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2019年06月01日(土) | ♯525 妹背牛・直播米編
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2019年06月01日(土) |  ♯525 妹背牛・直播米編
日本屈指の米生産地、北海道。
かつては稲作に不向きな自然環境であることから、
品質の評価は、決して高くはありませんでした。
しかし、生産者や研究者たちの果てしない努力の末、
大きな進化を遂げ、
今では、質・量ともに、
全国トップクラスの米どころとなっています。

今年、その進化は、また新たな一歩を踏み出します。

今回のあぐり王国ネクストは
植えるのではなく「播く」!?
妹背牛町で盛んな直播き(じかまき)栽培に注目!
森結有花アナウンサー
「妹背牛町にやってきました」

森崎博之リーダー
「いやちょっと残雪の山々と水田!
 最高の景色だなあ~
 今年も始まりますなあ。田植えの季節だ!」
森アナ
「ただリーダー!
 今年も道産米に注目していくんですが
 ここ妹背牛町に来たのには理由があります!
 実は全国的にも直播き栽培が盛んな地域なんです」
森崎リーダー
「苗を植えるのではなくて
 直に播いちゃう!!」
リーダー
「まあ直播きとはいえ田植えですわ。
 あなた数々の伝説を作ってきた
 田植えシリーズですよ?」

森アナ「3回目ですから大丈夫です」

リーダー
「過去2回見てみましょうか?」

森アナ「いいです!いいです」

リーダー
「過去2回の田植え。こうでした!」
森アナと水田…。
その悲劇は、今から2年前に始まった

「あぶないあぶな~い」

森アナはこの奇妙な動きから、
あるニックネームを授かった。

リーダー
「フラワーロックみたくなってる!」

翌年、「フラワーロック・森」は、
1ミリも進化を遂げることなく、
田んぼへの撃沈を繰り返した。

森アナ
「泣きそうなんですけど。出来ない!」

悲劇は、いつまで繰り返されるのか?

リーダー
「今年も期待してますよ。抱腹絶倒の30分!」

森アナ
「やりにくい!では一緒に学ぶあぐりっこを
 呼びましょう。あぐりっこ~~」
あぐりっこは、田んぼに来るのは
初めての小学5年、大村凛太郎(リンタロウ)君と、
田植え経験があるという、同じく5年生、
穂苅奈保子(ナオコ)ちゃんです!
リーダー
「田植えやった時はどうだった?」

ナオコ「すごい難しかったです!」

リーダー「どうやってやった?」

ナオコ
「田んぼに入って
 苗をひとつひとつ丁寧に植えていく!」

リーダー
「そうか。リンタロウやったことないけど
 田植えってどんななのか浮かぶ?」

リンタロウ
「うん!こうやって(腰をかがめる)」
リーダー
「そうそう!今日はその苗を植えるんじゃなく
 直播(じかまき)と言って
 直接田んぼに種をまいちゃう!」
あぐりっこ
「えっ??」
あぐりっこもピンと来ていない、直播き栽培とは?
早速、種まき時期を迎えた田んぼへ。

2019年06月01日(土) |  直播きって良い事いっぱい!
熊谷勝さんは、妹背牛町直播(ちょくはん)研究会の
会長を務めている方です。
リーダー
「直播(じかまき)を簡単に子供に説明しましたが
 ナオコは一度田植えをしたことがある!
 でも今日はそういうことしないよって説明したら、
 ビックリしているんです。疑問だよね」

リンタロウ
「それでちゃんと出来るのか?分からない」

リーダー「そうだよね」

ここでまずは一般的な稲作についてお勉強。
リーダー
「播種・育苗と書いてます。
 難しい漢字だけど、
 種を播いて、苗を育てるってことです。
 それを一般の農家さんはビニルハウスでやる!」
   
リーダー
「苗がここまで伸びて成長したものを
 いよいよ水田デビュー!!
 田植えするのは5月下旬ごろですね。
 このパターンが一般的な田植え。
 僕たちが知ってる田植えですよね」
この、移植する方法と、
直播き栽培のスケジュールを比べてみると…
熊谷さん
「移植の場合は、北海道の場合とくにですが
 まず除雪から始まりますよね。
 除雪をしてビニルをかけて、
 (土を)乾かして、起こして、種を播いて
 苗をたてる…
 これが北海道の一般的な水稲(すいとう)栽培」
リーダー
「これ大変なんです。
 苗づくりってすごく大変で人間と同じで
 赤ちゃんとか幼稚園児みたいなもの。
 それで立派な苗になって
 小・中学校にデビューするみたいな感じ。
 苗半作(なえはんさく)という言葉があって
 この苗になるまで米農家さんは
 半分くらい情熱を傾けて一生懸命苗を育てる!
 人間の赤ちゃんと同じような所があります。
 ところが、この直播(じかまき・ちょくはん)!
 この栽培だと、どうなりますか?」
熊谷さん
「まず3月4月の作業がなくなります。
 お休みして、5月からのスタートです!」

リーダー
「5月にいきなり種を水田にまく?」
リンタロウ
「え~全然こっちのほうがすごいラク!」

リーダー
「ラクだよなあ。
 苗半作ないじゃないですか?
 苗ゼロ作!!種まいちゃう!」
ラク!と言っては語弊があるかも知れませんが、
直播き栽培は、労働時間が短くなり、
ハウスなどの設備コストが軽くなる、
といったメリットがあります。
じゃじゃん!もんすけです!
移植栽培に比べて、
時間とお金がかからない直播き栽培!
これは、北海道の稲作にとって、
すごく大切なことなんだって!
妹背牛町で、直播き栽培をいち早く始めた
佐藤さんに詳しく聞いてみたよ!
妹背牛町直播き栽培の先駆者 佐藤忠美さん
「人手不足・農業人口の減少の中で
 田植えをすることの手間、
 ハウスで苗を育てる手間というのが
 本当にたくさんの人出を要するということで
(直播き栽培による)省力化が
 見直される時代になってきている!
 妹背牛町では米生産者の約1/3が
 直播き栽培を行っています」

省力化によって、人手不足解消の手段としても
期待されている、直播き栽培!
妹背牛町では、その発展のため、
より良い栽培方法を昔から研究しているんだって!

2019年06月01日(土) |  たこ足ちゃんが種まきに大活躍!
森アナ
「では種まきをさせていただきましょう。
 こちらが種!これは今“もみ”の状態ですね」

熊谷さん
「一度浸水させ、水からあげた“もみ”です」
リーダー
「よ~く見ると、この“もみ”から
 すこーし何か出てるの、分かるかな?」

ナオコ「白い…」

リンタロウ「これかなあ」
熊谷さん「芽ですね!」

リーダー
「これが種もみの芽が出てきている」
森アナ「こちらの品種は?」

熊谷さん
「直播き専用品種として
 この度新品種『えみまる』が誕生しました!」

リーダー
「『えみまる』!話題のニューホープ!
 何が期待されている米なんでしょうか?」
熊谷さん
「『えみまる』は低温、苗立ち性が良く
 最終的に秋に多収米になる」

リーダー「多収米(たしゅうまい)とは?」

熊谷さん
「量が取れる!ということですね」

リーダー「実りが良いんだ」
熊谷さん
「また食味についても
 北海道の『ななつぼし』と同等くらい」

リーダー
「なまらウマイじゃん!めっちゃウマイじゃん」

ということで、北海道米、
期待の新品種にして、直播き専用の品種、
「えみまる」の種まきをします。
森アナ
「種を播くといって初めてなもので
 どうすればいいですか?」

熊谷さん
「ただばら撒く『ばらまき』と
 100年以上前の北海道に稲作を根付けた器械!」

こちらは、大正から昭和の初めにかけて普及した、
黒田式たこ足播種機(くろだしき・たこあしはしゅき)。

熊谷さん
「タコの足のようだからタコ足と呼ばれている!」
熊谷さん
「この中に種を入れます!
 ここに穴がありますね。ここに入れていきます」

リーダー「何粒も溝に種が入りましたよ」
これを田んぼにセットして…
熊谷さん
「この種を出すことができる。
 これをスライドさせると…」

ザザザザ~

あぐり一行「うわ~出てきた」
種がタコ足を通って、水田に落ちました!

熊谷さん
「これで一回終わりです」
熊谷さん
「昔の人はこれを持ち上げて…ずらす!
 もう一回、種を入れて、スライドする」

ザザザザ~

リーダー「は~なるほど!」

次に種をまく場所を、
踏まないように移動するのがポイントです。

2019年06月01日(土) |  いよいよ種まきスタート!
リーダー
「なるべく足を一列にして播くと効率いいですね」

ということで、まずはリーダーが挑戦!

リーダー
「足跡にいつも以上に気をつけなくてはなりません」

森アナ「無駄な足跡があるとダメですからね」

リーダー
「良い振りしましたね。無駄な足跡!
 森さん!頼みますよ~」
リーダー「種を擦切って…」

スライドを引くと、ザザザザ~

リーダー「なんか気持ちいいです~」
森アナ「キレイに播けてますよ~」

再びやってみますが
リーダー「気持ちいい~」

森アナ「楽しそうですね」

リーダー
「でもさあ田植えに比べたら幾分ラクですねえ」
といったところで、続いては森アナが挑戦!
忌まわしい過去に、終止符を打てるのか?

リーダー
「森アナが水田に入って。
 数々の伝説を生んだ森アナウンサー」

なんとか種は播きましたが…

リーダー「一歩下がって下さい」

すると器械を持ったまま足がクロス!

そしてどんどん沈んでいく…

バランスを取ろうとしてなぜかズルズル伸びていく…

熊谷さん
「とりあえず種まきだけ済ませちゃいますか?」

リーダー
「森アナを放っておいてこっちで種をまく案が…」

熊谷さん「自力で出ていただくということで…」
どんどん沈む森アナ。

熊谷さん「なぜそうなるのかな?」

リーダー
「分からないでしょ?なぜそうなるか?」

熊谷さん
「あっ!分かりました。
 妹背牛町にカーリングと言うスポーツがありますが
 まさしくカーリングのフォームです!」

リーダー
「熊谷さん!何が分かったんですか」

熊谷さん「実はカーリング場の氷を作っているの」

リーダー「どうでもいいです、今!(笑)」

一向に動けないので、ロケの進行上、
播種機だけを引き上げました。
このあと、あぐりっこが体験したのですが、
森アナにとっては、さらに悲しい展開が…
リンタロウがやってみますが…

ザザザザ~

リーダー
「そうそう出来てるじゃん!」
リンタロウ「チョー気持ちいい!」
リーダー「動かしてみる?」

ヒョイ…と動かすリンタロウ。

リーダー
「えっ!簡単じゃん!」

スタッフも拍子抜けして大笑い。

リーダー
「それでいいんだよ!そうそう!
 見てるか?森さん」

森アナ「見てます見てます」

リーダー「すごい簡単にやってるぞ」
ナオコもやってみますが…

ザザザザ~

熊谷さん「そうそう!OK!」
リーダー
「何年か前にやった田植えと比べてどう?」

ナオコ「全然ラク!!」

リーダー「ラクだよね~」

ナオコ「一気にできるから!!」
リーダー
「ラクだね、この田植えは…ラクですって。
 森さん今どういう芸術的なポーズ?」

森アナ
「私、笑いごとじゃないですから…」
このあと、手でばらまく種まきも
体験させてもらいました。

ちなみに北海道の稲作の初期は直播きが多く、
その後、冷害や水害への対策として、
移植栽培が広まったのだとか…

黒田式が普及する以前は、
こんな光景が広がっていたのかもしれませんね。

2019年06月01日(土) |  田植え機で一気に播く!
森アナ
「さあ大変な思いをして種を播きましたが
 今は田植え機を使って種まきをされています。
 今回は特別にその上にのせて頂いていますので
 どういう風に動くのか見せていただきましょう」

あぐり一行「よーいスタート!!」

ブウウウウウン
リーダー「後ろが下がって…」
リンタロウ「なんか播かれてる!」

ナオコ「播いてる!」
リンタロウ「めっちゃキレイ!」

リーダー「出てる出てる!」
あぐりっこ「いってきま~す」
リーダー
「気持ちいい~。
 これが農家さんが見ている景色ですね。
 気持ちいい~!熊谷さん!」

熊谷さん「気持ちいいでしょう!」
リーダー「これ運転難しいんですか?」

熊谷さん
「簡単です!自動で動きますから!
 誰かいきますか?」

リンタロウ「オレ??」

リーダー
「やったじゃん!
 普通の自動車より先に
 田植え機を運転する小学生!」
リーダー「どう難しい?」

リンタロウ「全然難しくない!」
お次はナオコ!

リーダー「まっすぐね!」

リンタロウ「意外と簡単だよ」

ナオコ「わあ~すごい!」

熊谷さん「だいたい線わかる?」

ナオコ「分かります!」
現在、熊谷さんの農場では、
24ヘクタールの水田で米を生産しています。

そのうち、直播き栽培が6ヘクタール、
移植栽培が18ヘクタール。

直播きは「えみまる」と、
従来の主力品種「ほしまる」の、
2種類を栽培しています。

今まいているのは「えみまる」。
今年の秋、どんな実りを見せるのか、
非常に楽しみです!

2019年06月01日(土) |  今回はほしまるをいただきます!
森アナ
「JA北いぶき女性部のみなさんが
 お昼ご飯を作ってくれました!
 支部長の栗原明美さんです。宜しくお願いします」
 
こちらは「ほしまる」のちらし寿司。
ほどよい粘り気でさっぱりしたほしまるは、
酢飯によく合うのだとか!
熊谷さんにもお話を伺いながら、いただきます。
リーダー
「今日は昔ながらの播き方をさせてもらって
 こうやって稲作は発展してきて
 今の北海道米があるんだね。色んな事に感謝して
 いただきま~~す」

ナオコ「うん!美味しい」
リンタロウ「うん!美味しい」
リーダー「酢飯との相性がいい!」

森アナ
「お酢との合います!
 米の味自体もあっさりしていて
 だからお酢と合いますし
 具材の味を引き出す感じですね」

リーダー
「美味しいよ!ほしまる!
 これより美味しくなったってこと?
 えみまるが?」
熊谷さん
「『えみまる』は粘りを出した!
 ゆめぴりかのような粘り」
熊谷さん「ただ…直播きはなぜやるのか?」

リーダー「そこに田んぼがあるから!」

熊谷さん
「田んぼがなければ森アナも転ばない!」


と冗談は置いておいて…
熊谷さん
  
「例えば雑草が生えてきたら除草剤をまきます。
 ですが小さい稲なので除草剤が稲にも影響する…。
 その加減が難しいので…
 技術が良い人が収量がとれる」
省力化をできる一方、
生産者のスキルも求められる直播き栽培。
「えみまる」は、低い温度に強く、
収量も多いのが特徴。
味はもちろん、様々な面で期待されています。
栗原明美さん
「子供からお年寄りまで
 広い世代に好まれる米であってほしい!」
リーダー
「ゆめぴりかの登場で、
 これだけ毎年特Aランクでで最高品種で
 北海道米ってゴールをみたかな…
 なんて感じもしてたんだけど
 1個ゴールしたら
 また次の目標が見えてくるものなんですね!
 そうやって進化しているんだなって」
 
熊谷さん
「実はゆめぴりかは作れない地域もあるんです。
 温度が足りなくて」

リーダー「冷涼な土地はまだ難しい」

熊谷さん
「新品種のえみまるは低温に強い!」
熊谷さん
「味もいいので期待される品種ですね!」

リーダー
「早く味見したいですね!
 今年の秋が楽しみです!」 

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5月25日のクイズ
「今回取材した、大きな根っこの野菜は、
 なんだったかな~?」

正解は「ダイコン」でした。



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