北海道も徐々に気温が上がり夏も間近…! 市民農園や家庭菜園をされる方にとって、 野菜作りの本格的なシーズンに突入しました。
農業資材を扱うこちらのお店にはご覧の通り! 肥料用の『土』がズラリと並んでいます。 ※JAさっぽろ南支店 南経済センター 住所)札幌市南区石山2条9丁目7-88 ※日・祝日休み
農作業の中で一番初めに行う『土づくり』ですが、 これからでもまだ間に合うんです! ところで皆さんにとって “いい土”とはどんなイメージですか?
さっぽろさとらんどの市民農園でインタビュー 「えっ?わかりません… 栄養分がなかったら葉が黄色くなるんで そういうのがなくてホクホクした土!」 「通気性・保湿性がよくて水持ちが良い土」 「よくミミズがいっぱいいると 良い土だといいますよね?」 「黒くてフワフワした土は栄養があって 野菜がよく育つ気がします」
皆さん知識はあるものの実際は手探りの様子…
憧れアナ 「今回は上富良野町にやってきました。 いつもあぐり王国では 農作物を取り上げてますが 今回は農業の基本である土に注目します!」
森崎 「おー。土好きですよ。 時間があったら土いじってます…」
憧れ 「では家庭菜園とかやってる?」
森崎 「よくっていうか随分長くやってます。 土も耕すし 後輩も耕して います!」
大下 「芽は出ましたか?(自分を指して…)」
森崎 「いや出ないんだよなあ (笑)」
憧れ「(笑)」
森崎「土はうまく行くんだけどね~」
憧れ 「なぜ上富良野町に来たかと言いますと 私の目の前には土のテーマパークである 土の館という博物館があるんです!」
森崎「どのかん??」
大下「つち の やかた!」
さて今回のあぐりっこなんですが― 今回はあぐり先生ですよ!
工学や薬学などを目指す生徒の足がかりとなる 北海道科学大学高校から理科を教える 石澤美保先生と音楽の青木信也先生が特別参加。 農業の第一歩『土づくり』から 教育にも繋がるものは得られるのでしょうか…
石澤先生 「(家庭菜園を)少しやってます! トウモロコシとトマトとジャガイモ」
大下 「育てているのは旦那さんで 石澤先生は食べるの専門!」
青木先生 「今はブルーベリーを何本か植えてます」
憧れアナ「ということはよく土を耕す?」
青木先生 「よく分からないので“なんちゃって”で…」
森崎 「分かんないですよね~ 土って本当に難しいですよね。 身近で親しみやすいけど なかなか入っていけないですよね~」
次世代に残したい 北海道の財産『北海道遺産』にも 選定されている「土の館」。 中には一体、どんなお宝があるのか?
森崎「お邪魔します!」
土に関するエキスパート 土づくりマスターの資格を持つ田村政行館長に 土の館について教えていただきます。
森崎 「土の館って珍しいですねえ」
田村館長 「日本で唯一の土の博物館です!」
森崎「ここにしかないんだあ」
田村館長 「耕す機械の専門メーカー スガノ農機が設立・運営をしています」
森崎「農機具メーカーさんがやっている」
田村館長 「なので農機具から見た 北海道開拓の歴史や 農業における土づくりの大切さを 伝えるために活動しております」
土づくりのスタートは「耕す」こと。 「スガノ農機」は『プラウ』と呼ばれる、 畑を耕す農機具の開発や製造販売を行っています。 まずは耕すことのプロに その重要性がわかる場所へと案内して頂きます。
森崎 「こちらは世界の農耕の歴史を探る場所」
田村館長 「ここは人類で初めて… どこから農耕が始まったのか? そして日本にどう伝わったのかを 農機具を並べて説明しております」
森崎 「これをつけて引っ張ると…?」
田村館長 「土がぐっと動いて持ちあがって 起きるんですね! 見るのが一番早いです。見ますか?」
森崎「見たいです!」
田村館長 「裏の畑あるんで見ますか。行きましょう」
田村館長 「これはクワですね! 青木先生が持っているのが上富良野町の方が 開拓の時に使っていたとされるクワです! 実は土の館に展示されてるやつです! 上富良野は土が重いですから 剣先が尖っていて丸くて小さいですね」
憧れアナ「すごい!」 田村館長 「これは三本クワ。間が空いていて 粘土地などを起こすクワですね。 窓グワは穴があいてまして ここから土が抜けて軽く耕せるので 万能的に使われるクワです」 それぞれタイプの違うクワを使って、 土を起こしてみます。 まずは家庭菜園ではスコップを使っている 青木先生から…
まず頭上から振り落として引っ張ります。
田村館長 「あんまり引っ張らないで耕す! 手前に引くだけで…」
青木先生やってみますが…
田村館長 「浅いですね!もうちょっとがっつり入れないと」
森崎「どんどんダメ出しでますね」
青木先生「疲れます!!」
続けて初めてクワを持ったという石澤先生も…
石澤先生 「ちょっと無理かもしれないです! 耕せてる感じがしないです…」
田村館長 「土にクワが深く入っていきませんね」
大木 「全然入んない!気を抜くと全然入らない!」
さてここでリーダーが登場です。
ザクッザクッザクッ…
腰をしっかり落として 軽々とクワを持ち上げ 深くクワを土におろしていきます。
憧れアナ 「すごいリーダー! 音が全然違う! 深さが全然違いますね」
田村館長「慣れてますね…」
森崎「こうだよ!」
青木先生&石澤先生「すばらしい~」
田村館長 「この勢いがずっと続けば すばらしいでしょうけどね!」
森崎 「まあねえ~テレビなんでね ちょこっとやればいいかと思ったんでね」
明治初期の北海道開拓時代に 思いを馳せながら畑を耕す一行。 ほんの数メートルだけでも、 その大変さがわかったようで…
石澤先生 「力がいるし時間もかかるし… 大変ですね」
森崎 「とにかく大変。 でもこうして土を耕すことで そっから畑に命が宿る」
土を耕すことで、やわらかくフカフカになり、 作物は根を広げ、 より栄養分を吸収できるようになります。
さらに”落ち葉” や”野菜くず” などの 有機物をすき込むことで、 それを食べた微生物が、 土の栄養分に分解してくれるんです。
森崎「トマトの茎はどうしてました?」
石澤先生 「ごみ袋に入れて緑のリサイクルに 出してました…」
田村館長 「もったいないですねえ」
青木先生 「庭の土をおこしたら 木の枝が土の中にあって… 前の方があえて入れたのかなと思って…」
田村館長 「粘土質で固い土の場合は 枝などを入れて隙間を作ることが大事です」
そしてクワより効率よく耕すために登場したのが 馬耕(ばこう)用の畜力プラウ。 ご覧のように馬にプラウを装着し、 畑を耕していきます。 実際、馬と人では どれほど力の差があるのか試してみますが…
全然うごきません!
先生方口をそろえて 「馬はすごいです!」
2人ではビクともしないので、 スガノ農機・若手社員さんの力もお借りして 6人がかりで引いてみます!
せーのっ!!
森崎「行った行った~!」
スガノ農機若者「よいしっよいしっ!」
憧れアナ「すごい~」
大下「ちゃんと掘れてる」
田村館長 「クワよりちょっと深いくらいですね」
森崎 「そうかあ~ ただこのスピードでいったら クワよりずっと早いよね」
田村館長 「それでもね… 馬で耕して楽になったといっても 一頭で耕せる面積は限られてる」
森崎 「これを何往復もしなければいけない… まだまだ楽にならないよおおお館長!」
すると田村館長が―
田村館長 「はい!お待たせしました!」
憧れアナ「何ですか!!」
田村館長 「最新型のトラクターを 持ってきましょう!」
さあ一体どんなのが登場するのか!
ガガガガガガ~ 遠くからトラクターがやって来ましたよ。
森崎 「カッコイイ●と▲だあ!」
憧れ「三角のタイヤ」
森崎 「トラクターの後ろについてあるのは?」
田村館長「プラウです!」
登場したのは最新のトラクターと 土を起こすためのプラウ。
一体、どのように掘り起こしていくのか?
トラクターが前進すると プラウの刃が土に入っていきます!
森崎「すげー刺さってる!」
憧れアナ「どんどん掘り起こしてる!」
森崎 「4列をいっぺんにおこしている!!」
憧れアナ 「深さが全然違いますね」
森崎 「これは早いわ… 何だったんだ…今までやったのは…」
北海道の農地面積の推移を見てみると、 農機具の変遷と共に、 その規模も徐々に拡大していくのがわかります。 北海道農業の発展は農機具の進化も 理由のひとつと言えるんです。
森崎 「トラクター万々歳だわ」
田村館長「トラクター乗ってみます?」
森崎「いいんですか?」
ということでリーダーも、 トラクターでの土起こしに挑戦!
指導者 「まっすぐ溝に沿ってタイヤ落ちないように」
森崎 「やることいっぱいありますね~ すげーおこしてるうう~」
さらに先生2人も、 トラクターでの土起こしを初体験! 音楽の青木先生からは意外な感想が…
青木先生 「エアコンが効いていて気持ち良かった! ステレオもあって辛い作業が 楽しくなるんだろうなって感じました」
さてお次はトラクター博物館へ―
森崎「おおお~すげーー」
憧れアナ「蒸気トラクター??」
田村館長 「110年前のカナダ製の蒸気トラクターです。 実際に動かすとシュッシュシュッシュって」
土づくりの歴史と功績を伝える土の館には、 生産者から寄贈された、 かつてのトラクターを展示する博物館も!
昭和30年代を中心に実際に活躍していた トラクターおよそ80台が色とりどりに並びます。
青木先生 「うち(北海道科学大学高校)は 自動車科があって古い自動車があるので うちの生徒が来たら喜びそうです」
森崎 「連れたきたらいいしょ~社会見学で!」
お隣のトラクター博物館にはナント!
森崎「ベンツだあ~」
大下「フィアット!イタリアだ」
森崎「うわポルシェ!!」
憧れアナ「すご~い」
今では貴重な有名外車メーカーのトラクター。 当時、家1軒の値段よりも高かったといいます。
森崎 「こういうのに乗ってね 広い畑を走るっていうのは 農家の方も楽しかったでしょうね!」
田村館長 「そういう農家さん いっぱいいたんじゃないでしょうかね」
森崎 「俺ポルシェのトラクター乗ってるぜって! モチベーション高かったんじゃない?」
じゃじゃん もんすけです! 土づくりの大切さを現代に伝える土の館。 昔のトラクターのほかにも、 道内各地の『土づくり』がわかる 標本も展示されているんだよ~
これは90年前に起きた 十勝岳噴火の泥流被害から、 土を耕すことで見事に復興したことがわかる 土の巨大標本。 高さ2メートルもの泥流が 流れ込んだ上富良野の農地。 しかし生産者たちは決してあきらめず、 山から土を運んで被害前と同じように、 再び農作物が実る土を作ったんだって。
土の歴史を知ると 食べ物へのありがたみも感じるよね
土を起こし、苗を植え、作物が実る。 100年以上繰り返されてきた 北海道農業の歴史。
今回「土の館」で、 その基礎となる『耕す』体験を通じて、 先生2人が感じたことは?
森崎 「教育者として学生が目の前にいたら 今日の経験で役立つことってありますか」
石澤先生 「土をしっかり耕して、その中の微生物を元気して その栄養が野菜にいって それが私たちに届いているんだよって… 生物が繋がっているということを 授業の中で伝えたいと思います」
青木先生 「生徒も我々も頭の中で耕して 柔らかくして色々なものを吸収して… そういう生徒を育てたいなと思いました」
憧れアナ「家庭菜園のヒントありました?」
青木先生 「とりあえず明日クワを買って耕します!」
森崎 「良かったクワで~ トラクターを買うって言ったら どうしようかと思った!!」
収録から数日後、青木先生のご自宅を伺うと… おっ本当にクワを買ったんですねっ!
青木先生 「キレイに掘り起こせる! スコップとクワでは土の感じが全然違う! 土を掘っていたらミミズがいっぱい出てくるので これは良い土だなあと思って。 はやく(ブルーベリーを)収穫して食べたい! 今年うまくいけば来年夢が広がるなあ」
そして食べる専門だったという石澤先生も… ちゃんと手伝ってますね!
石澤先生 「あの後、庭に興味が出たので 毎日様子は見ています。 手をかけたらその分おいしい良いモノが できるような気がするので 収穫の時期が楽しみです!」
みなさん、こんにちは! 今日はこの番組に届いた、 嬉しいニュースについて紹介するよ。
このほど「日本マーケティング大賞」と呼ばれる、 商品やサービスを消費者により良く繋げた 活動を表彰する審査会で 「あぐり王国」が地域賞を受賞しました。
番組を通じて北海道農業の ブランド向上に努めてきたことが 高く評価されたんだよ。 生産者を主役にして農業を発信する番組は、 世界でも珍しいんだって!
香港や台湾、タイでも放送され、 北海道の食の安全と食育の大切さを 伝えてきたことも、 評価のポイントになったんだよ~
この秋で400回目を迎える「あぐり王国」。 これからも応援よろしくお願いします!
以上もんすけの週刊あぐりニュースでした!
正解は「網走市」