北海道も徐々に暑くなり、いよいよ夏本番! スーパーの野菜売場にも、 トマトやキュウリ、ピーマンなど、 彩り豊かな北海道産の"夏野菜"が 並び始めます。
ほかにも、スイートコーンや枝豆などの夏野菜も、 全国でも高い収穫量を誇る北海道。
そんな中、道産がほとんど出回らない 夏野菜があるんです。それは…
ナス!
意外なことに北海道が 全国最下位の収穫量のナス。 主産地である高知や群馬など、 温かい地域で栽培され、 北海道には不向きと言われているんです。
しかし、古くから栽培に取り組む 土地があり、他府県産に負けないおいしさを秘め、 注目されているんです!
今週のあぐり王国ネクストは 道産のナスを紹介。 生産が少ない北海道の貴重なナス産地へ-
森結有花アナウンサー 「上川エリア中央に位置する 愛別町にやってきました」
森崎リーダー 「愛別町は何度も来ていますね~」
リーダー 「キノコだったりキノコだったり キノコで何度も取材に来ています!」
森 「でも今回はキノコではありません!」
リーダー「えええっ!!」
森 「今回は愛別町でナスについて学びます」
リーダー「……」
リーダー
「ナスぅ?
ナスですか?」
ジェスチャーで「ないないない…」と 手をふるリーダー。
リーダー 「あぐり王国で ナスやった事ないんですよ。 この10年目を迎えたあぐり王国… まだ一度もナスに触れてないんです。 北海道は色んな野菜が 日本一の生産量を誇っているのに、 ナスだけはね…ちょっと違うんだもんなあ。 ついに出会うか~♪」
感慨深げなリーダー。 では早速あぐりっこをご紹介!
今回のあぐりっこは…、 おいしいものが大好き! 食べ盛りの4年生・工藤海翔(カイト)君と。 野菜の栽培について知りたい! 5年生・齊藤帆風(ホカゼ)ちゃんです。
リーダー「今日はナスですって」
カイト「あんまり好きでもなく苦手でもない」
ホカゼ「すごい大好きです!」
リーダー「良かった~」
ホカゼ 「ひき肉と合わせて食べるのが好き!!」
リーダー「あ~麻婆ナスかな。カイトは?」
カイト 「あのなんか…あのなんか… 食べた事あんまない…」
リーダー 「どうやってなってるか見た事ある?」
あぐりっこ「ない!!」
リーダー「ナスはどういうものか分かる?」
カイト「うん!むらさき~♪」
リーダー 「そうだ!カワイイなあ君(笑) そうナスは紫ですね」
ナスの栽培を見るのは初めてという2人。 果たして愛別町で生産されているナスとは?
森 「生産者さんの元にやってきました。 水谷さんです。宜しくお願いします!」
こちらが愛別町のナス生産者・水谷雅仁さん。 お米やキュウリなどと共に、 北海道には不向きと言われる、 ナスの栽培も行っているんです。
リーダー 「暖かい所でナスは育つんですね。 北海道寒いもんね~ 今日は色々勉強させて下さい。 じゃあハウスですね。 やっぱりハウスの引き戸がナス色ですね」
水谷さん 「風が強い時に開いちゃうのを防ぐために…」
リーダー 「それは分かるんですけど…ナス色です!!」
水谷さん「たまたま…(笑)」
カイト「めちゃくちゃなってる!」
ホカゼ 「普通のナスよりふっくらして大きい!」
水谷さんが1つ収穫して見せてくれました。
水谷さん 「トゲが鋭いので注意してください」
カイト 「サボテンみたいなトゲ」
リーダー 「この米ナスは食べた事は?」
ホカゼ「ない!」
カイト「ない!」
リーダー 「カイトが好きな食べ物は何?」
カイト「ハンバーグ!」(即答)
リーダー「ハンバーグ好きそうだもん」
森 「米ナスの栽培スケジュールをみましょう」
水谷さん 「3月中旬に米ナスの苗がきます。 それを育てて4月後半から定植します」
リーダー 「育苗期間はまだまだ寒いですねえ」
水谷さん 「そうですね。生育の適温が30度くらいなので その温度になるように暖かいものをかけたり 電熱線を敷いて温度管理しながら育苗します」
リーダー 「けっこう大変なんだ。 じゃあ暖房のコストもかさみますね」
水谷さん 「そうですね3月中旬から育苗しないと 生育期間が短くなってしまう…」
リーダー 「北海道でナスを育てるためには 苗の段階から大変なんですね」
リーダー 「今これくらいの背丈ですけど 枝はもうちょっと伸びる?」
水谷さん 「最終的には2mくらいまで伸びます」
あぐりっこ「ええええ」
リーダー 「今日はまだ外が涼しいからいいけど これから暑くなりますよね。 そういう時の作業はどうですか?」
水谷さん 「暑いですね… でもビールが美味しくなりますから!!」
徹底した温度管理や、水やり、追肥、葉の間引きと 毎日何かしらの手入れが必要な米ナス。 極めつけは、この作業…!
リーダー 「あの…軍手は分かるんですが マスクは何ですか?」
水谷さん 「鮮やかに咲いた花に トマトトーンを吹きかけます。 いいナスになるのは大きな花だけなので 小さな花は必要ないのでとります!」 ブチッ
あぐり一行「あああああ」
水谷さん 「これを5日に一度、花が咲くごとに行ってます」
リーダー 「いや~ナス…手かず多いなあ。大変だな~」
ナスが確実に着果し、 大きくなるように促す人工授粉。
3棟のハウスで650本もの木に咲く、 花のひとつひとつにホルモン剤を 吹きかけていきます。
同じ枝から咲く、一番大きな花だけにかけ、 残りの花は摘み取り、 栄養分が行き渡るようにします。
あぐりメンバーも体験してみますが…?
リーダー 「花の真ん中にシュッ!これで授粉。 不思議だよねえ~」
あぐりっこも「シュッシュッ」と かけていきますが…
ホカゼ「足が疲れて…」
森「まだ2個くらいしかやってないぞ」
真夏のハウスでマスクと手袋をつけての作業には 体力と根気が必要!
水谷さん 「米ナスに手を添えて ここを(ヘタの上)ハサミで切って下さい」
さてあぐりっこも挑戦しますが…
バチン
カイト「かった~~い…」
リーダー「どうだった?」
カイト「ヘタが硬かった!」
ホカゼ 「すごいかたいし 切れた時にズシン!って重さがくる」
およそ300gの米ナスを支える頑丈なヘタを、 ハサミで切っていきます。 多い日で、およそ500個も収穫するのだとか。
あぐりっこに続いて、森アナも収穫してみますが…?
バチンッ
森「取れました。かたいです!」
リーダー「誰よりも大変だったね」
森 「いや!かたいんですってヘタがっ!」
森 「ねええ?(ホカゼに強引に同意を求める)」 あれ森アナ怒った?
森「かたいよね?かたいよね??」
水谷さん「かたい…です…」
さて収穫の後…お手伝いをしたあぐり一行に 水谷さんが、こんな一品をご用意下さいました!
リーダー 「う…うまそうだな」
炭の上には…
水谷さん 「これは米ナスの…丸焼きです!!」
リーダー 「うわ~♪ この食べ方がおススメですか?」
水谷さん 「そうです。BBQとかやる時に最高です!」
カットして醤油をかけて頂きます。
リーダー「やばい…これ…たまんない」
ではいただきま~す。
カイト 「おいしい!しょうゆとナスが混ざって… なんか…おいしい!!」
ホカゼ 「普通のナスと違う気がして… ホクホクだし香りもいいし すごいおいしい!」
リーダー 「やわらかい。うま味が芳醇! とろけていくよね」
リーダー 「このナスの丸焼きに合う飲み物は何ですか?」
水谷さん「ボクは…基本…ビールですね」
リーダー 「そろそろビールいいですか?(笑)」
じゃじゃ~ん もんすけです。 よく「栄養が少ない」なんて言われるナス… でも、ホントはどうなのかな? 札幌保健医療大学の荒川先生に聞いてみたよ。
札幌保健医療大学 栄養学科 荒川義人教授 「ナスには栄養が少ない…なんて事はない! 野菜に特徴的なカリウムや食物繊維は 平均的な量を含んでいます。 表面が紫色をしていますよね。 あれはアントシアニンの一種ですけど ナスの場合はナスニンです。 これは体の中で酸化を抑えてくれて 色んな病気の予防に繋がっていきます。 よく言われているのは目の疲労回復。 そうした働きを持つものが ナスの皮にぎしっと詰まっています。 さらにトマトの赤色もそうですけど ナスの紫色もお日様の紫外線の悪さを 抑えてくれる働きがあります。 水分や色素成分が豊富なナスは 夏に摂取するには適していますね」
夏場の体に必要な成分を含むナス! みんなも積極的にナスを食べて、 この夏を乗り切ろう~♪
森 「先ほど収穫した米ナスを持って納屋にきました」
水谷さん 「これからそれぞれの規格に分けて 箱詰め作業を行います」
ここからは奥様の絵美さんもご一緒に!
リーダー 「このナスなんかは… ヘタが横というか… これはこれでペンギン的でカワイイですけど これは価値としては…低い?」
水谷さん「そうですね!」
リーダー 「これでいいからもうい一回炭焼きして… だって味変わらないんだもんね」
水谷さんを含め、愛別町の米ナス生産者たちが、 厳しい出荷規格を設け、 それぞれが責任を持って選別作業を行います。
その厳しさは、こんな所にも…。
絵美さん 「基本的には軍手を付けて作業します」
リーダー「トゲが危ないから?」
絵美さん 「それもあるんですけど 素手で触ると指紋が付く事があるので やはり商品として扱うために軍手をする!」 森「ブランドバックみたいですね…」
絵美さん 「そういう気持ちで詰めています!」
さて大事に扱う米ナス。 あぐりっこもお手伝いしてみます。
優しくナスを手に取って 計りに乗せます。
カイト「300g」 ホカゼ「M!」 カイト「280g」 ホカゼ「280だから…M!」
リーダー 「280gはバッチリMサイズですね。 ドMです!!」
水谷さん「ぶはは」
森「響きが…なんかイヤです!!」
さてここからはお料理の試食タイム!
森「米ナスを使ったお料理をご用意頂きました」
リーダー「どなたが?」
絵美さん「はい…」
リーダー「奥様その格好は?」
絵美さん 「野菜ソムリエの資格を持っております」
リーダー 「素晴らしい!お料理上手なんですね」
絵美さん 「米ナスのミートソースグラタンと 玉子揚げです」
リーダー「玉子揚げって何ですの?」
絵美さん 「輪切りにした米ナスを溶き卵につけて 揚げた簡単な料理です」
※詳しい作り方はレシピコーナーへ!
まずはミートソースグラタンを いただきま~す。
ホカゼ 「グラタンとナスが混ざって美味しい」
リーダー 「うーーーん。うまい! 油・チーズと米ナスがあって濃厚な うま味に持ちあがってます。 カイトがまっしぐらですね… このスピードで完食です!!」
リーダー 「そのグラタンとハンバーグどっちが好き?」
森「勝てな~い」
リーダー 「とにかくハンバーグに目がないカイトです」
続いて、米ナスの玉子揚げ。
森 「おいし~い!南蛮みそと合いますね。 普通のナスよりも食感が肉厚で ギュッギュッって噛みごたえがありますね」
ばくばくばくばく…
カイト「おいしい!」
もう真剣に食べています。
リーダー 「なんか… 3日くらい何も食べていないの? すごい勢い…(笑)」
それくらい美味しいんですっ!!
栽培が難しいと言われる北海道で、 昔から米ナスをつくり続けてきた愛別町。 生産者を支える、JA上川中央の方に その経緯について聞いてみたよ。
JA上川中央 営農部 部長 奥山春彦さん 「1981年より米ナス栽培を開始しまして 現在は道内一の米ナス産地です。 稲作以外の作物で集乳を確保しようと キュウリと合わせて輪作を行うため 米ナスを栽培してきました。 現在は4戸の生産者で栽培を行っており 昨年は26トンの生産実績があります。 札幌・旭川・釧路・函館、全道の市場に 多い数ではありませんけれども 出荷させていただいてます。 生産者としても愛別町ブランドとして 守っていきたい!という強い思いから 作付けを継続しております!」
貴重な道産ナスとして、 今では料亭などでも使われるほど、 高い評価を得ている、愛別町の米ナス!
もっともっと有名になると、うれしいよね。
さて一日を振り返って…
リーダー 「北海道産の米ナスが食べられるのは 消費者にはすごく嬉しいことです。 米ナスにかける想いとは?」
水谷さん 「米ナスの生産部会は35年前からありまして 『米ナス部会の火を消さないでくれ』という 思いを託されていますので、 会員はだいぶ減りましたが、 今までの会員の方々の思いも受け止めて 私たちも出来る限り続けていきたいです」
リーダー 「なんとかカイトのために ナスのハンバーグはないんですか?」
絵美さん 「研究して、カイト君の口にあう ハンバーグを作りますので また遊びに来てくださいね!」
カイト 「ヴェい!! (はい) ゴホッ」
???
森「大丈夫(笑笑)」
リーダー「何か喉にからんだか?」 ----------------------------------- 7月1日のクイズ 「今回お邪魔した道内トップクラスの 花の産地はどこだったかな?」
正解は「北空知エリア」でした。
お・ま・け
水谷さん授粉の説明しているとき-
水谷さん 「常にナスと 声なき会話をすることが大事です!」
リーダー「ナスと会話しているんだ」 水谷さん「今日もキレイだねとか…」
リーダー「ロマンチック♪」
すると水谷さんヒートアップ!
水谷さん 「今日もキレイに咲いてるねって言って かけてください」
カイト 「はい。今日もキレイに咲いてるね」
素直にすぐやるカイト。でもすごい棒読み。
水谷さん 「そうそう。そうです。そうです」 とても喜ぶ水谷さん。
リーダー 「なんだか言わされた感があるんだけど(笑)」
来週のあぐり王国は特別番組のため お休みとなります。 次回の放送は7月22日(土)です。 お間違えなく~♪