さて今回のあぐり王国は… 熱血!野球部??
リーダーから藤尾君へ炎のノックが!
森崎「ファイト~!」
藤尾「うわ~ふああ~」 スタミナ切れで倒れ込む藤尾。
森崎「そんなんで大丈夫なのか?」
部員「ハイ!」
森崎「気を抜いてんじゃないぞ~」
森崎 「グローブを見せてみろ!」
グローブを見つめる部員たち…
森崎 「お前らのグローブが泣いてるぞ」
「グローブが泣いてる」 とはどういう意味か?そのヒントは… 倶知安農業高校!
佐々木 「倶知安農業高校にやって来ました」
森崎 「我々色々農業高校へ行ってますが…」
藤尾 「今回で10校目だそうです」
藤尾 「農業高校の生徒さんは夢があって 未来のことをしっかり考えているので 毎回取材させてもらうと 勉強させてもらうというか… 正直師匠みたいな感じありますよ」
森崎 「わかりますよ! 俺だって大きくなったら農業高校入りたい」
藤尾「十分大きいですよ」
あぐりメンバーも憧れる農業高校。 今回伺った倶知安農業高校には 「生産科学科」の1学科があります。 まず1年生で畑作やお米作り・畜産など、 将来、豊かな食文化を担う人間になるための 様々な事を学びます。
そして2年生からは 生産加工コースと生活園芸コースに分かれ より専門的に農業を体験し学ぶのです。
それでは2年生の 美濃栄里花さんと後藤優弥君に 学校生活について聞いてみよう!
森崎 「生産加工コースはどういうことを勉強する?」
美濃さん 「牛舎や中小家畜舎で色んな動物を飼っていて ハンバーグにしたりですとか ステーキを作って自分たちで食べたりとか! あとはお店で販売したりとか」
森崎 「スゲ~ 1次産業から3次産業まで すべて高校生の力でやっている!」 美濃さん 「それで地産地消を目指してます!」
佐々木 「この学校は道内では唯一のものが あるんですよね?
美濃さん「肥育牛を飼っています」
森崎「ええ!」
美濃さん 「黒毛和種という種類を飼っています」
森崎 「牛と言われてパッと浮かぶ 黒と白のホルスタインの乳牛と違う! 肥育牛とは肉牛ですね。珍しいなあ」
藤尾「それを加工までするんだ」
それでは畜産班が実習を行うという 中小家畜舎を案内してもらいましょう!
森崎 「お邪魔します。さっそく… カワイイ~~♪」
リーダーの視界に飛び込んできた そのカワイイ子ちゃんとは?
リーダーで手を差し出すと…
ペロペロペロペロ…
森崎 「なんて人懐っこい! 君らがよく可愛がっているからだね」
佐々木 「この子たちがお肉になることも 授業で勉強したわけだよね。 それを知った時はどう思った?」
美濃さん 「この子たちがいなかったら 私たちも生きていけないから 受け止めなきゃいけない事実だと思います」
ヒツジの向かいには ハイコープという種類のブタがいました。 倶知安農業高校オリジナルのエサを 与えて育てているんですよ。
美濃さん 「今150キロぐらいあります。 人口受精の勉強がこれから始まるんです」
佐々木 「人工授精を学んで将来子供を産ませて その後どういう道をたどるかを 一連で学んでいくんですね」
森崎 「命を扱っていますな~~」
さてお次はニワトリです。
美濃さん 「7月に生まれたニワトリです。 ニワトリは産れてから5か月ぐらいで 卵を産み始めるんですよ。 12月になったらこの子たちも 卵を産むニワトリになりますよ」
佐々木「それを実際にとるの?」
美濃さん 「とってパック詰めにしてお店で売ります」
今、現役で卵を産んでいるニワトリも いるということで、 そちらのゲージに行ってみると…
落ち着いた個室のような場所に 卵がコロンコロンと転がっていました。 森崎「すご~い」
およそ30羽のニワトリが 一日平均20個もの卵を産むんです。
そこでリーダーたまらず…
佐々木 「特別にニワトリの恵みを頂きます」
卵を割ってみると…
森崎「うわ…モリモリ~!」 藤尾「キレイなレモン色」
佐々木「レモンイエローですね」
森崎「白味の部分がスゴイねえ~」
さてそのお味は…
森崎「めちゃくちゃ濃厚で甘い」
続いて向かったのは牛舎。 ここでは道内の農業高校で唯一、 牛肉を生産するため 和牛を肥育しています。
森崎 「前田先生ですね。 この方がとても面白いけど 怒ると学校で一番怖い先生!」
前田康晴先生 「うちは黒毛和種を中心に飼育してます」
前田先生 「ここにいるのが繁殖牛です。 大体、お腹に赤ちゃんがいます」
森崎 「種付け終わってるんだ」
肉牛として出荷するために育てている肥育牛。 すでに出荷が決まっている牛もいるんです。
前田先生 「肥育牛のブラッシングを生徒がやってます」
前田先生 「金ブラシと普通のブラシがあります。 (金ブラシで)汚れをとってから 仕上げていく!」
森崎 「ブラッシングはどんな効果がありますか?」
桶野 恭介君(2年生) 「牛の体の汚れを取る! あと牛も人間と同じくストレスがあるので ストレス解消に役立ってます」
森崎 「この牛は出荷されてどうなるか知ってる?」
中島 健太君(2年生) 「加工されて肉になる…」
桶野君 「すごく複雑な気持ちですね… 今は命にちゃんと感謝して キチンと残さず食べています」
じゃ~ん、もんすけです! 倶知安町の特産品といえば「じゃがいも」。 この学校では各班に分かれて行う プロジェクト活動という授業のなかで 「じゃがいも」を軸にした活動を 多く行っています。
作物班は55品種ものジャガイモを栽培し、 品種の特徴などを学びます。
草花班は花を観賞するためのじゃがいもを 栽培し観察しています。
そして畜産班は ジャガイモを使った牛のエサ作りを 研究しているんです! その名も「ポテトサイレージ」。
一体ポテトサイレージって何?
ではポテトサイレージを作っている現場を のぞいてみましょう。
藤尾「細かくなってるね」
森崎 「じゃがいもを機械に入れて 自動でスライスされてるんですね」
柳川昌寛先生 「こういう状態にして他のエサと 混ぜやすくしています」
森崎 「先生ポテトサイレージって何でしょう?」 柳川先生 「小さすぎたり大きすぎたり… 形の歪んでいるものを 和牛のエサにできないかって考えて 乾物飼料と混ぜてサイレージにしました」
森崎 「この地域や学校には たくさんの規格外のジャガイモがある。 それを牛のエサに流用している! これは新しい試みですね」
柳川先生 「地域のものを使って より安い牛が作られたら… と思っています」
森崎「完璧な循環型になるんじゃないですか?」
柳川先生 「この学校でも循環型を目指して 生徒たちと研究を重ねています」
校内での「循環型農業」。 これが倶知安農業高校の目標なんです。
学校でとれたジャガイモに、 こちらももちろん高校でとれた 大豆・ふすま・お米を混ぜ合わせ 発酵させて作る「ポテトサイレージ」。
12月頃からこのエサを与え、 牛がよく食べる配合を 見つけていくんだそうです!
佐々木 勇希さん(2年) 「規格外のジャガイモが利用されるんで 無駄がなくなっていいと思う!」
森崎 「牛のコストを下げる…ということは 我々消費者が牛肉を買うときに お安く購入できることに繋がる!」
藤尾「頑張ってくれよ」
森崎「お肉安くなるかもしれないよ~」
工藤 雄将君(2年)「いいと思います!」
森崎 「そのためにみんなは研究している!」
大場 功次君(2年) 「普通科の高校では出来ない 貴重な体験をしていると思います!」
さて続いては2年生・生活班です。
石山志穂さん(2年生) 「ここではポテトペーストの普及拡大に向けた 研究をしています」
藤尾「ポテトペースト?」
石山さん 「規格外の男しゃくに2種類の酵素を加えて ペースト状にしたものが “ポテトペースト”です」
生活班が研究する「ポテトペースト」が どんなものなのかを確かめるため、 まずは原料である越冬男しゃくを試食!
森崎「甘い!スイーツみたい」
石山さん 「これに2種類の酵素を入れてペースト状にし 甘さをもっとアップさせました」
ではポテトペーストをいただくと… 森崎「甘い!おやつ!おやつ!」
藤尾「はちみつに近い甘さ」
佐々木「これは美味しいですね」
ポテトペーストを使い 地元のお菓子屋さんと作った “ぽてぷりん”は大人気商品となりました。 イベント限定で手作り販売しているドーナツも クセになるほど美味しいのですが…
■ぽてぷりん(1個 190円)
森崎 「プリンとドーナツは君らが開発したの?」
石山さん 「これは先輩方から受け継いだ商品です。 今、私たちが開発中なのは 『モンテバー』と言って 地元の野菜を使った『スポーツバー』を 作っています」
倶知安農業高校自慢のポテトペーストを使って なんと10年ぶりに新商品を開発! その名は「モンテバー」 地元の企業とタッグを組み ほぼ完成しているという事なのです!
石山さん 「倶知安町は海外からの観光客がすごく多く スキー客も多いので山などの色んな場所で 食べてもらいたいと思って、 ネーミングを設定しました」
商品を見せてもらうと…
藤尾 「パッケージも出来ている! ボードしている人が江戸時代の衣装ですよ。 オシャレ!!」
石山さん 「みんなでアイデアを出して デザイナーさんと一緒に作り上げました」
さてお味は… 森崎「素材それぞれがギュッとしてる」
藤尾「ガツンとくるね」
佐々木 「色んな味がする!ベースはポテトペースト。 みなさんが作ったジャガイモがキチンと 使われているんですね」
藤尾 「地元らしさもありますね。 山があってスキー客が多い…だからこそ!」
■ニセコモンテバアー (1個250円前後) 男しゃく・ニンジン・プルーン・うるち米 大豆など規格外の作物を使用。 12月下旬に羊蹄山ろく周辺で販売予定。
生徒さん 「食感とかも食べ応えがあって スポーツしている時にも良いと思います」
「試作を何回も繰り返さなきゃいけないのが 大変でした…」
森崎 「ヒット商品を高校生が町の人たちと一緒に 生み出す!こういう時代が来てるね! 素晴らしい~」
倶知安農業高校のクオリティーが高い商品は 他にもたっくさんあるんです!
佐々木 「倶知安農業高校で作っているものを 並べてみました~」
森崎「すごいね~」
佐々木 「学校でとれた野菜もありますし… ジュース・卵・お米・じゃがいも・お花!」
藤尾 「高校で作ったものですよね… あの~さきほど使ったグローブが… なんでこれが並んでいるんですか」
石山さん 「これは野球部の監督の前田先生と部員が 一緒に作ったグローブです」
森崎 「この農業高校で育った牛の皮を 使用しています」
藤尾「マジで??」
発案者は前田先生。 昨年、肥育した牛の皮を使い 希望する野球部員と作りました。
さて最後は倶知安農業高校の皆さんが 自分たちの学校でとれたものを使って お弁当を作ってくれました♪
藤尾「お品書きが書いてますよ」
森崎 「ハンバーグ・ヒレカツ・天ぷら… ほとんど学校でとれたもの?」
石山さん「すべて!」
森崎「全部と言っていい?」
石山さん「はい!」
中身は色とりどりのおかずが!
佐々木 「存在感を放っているポテトサラダ」
森崎「甘い~!」
佐々木 「卵焼きはネギが入っていて美味しい!」
生徒さん 「初めて作ったんですけど… 難しかったけどうまく出来てよかった!」
黒毛和牛のハンバーグは… 森崎「ギッシリしてます!美味しい」
あぐり一行も大満足の手作りお弁当。
倶知安農業高校の生徒さん! これから自分たちの夢に向かって 頑張ってくださいね~♪