森崎 「やってきたぞ~ながぬま~」
佐々木 「米どころ長沼町にやってきました」
森崎 「冬にこの米どころ・長沼町で どんな農業を紹介するのか印象がない…」
佐々木 「そうですよね!それを学んでいきますよ~ では一緒にお勉強するあぐりっこを 呼んでみましょう!あぐりっこ~~」
あぐりっこ 「は~い」 「はあ~~い」
アレレ?? いつもの可愛らしい声に混じって 野太い声が…
森崎「あれ?あれなんですか? 」
河野「老けた小学生…」
森崎「あの、オッサンも今日…」
河野 「表現悪いな~ もうちょっとなんかあるでしょ」
今回はあぐりっこは… 小学4年生かずさくんと、 お父さんのやすひこさん、 そして小学6年生ゆいちゃんと、 お父さんのきょうかずさん親子二組。
お父さんたちにも参加していただいたのは、 道内ではここ長沼町と新篠津村だけが 特別に製造販売を許されている あるものを取材するため! それは…
佐々木 「ジャジャーン! こちらを取材するためなんです!」
河野「どぶろく??」
森崎「まだ午前中ですよ?」
さてどぶろくって何から出来ているかな?
カズサ「お米?」
森崎「お~そうなんです!」
そう!今回はお米からできる酒 ‘どぶろく’について学びます。
‘どぶろく’とは炊いたお米を 麹(こうじ)などで発酵させただけの 素朴なお酒のこと。
弥生時代にはすでに飲まれていたらしく、 日本酒の原型とも言われているんです。
佐々木 「お父さん、どぶろくはいかがでしょうか?」
ヤスヒコさん(カズサのお父さん) 「昔飲んだことがあります」
森崎「お酒のほうは…?」
ヤスヒコさん 「好きです♪日本酒を飲みます!」
河野「いいですねえ~」
キョウカズさん(ユイのお父さん) 「私はどぶろくというのは…正直初めて!」
森崎 「お米からお父さんたちの大好物が 作られているんですね…」
河野 「見てみな、お父さんの顔。 いい顔してはるやろ!」
さて今回はあぐりおじさん4人が大暴走!? どぶろくをお勉強です!
では早速生産者さんの元へ移動します。 とここで佐々木アナから確認が…
佐々木 「みなさん今日は納豆食べてないですよね?」
河野「納豆を昨日から食べるなと言われました」
森崎「皆さんも食べていないですか?」
あぐりっこ一同「はい!」
佐々木 「実はどぶろくをつくるための菌と 納豆が持っている菌が ケンカしちゃうことがあるんですって。 なので納豆とかチーズとかは 食べないようにと言われましたね」
河野「そうなんだ~」
さてお話しているうちに到着! 今回お話を伺うのは 阪 正光(さか・せいこう)さん。
阪農場ではお米や野菜を栽培しながら ‘どぶろく’を製造販売しています。 阪さんは平成19年に行われた 「全国どぶろくコンテスト・淡麗部門」で 最優秀賞に輝いたこともある実力者なんです!
さて工房で大人の挨拶、 名刺交換が始まりました…すると-
森崎 「ああっ、杜氏(とうじ)って書いてある!」
阪さん 「お酒を仕込む人は杜氏と呼ばれます」
では杜氏の阪さんからどぶろくについて うかがっていきましょう。
まずは阪さん自慢のどぶろく、 全部で5種類をご用意いただきました。
それぞれアルコール度数や風味が違います。
カズサ「上の方が水っぽい!」
森崎「そうだよね~」
阪さん 「上ずみっていうんだけど これはアルコールがほとんどだね。 下に沈んでいるのが“もろみ”です。 中に入っているのはお米と麹(こうじ)。 2層に分かれていますけど 飲む時は上下混ぜて均一にしなければ 最後にもろみだけ残って勿体無い!!」
河野 「どぶろくと清酒(日本酒)の違いって?」
阪さん 「(日本酒は)網でこすんです。 目の粗い網で濾したのが“にごり酒”。 きめ細かい網でこすと“日本酒”です」
どぶろくと日本酒は材料がほぼ同じです。 日本酒はこのような大規模な設備で ‘もろみ’を濾して透明にします。
どぶろくは沈殿している‘もろみ’と液体を よく混ぜた状態でいただきます。
香りをかいでみると…
ヤスヒコさん「日本酒の匂いですね」
キョウカズさん「いいですね~♪」
阪さん 「時間をかけてゆっくり熟成したほうが まろやかな味になります。 ビンの中でも刻々と変化していきます」
森崎「生き物なんですもんね~」
酒造好適酒米の彗星(すいせい)が 炊き上がりましたよ~
阪さん 「このままの温度では高すぎて 麹菌が死んじゃいます! なのでごはんを冷まします」
豪快に炊き上がったお米を 台の上にあけていきます。
あぐり一行「よいしょ~~!」
彗星を試食してみると-
森崎 「普通のちょっと水足りないんじゃないか? っていうごはん!」
ヤスヒコさん 「酒米ってマズイって聞いていたんですけど 普通のごはんですね。 カレーとかチャーハンとか作るごはん!」
カズサ「少し硬い!」
阪さん 「硬いようにわざわざ炊いてるんです! 食べやすいご飯にしゃちゃうとね、 “ノリ”が出てきて ネバネバのどぶろくになっちゃうの! そうなると飲めたもんじゃないです!」
硬めに炊いたごはんを使い、 サラッとした飲み口にしていきますよ~
さてお次の工程は-
森崎「巨大な扇風機が現われましたよ~」
阪さん「これで一気に冷まします」
森崎 「扇風機の首を振らせて まんべんなく冷ましているんですね」
阪さん 「次は上下をひっくり返しますよ」
森崎 「確かに下になっていた部分はまだ熱がある!」
これでお米の準備が完了!
さて次は-
森崎「ご飯に続いてはお味噌汁ですか?」
河野「いやいや食事じゃないんですから!」
阪さん「水麹(みずこうじ)が入っています」
では鍋の蓋を開けてみましょう、オープン!
一同「うわ~~」
阪さん 「これが麹(こうじ)なんです。 水の中に麹と酵母と乳酸が入ってます。 これにご飯が入ると酒作りが始まります!」
※麹とはコウジカビを蒸したお米や麦などの 穀物に繁殖させたもの。
では水麹の中に先ほどのお米「彗星」を 入れていきましょう。
阪さん 「おいしくな~れって言いながら入れる!」
ヤスヒコさん 「おいしくな~れ~♪おいしくな~れ~♪」
河野 「なかなかあぐりっこでも ここまで素直な子はいないですよ!」
最後は一気に入れます。するとフワッと いい香りがあたりに立ち込めます!
佐々木「すごい良い香り~!」 森崎「フレッシュな香りだね!」
こうしていよいよ分解発酵が始まります。
さあ大人あぐり4人衆は早速 仕込みたての鍋に顔をくっつけて 香りをかいでいます。
阪さん「お好きなように~~!」
大人あぐり四人衆 「ああ~~♪(ニコリ)」
まさにウットリする4人。 すると河野君、一言ピシャリと…
河野 「今日数字(視聴率)が心配! 」
さてこれで準備完了。
水麹と炊いたお米が均等に混ざったら、 ある場所で熟成させます。 その場所がユニークなんです!
阪さん「テーブルの下です」
森崎「テーブルの下??」
阪さん 「毛布敷いてパネルヒーター入れてねっ!」
実はテーブルの周りは 発砲スチロールの板で囲ってあり、 中が見えない状態でした。
しかしその板をはずすと、テーブルを利用した 阪さんお手製の保温庫が登場!
この中を23度~25度にして さきほどの仕込んだものを2~3日保温します。 そうすることで酵母の活動が活発に… この工程が重要なんです。
じゃ~ん!もんすけです。 お米から作られるお酒“どぶろく”。 ずんどうの中では一体どんなことが 起こっているのか? お酒ができる仕組みを説明いたしましょう。
まず水麹の中の「麹」が お米を「糖」に分解します。 すると今度は「酵母」が「糖」を アルコールと二酸化炭素に分解するんです。 ここでお酒になります。
ちなみにこの過程を「発酵」といいます。 どぶろくの発酵は「音」で確かめることも…
ピチン プチン プチン…
お酒づくりって不思議だな~~
ではみんなで保温庫を閉じて…
「美味しくなってね~~!」
またまた登場、もんすけです。 お酒を作って販売するには 国から許可をもらわなければいけません。 道内には特別に「どぶろく」を製造販売できる 地域が2か所だけあるんです。 許可されているエリアのことを ‘どぶろく特区’と言います。
長沼町はどうしてどぶろく特区の 認定を受けようとしたのかな?
長沼町産業振興課 山科隆男課長 「長沼町はグリーンツーリズムの特区を とったときに、どぶろく特区を取得した」 「グリーンツーリズム」とは 都市に住む人が農家などにホームステイをして 農作業を体験したり、その地域の歴史や自然に 親しみながら過ごすこと。
そうした中、街を訪れる人たちに 地元の特産品を使って 「おもてなし」をしたいと言うことで 「どぶろく特区」の認定を受けました。
山科課長 「どぶろくをつくる場合ルールがあります。 ・宿泊を許可されている農家である。 ・原料は自分の家でとれたお米以外は 使ってはいけない。などあります」
現在5軒の生産者さんが どぶろくの製造販売を行っています。
森崎 「ドキドキ!おっさんだらけの試飲大会!」
パチパチドンドンドン…
味やタイプが全然違うという 長沼町のとぶろくを あぐりおじさん4人衆でいただきます!
河野 「5軒で作っているどぶろくが 全てここに集まったことになります!」
森崎「ええ~~!」と行進するリーダー
河野「わかりやすくワクワクしている!」
まずは先ほどお世話になった 阪農場の「一魂」から! 唯一、酒米を使った‘どぶろく’です。
■どぶろく一魂プレミアム■ ・酒造好適米・彗星使用(65%精米) ・アルコール13度
「かんぱ~い」
キョウカズさん「ヨーグルトみたい」
森崎 「余韻がたまらない。アタックが… 酸が強いかんじですね!」
と、ここで ありことに気がついたリーダー。
森崎 「えっ!?この調子で 5杯飲むんですか?」
河野大爆笑!
さあ次行って見よう~
■どぶろく まい姫 甘口■(女性の杜氏) ・ほしのゆめ使用、アルコール4~6度
河野「甘い!」 キョウカズさん「優しい感じですね!」
と4人がどぶろくを堪能している頃 あぐりっこと佐々木アナは、 長沼町の農産物加工グループ 「未楽瑠(みらくる)」の皆さんと 食事の準備をしていました。
長沼産の「ほしのゆめ」を使って おにぎりを握るのはカズサくん。 三角おにぎりに挑戦です。
初めて握る三角おにぎりに 悪戦苦闘ですが…
阪良子さん(阪さんの奥さま) 「よしっピラミッドみたいになったね!」
微調整をすれば…、上出来!
続いてはユイちゃんがチャレンジ!
良子さん 「上手だね~うわ~上手!早い!」
■松ちゃんのどぶろく■(生タイプ) ・ななつぼし使用 アルコール度数13度
山科課長 「5種類のうち、火(加熱)で (発酵を)止めていないものが2種類あります。 そのうちの1つです。 キャップに穴があいてますよね?」
森崎 「発酵途中にどうしても炭酸ガスがでますよね。 それを抜いている!」
山科課長 「胃の中で発酵していくので 後になればなるほど 気持ちよくなります!」
森崎「大変じゃないですか~!」
さてそのお味は… 河野「全然違うものです!」
キョウカズさん 「たんさん~~(炭酸) いんりょおううう(飲料)をぉ~~」
河野 「キョウちゃんどうしたの!」
大爆笑する大人4人衆!(本当に楽しそう…)
森崎 「シャンパンを飲んだ後口に似ています」
続いても生タイプ! 女性の杜氏が作った「きりゅう」
■どぶろく輝陵~きりゅう~■生タイプ ・ななつぼし使用 アルコール13度数
河野 「さっきの生と違って優しいですね! どうして生で出しているんですか?」
山科課長 「香りとコクを楽しんでもらいたい… ということでこだわっている方もいます!」
あっという間に最後です。 ■どぶろく耕心~こうしん~■(女性の杜氏) おぼろづき使用 アルコール6~7度
河野「甘いっ」森崎「あま~~い!」
ヤスヒコさん 「洋菓子みたいな味がします!」
※どぶろく商品の取り扱いについては 最後のページに掲載しています!
佐々木 「長沼町の美味しいものを頂きましょう!」
未楽瑠の皆さんが用意してくれた おふくろの味!あったかメニュー
二人が握ったおにぎりは 手作り味噌をつけて 焼きおにぎりに変身しました。
では「いただきま~す」
ヤスヒコさん「美味しい!」
森崎 「カズサ、美味しいって!」
カズサ「うれしい~~」
河野「キョウちゃん?」
ユイちゃんが作ったおにぎりを食べて…
河野「泣きそう!」
美味しい、嬉しい、楽しい、 3つ揃って泣きそうなキョウカズさん。
さらに、奥さん自慢の漬物の絶品!
ご覧下さい、このカラフルな彩り。
ブドウで色付けした「大根のつけもの」は もう箸が止まりません!
そして阪さんお手製の どぶろくを使ったデザート。 ゼリーはアルコール3%なので大人用ですが、 プリンはアルコール0%で 子供でも安心して楽しめます。
■問合せは- 阪農場 TEL0123-89-2026 ・どぶろくゼリー(280円) ・どぶろくプリン(280円)
ユイ 「お酒っぽい匂いがちょっとするけど それはそれで美味しい感じがする!」
森崎 「いける口(くち)なんじゃないか?」
河野 「キョウちゃんと一緒に飲むんじゃない?」
河野 「飲み友達も出来たし最高ですわ!」
森崎「楽しかったなあ~」
河野 「またヤッチャン、キョウちゃん飲もねっ♪ 」
あぐりっこお父さん 本日はご苦労さまでした~!
さて最後に阪さんからオススメの飲み方!
阪さん 「ちょっとアルコール高いなあって場合は 炭酸ソーダで割るとマイルドで 飲みやすくなるんです!」 佐々木 「どぶろく2に対して炭酸ソーダ1」
キョウカズさん 「薄くなるのかなと思ったんですけど 逆にシュワシュワ感がきて これはこれでサッパリ飲める! この飲み方も有り!」
《どぶろく商品の取り扱い場所等について》 お問合せ 長沼町観光協会 TEL0123-88-2111
○生タイプの2種類は生産農場のみ販売 <松ちゃんのどぶろく> 松村農場 TEL0123-88-0388 <どぶろく輝陵> 木村農場 TEL0123-88-4328
<一魂プレミアム> 阪農場 TEL0123-89-2026 <まい姫 甘口> 駒谷農場TEL0123-84-2836 <耕心~こうしん~> 高田耕次TEL0123-88-2213
杜氏の考えやお米によって 全く違った味が楽しめるどぶろく。 是非ご自宅で楽しんでみてください!