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2017年12月02日(土) |  子ども達の笑顔のために!給食作りの様子

朝7時45分。
給食調理人、廣田さんの1日が始まります。

「おっ出勤早々、
 足早にどこへ向かうんでしょうね…」

廣田さん
「おはようございます!
 更衣室です!ここ!」

「おっと、これは失礼致しました。
 調理人の皆さんの更衣室だったんですね…
 失敬!」

調理人は、廣田さんを含めて8名。
町内の小中学校、そして高校まで、
およそ750食分の給食を作っています。
朝8時の調理開始から、わずか2時間半で、
作り終えなければいけないのです。
「この日は、焼き鳥丼・キャベツと玉ネギの味噌汁、
 蒸したサツマイモ。食材の分量がスゴイですね」

カシャカシャカシャカシャ…

トントントントン…

ジャバジャバジャバジャバ…

ゴロンゴロンゴロンゴロン

決められたレシピをもとに、限られた時間で、
手際よく調理を進める調理人の皆さん。
下ごしらえを終え、味付けまでした料理は、
すべて、廣田さんがチェックをします。

廣田さん
「苦味が…川上さん飲んでみた?
 何か苦味出てない?」

川上さん
「こっちの釜の方が、
 煮干しの味が強いかなと私も思いました」

「ふむふむ…レシピ通りに調理しても、
 食材の状態によって味が変わったりしちゃうから、
 必ずチェックすることが重要なんですね!」

廣田さん
「もっと“練り”欲しいよね!」

鶏肉を調理しながら…
廣田さん
「やわらかくていいね~喜ぶわ!子ども達ね!

美味しい給食を作るため、
一切妥協しないのが廣田さんの信念。
その給食を待ち望んでいる子ども達を
待たせることも、絶対に許されません。

手際よくふたをしていく。

「いいよ~」

「いきますっ!!」

どんどん運ばれていく給食。

「調理時間のリミットまで、残り2分!
 それにしても、
 給食作りがこんなに慌ただしいとは…」

2017年12月02日(土) |  納得の味を求めて…仲間・地域に支えられ…

午前11時45分 昼食

「今日は小豆が美味しいよ」
「生産者さんに感謝だね」

昼食は、自分たちが調理した
その日の給食を食べます。
料理の出来具合など、
調理人同士が共有できる時間を
設けているのです。

廣田さん
「子供の口に入るものなので
 自分の家庭と同じものを同じように
 給食でも作ってもらいたいたんです」

調理人
美味しくないものはプライドが許さない。
 そこは絶対なんですよ」

廣田さん
「自分たちが納得していないもの
 出したくない!!

調理人
「(廣田さんの思いに)
 こちらも返していかなきゃと思う」

廣田さん
「本当に仲間に恵まれているなって
 思います。
 みんなにちょっとゴマすっておいて…」

調理人「(献立に)ゴマ入ってるからね!」

「午後、廣田さん何やらパソコンに向かって
 作業をしていますね。
 おっ、これは給食の献立ですね~
 調理人のリーダーは、
 色んな仕事があるんですね」

廣田さん
「まだこれだけ仕事あるんですよ。
 食器回収の仕事もあるので
 たくさんやらなきゃいけないことがある!
 何とかしてやんなかったらと思って…」

「あれあれ? 
 やることがいっぱいと言ってた廣田さん。
 事務所を出てっちゃうようですけどね~
 どちらへ向かうんですか?」

廣田さん
「今は白菜をとりに行きます!」

到着したのは、白菜を提供してくれている
生産者の畑です。

廣田さん「こんにちは~」

「畑一面に広がる白菜!
 鮮度抜群の食材が使えるのは贅沢ですよね」

廣田さん
「バリバリ!すごいですよ~
 ダンディな生産者さんです!」

生産者 簑島親彦さん
「50玉?とっていくから車に積んでいって」

バリバリッ

「いやー、新鮮さがわかるイイ音です。
 しかも、鮮度抜群の白菜。
 50玉も収穫できるなんて、
 地域の繋がりがあるからこそですね」

足寄町では、地域食材の美味しさを
子ども達に知ってもらうため、
11年ほど前から定期的に、
生産者が安価に提供してくれる食材を
積極的に使った、
「ふるさと給食月間」と呼ばれる取り組みを
実施しているのです。

「廣田さんの食材調達は、まだ続きます。
 こちらの生産者は、どんな食材でしょうか?
 おっ、ジャガイモですね。
 俵形が特徴の品種、メークインですね」

廣田さん
スープカレーに使用しようかと…
 ゴロゴロ大きくして!
 子供たちの食べっぷりが違うんですよ」

生産者 上妻 ハツエさん
「給食でも食べてくれたらいいなと思ってます」

廣田さん
「愛情込めて作ってくれる人がいるから
 おいしく食べられるので、
 本当にありがたいです」

生産者との連携の輪は少しずつ広がり、現在、
11軒が給食用に食材を提供してくれています。

そんな中、
これまで使ったことのない羊肉で、
廣田さんが新たなカレー作りに
挑戦するというのです。

廣田さん
「次はね…羊の徐骨(解体)作業が行われるので
 金曜日のカレーに使う羊の解体作業を
 勉強のために見に行きます」


2017年12月02日(土) |  命をいただく…その意味を届けるために

リーダー
「地元にあるめん羊牧場へと向かう廣田さん。
 これから羊の解体作業を見学するそう…」

廣田さん
命をいただくって感じじゃないですか。
 羊を丸々一頭、
 子供たちのために提供して下さるので…
 その一部始終というか… と殺は見られないけど
 どうやって給食センターに運ばれるかという
 道のりを知りたい。やっぱり作る側もきちんと
(子ども達に)伝えないといけないと思ってます」

足寄町で、
めん羊牧場を営む生産者の石田直久さん。
500頭を超える肉用種の羊を飼育し、
その出荷だけではなく、
自ら運営する直営レストランで
羊肉の料理も提供しています。

廣田さん
「宜しくお願いします!」

石田さん「これ…半身」

廣田さん
「あそこの牧場にいたんですよね?」

石田さん「いましたよ。21キロ」

手際よく解体していく石田さん。

廣田さん「うわ~すごい!すごい!」

石田さん
「脂をどこまで使うか?
 羊肉の脂は融点が低いから…」

廣田さん
「冷めると(脂っぽさが)出てくる?」

石田さん
「熱々で食べるんだったら
 たっぷり入れた方が味は濃厚になる!」

廣田さん
「アキレス腱と胃袋は一緒に煮ても大丈夫ですか?」

石田さん「脛とかと同じような扱いで大丈夫!」

「羊を知り尽くした生産者の言葉を、
 一つ一つメモに書き留めていくんです。
 今回のカレーは、肉だけではなく、
 骨から内臓に至るまで、
 すべてを使って作るようです」

廣田さん
「三歳の羊は人間の年齢でいうと…?」

石田さん
「20歳かな…だから本当はカレーにするなら
 もっと年をとってる方が逆に美味しいんですよ」

廣田さん「うーん。旨みがあるんだ。そうなんだ」

命をいただく。
 その意味をしっかり受け止めている様子の
 廣田さん。
 その思い、子ども達にも伝わるといいですね」

廣田さん
「もうちょっと子供たちに
 ありがたさを受け止めてもらいたいです。
 まだ伝わってない部分もあるので
 地域みんなで子どもを育てられていることを
 もう少し伝えたいですよね」

「足寄町で育った羊を丸ごと使ったカレー。
 どんな味わいになるのか、楽しみです!」

調理人という枠を超え、
食に関わるすべてに全力で向き合う。
そんな廣田さんの原点とも言える場所に、
案内していただきました。

ピースする女性。

「いきなりのピースサイン…この方は?」

廣田さんの母、星川礼子さんです。
町内で小さな民宿を営んでいます。

「宿泊客への料理を提供したり、
 家族で食に関わる仕事をしているんですね」

町内で飲食店を営んでいた
廣田さんのご両親。幼い頃から、
食に携わる環境で育った廣田さんは、
家業を継ぐため、
札幌にある調理専門学校へ進学。

卒業したあと、実家へ戻り、4年間、
家業を手伝いながら調理の技術を磨きました。

その後、病院の配食センターで調理人として働き
2003年、足寄町学校給食センターの
調理員になりました。

廣田さん
「ただ作るだけでしたね。入った当初は。
 ただ作ればいい…それだけでしたね」

給食の調理を始めた頃は、
ただ作ることだけに専念していた廣田さん。
しかし、あることがきっかけで、
その思いに大きな変化が起こります。

廣田さん
子どもを産んでからですかね。
 自分で親になって
 子供の口に入れるものは
 安全性に優れたものを選ぶ!
 自分の子供も給食を食べるようになった時に
 変えなきゃダメかなと思って。
 切り方ひとつにしても
 味付けにしてもベストな状態で出す!」

廣田さん
「小中高の12年間、給食を食べるとなったら
 家庭の次に
給食が食べる回数が多いんですよ。
 なので自分の子供みたいなんですよね」

安全安心で美味しい給食を…
そんな思いが、廣田さんの原動力となり、
地域食材への思いを深めたのです。

廣田さん
子どもたちの2番目の母になりたい
 思っているので、
 子供たちが舌に記憶をする順番として
 給食が2番目にくるように
 足寄の給食を根付かせたいんですよね」


2017年12月02日(土) |  羊肉カレー作りに挑む!

カレー作り当日の朝。
めん羊牧場の石田さんが、
食材を届けてくれました。

石田さん「頑張ってください!」

廣田さん「ありがとうございます」

「食材も揃いました。カレー作りスタートです!」

 

「まずは…骨を鍋に入れて…
 なるほど! ダシをとるんですね!」

廣田さん
「手始めにネックいきますか!」

調理員「羊肉っぽい、においだね」

廣田さん
「さあどう戦うべきなんだ…」

「初めての食材ですもんね!
やっぱり、羊肉ってほかの肉とは違いますか?」

廣田さん
「いつも豚と鶏がメインなので
 やっぱりちょっと違いますね。
 肉質が締まっている!」

あらゆる部位の肉をカットしたら、
そのほかの具材を大きな鍋で炒めていきます。


「おっ、これは下茹でした羊の肉ですね。
 気にしていたニオイはどうでしょうか?」

廣田さん
「弾力があるし、臭みはないし
 子供たちも抵抗なく食べられると思う」

「よかったー! 美味しい羊を育ててくれた
 生産者に感謝ですね~」

「羊丸ごとカレー」ということで、
肉はもちろん、
その煮汁や骨でとったダシも加えて
旨味を引き出します。
んー、おいしそ~!
 子ども達は喜んでくれるかな~」

子ども達の反応はどうでしょうか?

2017年12月02日(土) |  母さんの次の味を目指して!

足寄町立大誉地小学校に、
廣田さんがやって来ました。

「こんにちは~」

「調理室では、自信に満ち溢れていたけど、
いざ子供達を前にすると
やっぱり不安そう」

廣田さん
「お肉見つかった?小っちゃくなったか(笑)」
廣田さん
「普通のカレーって言うかな?
 羊肉の味するって言うかな?」
「羊丸ごとカレー」と一緒に食べるデザートも、
地元で作られたヨーグルトが使われています。
足寄町の恵みがたっぷり詰まった給食です。
「いただきます!」

児童
「(羊肉が)やわらかくておいしい」

「廣田さん!“美味しい”いただきましたね!」

児童
「ふわふわしていて美味しい」
「普通のお肉とは食感が違っておいしいです」

「子供たちの素直な反応で、
 美味しさが伝わってきます!
 みんなイイ笑顔だ~」

「見てください! 
 こんなに綺麗に食べてくれてますよ!」

廣田さん
「おかわり?すご~い!!」

「廣田さん、初めての挑戦でしたけど、
 いかがでしたか?」

廣田さん
「1年生の子が2杯もおかわりしていたことに
 ビックリしちゃいました。
 子供たちの生の声は貴重ですよね。
 大誉地小学校の子はいつもみんな
 いっぱい食べてくれるので
 私たちも作り甲斐があって
 改めてまた頑張ろうと思いました」

廣田さん
「次は何をしようかなってまた考えてます!」

「子ども達に愛される、
 足寄町ならではの給食を目指し、
 廣田さんの挑戦は続きます」


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11月25日のクイズ
「旭川の江丹別で作られているチーズの種類は、
  何チーズだったかな?」

正解は「ブルーチーズ」でした。


2017年11月25日(土) |  ♯453 旭川から世界へ!ブルーチーズに注目編

酪農王国・北海道が誇る乳製品のひとつ…
「チーズ」!
カマンベール、モッツァレラクリーム、
ゴルゴンゾーラなど…。
原料の生乳から、その製造方法によって、
味や食感、香りが異なる、
様々なチーズがつくられていますが、
皆さんが「好きなチーズ」、
そして「苦手なチーズ」はありますか?

街頭インタビュー
「良く食べるのはクリームチーズ。
 パンにつけて食べるのが好きです」
「モッツァレラチーズ!
 モチモチ淡泊な感じで、
 あまりカビ臭くないのが好きです」

「ブルーチーズはダメですね。
 独特のニオイとクセがあるので…
 クセがないのが好きですね」
「青カビのチーズとかは
 そんなに食べる機械はないけれど…
 食べた時にクセがあって苦手ですね」
「ブルーチーズは青カビの独特なのが苦手。
 できれば食べたくないです」

皆さんがおっしゃるように、
チーズの中でも異彩を放つ
ゴルゴンゾーラなどの「ブルーチーズ」!
チーズの内側から、
「青カビ」を使って熟成させることで、
刺激的な香りと強い塩味を持ち、
その好みはハッキリ分かれるところ…。

しかし!
大人でも子どもにでも、食べやすい!
ブルーチーズにこだわった専門の
チーズ工房があることをご存知ですか?
今週のあぐり王国ネクストは…
ブルーチーズのイメージを変える!
旭川のチーズ工房に注目!

森結有花アナウンサー
「旭川市の北部、江丹別町にやってきました。
 この江丹別町にはブルーチーズ
 専門で作る工房があるんです!
 ブルーチーズは普段食べますか?」

森崎リーダー
「ワインを飲む時に
 ブルーチーズは結構加速がつくね」

森「あいますよね」

リーダー
「うま味がとんでもないからね。
 あなたはどうなんですか?」


「私は…
 盛り合わせにあったら…
 酔っぱらっている時は食べます」

リーダー「苦手なんだなっ!」


「そうですね…あんまり得意ではないですね」

リーダー「あぐりっこ大丈夫か??」

森「心配ですよね。ではよんでみましょう」

あぐりっこ~~

今回のあぐりっこは…、
好奇心旺盛で、マイペースな
小学4年・北條貴亜徠(キアラ)ちゃんと。
何事にも一生懸命な、
5年生の鎌田佳樹(ヨシキ)君!
好き嫌いは少ない2人ですがブルーチーズは?

リーダー「チーズ好きですか?」

あぐりっこ「はい!!」

リーダー
「ブルーチーズは好きですか?」

ヨシキ「ちょっと苦手…」

リーダー「ハッキリと…」

ヨシキ
「苦いのがキツくて苦手…」

キアラ「食べた事ある!」

リーダー「どうだった?」

キアラ「普通に食べた」

リーダー
「強いな。キアラ!
 大人が食べると旨みがあるね~
 酒と合うよね~って
 キアラは何と飲んだの?」

キアラ「うんと…何とも飲んでない」

リーダー「そうだよな」

果たして、江丹別でつくられているのは、
どんなブルーチーズなのか…。
早速、そのチーズ工房へ!

森「お世話になる伊勢さんです」

リーダー
「宜しくお願いします…
 伊勢さんです!!
 実は…お友達って言っていいかな。
 随分前からですよね」

伊勢さん
「4年くらい前から…
 札幌で何度かお会いしてます」

リーダー
「チーズに興味があって
 勉強させて頂いた事があったんですよ。
 もうね…竹馬の友!!
 たった4年だけど」

ブルーチーズ職人の伊勢昇平さん、31歳。
ご両親とお兄さんが営む牧場
伊勢ファームの生乳を使い、
ひとりでチーズづくりを行っているんです。

2017年11月25日(土) |  なぜ江丹別でブルーチーズなのか?


「チーズ作りは分かりますが
 何でブルーチーズ専門なんですか?」

伊勢さん
「チーズをつくり始める時に
 江丹別の土地に一番合った
 チーズを作りたいと思ったんです」

伊勢さん
江丹別と気候が一番似ている所を探したら
 フランスオーヴェルニュという地方があり
 そこの気候が江丹別とそっくりだった」

リーダー
「夏はあつーく、冬はさむーい!」

伊勢さん
「ハッキリした内陸性の気候。
 そこで名産だったのが
 ブルーチーズだったんですよ!」

伊勢さん
「それでブルーチーズを作ろう!と…」

リーダー
「自分で探して決めた?」

伊勢さん「そうですね!」

リーダー「夏休みの自由研究みたいだよね」

じゃじゃん もんすけです!
世界各地に、様々な種類があるブルーチーズ!
古くから、イタリアのゴルゴンゾーラ、
フランスのロックフォール、
イギリスのスティルトン。
この3つが「世界3大ブルーチーズ」。

羊の生乳を使う、
ロックフォールを参考にして作られたのが、
フランス・オーベルニュ地方の
ブルーチーズ「ブルー・ド・ベルニュ」。

こちらには、牛の生乳が使われていて、
気候も江丹別に似ていたことから、
伊勢さんは、オーベルニュで
ブルーチーズづくりの基礎を学んだんだって。
どんなブルーチーズをつくっているのか、
気になるな~~


「この牧場でとれた生乳がチーズになる?」

伊勢さん
「毎朝毎晩、生乳を搾ってチーズにしています」

リーダー
「十勝などで見る牧場の風景とは
 ちょっと違う」

ヨシキ「牛の色が違う?」

伊勢さん
「明るい茶色がジャージー
 濃い茶色がブラウンスイスです」

リーダー
「よく見る黒と白の牛は何というか知ってる?」

あぐりっこ「…?」

リーダー
ホル…なんちゃら。
 ホルス…なんちゃら。
 ホルスタ…なんちゃら。
 ホルスタイ…なんちゃら」


リーダー!知らないです。この子たち!」

伊勢ファームでは、
3種類の乳牛を飼育しています。
チーズには、乳量が多いホルスタインの生乳と、
乳量は少ないものの、乳脂肪分が高く、
チーズづくりに適したブラウンスイスの
生乳を混ぜて使っています。

このように、しぼりたての新鮮な生乳を
すぐに使える環境で、
ブルーチーズづくりが行われているんです。

リーダー
「実はこの子たちはブルーチーズを
 食べられていないんですが…
 大丈夫でしょうか?」

伊勢さん
「おいしいブルーチーズは
 本当に食べやすくて
 しっかりと味があるけれど
 抵抗なく食べられます」

ヨシキ「食べてみたい!!」

2017年11月25日(土) |  チーズ作り体験!
旭川市北部の江丹別にある、
ブルーチーズ専門の工房・伊勢ファーム。
通常のチーズづくりとは異なるという、
その製造方法を学ぶため、早速工房の中へ。

こちらがブルーチーズができるまで。
すでに作業を終えているものもあります。

伊勢さん
「前日夕方と今朝に搾乳をしました。
 それに青カビの菌酵母乳酸菌を入れます」

伊勢さん
「このように粉末になった菌。
 青カビ菌乳酸菌の粉です」

リーダー
「みんなカビってどんなイメージ?」

キアラ「汚いイメージ…」
伊勢さん
「パンに生えるようなカビは
 食べてはいけませんが
 これは食べられる青カビです」

リーダー
「名前がなあ~カビってなあ~
 だから“ブルー”って呼びましょう」

ブルーチーズづくりに欠かせない、
この「青カビ菌」。
カマンベールチーズなどには
「白カビ菌」が使われ、
チーズに使われるこれらのカビは、
人体への影響はなく、
よりおいしく熟成してくれる働きがあるんです。

前日に、この青カビ菌や酵母、乳酸菌を入れ、
発酵を進めておきます。

そして、翌日…。

伊勢さん
レンネットと呼ばれる液体を
 牛乳の中に混ぜます。
 これは牛乳の中に解けている
 タンパク質を固める
 性質を持った液体です。
 チーズの素になる個体と
 ホエーという液体に分かれます」

リーダー
「これで分かった!
 目の前のあるのは
 豆腐じゃないんですね!」

こちらが生乳を固める酵素レンネットを入れ、
1時間がたったもの。
どんな状態かさわってみると…

プルプル…

リーダー
「本当にお豆腐みたいな硬さ!」

指を入れると…プニュッ

森「美味しそう!」

ヨシキ「牛乳プリンみたい!」

伊勢さん
「この中にすでに青カビが入ってます。
 目に見えないですけど」

2017年11月25日(土) |  ブルーチーズ独特の作り方

ここから、固体と液体に分けるため、
専用の道具を使い、
サイコロ状に切っていくのですが、

ここでもブルーチーズ作りならではの特徴が…

伊勢さん
「この牛乳のバットと呼ばれる容器ですが
 それに合わせた専用のカッターです」

リーダー
円形になってるの?
 四角いのは見た事あるんです!」

伊勢さん「それが一般的ですね」

伊勢さん
「これがブルーチーズ専用のバットで
 あとで作業していくと分かるんですが
 ブルーチーズを作るためには
 絶対必要な形なんですね」

一般的なチーズが、
直方体のバットでつくるのに対し、
ブルーチーズの場合、
半円筒形のブルーチーズ専用のバットで作ります。
ここからの作業に、
その理由が関係してくるということですが…

伊勢さん「一気に…」

スウウウウウウウウウ~~
(カッターを一気に引く)

あぐり一行「ええええええ~」


「表面は何も変わってないですけど…」

リーダー
「これはあれですか?昔でいう
 切ったのに切られた方は分からない!」

伊勢さん
「チーズはまだ切られたことに
 気付いてないと思います」

リーダー「すげえ」

このあと、縦にも切れ目を入れ、
さらに細かくカットし、
大きなヘラで攪拌していきます。

伊勢さん
「さっきの半円形状の理由なんですけど
 ブランコのように
 粒を行ったり来たりさせて
 粒同士をぶつけ合わせるんです。
 そうすることで粒の表面に膜が張る!」

伊勢さん
「ブルーチーズって、
 チーズの中に穴が開いていて
 そこに青カビが生えていますよね。
 あれは粒同士がくっつききらずに
 隙間ができて青カビが生えている」
伊勢さん
「わざとチーズの中を
 すき間だらけにするために
 このような作業をしています」

伊勢さん
「なのでこれはブルーチーズしか作れない!」

ブルーチーズをつくるには、
青カビをより繁殖させる必要があります。

そのため、チーズが結合しないよう、
粒同士をぶつけあい、
あえて隙間をつくることで、
通気性を良くし青カビの繁殖を促すんです。

これは、粒同士の隙間を作らない一般的な
チーズづくりとは真逆の製造方法なんです。


2017年11月25日(土) |  青カビのために何が出来るか?

さてあぐりっこも体験してみますが…?

リーダー「どう軽い?重たい?」

キアラ「ちょっぴり重たい」

伊勢さん
「混ぜるというよりこすらせる!」

続いて、ヨシキくんも。

伊勢さん「上手です」

ヨシキ「重たい!!」

リーダー
X JAPANのYOSHIKIみたいにやって!」

伊勢さん「激しすぎますっ!!」

リーダー「紅(くれない)だああ~!って」

伊勢さん「チーズが壊れちゃいます

こうしてかき混ぜること、およそ1時間後。
ホエーと呼ばれる、分離した液体を取り除き、
固体だけを残します。そして、型入れ作業へ。

伊勢さん
「この粒がくっつかないように
 なるべく優しく、ふわっと、ほろほろっと
 パラパラっと入れていきます」


「このすき間がブルーチーズになった時の
 青カビの部分になるんですね!」

リーダー
「映画館でいただくポップコーンのよう。
 すき間がいっぱいあくじゃないですか~」

森「なるほど~」

リーダー
「うまいこと言いますね!
 たとえ上手!(自画自賛)」 

あえて隙間をつくるように型入れしたチーズは、
続いて、熟成庫で熟成させていきます。
ここでも通気性の良いコンテナを使うことで、
青カビの繁殖しやすい環境を作っているんです。

2か月ほど熟成させたチーズを見せて頂くと…

キアラ
「なんか白くなって…」

伊勢さん
「表面に自然の酵母やカビが生えてきて
 年季の入ったチーズのようになってくる。
 ニオイはキノコみたいですよ」

嗅いでみると…

キアラ「何かエノキみたいっ!」

そして、熟成途中にも、
チーズの表面に針を刺して
穴を開けるという作業が。

これも、酸素の通り道をつくり、
青カビの繁殖を進めることに繋がるんです。

リーダー
「とにかく青カビが生活しやすい環境を
 ずっとつくってあげることが大事なんですね」

伊勢さん
青カビのために何ができるかが
 ブルーチーズ作りのコツですね!」

リーダー
「いや~全国の主婦の敵でしたけどね~」

ブルーチーズに欠かせない、青カビ!
チーズにとって、
どんな役割を果たしているのか、
栄養学のスペシャリスト!
札幌保健医療大学 栄養学科の
荒川義人先生に聞いてみたよ。

「ブルーチーズに使われている青カビは
 チーズの成分を分解します。
 タンパク質成分を分解して、
 アミノ酸やペプチドに変えます。
 これらは“うま味”を持っているので
 うま味が増すのは青カビのためなんです」

青カビの働きによって、
うま味がアップするブルーチーズ!
伊勢さんがつくるブルーチーズは
どんなおいしさなのか?
ボクも食べてみたいな~~




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