今からおよそ150年前…、 明治初期に行われた北海道開拓。
「少年よ、大使を抱け!」
開拓の父・クラーク博士の言葉を胸に、 先人たちのたゆまぬ努力によって、 北海道農業は発展。
今や、日本一の食料生産地に… そして、そんな生産現場を、 明治時代から現代までサポートし続けている ある機関をご存知ですか?
森結有花アナウンサー 「札幌の観光名所羊ヶ丘展望台に やってきました。リーダー! この景色を見て何か見えませんか?」
森崎博之リーダー 「夢と希望が見えますね… あと札幌ドーム!! 」
森アナウンサー 「注目するのが展望台から札幌ドームまでの 広大な敷地なんです。 農研機構 北海道農業研究センターという 北海道の農業を研究している場所なんです」
リーダー 「そうなんですか。 じゃあこの羊もですか?」
森アナウンサー 「羊も研究の1つなんですよ。 では一緒に学ぶあぐりっこを呼びましょう」
あぐりっこ~~!!
あぐりっこ「は~~い」
リーダー 「声が低い(笑)!! よろしく~! いやあお前たち!久しぶりだなあ」
リーダー 「あなたよりもずっと前から あぐり王国に出てくれている! 俺にとっては戦友みたいなもんだ!!」
森アナウンサー「先輩ですね」
今回はあぐりっこOBの2人が参加!
札幌の高校に通う、 高校1年の行部匠哉(タクヤ)くん。 あぐりっこだった5年前、 田植えから収穫までシーズンを通して、 米について勉強したんです。
そして帯広の農業高校に通う、 同じく1年生の加藤あまねさん。 彼女もあぐりっこ時代、 十勝の畑作について学びました。
2人とも今回のテーマが、 将来の目標に近いということで、 特別に参加してもらったんです!
リーダー「今は何をやってるの?」
あまね 「動物がもともとすごい好きだったので 酪農について学ぼうと思って 帯広の農業高校に進学しました」
リーダー 「いや~もう~受け答えが丁寧」
森アナウンサー 「何かあぐり王国の思い出はありますか?」
タクヤ 「僕は1年間お米作りをやらせて頂いたんで その時の畑で食べた お米が美味しかったのを よく覚えています」
リーダー 「覚えてる?苗を育てる前に消毒する方法?」
タクヤ 「温湯種子消毒 (おんとうしゅししょうどく)」
リーダー「そうです!」
森アナウンサー 「すごおおおおい」
タクヤ 「将来は品種改良とか農業に関わる仕事が したいなと思っています」
あまね 「私は酪農や畜産系の仕事には 絶対就きたいと考えています」
リーダー 「知ってたか?お前たち。 そこの敷地は研究所のものなんだぞ」
タクヤ・あまね「知らなかったです」
リーダー 「知らないだろう。 ここは研究所なんだぞおお(自慢) お前たちいいいいい!!」
森アナウンサー 「久しぶりに見たリーダーはどうですか?」
タクヤ・あまね(同時に) 「変わらない…」
大爆笑♪
すっかり成長した、あぐりっこOBの2人と一緒に、 北海道農業研究センターの敷地内へ。 都会の真ん中で行われている研究内容とは…?
あぐり一行「こんにちは~」
北海道農業研究センターの所長を務める、 勝田眞澄さん。 札幌ドームの隣に位置する広大な施設、 その全貌を教えていただきます。
リーダー 「いやいやいや…なにいいい???」
森「どこまでが敷地なんですか?」
勝田さん 「黄色い線が囲まれた所が北農研です」
森「ドームが小さい!」
リーダー「札幌ドームの何倍?」
勝田さん「160倍ぐらい!」
森「面積で言うと??」
勝田さん「800ヘクタール以上です」
リーダー 「札幌にこういう場所があったんですね」
勝田さん 「“おぼろづき”はここで作られた品種です」
リーダー 「おぼろづき、ここ何ですか!!! うわああああ」
こちらは北海道農業研究センターで 誕生した新品種から、 各企業が開発した商品の一部。
米、小麦、そば、ジャガイモなど、 様々な分野で新しい品種が開発され、 その成果が間接的に、 消費者と結びついているんです。
勝田さん 「今日は研究の現場を見て頂こうと 研究員がスタンバイしていますので ぜひ体験してみてきてください!」
研究センターの前身「北海道農事試験場」は、 明治時代に、 現在の北海道大学構内に設置されました。
大正時代に「琴似」、 昭和の中頃には現在の「羊ヶ丘」へと移転。
100年以上続く、国の研究機関の1つとして、 北海道農業に貢献し続けているんです。
まずは、畜産研究の現場を見せていただきます!
森アナウンサー 「どんな研究をされているんですか?」
大下さん「乳牛の研究ですね」
リーダー 「いや目の前にいるのは羊ばっかりですけど!」
大下さん 「なぜ羊を飼うかというと… 牛と羊に共通点があるんです。 分かります?」
タクヤ「全然わからないです…」
リーダー 「あまねは毎日牛を見ているだろう?」
あまね 「家畜に向いているとか、そういう事ですか?」
大下さん 「それも共通点と言えなくもないんだけど…」
現在80頭の乳牛と60頭の羊を、 敷地内で飼育している酪農研究。
体重70キロの羊に対し、 その10倍ある、700キロの乳牛が食べる エサの量はおよそ10倍。
もし、すべての研究を乳牛で行うと、 エサ代もかさみ多くの人手が必要となります。
リーダー「かわいいねえ~」
大下さん 「牧草サイレージとイアコーンを混ぜて やってください」
リーダー「イアコーンサイレージとは?」
タクヤ 「トウモロコシの全てを砕いて サイレージにしたもの!」
大下さん「はい正解です!!」
これは食べたエサの量と 出したフンの量から、 配合したエサをどれだけ消化したのかを 調査する試験。 事前にエサの重さを図り こぼれないようにします。 それぞれ、全量を入れたのですが…?
リーダー「食べませんね…」
大下さん「困りましたね…」
リーダー「じゃあ遠巻きにね…」
するとすごい勢いで食べだしました!
リーダー 「食べましたね。お腹空いていましたね。 イアコーン最高なんだけど! 超うめえ~!!」
そして、ゲージの裏へ回ってみると…?
大下さん 「これでフンを全部集めます」
こうして、一定期間ゲージで過ごし、 食べた量と、フンの量を正確に計り、 消化率を出します。
続いては野菜研究について学びます!
森「ドームのすぐ横に畑があります」
リーダー 「これファイターズの選手も知らないよ」
札幌ドームのすぐ後ろで行われている野菜研究。 様々な野菜の品種開発に取り組む中で、 嘉見(かみ)大助さんが研究している作物とは。
嘉見さん 「テーマはカボチャの品種改良で ここで日々研究や実験をしています」
リーダー「畑に広がっているわあ~」
森「ツルがねえ。すごい伸びてて…」
嘉見さん 「カボチャはツルが伸びる植物なので 畑が森のような状態になるんです」
森「どこになるか?分からないって事」
リーダー 「なかなか予測できないものですよね」
嘉見さん 「予想できたら大儲けできますね!!」
嘉見さん 「植えた所から50㎝以内に実がなるように 設計した品種があります」
その品種とは??
嘉見さん 「この品種名が【ジェジェJ】」
森「カワイイ」
リーダー「なんか懐かしいぞ」
嘉見さん 「驚くぐらい美味しい! 実際見て頂くとわかるんですが 植えた所からすぐの所に実がつくように 設計されています」
リーダー 「私たちだけじゃない 農家さんが非常にラクになると思いました」
嘉見さん「ありがとうございます!」
リーダー 「なんかスイカ型というか美味しそう」
嘉見さん 「どんな特徴があるかというと オレンジ色で食べる部分が 普通のカボチャと違うんですよね。 ちなみにどこだと思います?」
タクヤ「種!!」
嘉見さん 「あ~なんかすぐ答えが出ちゃった… いや優秀だね。本当にねえ」 嘉見さん面白い♪♪
普通の種と違い、殻をむく必要がなく、 軽く煎っただけで食べられるということですが、 その味は…?
タクヤ 「香ばしくてお菓子と一緒に食べたら おいしいかなと思います」
リーダー 「うまい。カリカリッと言い食感! ナッツみたいですね」
嘉見さん 「ビールでも用意すれば良かったですね」
さて最後のテーマは水稲研究!
リーダー 「稲もいい時期ですね。 フッサフサですねえ~羨ましいです」
米の新品種開発へ向けた研究を行っている、 保田浩さん。具体的な内容とは…?
リーダー 「次世代の北海道米が…」
保田さん 「この田んぼの どこかにあるかもしれない!」
リーダー「なにいい!!」
タクヤ 「夢があってすごく良い話だと思います」
リーダー 「将来彼はお米を研究したいんですよ」
保田さん 「ぜひ頑張って私達の組織に入って下さい!」
リーダー 「福利厚生とか色々聞いておくか? 初任給とかな? そういうところ大事だからさ(笑)」
森「さて温室に移動してきました」
保田さん 「温湯除雄法(おんとうじょゆうほう) という交配をします」
リーダー「オントウジョユウホウ?」
保田さん 「43℃のお湯を用意してあります」
リーダー「丁度いいですね」
そこから咲いている稲の花だけを残し、 受粉しやすいように、 穂先をハサミで切り取ります。
この繊細な作業をあぐりっこOBの2人も、 挑戦してみますが…?
森「目が怖い!」
タクヤ君真剣です。
リーダー「勉強中の目だねえ」
あまね「不器用なんで全然できない…」
リーダー「不器用にみえないよ」
保田さん 「この先を処理したものの上にもっていって トントントン…とすると…」
リーダー「なんか降った降った!」
保田さん 「花粉がパラパラと… これで交配は終了ということです」
保田さん「ちゃんと種はできます!」
森 「その種を一から育てて結果を見ていく」
保田さん 「そこで評価をして選抜していく!!」
森 「種が分からなくなったりしないんですか?」
リーダー 「森さん!もし分かんなくなったらさ~ あれ?これうめーな! なんか知らんけどうめ~なあって。 もしそんな人だったら 北海道の水稲は一個も進歩しない!」
用意されたのは、ご存知「おぼろづき」と、 「北瑞穂(きたみずほ)」と呼ばれる米。 まずは、おぼろづきから試食してみます。
タクヤ 「とても粘り気があって美味しいです」
あまね「ふっくらしています」
リーダー「うまいね!」
森「甘いですね」
一方「北瑞穂」の味は?
タクヤ 「おぼろづきよりパラパラしていて こっちも美味しいです」
あまね「噛み応えがあるかな」
森「持った感じが全然違う!」
リーダー 「持てないですね。パラパラと… 粘りがない!! あれ?粘りって大事なんだな」
松葉さん 「これはチャーハンや米粉麺にすると 非常においしい品種になります」
リーダー「米粉麺??」
普通に食べるのではなく、 米粉として活用する新品種「北瑞穂」。
米の消費拡大を目的に、形を変えることで、 新たな可能性を広げようと開発されたものです! 麺にすると、おいしさが伝わるということで、 冷麺仕立てで食べてみることに…
リーダー 「歯で噛もうとしたら 押し戻すくらいの弾力があるよ。 しっかりと味わい深くて 噛むほどに甘みが出てくるよ」
タクヤ 「冷麺よりも弾力が増していて 僕は米粉麺の方が好きです!!」
新たな品種や技術の開発によって、 生産現場を影でサポートしている、 北海道農業研究センター。 改めて、研究を続ける上での信念とは…?
勝田さん 「農研機構は… 10年後に役立つ技術をつくる!」
リーダー「常に10年先!」
勝田さん 「将来役に立つものが どんどん出せるように頑張っています!」
リーダー 「10年後はもう25歳。 ひょっとすると家庭を持ってるかもしれない」
あまね 「自分の将来の仕事になるかもしれない技術を 学べたのでとても楽しかったです」
リーダー 「今日この出会いがあったことでね 変わるかもしれないし もっと膨らむかもしれないし ひょっとしたら全然違う方向に 進むかもしれないし…」
森「なんでネガティブなこと言うの?」
リーダー 「もっと羊のフンについて調べたい!とか」
お・ま・け
カボチャのシーンで…
リーダー 「種を食べるカボチャしってた?」
あぐりっこ「知らなかったです」
嘉見さん 「ちょっと優位になったね。 オレの方が知ってるんだ!って… えへへへ♪」
リーダー 「嘉見さん。ちっちゃいですね!」
嘉見さん 「意外とね…心狭いんですよ。あはは」 ----------------------------------- 8月19日のクイズ 「主に加工用のキャベツを生産している 町の名前は何だったかな?」
正解は「鹿追町」でした。
こちらのグラフをご覧ください! これは、野菜の需要における 家庭での消費と、 加工・業務用として コンビニや外食産業などで使われる 消費の割合を示したグラフです。
共働き世帯の増加や、 ライフスタイルの変化により、家庭よりも 加工・業務用での需要が年々増えています。
切る手間が省け、 すぐに使える「カット野菜」など、 手軽で便利な加工用野菜。
しかし栄養分や鮮度は落ちているのでは…? そんなイメージを持つ方も多いかもしれません! ところが…!?
札幌保健医療大学栄養学科 荒川義人教授 「加工や貯蔵の技術も進歩しているので 生に近く栄養分も変らない状態での 流通が可能になっています」
今週のあぐり王国ネクストは 現代の食生活をいち早く見越した、 十勝にある加工用キャベツの産地へ-!
ではあぐりっこをご紹介!
料理や実験に興味がある、 矢口碧(アオイ)ちゃんと 食べることが大好き!マイペースな 吉尾睦稀(ムツキ)君の小学5ペアです!
リーダー「キャベツ好きですか?」
アオイ「大好きです!」 ムツキ「あっ…はい!」
リーダー「ムツキ何ていおうとした?」
ムツキ「まあ…好きですね」
森 「お母さん、どういう風に買って来る?」
ムツキ「カットみたいなやつ」 アオイ「半分ぐらいが多い」
リーダー「どうやって食べる?」
ムツキ「サラダとか」 アオイ「サラダしか…」
リーダー 「例えば…サラダとか…他に何ある」
森「みそ汁ですかね?」
ムツキ「えっ?」 アオイ「えっ?」
リーダー「あっおもしろい!!」
リーダー「キャベツみそ汁ですか?」
森「入れないですか?」
ムツキ「入れない!」
リーダー 「い…入れないですよね… あんま入れないですよね」
森「ヤダなあ」
それぞれの家庭で様々な使い方があるキャベツ! まずは鹿追町のキャベツ生産について学ぶため、 畑ではなく、コチラの施設へ…
森 「JA鹿追町野菜育苗センターにきました。 JA鹿追の今田さんにお話しを聞きましょう」
キャベツの生産から流通までを支える、 JA鹿追町の今田さん。 その取り組みについて教えていただきます。
今田さん 「鹿追町では加工・業務用のキャベツが 全体の約9割を占めています」
リーダー 「9割が加工用? 加工用って言うとカットキャベツ?」
今田さん 「スーパー・コンビニなどの カットキャベツが主力で最近多くなってます」
森 「それを全部ここで作っているんですか」
今田さん 「70ヘクタール分のキャベツの苗を ここで作っています」
リーダー「70ヘクタール!!分かる?」
ムツキ「わかんない!」
ムツキ「こえ~」
リーダー 「怖いの理由が分かんないけども…」
中に入ってみると…
リーダー 「うわ~広いっ! 生ってる!!苗だらけ~~すごい!!」
今田さん「全長108mあります」
リーダー「うわ~すごい」
今田さん 「ハウス4棟で約63万本の苗を作れます」
リーダー「わっはっは…すごい」
リーダー 「これがキャベツの苗。赤ちゃんだね」
ムツキ「小っちゃいっ!」
アオイ 「これがあんなに大きくなるなんて…」
リーダー「そうだね」
そのためには、同じ条件のもと、 苗の段階から均一に育て、 定植する必要があります。 発芽しなかったものや、 成長が遅い苗は取り除くなど、 徹底した管理が行われているんです。
特別に育苗前の種まきの作業を 見せていただくことに…
森 「種まき作業の見学ですが “種まき”って感じがしないんですが…」
今田さん 「この種まきトレイって言うんですが 128個の穴があって ここに種をまいていく。 それを自動でやる機械なんです」
リーダー「ここで土が入ります」
今田さん 「次に種をまく所の穴を開けます」
ムツキ「穴開いてる!!」 アオイ「種ある~!」
今田さん 「次は上から土をかけてあげる」
リーダー「水やりもだ!!」
森「すご~い」
リーダー 「これを手仕事でやるとしたら 時間がかかりますよね」
今田さん「そうですね」
リーダー 「128個の穴に種を1個ずつ入れるとしたら?」
ムツキ「いや~1時間かかりそう…」