あぐりっこ 「ガンガン!」 「ガンガン降ってる!!」
朝からビックリするほど雪が降ったこの日。 あぐり一行がやってきたのは平取町です。
さてこんな雪深い日に取材する野菜とは?
森崎 「実は…このハウスの中に 野菜がガンガンなっているから!!」
一瞬リーダーを疑うようなあぐりっこ達。 さてハウスの中には何の野菜がなっているのかな?
森崎 「ハウスオープン!!」
うわああああ~~~
藤尾 「なんじゃコレ~ 緑のジュウタンみたいになっている~」
森崎 「みんなコレ何だかわかる?」
ユウナちゃん 「ホウレン草みたい…」
森崎 「何だって?」
ユウナちゃん 「ホウレン草みたい~~~」
森崎 「正解!今日はホウレン草です!」
では生産者の丸山久志さんに教えてもらいます。
まずはハウスの中で息を吐いてみると…
ハア~~ 真っ白です。
森崎 「こんなに白い息が出るくらい ハウスの中が寒いのに緑みどり…と 寒くてもこんなに立派に ホウレン草がなるんですね」
寒さを利用して栽培される 「寒締めほうれん草」。 平取町では平成22年から 作付け面積を大幅に増やし、 町の特産物として売り出しているんです。
森崎 「すごいパワーのホウレン草なんでしょうね」
丸山さん 「寒締めホウレン草の特徴は えぐみ成分のシュウ酸が少ないので 食べやすくて甘味が強いんです」
天使大学の荒川義人先生に 寒締めホウレン草の特徴をお聞きました。
荒川義人教授 「寒締めホウレン草は おいしさや栄養が素晴らしい! 寒さにさらす事によって、 寒さから自分を守るために糖分を蓄え、 ビタミンCも豊富、甘くて栄養価の高い ホウレン草になっています」
ほうれん草は気温が下がると土から えぐみやアクのもとになる シュウ酸を吸収しなくなり、 逆に貯めていたものを使い始めるので、 含有量が減少するのです。
さて収穫の様子を見せてもらいましょう。 丸山さんは文房具のカッターで ホウレン草を収穫するようです。
森崎「ダンボール開けるカッターですよね」
丸山さん 「朝一は凍っていて カマだと刺さらない事があるので」
藤尾 「ホウレン草は凍っても大丈夫なんですか?」
丸山さん 「-20℃を超えても大丈夫と聞いています!」
森崎 「うわ~スゴイなあ」
早速カッターを使って収穫です。
森崎 「土の中にカッターを入れてるよ」
丸山さん 「土の中に入れないとバラけてしまうので」
畑から取り上げた寒締めホウレン草。
次はカッターで根っこを切り取ります。
丸山さん 「本葉を4枚とって…完成です」
さて寒締めホウレン草を観察してみましょう。
リラちゃん 「葉が丸まっている!」
リク君 「冷たくて…葉が厚くて…横にふわっとしている」
ナツキ君 「やっぱり分厚い」
森崎 「寒い真冬にこういうホウレン草が なっているってどう思った?」
ナツキ君 「寒くてもこんなに野菜に チカラがあるんだなって思った」
さて収穫したてを食べてみます!
森崎 「なんかスジ立っちゃってもう… めっちゃ怒っているみたい!」
森崎 「首筋のところ、 うううう~~ってなった感じ! さむい~~~! (歯を食いしばるリーダー)」
佐々木 「寒締めホウレン草の気持ちに なってるんですね・・・」
さてお味は?
森崎 「甘みを感じます!」
藤尾 「お~ホンマに甘さ感じる」
佐々木 「野菜って茹でると甘いですよね。 茹でていないのに甘さが感じられる!」
寒締めホウレン草がどれほど甘いのか。 ホウレン草の搾り汁で糖度を測ってみよう!
ちなみに代表的な作物の糖度は御覧の通り。
藤尾 「さあ一体、糖度はいくらなのか?」
数値は…11.5% 森崎 「スイカなみの甘さ。ホウレン草の糖度が 二桁超えているなんて」
丸山さん 「作っている僕達もビックリです。 糖度8%以下のものは出荷を遅らせているので、 これだと出荷基準を超えてるので出荷できます」
森崎 「糖度がまだだ…となれば、お前達まだ待てよ… 寒さに震えて糖度を上げて来い…と」
ここで寒締めホウレン草の 栽培スケジュールを教えてもらいましょう。
丸山さん 「9月中に種をまきます」
森崎 「北海道に9月に種をまく作物ないですよね」
佐々木 「9月に種をまきジックリ育てて 12月から2月中旬まで収穫するんです」
森崎 「他の作物は逆ですねえ~」
佐々木 「ハウスの中でどうやって作物が育っているか・・・ 実は…ホウレン草だけではないんです!」
丸山さん 「ここのハウスは去年までは トマト専用のハウスだったんです」
森崎 「平取町といえばトマトが有名ですもんね」
藤尾 「チョー有名ですもんね」
森崎「何て名前か知ってる?」
藤尾 「・・・パ…パ?」
ハハハハハハ(一同、冷たい笑い)
藤尾 「パッ!パッ!パパパみたいな…」
森崎 「町から出て行け!」
森崎 「“ニシパの恋人”っていう有名なトマト! 平取町は生産量が多いんですよね」
丸山さん 「道内1番というのは確かですよ」
森崎 「ブランドトマトと言っても良いんじゃないか」
さてそのトマトと寒締めホウレン草の関係とは?
丸山さん 「寒締めホウレン草導入のきっかけも 土地の有効活用なんですね。 それに連作障害も軽減されたり…」
森崎 「そうかトマトばっかり作っていると 土の中のトマトが必要な成分ばかりが無くなる。 だけどホウレン草という違う品種を植えることで 土の中のバランスも保たれるんですね」
丸山さん 「平取にはこうした二重構造でパイプの太い 丈夫なハウスがあるんです」
藤尾 「これは元々トマトを育てるハウスなんですか」
丸山さん 「そうです!みんなトマトをやっています。 そのトマトの後植えに 寒締めホウレン草をやるパターンなんです」
じゃ~ん もんすけです! 寒い冬に育てる“寒締めホウレン草”。 北海道では一体どのぐらい栽培されているの?
ホクレン野菜果実花き課 有村利治さん 「ホウレン草の生育が止まり 5℃以下になると甘くなる… その甘くなる時期が 北海道は全国で1番早く来ます。 十勝のJA木野、網走のJAきたみらい、 ここは11月下旬から出荷を始めています。 日高の平取町は1月から3月、収穫できます。
北海道の寒さの恵み、 それをおいしくて栄養価の高い ホウレン草に変えて全国に発信できる、 もっと生産拡大できる可能性をもつ 品目だと思います」 寒締めほうれん草の栽培は、 東北地方では昔から 行われていたんだって。 北海道で収穫される 寒締めほうれん草は年間50トンほど。 もっともっと食べられるようになればイイよね♪
さて続いては ちょっとユニークな袋詰めを体験です。
丸山さん 「大きなホウレン草をひっくり返して置いて… その上にどんどん置いていきます」
一斉に「えええ~~~」
森崎 「重ねちゃうの??」
丸山さん「重ねちゃうんです」
重ねたホウレン草を透明な薄い板で 優しく巻いて筒状にします。
丸山さん 「できるだけ小さくするのがコツですね」
丸山さん 「この状態がお花のように見えるので フラワー詰めと言います」
森崎「かわいいよねえ~」
ではあぐりっこ隊、収穫体験~
とっても順調な仕事っぷり。 収穫したほうれん草は 続いて袋詰め作業へ…
ユウナちゃんとリク君がペアで袋詰めです。
ホウレン草を重ね 筒状にまとめて袋に入れてトントントン…
ところが思った以上に難しい作業! 袋にうまく入っていきません。
ぎゅうぎゅうとホウレン草を 詰めていくあぐりっこ。すると…
森崎 「袋破れちゃった~~!」
実はとても繊細な作業なんです!
さあもう1度チャレンジしますが…
ユウナちゃん「ダメだ…」
悪戦苦闘しながら三度目のチャレンジ! 上手く出来るかな??
森崎 「北海道の真冬に作物を育てるというのは どういう想いでしょうか?」
丸山さん 「この時期の緑物が喜ばれるのと 時運がこのように見れるのもありがたい!」
つづいては地元では冬の定番。 寒締めホウレン草メニュー。
※詳しい内容はレシピコーナーへ! しゃぶしゃぶ・茶碗蒸し・春巻きなど ホウレン草レシピが掲載されてます。 あぐりっこも驚きの美味しさですよ~
さて寒締めホウレン草も たっぷりいただきました!
森崎 「ホウレン草って“おひたし”とか “ベーコン炒め”とか限られていたけど、 寒締めホウレン草は冬の味覚ということで、 主役になりうる鍋の具材だね! 」
藤尾 「チカラ入りましたね~」
森崎 「入ったね~」
あま~い寒締めホウレン草は冬季限定、 平取町の“Aコープ”各店や札幌の市場にも 出荷していますよ。