 北海道産のナチュラルチーズが 一堂に集まるこの機会に あなた好みの美味しいチーズを 探してみてはいかがでしょうか!