涼しい気候を活かした、 多種多様な農産物が生産される北海道…。 かつては栽培に不向きと言われた、 サツマイモ、パクチーなど、 高温を好む野菜の栽培に、 積極的に取り組む産地が増えてきています!
そんな中、同じように暑さを好み…、 道産モノが少ないと言われる、 あの野菜の栽培に、 果敢にチャレンジを始めた産地があるんです!
今回のあぐり王国ネクストは…、 番組初登場! アフリカが原産の夏野菜を栽培する、 日本最北の産地に注目です!
森結有花アナウンサー 「道北の剣淵町にやってきました」
森崎博之リーダー 「見事ですね…この丘陵地帯は 美瑛を彷彿させるね」
森「美しいですね」
リーダー 「見まごうほどの キレイな場所があるんだな」
森 「今回剣淵町で学ぶ野菜ですが 先日10周年を迎えたあぐり王国でも 初登場の野菜です!」
リーダー 「まさか。もうありませんよ。 この間もそう言ってやったのあるでしょ」
森「ささげ?」
リーダー 「それで全部!野菜コンプリートしました」 ※コンプリート…全部そろえること
森 「あれでコンプートじゃないんです。 北海道のイメージがない野菜なんですよ」
では今週のあぐりっこです!
野菜についていろいろ知りたい! 小学6年生の鎌田住樹(ヨシキ)君と 好奇心旺盛な6年生の三上桃ちゃん。
果たして、番組初登場の野菜とは…?
森 「まずヒント!その①。バババン」
リーダー 「昭和の効果音入れるの止めて… やるならやるでMA(音声)やりますから!」
森 「話がずれてしまいました。 ヒント1。 生産地は鹿児島県」
モモ「ゴーヤとかじゃない?」
ヨシキ「沖縄じゃない?それ…」
森 「じゃあヒント②断面は星型!」
モモ「スターフルーツ?」
リーダー「確かにねえ~」
ヨシキ「オクラ?」
森「ヒント③ネバネバ!」
ヨシキ「オクラしか分かんない!」
モモ「星型の納豆とか…」
リーダー 「星型の納豆! あ~~… 星型の納豆をひきわりにしてるってこと?」
森 「その野菜が生産されている畑にきました。 生産者の矢萩さんです」
おじいさんの畑を引き継ぎ、 5年前に就農したという生産者の矢萩和也さん。 果たして剣淵町で栽培している野菜とは…?
森 「主な産地が鹿児島県と聞いたんですけど 北海道では珍しいんですか?」
矢萩さん 「珍しいですね。 剣淵町でも僕一人だけです!」
リーダー 「えっ!なんで… そんなマイノリティーな…えっ」
矢萩さん「変わった事がしたくて…」
リーダー「変わってますね」
リーダー「どこにあるのあるの?」
矢萩さん「ハウスです!」
リーダー「では行きましょう」
リーダー 「見えるかな…?何だ?」
モモ「オクラ?」
ヨシキ「オクラじゃねない?」
モモ「えっ!?オクラ?」
矢萩さん「オクラです!」
リーダー「あれはオクラで~す!」
そうなんです! 剣淵町で栽培されている野菜とはオクラ
主産地の鹿児島をはじめ、高知や沖縄など、 夏の気温が高い地域で栽培される中、 剣淵町は、北海道でも数少ない オクラ産地のひとつなんです。
森 「暑い地域じゃないと出来ないんですか?」
矢萩さん 「そうです。オクラは何度あっても良い!と 言われています。 40℃でも大丈夫です」
リーダー 「それをだよ… 何も剣淵町でやらなくても…」
矢萩さん 「そうですね… ただ楽しいことをしたい。 珍しいことをしたい! 剣淵町は畑作(大豆・ジャガイモ)がメインで 野菜の種類が少なかったんです」
リーダー「それでオクラだったんですか?」
矢萩さん「そうです」
森「でもやりたいと思って出来ますか?」
矢萩さん 「何でもチャレンジしてみないと 結果が分からないので 失敗しても成功しても 自分の糧になるので…」
新しい作物にチャレンジしたいと、 地元のJA北ひびきに相談した矢萩さん。 剣淵町では、 まだ誰も作っていない野菜ということと、 名寄盆地に位置し、夏場の気温が高く、 日照時間にも恵まれているという気候もあり、 3年前からオクラの栽培が始まったんです。
とはいえ、道北での栽培には様々な苦労も…。
森 「オクラの栽培スケジュールです」
矢萩さん 「4月中旬に種まきをします。 9センチくらいのポットに ピンセットで種を植えています」
リーダー「種はネバネバしてない?」
矢萩「種はネバネバしてません」
矢萩さん 「ハウスの中に電熱線を敷いて 更にトンネルを2重3重とかけて育苗します」
リーダー 「電気のチカラでハウスの中を温める。 暖房費もかかる訳ですよ…」
さらに…?
矢萩さん 「カビが生えやすいんですよ」
あぐりっこ「ええええ~」
矢萩さん 「湿気に弱い作物なので 暑かったら湿気がこもってしまいます。 なので換気もしなければいけない!」
リーダー 「ハウスいろいろ大変ですね」
矢萩さん 「開けたり閉めたり…」
リーダー 「閉め忘れたら夜には冷え切りますもんね」
矢萩さん 「成長が止まってしまう! 15℃以下で成長が止まるので…」
リーダー「それは大変だ」
それでも、涼しい気候の生育時期は、 虫の発生が少なく、 農薬散布の回数も少なく済むなど、 北海道ならではのメリットもあるんです。
リーダー 「剣淵町でオンリーワンですもんね。 素晴らしいですよね」
森 「剣淵町がオクラ名産地になるかもしれない。 そのパイオニアってことですから」
リーダー 「剣淵は<つるぎ>ですから。 オクラの上に向かってシャキーンってのが まちの野菜になるかもしれません!」
森「素晴らしいです」
リーダー「ありがとうございます」
じゃじゃん、もんすけです! 剣淵町で唯一のオクラ生産者・矢萩さん。 今でこそ順調に育っているオクラのハウス栽培。 その1年目は主産地と同じように 露地で栽培していたんだよ。
しかし収穫直前に訪れた、 まさかの大雨によって、 多くが水に浸かって出荷できない状態に…。
辛い思いをした矢萩さんは、 それでもめげずに、 地元のJAと対策を練って、 翌年からハウスでの栽培に転換!
ようやく軌道に乗り始めたんだって~。 苦労の末に生まれたオクラ! 剣淵町の名産になったら嬉しいよね。
収穫作業の前に、 よ~くオクラを観察してみると、 不思議な生態が明らかに…!
矢萩さん 「よ~く見ると白いツブツブが…」
森「これ水滴じゃないんですか?」
リーダー「なんだそれ…?」
矢萩さん 「元気があるオクラだと出てくる! 少ないのはちょっと元気がないなあ~とか それで水やり・肥料の目安になります」
リーダー 「あっちょっと待って矢萩さん!」
リーダー 「いっぱい水滴が出てます」
森「リーダー違います」
それは汗です!
リーダー「元気の証拠!」
森「ネバネバしないですから」
森「120×1000…」
モモ「12万本!!」
桃ちゃん即答!
森「12万です」
リーダー「遅いです」
パチンッ!
モモ 「切る時がサッてなって気持ちいい!」
リーダー「花がキレイだなあ」
矢萩さん 「この花も1日しか咲かないので…」
リーダー 「へええ!1日咲いてどうなるの?」
矢萩さん 「萎んで明日にはオクラの小さい形に!」
リーダー 「こっからニョキニョキ…何日かかる?」
矢萩さん 「約4~5日後で収穫です」
リーダー「オクラは成長早いねえ」
パチン
ヨシキ「よいしょ…
リーダー「計るのが大変だな…」
ヨシキ 「よいしょ…よいしょ…よいしょ…」
リーダー 「そんだけ、よいしょって言う??」
ヨシキ「いえ~い」
普段は1日およそ3000本も収穫するという矢萩さん。 早朝の涼しい時間から始めても、陽が出ると、 ハウス内は30℃以上にまで上がります。
そうして、4時間ほどかけて収穫したオクラは、 地元の道の駅や、 札幌市内の一部スーパーに出回り、 貴重な道産オクラとして販売されているんです。
あぐりっこ「オクラとれました~♪」
リーダー 「いえ~い!立派ですねえ。 北海道に住んでいて もぎたてのフレッシュなオクラに出会えない!」
矢萩さん 「そうですね! このまま生で食べられます!」
…ということで、 収穫したばかりの新鮮なオクラを、 生で丸かじりしてみることに!
モモ 「ネバネバしていて美味しい!」
リーダー 「ほのかに甘いよ!粘ってきた~」
森 「種の食感がプチプチしていて 肉厚で美味しいです!」
剣淵町のオクラは、 生でも食べられるやわらかい食感と、 強い粘り気が特徴のスターライトという 品種を生産しています。
森「リーダーっっ!」
おっ怒られる???
森「グッジョブです!!」
リーダー 「あはははは~注意されると思った!」
ネバネバ成分が豊富な夏野菜・オクラ。 一体どんな栄養があるのか、 札幌保健医療大学の荒川先生に聞いてみたよ。
栄養学科 荒川義人教授 「βカロテンや葉酸(ビタミンの一種)が豊富で 生活習慣病の予防に役立ちます。 ネバネバした成分は多糖類で食物繊維の一種。 そこにはタンパク質や炭水化物を分解する 消化酵素の役割を果たすものも含まれている。 夏バテになると消化する力が悪くなり お腹の調子も悪くなるんですけど 夏バテ予防の助け役として優れていますね」
オクラの栄養成分を活かすには、 どう食べるのがいいの? 「消化酵素の働きを生かすなら 生でたべるのがいい! 切り刻んで色んなものに混ぜて食べる! ただ熱をかけて βカロテンや葉酸を効果的に取るのも大事。 その成分を生かすなら熱をかけ 色んな料理にして頂ければと思います」
ちなみに同じネバネバ成分を含む 納豆や長イモとの相性はバツグンで、 一緒に食べると、 お互いが持つ整腸作用や疲労回復効果が、 より高まるんだって!
みんなも夏バテしないように、 オクラをいっぱい食べて暑い夏を乗り切ろう!
森 「ではオクラを使ったお料理を 矢萩さんの奥様を中心とした皆さんに 教えて頂こうと思います」
教えてくださったのは 矢萩実穂さん、お母さんの節子さん、 矢萩さんのおむかえのトマト農家のお母さん、 浅野喜代子さんです。
森「何を作ってもらえますか?」
実穂さん 「オクラを使ったお好み焼きです」
ヨシキ「想像つかない」 モモ「ネバネバしてそう!」
実穂さん 「長イモの代わりにオクラを入れる!」
リーダー 「私達の発声練習もバッチリです」
普通は、長芋や山芋を使うお好み焼きを、 オクラでつくってしまうという意外なレシピ! 詳しい作り方はレシピコーナーを!
※http://www4.hbc.co.jp/agri_recipe/list.php?selectdayforcal=20180811&selectmonthforcal=201808
さてどんな味がするんでしょうか? いただきま~す!
ヨシキ 「うん!! オクラあるところはすごいネバッとしてる。 でやっぱ…美味しい!」
リーダー 「すごいふわふわ。軽い食感。 追いオクラしてるのが 粘りとオクラの良さが出てます。 お好み焼にオクラってチョー合いますね」
続いては豚ロースの肉巻きオクラを!
ヨシキ「美味しい~」
リーダー「笑みがこぼれます」 ヨシキ 「種のネバッとしたのが そのまま入ってくるから… また違う食感で美味しい!」
リーダー 「肉とオクラの相性はどうですか?」
ヨシキ 「最高です!」
最後にオクラ納豆そうめんを!
モモ 「オクラのツブツブ感と シャキシャキ感があって それプラス、ネバネバ感とかあって 食べ応えあるし美味しい!」
森 「間違いないですね~美味しいねえ。 夏にピッタリ!!」
リーダー 「北海道産のオクラがあって良かったねえ~」
一同「うぐうぐ…(と頷く)」
なんだか嬉しいし、おいしいし… 笑っちゃいました。
ほっこりした気分になりました♪
森「剣淵のオクラどうでしたか?」
ヨシキ 「水害にもあってて… そういう経験の中でやっていくっていう… その…勇気や前向きな思いが なんかこのオクラに出てるなって言うか… もっと食べたいと思った!」
リーダー 「おひとりで作っているということですが 1人だけでは出来ないですよね?」
矢萩さん 「そうですね。僕だけでは出来なくて 地元JAさんのバックアップが あってこその 今のこのオクラだと思ってます。 まずはオクラと言えば 剣淵町の矢萩と 言われるようになりたい!」
リーダー 「それってすごいことですよね」
リーダー「今後の挑戦・目標は?」
矢萩さん 「いま試作でゴーヤを作っています」
リーダー 「ゴーヤ! まだまだ汗かこうとしてますね!」
みなさんこんにちは! 今日は、空知の農産物が大集合する 「空知フェア」のお知らせだよ! 来週15日(水)~21日(火)まで、 JR札幌駅の「北海道どさんこプラザ札幌店」で 開催される「空知フェア」!
空知管内で生産された、旬の夏野菜や果物、 こだわりの加工品がいっぱいあるから、 みんなも行ってみてね!
以上、もんすけの週刊あぐりニュースでした!
≪空知フェア inどさんこプラザ札幌店 ≫ 日時:8月15(水)~21(火)8:30~20:00 場所:北海道どさんこプラザ札幌店 JR札幌駅1F 問い合わせ:011-232-6450 ---------------------------------- 8月4日のクイズ 「遠別農業高校のヒツジが食べていた、 町ならではのエサは何だったかな?」
正解は「もち米」でした。