突然ですが、この細長く…黄色味を帯びた…、 チリチリとした食材…。 昔から使われる日本の伝統的な食材なんですが、 皆さん、わかりますか?
【街頭インタビュ-】 「干した…やつ…」(10代) 「干物…?」(20代) 「かんぴょうですか…?」(20代)
若い世代にはわからないようですが、 料理をする機会が多い女性の皆さんは…?
「大根の干したやつ…切干大根?」 「切干大根?2週間に1回くらいは使います」 「煮たり・炒めたり・漬物にして食べる事も!」
そう!この食材とはズバリ 「切干大根(きりぼしだいこん)」!
水で戻して煮物などに使う、 和食の定番食材のひとつですが、 若い世代には、あまり馴染みがない様子…。 漬物や味噌汁、大根おろしなど、 様々な活用法があるダイコンですが、 実はこの「切干大根」は、 桁違いの栄養価を 秘めていることをご存知でしたか?
ということで今週のあぐり王国ネクストは、 規格外品もムダなく活用! 十勝のダイコン生産に注目です。
森結有花アナウンサー 「十勝の芽室町にやってきました」
森崎リーダー「今日は暑いですねえ」
リーダー 「夏!十勝晴れ!最高の天気!」
森「ただ今の気温ですが34度!!」
リーダー「笑うしかないね」
リーダー 「芽室町と言えばスイートコーン! 日本一の生産量を誇りますからね」
森 「そんな中で今回注目するのがダイコンです」
リーダー 「ダイコンいいですね。 あれですから!ダイコンって 日本一消費されてる野菜ですからね! ってなんか野菜おじさん みたくなってる!」
森「しゃべりが止まらないですね!」
森 「芽室町ではダイコンの加工品づくりも 行っているということで 一緒に学ぶあぐりっこをよびましょう!」
リーダー「今日は元気いいですよ~」
あぐりっこ~~!
今回のあぐりっこは、 給食はいつもおかわり! 食べ盛りの3年・片桐巻槙斗(マキト)君と とれたての野菜を食べてみたい! しっかり者の4年・宮本蒼大(ソウタ)君です!
リーダー 「初めてかな?今日はどれくらい楽しみだった?」
ソウタ 「すごい楽しみでした…緊張してます」
マキト「緊張して…緊張してました」
リーダー 「今日はねダイコンの加工品ですって」
ソウタ「切干大根とか?」
リーダー 「おっ!良く知ってるね。じゃあダイコンから どうやって切干大根になると思う?」
マキト「え~っと…。あまりわかんない!」
森「生産者の河口さんです」
あぐりっこ「よろしくお願いします」
リーダー 「ちょっとおヒゲがおっかないね…! でもああいう人に限って優しいんだよ。 河口さんの第一印象は?」
マキト「元気そう!」
ソウタ「大変そう。大変そう」
リーダー 「第一印象“大変そう”って何だ(笑)」
芽室町・43軒の生産者から成る だいこん生産組合の 組合長を務める河口真司さん。 早速、芽室町のダイコンについて 教えて頂きます。
リーダー「今収穫適期ですか?」
河口さん 「収穫最盛期でこの畑は終わりかけです」
リーダー「ダイコンどこにある?」
あぐりっこ 「あった!下に!10センチくらい出てる」
収穫してみると…
マキト「大きい!」 ソウタ 「手で抜いたらすごい力が必要だった!」
河口さん 「これは“蒼の砦(とりで)”という品種です」
リーダー「ロマンチックな名前だね」
河口さん 「春先の4月下旬から5月上旬に撒く品種で 寒さに強いのが特徴です。 味に関しては甘くて辛味が少ないのが特徴」
リーダー 「収穫最盛期には1日どれぐらい 収穫するんですか?」
河口さん 「だいたい10トンくらいです」
リーダー「何本分くらいあると思う?」
マキト「20本?」
リーダー 「そしてら、これ1本500キロだぞ!」
河口さん 「だいたい1本が1キロぐらいなので 約1万本です!」
ソウタ「うわっ多い!」
1日およそ10トンを収穫するということで、 早速、機械での収穫作業を見せて頂きます。
リーダー 「葉っぱがエスカレーターみたいに 上がっていってる!」
あぐりっこ「葉っぱ切ってる」
森「気持ちいいですねえ」
森 「農家さんにしては人数が多くないですか?」
河口さん 「そうですね。生産者の家族だけでは 人数を集めるのが大変なので JAめむろさんで、 まとめて人材を集めてもらっています」
リーダー「JAが人を送りこんでる?」
河口さん 「JAさんに確保してもらっている! なかなかダイコンだけに付きっ切りに なるわけにはいかないので、 そういう力も借りながら生産してます」
河口さん 「さっき収穫したばっかりのダイコンです。 よかったら食べてみてください」
では、いただきま~す!
ソウタ「おいしい!辛くない!」 マキト「あまいっ」
すると…
マキト「なんかちょっと辛くなった!」
リーダーも一口。 「みずみずしい!水分びしょびしょ。 子供にとっては辛い…なのかな? 大人にとってはすがすがしい、うま味!」
あぐりっこ「うーんすごい辛い…」
あぐりっこ「辛い…辛い…」
森「辛くてダメなんでしょう(笑)」
ソウタ「辛い!!」
リーダー 「めっちゃ元気、落しちゃった…」
ソウタ「辛い!」
金子さん 「ここには毎日3~4軒の農家さんから 約30~40トンのダイコンが集まります」
リーダー「まさに最盛期ですね」
2階に上がってきました。
金子さん 「受け入れたダイコンは大きな水槽に入れて (表面の)土を落とします」
リーダー「予洗いなんですね」
リーダー 「今日は暑いからダイコンさん 喜んでいるでしょうね~ 誰か入りたい人いないか?」
ソウタ「ちょっとヤダな!」
ダイコンはまず、 この大きな水槽で土の汚れを落とします。
そこからさらにピカピカの状態にするため、 ダイコンが向かった先には…?
金子さん 「先ほどの水槽のダイコンは 洗浄ブラシでキレイに 洗われてから出てきます」
ソウタ「キズはつかないんですか?」
金子さん 「傷がつかない優しいブラシなんですよ」
森 「めちゃくちゃキレイになって出てきてます」
リーダー「これは一日がかりですか?」
洗浄後は、人の手でサイズごとに選別し、 乾燥を防ぐ耐水紙をのせて箱詰め、 予冷庫でひと晩寝かせます。 翌日には、道内だと札幌や帯広。 道外では、関東から、遠くは九州まで、 全国へと出荷されていくんです!
そして…
ほかにも… 選別の際に切り落とされる余分な葉も、 町内にあるたい肥場へと運ばれ、 牛ふんと混ぜて発酵させ、たい肥化…。 再び畑の土へと戻ります。
このようにJAめむろでは、 収穫したダイコンを無駄なく活用する、 循環型農業を実践しているんです。
リーダー 「これが来年の畑の土台になる!」
金子さん 「また来年のダイコンに繋がります!」
早速、選別場のすぐ隣にある、 切干ダイコン工場へやって来ました。
金子さん 「ここで規格外品のダイコンを処理してます」
ソウタ「皮剥いてる~」
品質は正規品と変わらないものの、 形が小さかったり、 傷が付いている規格外品が運ばれてきます。 1日に加工する、その量とは…?
金子さん 「1日に約4トンのダイコンの皮を剥いてます」
あぐりっこ「ええええええ」
リーダー「規格外のダイコンってそんなに出る?」
金子さん 「全体の約6%が規格品外になります」
また階段を上がっていくと…
リーダー「剥いてますね~~!」
森「うわ~」
金子さん 「規格品外なので曲がったりあるので 手作業じゃないと剥けないんです」
リーダー「すげえええ、上手じゃないです?」
金子さん「プロですから!みなさん」
森「皮剥くのにこんな腰入れてる人。初めて!」
リーダー「すごい!速い」
リーダー「この中が80℃なんだね」
金子さん 「よかったら中を見てみますか?」
リーダー「見られるんですか?」
金子さん「はい!特別に!」
オープン♪
リーダー「あちっあちっ」
森「きゃあああああ」
リーダー「熱いっ熱いっ!!」
金子さん 「ではもう一度、特別に開けます!」
リーダー「うわっ!!!アッツイ」
ソウタ 「うわっ!パサパサ!」
金子さん 「1番上から下の段にくるまでに 約2時間かかります。 上から順にコンベアーで落ちてきます」
リーダー「し…閉めてください!」
リーダー「クネクネクネクネ…と」
金子さん「そうです」
ボイラーの中では、80℃の熱風で、 ゆっくりとダイコンを乾燥させていきます。 機械の中をコンベアーが上から下へと往復し、 ダイコンが、徐々に切り干しダイコンへ。 そして、2時間後には…?
リーダー「出来たあ~」
金子さん 「これが完成した切干大根になります」
リーダー「あんなにシャキシャキだったのに」
早速、出来たての切干大根をいただくと…
リーダー 「甘い…めっちゃ甘いよ! ダイコン感がすさまじく強い!! 生のダイコンはちょっと辛かったでしょ。 もうその辛味はないわ」
ソウタ「甘いっ!」
リーダー「辛味はどう?」
ソウタ「ない!!」
森「これなんかクセになりますね」
じゃじゃん!もんすけです! ダイコンを乾燥させた保存食切干大根 実は、とんでもない栄養を秘めた食材なんだって。 札幌保健医療大学の荒川先生に聞いてみたよ。
荒川義人教授 「生のダイコンにはカリウムや食物繊維、 ビタミンCが豊富に含まれていますが、 切干大根にすることによって水分が飛んで 成分が濃縮されることになります。 ざっと水分が1/10ぐらいになるので それらの成分は10倍くらい入ってことになる。 生のダイコンとはまるで別物のようになる。 あと糖分やアミノ酸も濃縮されるので 味が濃く感じます…コクが増える! 水を多く使ってしまうと栄養価も逃げてしまうので なるべく水分を使わずに調理するのがいい!」 ダイコンの栄養分をギュッと凝縮した、 切り干し大根!おいしくて、栄養もあって、 保存も効いて、とっても便利だよね~! ボクも食べてみよっと!
森 「芽室町の大根と切干大根を使ったお料理を だいこん生産者の奥様たちに作って頂きました」
煮物だけじゃない! そのアイデアレシピ!料理とは!?
リーダー「どこが切干大根ですか?」
石原さん 「ナポリタンはパスタの変わりに 切干大根を使っています」
リーダー 「これはもうナポリタンではない!」
リーダー 「切干大根にケチャップを合わせたってこと?」
石原さん 「そうです!ちょっと斬新にしてみました」
リーダー 「ちょっと斬新すぎません??」
※詳しい作り方はレシピコーナーをご覧下さい。 とっても簡単でおいしいですよ。
パスタの代わりに、切り干しダイコンを使った 「切り干しナポリタン」! 栄養分が逃げないよう、軽く水で戻した後、 具材と一緒に炒めます。麺と違って延びないので、 常備菜としてもオススメだということですが、 果たしてその味は!?
マキト「おいしい!」
リーダー 「めちゃ合う! 切干大根とトマトの味がすごい合う! めちゃくちゃ美味しい」
ソウタ 「お店に出してもいいんじゃない?」
石原さん 「うれしいね!うれしいね」
みなさん大喜び♪
こちらは、切り干しダイコンを水で戻さずに、 栄養分をそのまま閉じ込めた「かき揚げ」!
リーダー 「大根おろしいらないくらいに ダイコンが強いです! 水で戻さず、そのまま揚げてるので 食感がいい!!」
石原さん「完食してくれてるし!」
マキト 「プロみたいな味だった!!」
石原さん 「うわ~やったあああ~良かった」
またもや大喜び♪
最後は、ダイコンおろしをレンジにかけ、 豆乳やシナモンと混ぜ合わせ、 ゼラチンで固めたデザート大根ゼリー!!
森 「デザート!おいしい! 後味がさっぱりしているのが ダイコンの感じがしますね。 夏のデザートにピッタリ!!」
リーダー 「よく考えてみてください。 大根おろしにあんこですよ…」
森「よくやりましたね…」
リーダー 「芽室町はチャレンジャー!!」
森「確かに~(笑)」
収穫、選別、加工…と、 人手も手間もかかるダイコン生産ですが、 芽室町の名産のひとつとして、 30年以上も生産が続いています。 取り組みをサポートするJAめむろの思いとは…?
金子さん 「ダイコンの収穫って朝も早いし重たいし、 汚れたいと辛い仕事になるので 生産者だけでは人材の確保が大変なので… 今後もJAめむろが人材を集めて 農家さんの手助けができればと 思っています」
リーダー 「美味しいダイコン!待ってます! おかわりください!」
ソウタ「ボクも欲しい!」
お・ま・け
河口さん 「大根おろしで良く言うのが 一生懸命おろすと辛くなる!細胞が壊れて! なので夫婦ゲンカして怒りながらおろすと 辛くなるとか言います」
森「リーダーの家の大根おろしは?」
リーダー 「めっちゃ甘い!!」
森「きゃははは」
リーダー 「待ってくれよ… そんなこと言わせないでくれよ… 恥ずかしいわ!!!」 ----------------------------------- 7月29日のクイズ 「酪農家と一緒に乳牛の健康を守る職業は 何だったかな?」
正解は「獣医師」でした。