ザブーン ザブーン ヒュー ヒュー 森崎 「見てごらん!流氷が来てるよ!」
藤尾「すごい所に来ましたね!」
佐々木 「そうなんです! ここに広がるのがオホーツク海です」
森崎「うわ~」
佐々木 「来たのは猿払村です!」
藤尾 「猿払ってもう少し行ったら稚内でしょ」
森崎「すぐそこ稚内です」
藤尾「来ましたね」
森崎「札幌から6時間かけてきました」
藤尾「(寒さが)顔に刺さりますね」
森崎 「寒いね!でもここにも農業はあるんだ! 寒くったって農業はへこたれない!」
佐々木 「猿払村は年間で約4万トンの 生乳生産を行っている酪農の村なんです」
森崎・藤尾 「うわ~4万トン!」
佐々木 「ミルクを飲む私たちにとって 大切な取り組みが行われているんです。 それが…こちらです!」
牛群検定
藤尾 「うわうわうわ…全然聞いたことないね」
森崎 「ぎゅうぐんけんてい??」
佐々木 「牛さんの仕事に関わる方は知っている!」
森崎 「何回も何回も酪農を取材しているけど まだまだ知らない言葉があるんだね~」
ということで今回のあぐり王国は 生産者と消費者を支える大切な取り組み 『牛群検定』に注目していきます!
藤尾 「あぐりっこ後ろみて~ 氷が浮いてるの何かわかる?」
なつみ「流氷?」
藤尾「そう!なつみは流氷見たことある?」
なつみ「ないです!」
森崎「そしてどうだ。この冬の海は?」
なつみ「寒いです!」
では牛群検定についてあぐりっこを 聞いてみましょう。
藤尾「カケルは近くに住んでるけど?」
カケル「聞いたことないです」
藤尾「地元の人でも聞いたことない」
森崎 「以前この地域で共進会(きょうしんかい) というものを取材しました。 審査員がいてどの牛が 一番きれいなのかを決める、ミス牛! しかしその共進会だけでなく また新しい用語・牛群検定です」
佐々木 「この牛群検定は猿払村では JAさんが中心となって行っている! では牧場に行ってどんなものなのか 今日一日学びたいと思います」
一行はさっそく、 この日『牛群検定』が行われるという 佐藤牧場にやってきました。
佐々木 「さてここでは牛群検定を行っている JAの石黒さんにお話しを伺いますよ」
森崎 「番組でも初めて耳にするんですが 牛群検定はいったい何ですか?」
石黒さん 「牛群検定は食卓に届けられる生乳を 安全でおいしく届けるために 調べることが“牛群検定”の根底です」
森崎「調べる対象は牛ですか?」
石黒さん 「牛と牛乳です。 牛たちが快適に過ごしているか?や こういう所に不満を持っているなどが データとしてわかる…」
リーダーかぶり気味に 森崎「そんなことがわかっちゃうんですか?」
石黒さん「わかっちゃうんです!」
森崎「すごい!!」
では牛群検定を行う牛舎に入ります。
森崎「すごいキレイ!」 石黒さん 「牛舎に入ったら牛の毛づやだとか どういう目をしているのかとか お腹の張り具合などを見ます」
森崎「そんなのもみるの?」
石黒さん 「ハイ。どんな臭いをしているか? うんちの臭いですね。 特異的な臭いがあったりしますよね」
藤尾 「牛の様子をみた後はどういう検査が?」
石黒さん 「搾乳の時に立ち会ったり サンプリングをするなど そのあとも4項目ぐらいに分けて 検査を行っていきます」
こちらが基本の流れです。
石黒さん 「搾乳の時に乳量測定、 それと同時にちょっとサンプルを採って それを専門機関に送って 牛乳の中の成分を測定します。 そのデータと乳量をもとに 酪農家さんに検査結果をフィードバックして 酪農家さんとともに相談をしていきます」
藤尾 「成分のサンプリングなどは 1頭1頭すべての牛から取るんですか?」
石黒さん「そうです!」
森崎 「はっ?1頭1頭やってんの?? 大変じゃ~~ん」
藤尾 「全部の牛の健康診断みたいなことを 定期的にやっている!」
石黒さん 「こういうタブレットを使って データを入力するんですが そのデータが酪農検定検査協会に インターネットで送られていきます」
森崎「へえ~ハイテク!」
佐々木 「みんな数字がいっぱいだね~」
藤尾 「これでそれぞれの酪農家さんで 自分の牛の健康状態などがわかる!」
じゃーん もんすけです。 安全安心な生乳生産に大切な牛群検定。 この取り組みは全国でおよそ9000戸、 北海道はその半数以上を占める およそ5000戸もの酪農家が実施。 酪農経営のサポートを行っています。
北海道酪農検定検査協会 荒井 義久さん 「酪農検定検査協会は毎月の個体情報を 集計・分析した結果を 時系列・グループ化をして 検定成績表として作成しています。 検定農家さんのみなさんには 飼養管理や繁殖管理、乳質管理など 各項目から現状を的確に把握し活用して 効率的な酪農経営に役立てていければと 思います、なおかつそれが製品になって 消費者のもとに届く! 一番最初の入口のところを 牛群検定でしっかりと管理していることが 非常に大事なことだと思います」
牛群検定は僕たち消費者にとっても 大切な役割を果たしてくれる取り組みなんだね
さて再び牛舎に戻って… 見た目を判断する検査もありました!
佐々木 「こちら牛のコンディションチェックの ポイントですが…」
石黒さん 「牛がどれだけご飯をたくさん 食べられているかという指標があります」
森崎「面白いねえ~」
牛の健康な体型を判断する ボディコンディションチェック。 痩せ過ぎている牛や太り過ぎている牛など お腹のふくらみの状態から診断するのも 牛群検定の大切な要素です。 さらに牛の体温に異常がないかを 触診でも判断します。
石黒さん 「ここが十字部といってここが一番 体温の変化が出やすいところなんです」
リーダーも触ってみますが… 森崎 「あ~気持ちいい!なんかホッとする 人の体温みたいな感じ…」
藤尾 「牛の体温は人間と比べてどうですか?」
石黒さん「牛のほうが高いです!」
さてあぐりっこも触ってみましょう。
ナツミ「温かい…」
森崎「カケル触ったことある?」
カケル「触ったことはあります…」
さあ手を伸ばして十字部へ… すると!
カケル「かたい…」
石黒さん「じゃあこのへん触ってみる?」
カケル「あっやわらかい…」
ハハハハハ
素直なカケルの感想に大人たちから笑いが―
するとペシペシお腹をさわるカケルに
パシッ
牛さんが尻尾をムチのようにして カケル君の背中を叩きました。
動作が止まるカケル
クスクス笑いだすあぐり一行
藤尾 「あれ?カケルどうした? 今ペシッって音したけど?」
カケル茫然として「叩かれた…」
牛舎の中で大爆笑のあぐり一行!
健康で優良な乳牛管理と 安全安心な生乳生産を サポートする牛群検定。 生産者はどのように感じているのでしょうか?
生産者 佐藤友佳さん 「毎月(体調など)おかしな牛が いそうだなと思う時に来てくれる! (不安に思っていた)タイミングが合うと 数字として見られるので 『この子、おかしい』とわかって 獣医さんに診てもらったり 他の農業指導の方に相談できるので (牛の病気などを)未然に防げるので とても助かりますね」
森崎 「酪農家さんに安心を届けつつ 消費者にも安心を届けている!」
さて移動してきました。
石黒さん 「これは牛乳を搾る機械を ミルカーといいますが これは模擬的に出来る装置です」
森崎 「これまで見たこともあるし ミルクが吸われるのはわかっていましたが、 果たしてどんな仕組みなのか 考えたことあありませんでした」
石黒さん 「これがスケルトン状態になってます。 動きが見えるようになってます」
スイッチを入れるとスーッと吸い込む音が してきました。
リーダーが吸い口に指を入れると…
森崎 「あっあっあっあ~~すごい勢いだあ!」
さてノゾミもやってみますが…
ノゾミ 「あっこわい… あっあっあ~吸われている!痛い!」
手のひらを見てみると 吸われて真っ赤になっています。
お次は藤尾くん
藤尾 「あ!あ!!あ!!見て指が!」
ミルカーの吸い口に入れた指が 握ったり離したりを繰り返しながら 吸われています。
石黒さん 「これは掃除機と同じで陰圧がかかってます。 血液だとかリンパ球がものすごい勢いで 寄ってきたから今赤くなった! こういうマッサージをするんです!」
藤尾 「あの手で絞るときって、こう… (人さし指からゆっくり小指にかけて 力を入れて絞ってゆく動作をまねて) 順番にやっていきますけど、あの動き?」
石黒さん「近い動きをやるんですね」
これを人工のお乳に取り付けていくと ミルクが絞られる様子を よく見る事ができます。
ではあぐりっこも取り付け挑戦!
ノゾミ 「ビックリした… すごい引っ張られた!グッて急に!」
藤尾「めちゃ興奮してる!」
森崎 「安全安心な牛乳を消費者に届けるために どんな思いで酪農家の皆さんを サポートされていますか?」
石黒さん 「牛を飼っている酪農家さんはプロですから その人たちを超えるということは ないと思っていますが、 ただプロの技をサポートする 牛群検定を行って色々な取り組みをして 消費者に牛乳を届けることが 使命だと思っています。 組合員(生産者)は家族と思っているので そういう中で日々努力をしながら 対話をしていきたいと思っています。 その中で信頼関係が出来て いろんなことが前に進んでいけるのかな と思います」
森崎 「誰かが誰かを支えているんだ。 そこで出来上がったものを 私たち消費者はありがたく 当たり前のようにいただいている。 でもそれを探っていくと こういう方々や工夫に出会える。 素晴らしいものを見せてもらった」
森崎「どの人?」
振り返って…
カケル 「(石黒さんを指さして)この人…」
みんな大爆笑!
藤尾「石黒さんね!」
JAひがし宗谷女性部 猿払支部の みなさんが作ってくれたミルク料理を いただきましょう! 作ってくれたのは 片桐紀子さんと高橋美恵子さん。 さるふつ牛乳をたっぷり使った シチューにバターロール、プリン!
詳しい作り方はレシピコーナーを ご覧くださいね。
佐々木 「今日勉強して牛乳への思いは変わった?」 ノゾミ 「牛乳が作られるまでには 色んな人が携わったりしていて いろんな思いが全部 込められているんじゃないかと思うと (いつもと)味が違っておいしかった!」
藤尾 「酪農家のみなさんを自分の家族のように 一軒一軒回らせてもらってるって話して いましたけど、受け入れる酪農家さんも 同じような気持ちなんでしょうか」
紀子さん 「毎月来るので親近感はありますし 作業しながらいろいろ話たりしますから」
森崎 「けど最初はね“この若造が!”と 思われるんじゃないかと…」
紀子さん 「石黒さんがそういう風に言ってました? 最初から生意気でした!」
大爆笑
森崎「最初からって…」