憧れアナ 「今回はオホーツクエリアにある 東藻琴地区にやってきました」
森崎「5時間近くです!」
北川 「でも5時間かけて来たかいあって 本当にいい景色ですねえ」
森崎 「素晴らしいな景色に 農作業しているみなさんステキだなあ」
憧れアナ 「今日は作物ではなくて 農作業している人たちが主役なんです!」
森崎「つまりあの方がですね」
北川「何か作業中なんですかね?」
森崎 「というか…ちょっと様子がおかしい! 農家さんの作業風景とは思えない」
憧れアナ 「では早速呼んでみますよ。 みなさん!今回あぐり王国が注目するのは?」
丘の上で作業してる人 「せ~のっ! 東京農業大学 オホーツクキャンパス うおおおおおお~」
みなさんは東京農業大学の学生さんです。
ということで今回のあぐり王国ネクストは、 網走市にキャンパスを構える 「東京農業大学オホーツクキャンパス」です。
1989年、網走市に設立された 「東京農業大学オホーツクキャンパス」。 東京農業大学はこのほか、 東京の世田谷キャンパス、 神奈川の厚木(あつぎ)キャンパスがあり、 農学部やバイオ技術を研究する 応用生物科学部など、 多種多様な農学分野の研究が行われています。
現在、農学を専門に扱う大学としては、 日本唯一なんです。
憧れアナ 「農作業の実習が行われているようです」
森崎 「お二人は何してるか分かりますか? ボクは見ただけで分かりますが…」
憧れアナ 「大きなクギみたいなのを土に刺してる…?」
北川「何かを植えるため?」
憧れアナ「苗?」
森崎「何の苗?」
北川・憧れアナ 「ジャガイモ?」 「ニンジン?」
あまりに答えがでないので 森崎「ざんね~ん!」
リーダーはポンと肩を押しただけなのですが 気迫にやられたお二人はなぜか―
畑に転げる…
ごろんごろん…
そしてリーダー仁王立ち(笑)
森崎 「あれはビートの苗を定植してるんです。 広大なほ場なんで機械で植えるんですが 植え残しがあるんです。 それをポコンポコンと入れてるんです」
ではキャンパスについて教えてもらいましょう。
東農大オホーツクキャンパスについて、 詳しく教えていただくのは、 生物生産学科の4年生、阿部 明弘さん。 道南・今金町出身の21歳です。
森崎 「つい最近、種イモの取材で今金町に お邪魔しています。 もしかして実家が農家なんですか?」 阿部君 「父母は違うんですが祖父母が 農業(米農家)を営んでおります。 (大学を卒業したら) 農家を継ごうかと思っています」
憧れアナ 「阿部くんのように実家が農家の人や 道内出身の人が多いんですか?」
阿部さん 「逆に少なくてですね… 学生は1700人ほどいるんですけど 道内出身者は約1割しかいません! 沖縄県も鹿児島県もいます」
森崎 「それにしても生徒さんが実習している畑。 ずいぶんと広い畑ですね」
阿部君 「そうですね…実はこの畑は 地元の農家の畑を お借りしていまして 今日もここ以外に11か所で実習を 行っております」
実習授業では地元近隣の生産者の 畑にお邪魔して、 生産者から様々な技術を教わりながら、 実践的な農作業体験を行っています。
森崎 「一般の農家さんの畑での農業体験は なかなかできないことだよね」
阿部君 「地域の皆さんとの関わりが深い大学!」
北川「農家に直接教えてもらえるんですね」
さらにオホーツクキャンパスならではの取り組みが…
阿部君 「オホーツクキャンパスでも 網走寒冷地農場という生産物の出荷や 販売を目的とした 21ヘクタールの畑をもっています!」
森崎 「すごい!恵まれてるねえ」
大規模な機械化畑作農業が 行われる網走エリアは、 複数の生産者が組織を作り、 農業機械や施設の共同所有、 そして共同作業を行いながら 農産物を生産する特色があり、 網走寒冷地農場も 網走市音根内(おんねない)の 生産者11戸で構成される、 「農事組合法人 網走農場」の 一員となっているのです。
憧れ 「生産者の小田切さんと伊藤先生にも お越しいただきました」
森崎 「生徒たちが手がけた野菜がキチンと 流通にまわっている! それもなかなか体験できないことですよね」
伊藤 博武先生 「リアルな畑ですので JAを通じて出荷されます。 本当にやってみるってことです。 こういうことをやるってことは 作っている人の気持ちも分かりますし 食べる人の気持ちも分かるようになる! そういう意味では真ん中で働くってのは 我々はいいことだと思っております」
東京農業大学は、 「人物を畑に還す」という教育理念のもと、 実践力を養うだけではなく、 農作物や地域生産者との触れ合いを通じて、 農業をはじめとする様々な現場に貢献できる 人材育成も行っているのです。
小田切英治さん 「将来的に学生たちが農業に興味を持って ひとりでも多くの後継者ができれば 1地番いいことだと思います!」
森崎 「作って終じゃなくて出荷して流通して スーパーに置かれて家庭で食べられる。 そこまでの流れが大事ですよね」
小田切さん 「やはり自分で作ったものが どんな評価を受けるのかまで見ないと 生産者として作ったことにはならない!」
さて東藻琴のほ場から網走市の キャンパスへとやってきました。 森崎 「ステキな場所だね~大学に来たというより 公園に来たような感じだねえ」
阿部君 「敷地面積が34ヘクタールあります! この辺の森がファイントレールと言って 農大で管理している森でもあるので…」
北川「森を敷地内に入れてるの??」
大自然に調和した環境が魅力の 東農大オホーツクキャンパスでは、 様々な動物の研究も行われています。
憧れ「何か見えてきた…」
阿部君「はいエゾシカです!」
森崎「エゾシカを研究しているの!」
エゾシカの研究とは一体どんなものなのか? 東農大オホーツクキャンパス卒業の一期生であり、 動物生産管理学研究室の教授を務める、 相馬幸作先生に詳しく伺います。
憧れ「たくさんいる~」 相馬先生 「こちらはずっとキャンパスで飼育して 繁殖しているシカです。 ブルーシートで覆っているのは 野生のシカを入れて実験しています」
憧れ 「そもそも何のためにシカを飼育している?」
相馬先生 「生きたシカを捕まえてきて 一定期間飼育して、 一定品質の肉を毎月出してます」
森崎「出荷もされている?」
憧れ「このシカは何を食べてる?」
相馬先生 「主に干草やビートパルプなどを食べてます。 与えるエサによって食味がどう変化するかを 研究しています」
緑色のビートパルプは何から?
相馬先生 「アルファルファというマメ科の牧草を 固めたものです」
さてここでシカにエサを与えてみることに…
すると恐ろしい事実が!
北川 「食べないねえ…
あら!
あれ?」
なぜかシカが憧れアナの方に移動…
北川 「若い子に… 若い子に寄っている! やっぱりシカも若い方が…」
いえいえ久仁ちゃんも若い若いよ~!
そしてさらに動物生産管理学研究室では、 こんな研究も…それはエミュー!
相馬先生 「網走市に新しい産業を! という目的にもとに研究してます」
大空町東藻琴地区には 「東京農大エミュー研究会付属牧場」があります。 コチラでは、およそ1000羽ものエミューを飼育。 繁殖、採卵、そして食肉としての出荷まで、 地元の民間企業が行っています。
大学では、その肉や油の活用方法など、 新たな地域産業の構築を目指した 研究を進めているのです。
相馬先生 「サプリメントもいけるんじゃないか…と」
森崎 「地域ブランドにもなりますよね」
土井修平くん(動物生産管理学研究室4年) 「卵やオイルなど色んな活用方法があることを 知って欲しいという想いが強いです」
森崎 「エミューのオイルって塗った事ある?」
土井くん 「ないです~ 高いんですよお…」
相馬先生 「浸透性が良くてリピーターがかなり多い!」
北川 「リピーターが多いんですか?」 女子は美に貪欲なのです
久仁ちゃんギラリ!
北川 「一度使ってみたいですねえ~」 ※女子は美に貪欲なのです♪
さて場所は変って―
憧れアナ「キャンパスの中に入ってきました」
森崎「あれ?阿部君どうしたの?」
阿部君 「実は応援団をやっておりまして… オホーツク支部長を務めております」
森崎「すごいなあ~」
阿部くん 「次は食品香粧(こうしょう)学科を ご紹介したいと思います」
森崎「食品コーショー学科?」
阿部君 「食品と香りを研究している学科です」
あぐりメンバーがお邪魔するのは、 食品加工や香りの研究を行う 「食品香粧(こうしょう)学科」。
その研究内容とはいったい何なのか、 佐藤広顕先生に詳しく教えていただきます。
北川「色んな香りがしますね」
佐藤先生 「ここが食品とか化粧品などの製造や 原料の研究をしている学科です」
どんな研究をしているのでしょうか?
佐藤先生 「いまおいしさを評価する試験をしています。 食品の色合い・味・香りをセンサーで測定し 客観的においしさを判断してます」
森崎 「つまりそれはおいしさが数値化される ということですか?」
佐藤先生「まさにそうですね!」
森崎「そんなことできます??」
佐藤先生「それを今研究してます!」
山田星花さん 食品香粧学科4年 「牛肉の色調の解析を行っています。 撮影した肉のカラースペクトルという カラ―コードとして現れて それを解析していきます」
佐藤先生 「全色調を約4000種類も識別していて とても細かい差を見ることができます。 明るい赤みとか黒くなった赤みとか その割合が増えたりすると 鮮度の落ち具合などを色で細かく 解析できるんです。 それを味と香りを機械で識別して 総合的においしさを判断します」
山田さん 「微妙な色の違いがグラフ化されるのが すごくおもしろいと思います!」
森崎 「そうですよね~ 普段じゃ絶対できないですよね」
そしてさらに香料や香水を作る実験を行う 「調香(ちょうこう)室」と呼ばれる部屋へ。
佐藤先生 「今日は実際にパイナップルの匂いを みなさんに作ってもらおうと思います」
森崎「においを作る??」
北川・憧れアナはウキウキルンルン顔♪
森崎「うわっ!女子たちときめいてる♪」
佐藤先生 「パイナップルの香りは数百種類の物質から できているんですよ。 今回はその中の特徴的な香りの3つ! 合成して作っているんですけど もともとパイナップルに入っているもので 食品添加物として認可されてるのでご安心を」
パイナップルの香り成分をもとに、 食品添加物などを合成して作ったという、 3種類の液体の香りを嗅いでみると…
憧れ「パイナップルだ!」
北川「さわやか!」
森崎「パイナップルの缶詰開けた時!」
2つ目の香りは? 北川「ちょっとバニラっぽり香り」
佐藤先生 「パイナップルらしい香りもあれば 全然違うものもありますよね」
香り成分の異なる3種類の液体を 適量ずつ瓶に入れて混ぜたあと、 その液体に浸した“ろ紙”で、 砂糖水を数回かき混ぜます。 たったこれだけの作業ですが…
森崎 「パイナップルジュースと言っていい!」
憧れ「パイナップル水だ」
森崎 「つまりパイナップルの香りを嗅ぎながら 飲むことでパイナップルジュースと 感じるかという実験ですか?」
佐藤先生「そうです!」
佐藤先生 「実際の製品は3つの香り成分ではありません。 10種類以上混ぜますが、それがコレです」
その香りをかいでみると…
北川「うわあああ本物だあ」
森崎「沖縄のアーケード街の香り」
先ほどと同様その香りを付けた砂糖水は?
北川 「すごい…なんなんだろう… すごい騙されっぷり!」
森崎「これはパイナップルだあ」
憧れ 「最初も十分パイナップルぽいけど 本物は違いますね」
森崎・北川 「本物じゃないよおお」
佐藤先生「本物じゃないですね…」
森崎 「みんないるいる!こんにちは~」
学生「こんにちは!」
憧れアナ 「今は何をしているんですか?」
佐野 賢司くん(食品香粧学科3年) 「オホーツク地域でとれる ジャガイモデンプンと 秋まき小麦を使った 盛岡冷麺の試作をしています」
佐藤先生 「地元の地場産品を活用してほしいという 思いがずっとあって… 盛岡冷麺の原料はオホーツクでとれる ものばかりですので ぜひオホーツクで商品化できれば もっともっと地元の農作物の消費も 増えるだろうという思いで研究してます」
佐野くん 「材料も北海道のものだけで作れるので 新しい商品開発として打ち出して いけると思います!」
オホーツク産原料で作る冷麺を 試食させていただくことに! まだ試作段階ということで…
佐野くん 「ショートパスタになってますが 食感だけ楽しんでいただければ…」
憧れ「歯ごたえがしっかりしている!」
森崎 「コシがある!プリプリして美味しい」
憧れ「止まりませんね」
森崎 「うん。止まんないね… おれ… 短い麺が好きかも! お茶漬け感覚でサラサラいける!」
森崎「改めて将来の夢は?」
阿部君 「地元の今金町に戻って 農業(米農家)を継ぐことです」
森崎 「じいちゃんばあちゃんの農業を継ぐ… それまで何年くらいあるのかな?」
阿部君 「そうですね… 5年くらいは東京などで社会勉強を したいと思っています」
阿部君 「消費者あっての生産者だと思うので 消費者の目線を吸収して 消費者は何を求めて 何が欲しいのかを 人が多い東京で学んでから農業をしたい」
森崎「立派ねえ~」
北川 「こういう若者がいるのは 嬉しいですねえ~」
さて最後に阿部君たちが見せてくれたのは… もちろん東京農業大学名物の大根おどり!
東京農業大学のみなさん ありがとうございましたあ!
正解は「中頓別町」