日本古来からの伝統的な食事作法。 皆さんが毎日使っているもの。 それは…箸(はし)! 切る、挟む、混ぜるなど、 食事を効率的かつ美味しく味わえる 日本食文化の象徴。
ところが、その箸の使い方を訊ねてみると (街頭インタビュー) 「微妙ですね…」 「ちゃんと持てますかと言われると自信ない!」 日本の食文化が異常事態! とある大学が8000人を対象に行った 調査によると40代~50代でも 正しく箸を使える人は30%台という結果。
これは、ほっとけない!!! あぐり王国では箸作法やマナーなど 日本の食文化に注目します。
佐々木「日本の食文化を学びます」
森崎 「畑や牧場に出かけたりして 食べるものの話をしていますけども “食べる事”その行為も大事ですよね!」
佐々木 「食のマナーは家庭から!ということで 藤尾さんも今日はシッカリ習得して 立派なお父さんになってください!」
藤尾「うん!」
子どもだけではなく大人も必見! 今回のテーマは『家庭で学ぶ食育』 。 ということであぐりっこ親子2組に ご参加いただきました。
佐々木 「今日はこの“食育”について学んでいきます」
食育とは- 食べる事に関して興味や知識を意識しながら 健全な食生活を送ることができる人間を育てること
森崎 「ご家庭ではどんな食育をしていますか?」
佳世子さん 「バランス良く食べること! 偏った食べ方をすると、それだけじゃ (栄養が体に)吸収されないんだよ… という話はよくします」
恒太朗 「魚が嫌いで魚が出されたときは 『残していい?』って言っても 『バランスよく食べなさい』って言われるから それだけは頭に残っています!」
純さん 「好き嫌いをしないで食べると伝えてます!」
望未 「私は幼稚園の頃からお弁当で 好きな物ばっかり入れてもらう時もあるけれど 嫌いな物もちゃんと食べなきゃ 栄養にならないから、そういうことを注意して 作ってくれるお母さんに感謝してます」 森崎 「あら~いきない母への感謝!母の日おめでと~」
佐々木 「楽しく食べるのも大事なんですけども マナーというものがあって 箸の使い方とかお椀の持ち方とか こういった事を皆さん気をつけたことは ありますか?」
恒太朗「よく言われます…」
森崎「よく言われるってことは…?」
恒太朗「ダメなところがある…」
食育の基本は美味しい料理を 楽しく食べること。 そして北海道でとれた安全安心な食材を 旬の時期に味わうことも食育の一つ。 その季節ならではの恵みや 生産者への感謝の心も大切な要素です。
森崎 「(作物を)育ててくれた人、 (お料理を)作ってくれた人… その素材そのものの命に対しての 感謝の気持ちをこめて“いただきます”って 言っているし、終わった後は “ごちそうさま”って言葉を大事にしてますよ」
佐々木 「私達は日本の文化を次の世代へ 伝えなければいけません。ということで 料理・マナー・食育の話など色々教えてくれる スペシャルゲストを呼んでいます」
料理研究家でもあり管理栄養士、 マナー講師でもある 東海林明子(しょうじ・あきこ)先生! 料理教室や講演会などを開いて、 食育や食事マナーを広く教えています。
森崎 「ちなみに箸の持ち方には自信ありますか?」
東海林先生 「もちろん!もう何十年も生きてるから大丈夫!」
森崎 「こういう人にしっかり教わりましょうね」
東海林先生 「一生懸命作ってくれているものを シッカリ食べるってことからが感謝だと思う!」 佐々木 「日々の生活の中で培われていくもので ありますしね・・・」
東海林先生 「キレイに食べるというのは自分の体にも マナーが見につくし、 人に不快感を与えない!そういうことは その人の一生の品格にも繋がる! そういう事は小さい時から家庭で 教えなければいけないことだと 思うんですけどね…」
「ねっ…お母さんたち! 」
藤尾「来ましたよ!姑のプレッシャー」 佐々木 「まずは参加してくれたあぐりっこ親子の 箸の持ち方をチェックしたいと思います」
森崎「でた~おっかねえ~」
佐々木 「正しい箸の持ち方が問われる… お魚を用意しました!」
森崎「うわ出た~恒太朗~!」
魚が苦手な恒太朗。悶絶…
東海林先生「ちょっと厳しくチェックします!」
森崎「うわ~怖い~」
佐々木 「ではあぐりっこ親子の箸の持ち方確認! と行きたいところなんですけど、 ここで出演陣を代表しまして リーダーにも挑戦してもらおうと思います」
森崎「えええ~」
藤尾 「これダメやったら(東海林先生に) 国王の座を奪われますよ」
東海林先生「のさばるかもしれません!」
ということで、まずはリーダーから。 箸の使い方をチェックする食材は、 正しい箸作法が試される『さんま』を用意。 ちなみにコチラが 東海林先生のお手本となる箸の持ち方。
上の箸を親指、人差し指、中指で持ち、 下の箸は薬指と小指で支えます。
それでは、いよいよ検証スタート!
森崎「いただきます!」
東海林先生「まず良いですね」
右手で箸を上からとり、 左手でお箸を支えて、 右手で箸を持ち直します。
東海林先生「おっと…」
いよいよ魚をほぐします。
森崎「緊張する~~!」
藤尾「お箸の持ち方はどうですか?」
東海林先生 「薬指を使っているところが… ちょっと違っているかな」
佐々木 「ぐちゃぐちゃになっちゃう人もいますが?」
東海林先生「いいですよ~」
キレイに骨を身から離していくリーダー。
東海林先生 「魚を裏返さないで骨を外すのが 魚の食べるルールなので良いですよ~!」
さすがはリーダー。 箸を上手に使いこなしながら、 さんまをキレイに食べていきます。
さらに注目は食べ終えた後!
藤尾「この仕上がりの美しさは凄いですね」
佐々木「漫画とかに出てくるサンマですよね」
皿にはさんまの頭と背骨しか残ってません!
森崎「ごちそうさまでした」
リーダーの食べ終わりがコチラ! 箸の持ち方に若干の不安はありつつも、 お皿の上に残るのは、 頭と中骨のみという素晴らしさでした。
続いてはのぞみちゃん親子の 箸作法をチェック!
望未(のぞみ)ちゃん親子 「いただきま~す」
森崎 「お母さん、お箸いいですね!」
お母さんの純さんは まずは魚に切れ目を入れていきます。
東海林先生 「良いですね。真ん中に線を入れて 身をほぐしやすくすると食べやすなります」
そして悪戦苦闘しているのがノゾミ。
ノゾミ「ダメだ!うまくいかないよ」
なかなかお箸だけで身がほぐせないようです。 だけど一生懸命やってますよ!
佐々木「さてお箸はどうでしょうか?」
東海林先生「ちょっと違いますねえ~」
さて次は骨をどうするか? 純さんは骨をキレイに身からはずして お皿の上のほうにおきました。
東海林先生「いいですよ」
一方ノゾミは「あれ?どうするの??」
お母さんのやり方を何度も確認しています。
森崎 「親の食べ方をチラチラ見ながら 子は学び取りながらの食卓ですなっ」
ノゾミ「ここを持って…えっ…」
森崎「いい!いい!色々やってみれば良い!」
ノゾミちゃんも上手に骨を身から外しました。
森崎「ノンちゃん、いいよ~!」
箸の使い方に大きな問題もなく無事完食!
ノゾミちゃん親子が食べ終わえたあとのお皿。 食べられない部分を残してお皿の隅に寄せる… これも食事の大切なマナー上出来です。
森崎「コウタロウのお箸はどうですか?」
東海林先生「ちょっと違うわねえ~」
森崎 「さてコウタロウは魚が苦手なのに ワタのほうから身をほぐしてます」
東海林先生「けどまあ6年生だからねえ」 と話している間にコウタロウのさんまが 皿の場外に出てしまいました…
森崎 「こういうのも箸の持ち方で、 力加減がちゃんと箸先に伝わっていれば 落ちなかったんですよね」
藤尾 「けど小学6年の男の子らしい食べ方で 僕は好感もてますよね」
森崎「こうだったよな!」
苦手な魚に悪戦苦闘のコウタロウ君。 一方、お母さんは見事な箸作法を披露! そしてコウタロウ君親子のチェックが終了。
「ごちそうさまでした」
コウタロウ君親子が食べ終えたあとのお皿。 箸の使い方、そして食べ方ともに 素晴らしかったお母さん。 そして残念ながら残してしまいましたが、 頑張って食べてくれたコウタロウ君。 よくやったぞ~~!
佐々木 「箸の持ち方チェック終了!ということで お疲れ様でした~どうでしたか?」
ノゾミ 「さんまを食べるのに苦労して 箸の持ち方を気にしてなかった!」
コウタロウ 「いつもより食べられたけど 耐え切れなかった…」
森崎 「けどお母さんが横にいて キレイに食べているのをみてどうだった?」
コウタロウ 「なぜそこまでキレイに 食べられるんだろうと思いました」
森崎 「オレはね今はそこまでで良いと思うよ! なぜお母さんはこんなにキレイに 食べられるんだろうって思ってくれたことが 今日はコウタロウにとって良い時間だった!」
東海林先生 「食べる事って“おいしんだな”って 思ってくれればいいので、 徐々にお箸の使い方を勉強するといいし こんなお母さんのようなキレイに食べる 立派なお手本がいるから大丈夫だと思う」
佳世子さん 「美味しさがわかれば もう少し(上手に使えるように) なるのかなと思います!」
森崎 「本当に今日は良い挑戦をしてくれた! コウタロウ、どうだい? また挑戦してくれるかい?」
コウタロウ全く表情を変えず 小刻みに横に顔を振ります(完全否定!)。
みんな大爆笑!
ノゾミちゃん親子、コウタロウくん親子 ご苦労さまでした。
それではここでは正しい箸の持ち方を 教えてもらいましょう。
右手で持って、 左手でお箸を迎えに行って、 右手を回すようにして持ちかえします。
東海林先生 「人差し指・親指・中指でしっかり持ちます。 中指はハシとハシの間に入れます。 この指が動くんだよね」
上のハシは人差し指と中指だけ動かし、 下のハシはあまり動かさない!
東海林先生 「あとはこの3本の指をよく動かしてみる」
森崎 「動かすのは上のハシ… 両方動かすのではない…」
東海林先生 「ムダな音って日本人って嫌なのね!」
ちょっと面白い顔でリーダー 森崎「エレガント!」
東海林先生「なんですか?!」
森崎 「いやいや…ステキだなと思って!」
食事マナーの基本とも言える箸の正しい作法。 もちろんマナー違反の箸作法はご存知ですよね。
東海林先生 「例えばおかずがあって箸で迷っちゃう “迷い箸”。みったくない! あとお箸でお皿をズズズッと引き寄せる “寄せ箸”。それもだめ」
森崎「したことある?」
コウタロウ「ある!」
森崎「何?」
コウタロウ「寄せ箸」
東海林先生 「日本は食べるだけでなくて 食べる心を大事にする国だから お箸ひとつ、食べ方ひとつを 大事にしていきたいなって思いますよね」
森崎 「ちゃんと出来ることが 大友達や好きな人と食べるときに “おっ”と思わせるコツだね。 これやったら男女関係ない!モテます!」
東海林先生 「それにこうやって指先を使うコトは 集中力アップにつながります。 頭の働きにも違うんですって!」
森崎 「先生、それは大丈夫でしょう!」
藤尾 「先生の口数はすごいですよ!」
じゃ~ん、もんすけです! 日本人の食文化に欠かすことの出来ない箸。 子どもと大人では体や手の大きさが違うので、 自分に合った長さの箸を使うことが大切なんです。
その最適な箸の長さは、 親指と人差し指を直角に広げたおよそ1.5倍。 これを知っておくだけでも、 箸の作法が上達するんだって~!
しかも今では子ども用の箸の矯正グッズなどが 販売されていて、家庭で気軽に箸作法の練習が できちゃうんだよ! 僕も箸の使い方を磨いて 食事を楽しも~っと!
■取材協力 東急ハンズ札幌店 札幌市中央区南1西6 011-218-6111
佐々木 「お箸の使い方を教わったところで おいしいお料理をいただきましょう~!」
あぐり一同 「いえ~~い!せ~~のっ! いただきま… 」
森崎「って!!」
さて我々の前にはお料理は並んでおりません。
藤尾「昭和の空気が流れましたが…」
お料理の代わりに色紙が置いてます。
森崎「何ですかコレ?」
東海林先生 「色で食事のバランスもとってほしい!」
コチラが和食の基本的な配置を わかりやすく色分けしたもの。 皆さんも見慣れている配置ですが、 改めてその食事作法を教えて頂きます。
森崎 「伝統的な古来からの美味しい食べ方を 受け継いできてるのがわかりました」
東海林先生 「まさにこれは日本型食生活の 素晴らしい所だと思いますね。 主食のごはんは大半は国内の米。 ということは食料自給率アップにも 繋がりますので、このスタイルでしっかり 食べてほしいと思います」 森崎 「感謝を伝える場が食卓かなと思いますね」
東海林先生 「なので残さずいただきましょう!」
ということで旬の食材を使った和食料理を 東海林先生にご用意いただきました。
ごはん(ななつぼし)、 汁物(カブの味噌汁)、主菜(五目煮) 副菜(小松菜の白ゴマ和え)
東海林先生 「北海道の野菜をタップリ使って作りました」
森崎 「作ってくれた方、育ててくれた方に 感謝を込めて“いただきます”」
コウタロウ「おいしい!」
東海林先生 「今日は北海道のカブを使った味噌汁。 カブの葉っぱも最後に入れてます」
森崎「ほとんど北海道産!」
東海林先生 「三食キッチリ食べるってこと。 これが“食育”かなと思うので 今日学んだ事を頭の隅に入れて 三食食べてほしいと思います!」
ノゾミ 「食べ物ひとつずつの味を考えて これから食べようと思います」
コウタロウ 「いつもなら(ごはんを食べながら) テレビを見たり聞いたりしているから ごはんの味がわからないけど、 食材の話を聞いてごはんを食べると 改めて食材の味がわかる!」
森崎「おおお~」
佐々木「なんかスゴク成長してますね」
森崎 「おいしく最後まで食べることが出来ました。 それではみなさん 声を揃えていきましょう。 “ごちうそうさまでした”」
それは縄文時代。 中国・インド・ミャンマーが接している 山岳地帯から伝わったとされ、 私達の先祖が改良を重ねながらも、 毎年行ってきた大切な農作業。
日本の食文化を語る上で 決して外せない作物。それは…
森崎 「今年もこの季節がやってきました。 米作りを学ぶぞ~」
今年もやります、米作り! 過去5年にわたり体験してきた米作り企画。 第一弾の今回、 まずは貯蔵の秘密を学びます。
さてお勉強する町はどこかな…?
佐々木 「私達は空知の美唄市にやって来ました!」
森崎「いい場所だな~」
佐々木 「見晴らしが良いですよ~ では一緒にお米について勉強してくれる あぐりっこを呼びましょう~」
佐々木 「今シーズンお米について 一緒に勉強してもらいます」
森崎 「お米ってどんな作業があるかな?」
カイト「忙しい!」
藤尾 「『どんな作業がある?』って聞いているのに “忙しい”と答えてくれました!」
まずは今、私たちが食べているお米について 学んでいきましょう。
最初にあぐり一同が向かったのは 米どころ美唄市を象徴するような大きな倉庫、 『JAびばい 雪蔵(ゆきくら)工房』。 案内していただくのは、 JAびばいの小山学さんです。
小山さん 「よく言われます!」
さて冗談はそこそこに 美唄市のお米の特徴は何でしょう?
森崎 「でっかいなあ~! 『雪蔵工房』は雪のエネルギーを使って お米を貯蔵する場所なんだって~」
小山さん 「こちらには4つの倉庫が入っていて 各倉庫に雪にちなんだ名前がついています。 白銀の蔵、樹氷の蔵、大雪の蔵…」
藤尾「本当に大きな施設なんですね」
小山さん 「今回は粉雪の蔵に入ってみますね」
では蔵の扉をオープン!!
あぐり一同「うわ~広い」
森崎 「小学校のグラウンドぐらい あるんじゃない?」
そんなひろ~い蔵の中に お米が山のように積まれていました。
森崎「これ1つはどのくらいの重さ?」
小山さん 「この袋には約1トンの米が入っています。 今この部屋に1000個、 約1000トンが入っています」
藤尾「米1000トンだってよ!」
森崎 「今年の米が出来るまでは 去年収穫したお米を食べる必要があるもんね」
小山さん 「今年の収穫までには空になっていますよ!」
森崎「そうか~!」
袋に入った米を見せてもらいましたよ。
森崎 「いつも食べているお米と違うかな?」
コウキ「茶色っぽい!」 ミスズ「色が違う!」
森崎「どうしてだ?」
コウキ「精米されていないから?」
森崎「そう!すごいねえ~」
小山さん 「白い状態を“精米”と言うんですが 精米のまま倉庫に保管してしまうと どうしても鮮度が落ちてしまいます。 なのでこの倉庫で一年中玄米で貯蔵して 鮮度とおいしさを保っています!」
袋の中にはお米の温度“穀温”を計る 温度計まで設置されていました。
森崎 「やっぱり貯蔵っていうのは 欠かせないものなんですかね?」
小山さん 「絶対、欠かせないものだと思います。 一定の温度(5度)と湿度(70%)で 保管しています。 この環境が整っていなければ お米も美味しいものは提供できない…」
「貯蔵の大切さ」について学んだところで リーダー、あることに気がついた!
森崎 「みんな大変だ!雪蔵工房なのに 雪がないぞ!探して探して…」
ウロチョロ探してみると 冷たい風が吹き出ている通気口を発見。 ここにはどんな秘密が…?
ミスズ 「冷たい風がきている!」
カイト 「涼しくて快適になる!」
森崎「夏もこんなに涼しいの?」
小山さん「夏は寒いくらいです」
森崎 「この壁の中に雪が入っている?」
小山さん 「雪は別の場所にあります」
森崎 「別の部屋に雪があって そこから空気を送り込んでいる?」
「冷気を送り込んでいる」とは 一体どういうことなのか?
雪が入っているという別の倉庫に 案内してもらいました。
森崎「すっかり防寒対策しました」
小山さん「この中は真冬状態です」
では貯雪室の扉をオープン!すると-
あぐり一行の目の前に巨大な雪山が出現!
森崎 「うわ~すごいな~こんなにあるんだ。 あっちまでずっとだよ!」
藤尾「体の芯まで冷えるんちゃう?」
一歩踏み入れると-
森崎「うわ~うわ~中は冬です!」
藤尾「空気冷たい!」
カイト 「なんかロッククライミングするべえ~ みたいな感じになる!」
森崎 「ロッククライミングするべえ~」
森崎 「(蔵では)冷風が出てましたよね。 ってことは風を送っているってこと?」
小山さん 「そうです。お米が貯蔵されていた倉庫に 冷気が送られているんです」
小山さん 「雪をみて何か気がつくことないかな? あぐりっこさん!」
カイト「茶色っぽい!黒っぽい!」
ミスズ 「土が付いたみたいになっている」
森崎「そうだねえ」
小山さん 「空気を循環させているので その空気中の不純物が 雪に付着するようになっています!」
佐々木「雪はとけないんですか?」
小山さん 「とけないです! 少しずつ解けてしまうんですけど 倉庫を囲っておりますので 低温で雪が保管されます」
森崎 「もしこの雪が北海道に無い!とします。 でもお米は貯蔵しなちゃなりません。 雪が無かったらどうなりますか?
ミスズ「米の鮮度が保たれない」
森崎 「そうだね。じゃあ鮮度を保つためには どうすればいい?」
カイト「北極とかから持ってくる!」
森崎 「それは凄いお金がかかるよね! これは天然の冷蔵庫です!凄いな~」
今年一年間、米作りを学ぶ美唄市には 農業スピリッツを感じさせる 逸話が残されていました…
佐々木 「中村豊次郎という人の名前知ってる?」
びばいっこ2人「知りません…」
佐々木 「中村豊次郎(とよじろう)さん。 1871年10月に三重県に生まれた方。 若くしてアメリカに行き、 戻ってきて仏教の道へ… なんとも型破りな青年だったんです」
中村豊次郎が今の美唄市に入植したのは 23歳の時、1894年。故郷の農家24世帯と共に 先発隊としてだったといいます。
翌年には「みなさん、よく来てくれました。 今日からここが故郷です」と、 600人の農民を迎え入れたそうです。
ここに大規模な中村農場が誕生!
しかし…
森崎 「あの人達の周りは全部“水”ですか?」
佐々木 「この地域は石狩川の氾濫が非常に多くて 何年も水害に悩まされてきた地域でも あったんです…そんな災害を、 豊次郎さんは逆手に取ります!」
イギリスからマシンを取り寄せて、 石狩川から組み上げた水を水田に引き入れよう
当時としては とても大胆な計画を発表した豊次郎。
前例のない取り組みに周囲の人たちは大反対。 できるわけないという意見が圧倒的でした。
森崎「100年以上も前のことですか 簡単なことではなかったとおもいますよ」
1912年、豊次郎の計画は大成功を収めました。 そして全道に中村の名前を轟かせたのです。
美唄市内でも「西」に位置するこの地域。 地名を「中村」と言います。 豊次郎の功績を称え、 名前を残したということなんです。
佐々木 「熱い想いは私達あぐり王国も一緒ですから! その想いを胸に、この土地で今シーズン 米作りをしていきませんか?」
あぐりっこ「はい!」
森崎「頑張るぞ~おー!」
では早速、お世話になる 中村地区のお米生産者さんのみなさんに 挨拶にいきましょう!
森崎 「大勢、お集まりくださり ありがとうございます!」
佐々木「中村地区のみなさんです!」
森崎「すごいハウス群ですね」
伊藤範明さん「全部で20棟あります」
森崎 「どなたのハウスなんですか?」
伊藤さん 「中村地区の農家が10軒集まって みんなで共同で苗を作ってます」
これは育苗のハウスの環境作り。 苗を育てるには土の温度を 上げなければいけません。
今はまだ温度が低く湿っているので 荒く掘り起こし土を乾燥させます。 こうすることで苗が育ちやすくなるのです。
掘り起こした土をみてみると- 森崎 「ちょっとシットリしているわ。 こういうのを乾かす必要があるんだ」
伊藤さん 「簡単に土がポロポロッとなるまで 乾かしたいんです」
蓋を開けてみると水が循環しています。
森崎「なんだなんだ?これ」
この中に大切なアレが入っているんです。 探してみると…
伊藤さん 「種がいっぱい入っています」
あぐり一同「うわ~~!」
伊藤さん 「袋に入れてこぼれないようにしてます。 この作業を【芽出し】と言います。 12度ぐらいの水に10日間浸けて、 その後32度ぐらいの水で20時間。 そうすると良い根が出てくるんです」
森崎「そうなんだ~」
芽を出しやすくするための芽出し作業。 温度管理だけではなく、 水の鮮度にもこだわっています。
伊藤さん 「“種もみ”も空気が必要! 古い水だとだめなので定期的に水を 入れ替えなければなりません。 そのためにいったん水を抜いて 入れ替える作業をします」 藤尾「すごい量の袋入ってますよね?」
伊藤さん「40袋ほど入ってます」
早速あぐりっこに袋を運ぶお手伝いを お願いしました。
もみ種袋は1つ8キロ。 大人でもなかなかの力作業です。 この時期になると伊藤さんたちは 3日に1回、この作業をしています。
育苗ハウスの環境整備から、 芽を出しやすくするための芽出し作業など、 米作りには苗を作る前から 様々な仕事があるんです。
5月中旬には、いよいよ田植え。 おいしいお米が収穫できるように お手伝い頑張って~
一生懸命がんばったあぐりっこ。 全部完了しました!
カイト 「疲れちゃったけど楽しくて まだまだやりたいくらい!!」
森崎「まだあるよ袋!」
カイト「ええ~~」
お手伝いを頑張ったあぐりっこにご褒美! 美唄市中村地区の郷土料理をいただきます。
佐々木 「設立して16年になる【えぷろん倶楽部】の みなさんが腕を振るってくれました」
えぷろん倶楽部 伊藤 裕美子 「郷土料理“中村のとりめし”です。 この地域では100年以上前から 食べられているというか受け継がれています」
釜のフタを開けると… モワッと煙の中から黄金色に輝く 「とりめし」が登場!
あぐり一同「うわ~~」
伊藤さん 「鶏のコクを大事にしています。 若鶏ではなく親鶏を使うとコクがでます」
※鶏のコクを引き出すために 内臓とお米を一緒に炊いているんです。
卵の黄味のようなものは?
伊藤さん 「鶏のお腹の中にある卵の“卵”」
良い香りが部屋中プンプン…♪ ではみんなで「いただきま~す」
ユズ「(ニッコリ)♪」 コウキ「メッチャおいしい」 カイトも箸が止まりません。
佐々木「味付けがちょうど良い!」
あぐり一同をとりこにする 「中村のとりめし」 誕生のきっかけは諸説ありますが、 当時の貧しい農家の人たちが 遠方からやってくるお客さんに 「美味しいものを振る舞いたい!」 ということから知恵を絞り 考えついたものと言われています。
そんな“おもてなしの心”は 今も受け継がれていています。
今回料理を作っていただいた 「えぷろん倶楽部」の皆さんは 実は中村地区の農家のお母さん達! 毎朝、交代でとりめしを作り 市内のお店で販売しているんだって~
こちらのお料理は「鶏モツ」。
伊藤さん 「こちらは出汁を取り出すために 一緒に炊き込んで、(取り上げて) 刻んで塩コショウしたものです」
コウキ 「なんか食べたことなかったから とても美味しいです!」
あまりの美味しさに なんと美唄っこはあっという間に完食!
森崎 「さすが美唄っ子はとりめし食べるの早い!」
最後に伊藤さんからこんな食べ方が…
伊藤さん 「我が家ではおじいちゃんとかが 生卵をかけて食べたりだとか…」
森崎 「卵かけとりめし??」
やってみると…これが激ウマッ
ということで、 あぐりっこもさらにとりめしをおかわり! お箸が止まりません… -------------------------------------------------- さて、いよいよスタートする米作り。 今年も美味しいお米ができるかな~