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2013年11月16日(土) |  ♯267 稲作における安全安心の取り組み 編

さて今回のあぐり王国は
札幌のホクレンショップ49条店から!

森崎
「すげえ~こんなにいっぱい!ときめく!」

藤尾「すごいですね」

森崎「並ぶと壮観ですね」

さていつものメンバーですが
一体、何をみて話しているのでしょうか?

≪ホクレンショップ49条店≫
住所:札幌市東区北49条東15丁目
電話:011-733-2661
営業時間:10時~24時

佐々木
「充実してますねお米コーナー

そう!あぐり一行がいるのはお米コーナー。

森崎
「お世話になった道南のふっくりんこ。
 そしてエースゆめぴりか。今や全国区です」

藤尾
「こっちにはもち米もあります!」

森崎
「きたゆきもち…はくちょうもちも!
 楽しくなっちゃうね~」

佐々木
「こうして選ぶ楽しみがあるのも
 北海道米が充実しているからですよね。
 それでは今日も一緒に学んでくれる
 あぐりっこをお呼びします。あぐりっこ!」

森崎
「アレアレ…今日は熟女あぐりっこが

藤尾
「熟女をあぐりっ子とは言わないです…」

今回は親子で参加です。
のんびり屋さんの竹内紗菜(サナ)ちゃんと
お母さんの裕子(ひろこ)さん。
そして声が大きいのが自慢な
齊藤光汰(コウタ)くんと、
お母さんのかおりさんです。

この4人と一緒に学ぶ事とは…?

佐々木
「スーパーでお買い物とかされると思いますが
 どんなことに気をつけてますか?

齊藤かおりさん
「選ぶ時は産地をみたりしますね」

竹内裕子さん
無駄の無いように量を考えて購入します」

佐々木
「大事なことですよね!
 実際あぐり王国ではこれまで
 お米の生産者さんが一生懸命
 安全安心の取り組みをしているのを
 見てきましたけど…では流通の過程
 どんな安全安心のルールがあるのか?
 今日はそれを学んでいきたいと思います」

佐々木
「では安全安心というキーワードは
 聞いたことはあると思うけど
 そのためにどういうこと
 やっていると思いますか?」

コウタ
「どういうものって言うか…
 地産地消もある??」

かおりさん
「農薬を出来るだけ
 少なく使って作物を作ったり
 それを出荷する過程で
 異物が入らないように
 検査をすることかなって思います…
 ちょっと想像がつきませんね」

確かに具体的にはよくわからない
「お米の安全安心のとりくみ」。

では一体どんなことをしているのか。
ホクレン農業総合研究所(札幌市東区)で
教えてもらおう!

教えて頂くのは食品の検査や
分析を担当している林将也さんです。

ロビーに入るなりリーダーが何かを発見!

森崎
「これ!取材しましたよ。CA貯蔵。
 キャビンアテンダント貯蔵」

藤尾「そのCAじゃないです!」

スーパーでみかける「よくねたいも」です。

林さん「食べたことありますか?」

かおりさん「甘かったです」

藤尾
「こういう開発をしながら
 安全安心の検査もしているの?」

林さん
「そうなんです。
 研究やこうした品種開発、
 安全性の検査もやっています」


2013年11月16日(土) |  北海道米あんしんネットとは…?

森崎
「では北海道米について
 ホクレンが取り組んでいる 
 安全安心な取り組みを教えてください」

林さん
「それは“北海道米あんしんネット”ですね!」

佐々木
「北海道米あんしんネットがどんなものか…
 北海道米の安全性に対する信頼向上、
 固定需要の維持拡大・品質向上などを
 目的として取り組みです」

北海道米が安全で安心なお米である!
ということを証明するため、
そしてそんな北海道米を
より多くの人に食べてもらうための取り組み
「北海道米あんしんネット」。
生産者・各地域のJA・ホクレンの
3者がタッグを組み
北海道米への信頼向上を目指しているんです。
この3者にはそれぞれに
取り組む内容が与えられています。

佐々木
「お米を作る生産者さんは
 統一栽培基準というのがあり
 この基準に則ってお米作りを行います」

他にも様々な決め事があり
お米の生産者はこれらのルールを守って
良質なお米作りに取り組んでいます。

生産者さんがしっかり守っているかなどを
確認するのが各地域のJA。
そして使う農薬を定めた「統一栽培基準」を
作るのことも任されています。

林さん
「地域によって天気などが変わるので
 それによってそれぞれの地区で栽培基準を
 作ってやっているということです」

森崎
「場所に適したものをJAが作っている!」

そしてホクレンでは、
各JAから届いたサンプルのお米が
「統一栽培基準」を守ったお米かどうかを
残留農薬検査・カドミウム検査DNA鑑定
確認し最終チェックをしているのです。

森崎「なんかすごい検査だよ~」

藤尾「難事件を解決するやつでしょ?」

森崎「DNA鑑定でしょ」

藤尾
「難しい…試験管とかいっぱい出てきそう」

ではどのように検査しているのか…
その様子をちょっと見学させてもらいましょう。

藤尾
「白衣を着た人がいっぱいいるよ」

森崎「もう研究所だねえ~」

佐々木「機械いっぱいですね」

まず通されたのは≪前処理室≫です。

林さん
「ここではまずサンプルを受け付けます」

林さん
「そのサンプルを粉砕したり 
 ドロドロの状態にして
 検査をしやすくする前処理を行います」

2013年11月16日(土) |  科学の実験!?あんしんネットの検査とは?

前処理室に届いた玄米が…

森崎「お米がになってる!」

藤尾「から揚げ粉かと思うよね」

林さん
「薬品とかで処理することで
 米の中の色んな成分を分析することが
 出来るようになります」

続いて案内していただいたのは…
≪残留農薬試験室≫。

林さん
「先ほどは米を粉砕して粉の状態にしました。
 ここでは、その中から成分を抜き出す
 作業をしています。
 今日は色が分かりやす用に
 “ホウレン草”を用意しました」

林さん
「ホウレン草を粉々にしたものから
 取り出した液体です」

このキレイに緑色の液体
ろ過していくと…

森崎「下から出てきたよ」

サナ
「あれ?透明になってる!
 緑色がどっかにいちゃった!」

森崎「無色透明」

林さん
「このあと機械で液体を分析するんですが
 色があると残留農薬が見えなくなるので
 そのために色を取り除く作業をしてます」

この実験にあぐりっこは…
森崎「食いついてます…」

サナ
「米だったら元の液体の色は違うんですか?」

林さん
「米はもともとが白っぽい色なんで
 白や透明っぽい色になる。
 ニンジンだったらオレンジっぽい色になる」

では北海道米あんしんネットで行われている
検査について学ぼう~~!

教えてくださるのは石渡智さんです。

佐々木
「まずは残留農薬検査についてです」

まずみんなは農薬って何かわかるかな?

コウタ
「農薬は植物や野菜の苗とかを
 もっと大きく育てるためにまいたり
 あとは害虫をどかす(駆除)ためにやる?」

 

石渡さん
「その通りです!
 農薬は健康な植物を作るために使う
 お薬のようなもの。
 みんなは病気や体調不良になったら
 お薬を使いますよね?
 病気にならないために予防注射をしますよね?
 あと山に行ったとき何をします?」

森崎「虫よけ!」

石渡さん
「そうです!農薬というのは
 植物が健康を保つために必要なもの!
 それを使って植物を育てているんです」

森崎
「そうか!人間と同じようなことを 
 農作物や植物にもやっているんだ」

人間の薬もそうですが、
使う量などには注意しなければいけません。
そこで検査が必要になってくるのです。

2013年11月16日(土) |  安全安心という言葉の重みを知る…

ではここで≪残留農薬検査≫について
簡単な流れを教えてもらいましょう。

石渡さん
「各JAからお米のサンプルが届きます。
 それを先ほど見たように
 すりつぶして中の液体を取り出します。
 その中には農薬を測るのに邪魔な
 色素や脂肪・油などが混ざっているので
 それを取り除きます」

森崎「さっき見たやつだ!」

石渡さん
「そして出てきた液体を機械にかけます。
 こちらの機械は1億円になります」

あぐり一行「え

サナ「1億…」

石渡さん
「この機械は25メートルプール
 小さじ1杯の塩が入っただけでも
 見つけられるような機械です」

サナ
「今の時代は機械の技術が進んでスゴイ!

森崎
「サナ…おばあちゃんみたいなこと言うな」

石渡さん
「安全の基準が決められていますので
 それをしっかり守っているかを
 機械で調べています」

佐々木
「この基準をクリアしないと流通しない!
 ということですね」

続いてDNA鑑定について教えていただきましょう!
先生は庵(いおり)英俊さんです。

庵さん
「DNAとは生物の体の形を作るための
 遺伝情報が蓄えられた物質です」

佐々木
「人間の中にもあるということですよね」

森崎
「サナとお母さんは同じ所に
 “えくぼ”があるよね?」

裕子さん「そうですね!」

藤尾「それはDNAが受け継がれているから!」

佐々木
「作物の中にも同じ品種だったら
 DNAを受け継ぐってこともあるんですよね」

藤尾
「生産者さんはゆめぴりかやななつぼしを
 作っているとわかっているじゃないですか?
 それでも調べる必要があるんですか?」

庵さん
「取り間違えというのがあるかもしれない…
 先ほど北海道米あんしんネットの中で
 工程管理を色々確認しているが
 最終的なチェックということで
 品種を調べるDNA鑑定をしています」

そしてもう一つの検査がカドミウム検査。
カドミウムは土壌中など自然に存在する重金属で
基準値を超える食品を長期間摂取すると
病気になるおそれがあります。
そこで法律で決められている
基準値以内かどうかをチェックしています。

森崎
「なんか安全安心って言葉に
 重みが出てきた…
 合言葉のように
 『これは安全安心です』と言って
 言葉の意味が軽くなっていたかも…
 けどここまでのことをやっている
 部署があって、こうした下積みがあって
 安全安心という重み
 作ってくれていることがわかりました」

かおりさん
「DNA鑑定までしているとは思わなかったので
 想像以上に細かい検査をしているんだなと
 驚きました」

裕子さん
「手間をかけてやっていることは… 
 出てきている(販売されている)ものは
 安全なんだ!って
 消費者が安心して
 食べられると思いました」 

じゃ~ん、もんすけです!
JAグループ北海道が取り組んでいる
「北海道米あんしんネット」。
そもそも始めるきっかけは
何だったのでしょうか?

ホクレン 駒形剛さん
「北海道米あんしんネットは 
 平成15年から北海道のお米の安全安心を
 わかりやすくお伝えできるような取り組みとして
 その当時、食の安全安心に関する高まりから
 こういった取り組みを行っていこうと
 JAグループ北海道で開始しました」

ホクレンが扱っている
北海道米の袋にあるロットナンバーを
ホクレンパールライス
「ファンファクトリーネット」の
 ホームページにある
「お米の産地を知ろう」のココに入力すると、
産地や製造履歴、お米の品質まで
確認することができるんです。

北海道米の安全安心は関わっている人々が
それぞれの役割を果たし
守っているものなんだね~!


2013年11月16日(土) |  親子でおはぎ作りにチャレンジ~♪

さて次にお邪魔したのは創業56年の
道内大手食品メーカー「サザエ食品」。
こちらのお店では北海道米あんしんネット
通ったお米を使っています。

もちろんお店の一番人気おはぎ
使われているもち米も
100%北海道産にこだわっているんです。
人気商品の秘密が聞けるかも…?
渡辺勉さんにお話を聞いてみよう!

≪サザエ食品 宮の森店≫
住所:札幌市中央区宮の森4条1丁目
電話:011-644-3366
営業時間:9時~19時

■十勝おはぎ(粒あん)1個147円

渡辺さん
「およそ40年ぐらい北海道産のもち米を
 使っています。柔らかさが長持ちするので
 食べたときの食感がすごく良い!のと
 品質も良い!
 北海道のもち米は“もち米団地”といって
 もち米だけで作っているので
 余計なものが入らないので非常に品質が良い!
 なのでずっと使っています」

※もち米団地とは…
うるち米など異品種の混入を防ぐため
もち米だけど集団的に栽培する生産方法

森崎
「北海道米あんしんネットはご存知ですか?」

渡辺さん
「はい!知ってます。
 北海道米あんしんネットを 
 通ってきている商品ですので
 安全安心を第一に挙げられる
 と思いますし、
 また品質も高いという部分で
 北海道産もち米を使ってます」

おはぎ作りのスペシャリスト久保田真澄さんに
おはぎの作り方を教えてもらおう~

森崎「作って何年ですか?」

久保田さん「約20年です!」

藤尾「大ベテランさんですね」

サザエ食品のおはぎは、
もち米50g/あんこ50gが黄金比。
手作りしている店舗もあるということ!

ではサザエ食品流おはぎの作り方を
見てみましょう!

佐々木
「(左手にもち米を)約50gとったんですね」

久保田
「(右手であんこを)すくいあげた時点で50g。
 手のひらに乗せた時に…押します!
 あとは(手を)壁のように包み込んでいきます」

では親子でレッツおはぎ作り!

サナは裕子お母さんから
しっかり作り方を教わっています…

佐々木「優しいお母さんだね」

森崎「お母さんってすごいね~」

なかなか上出来!
それでは、みんなでできたてを
いただきま~す♪

コウタ「うん!うまい!」

かおりさん「かたくないです!」

サナ「すっごい、美味しい!」

森崎「あら~良かった~」

森崎
「どっかに信頼を置かなきゃなんない。
 その信頼が今日オープンになった時に
 ピカッと眩しかったですね。
 そこまでやって下さっていたんだって!」

コウタ
「自分たちが食べる前に
 検査をしてくれていたり
 努力している人のことも考えて
 ちゃんと食べていきたいと思いました」
 
裕子さん
「商品で並んでいるのしか分からないから
 (販売までの)過程を見れて
 とても勉強になりました。
 品質チェックもあんな風にやっていると
 思ってなかったので勉強になりました」

週刊あぐりニュースの時間です。
今日はJAめむろからビデオレターが届いています。
≪第32回めむろ収穫感謝祭≫のお知らせです。

JAめむろ青年部
「あぐり王国をご覧の皆さんこんにちは。
 私たちはめむろ収穫祭実行委員会です。
 11月23日(土)午前9:40から
 収穫祭をJAめむろで行います。
 このお祭りは豚汁1000食無料配布、
 特産馬鈴薯マチルダ詰め放題、
 そのほか屋台や楽しいアトラクション、
 大抽選会と盛りだくさんです。
 皆様のお越しをお待ちしております!」

めむろのみなさん、
元気いっぱいのビデオレター
ありがとうございました!
あぐりニュースをご覧のみなさんも
ぜひ足を運んでみてくださいね!

以上、週刊あぐりニュースでした。
 
≪第32回めむろ収穫感謝祭≫
日時:11月23日(土)9:40~14時
場所:JAめむろ本部事務所 東側特設会場
   (芽室町西4条南1丁目)
問い合わせ:
第32回めむろ収穫感謝祭実行委員会事務局
電話:0155-62-2313


2013年11月09日(土) |  ♯266 北海道の良質な作物を支えてきた土地改良編

森崎
「新篠津村の田園風景には
 心洗われるね~」

佐々木
「道内有数の米どころでもありますよね!」

森崎
「通り過ぎるだけでも
 この辺はお米がスゴイって印象深いです」

藤尾
「田園風景も広がってますし
 新篠津村に来たなって感じがします」

佐々木
「今日はこの新篠津村が米どころ
 になった理由歴史を学びます」

森崎・藤尾「…」

森崎「難しそっ!!!」

佐々木
「新篠津村が米どころになった理由と歴史
 そして道内の作物生産も支えている仕組みが
 この田んぼの地中にある!!
 ということでみんなで勉強したいと思います」

森崎
「えっ!地中ですか?
 そんな農業番組、聞いたことない!」

土の中に秘密が!? 
今日はその知られざる事実に
みんなで学んでいきましょう!

ではさっそく一緒に勉強してくれる
あぐりっこのみんなです!

森崎
「みんなは田んぼにゆかりがあるんだよね」

佐々木
「今日集まってくれた4人は
 お米に関する取材の回で
 出演してくれたあぐりっこです」

今回のあぐりっこは、
今年美唄市で「おぼろづき」の米作りを
体験した5年・杉上水涼(ミスズ)ちゃん、
2011年岩見沢市で「ななつぼし」の米作りを
体験した6年・遠藤美沙希(ミサキ)ちゃん。
2012年道南で「ふっくりんこ」の米作りを
体験した6年男子行部匠哉(タクヤ)君と、
合田捷人(ハヤト)君。

過去のあぐり王国で、
田植えから稲刈りまでを体験した4人です。

森崎
「今日は収穫が終わった田んぼに来て
 お米じゃなくて土の中を勉強します」

佐々木
「実はここは昔々は湿地帯だったんです。
 湿地帯、わかるかな?
 おがいっぱいあって
 ジャブジャブしていたんです」
 
森崎
「ホラやってごらん!ベシャベシャ

みんなもベシャベシャリアクション。

佐々木
「例えばなんだけど向こうを見てくれるかな?
 田んぼと違う風景が広がっているよね。
 実はここはぜ~~んぶ
 あんな風景だったの昔は!

森崎
「ああいう草が茂ってます…
 では地面はどうなっていますか?」

佐々木
「水分が多くてジャブジャブなんです」

佐々木
「でもねそういう土地が今は
 しっかりとお米がとれる土地になりました」

森崎「なったんだなあ~」

藤尾
「それが意外でした。新篠津村は
 お米を育てるのに適した場所だから
 米どころだと思っていたら違った!

佐々木
「今日はお米を学んできたみんなだからこそ
 知識を深められる30分になると思います!」

森崎
「よし、やるか!番組は30分だけど
 取材は8時間ぐらいやるぞ!」


2013年11月09日(土) |  かつてこの一帯は泥炭地だった!
新篠津村一帯がなぜ米どころに発展したのか?
その秘密を探るため一行が向かったのは、
農業用水路などを維持管理している
『水土里(みどり)ネットしのつ中央』
「泥炭(でいたん)地資料館」。
館長で北海道大学名誉教授の
梅田安治さんに詳しくお話を伺います。

さて資料館に入ると黒い物体が
ゴロンゴロンと並んでいました。

森崎「何だ何だ。土?泥?

梅田館長「これが泥炭(でいたん)!

森崎「なんですか?泥炭って?」

梅田館長
「見た目は土かねんどみたいですけど
 実はぜ~んぶ昔の植物です。
 植物が腐りかかってそのままずっと
 水の中で積み上がってきたんです

『泥炭』とは湿地などに繁殖している
植物が枯れたあと、
長い間分解が進まず堆積したもので、
多くの水分を含んでいます。

森崎
「土だったら(触ったら)ボロボロになる…
 これはボロボロというより
 ベチャベチャです~粘土みたいな感じ!」

藤尾「湿っているんですか?」

森崎「なんか壊れていくって感じ」

藤尾「ホント。繊維が絡み合っている」

ミスズ「さけるチーズみたい」

森崎
「男子2人でこれを持ち上げてみて」

梅田館長「気を付けてよ」

いざ持ち上げようとすると…
タクヤ「重いっ」

森崎
「たっぷり水分を含んでいるから重いんだ」

梅田館長
「50年ぐらい前に新篠津村に来た時
 長靴で歩きました…
 その時に長靴に紐を付けて
 その紐を引っ張って足を上げました。
 そのぐらいこの辺は湿った土地だった」

かつて足がぬかるほどの
泥炭地帯だったという新篠津村。
その泥炭層は数千年もの歳月をかけて
できたものなんです。

森崎
「これは土の断面を見ているんですね」

これは泥炭モノリスという
堆積した泥炭の標本です。

森崎
「泥炭はすごい地中の奥深くにあるの?」

梅田館長
「この辺は3~5メートル

藤尾
「けど、それだけ積み重なるってことは
 すごく昔の土ってこと?」

梅田館長
「一般的に言うと1年に1ミリ積もる 

森崎
「1年に1ミリずつ植物の残骸が
 どんどん溜まっていった…」

梅田館長「だから5メートルなら?」

森崎「5000年だ!!」

あぐり一行「へえ~(息をのむ)」

梅田館長
「新篠津村一帯は5~6000年前から
 泥炭地が出来始めてきた…」

森崎「地球のスケールを感じるね」


2013年11月09日(土) |  地中の水分を排水する暗きょとは?

水分を多く含んでいる泥炭層に
作物を植えても育ちません。
そこであるものを泥炭層の上に
運んで来たのです。

梅田館長
客土(きゃくど)と言って
 いわゆる普通の土ですね。 
 山の土やねんどを入れて畑として 
 使えるようにしたんですね」

藤尾
「ここの上の部分は他から持ってきた?」

梅田館長
「他の土を持ってきた。 
 このおけげで農業は成り立っている!」


そしてさらに泥炭地を良質な農地に
変える仕組みがあるということで、
見せて頂きました!

藤尾「水槽がある!」

佐々木「これは一体どういうもの?」

梅田館長
「これは土の中にパイプを入れて水を抜く
 ≪暗渠(あんきょ)≫
 水の流れを説明しているんです」

佐々木「暗きょだって!みんな」

梅田館長
「暗渠の≪渠≫は溝って意味ね」

「暗渠(あんきょ)」は、
地中に埋めた土管やパイプなどの水路
田畑に浸透した雨水などの水分を
排水する高度な技術なんです。


梅田館長
「いいですか。雨が降ってきました。
 水が土の中に染み込みます。
 染み込んだのがパイプのそばまで来ます。
 するとパイプの継ぎ目から
 水が入ります

あぐり一行「は~~すごい仕組みです」

藤尾
「新篠津村全体が泥炭地だったということは
 たくさんの水田が今あるってことは
 この≪暗きょ≫がものすごい距離、
 敷いてあるってことですか?」

梅田館長「そうでしょうね!」

タクヤ
「どうやって暗きょを埋めたんですか?」

梅田館長
溝を掘って、
 そこにパイプを並べて土を戻す

藤尾「どれくらい掘るんですか?」

梅田館長
「80~1メートル20センチぐらい」

藤尾「えっそんなに!」

新篠津村では、すでに明治時代から
暗きょ排水の仕組みが取り入れられ、
かつては、その工事を手作業で
行っていたそうなんです。

森崎
「このパイプを埋めるために
 どのくらい大変だったんだろう…
 重機なんてないから…」

梅田館長
「スコップで人力で掘っていた…」

佐々木
「広大な田園風景があるって事は
 大プロジェクトが昔に
 行われいたってことだね…」

じゃ~ん、もんすけです!
泥炭地を改良して道内有数の米どころに
発展した新篠津村。
戦後まもなく食料の増産を目的とした
『篠津泥炭地開発』と言われる
本格的な工事がはじまりました。

石狩川流域一帯の
広大な農地の排水工事のほか、
山などからの良質な土を運ぶ
「客土(きゃくど)」をするなど、
大規模な開発が行われたんだよ。

美しい田園風景が広がる新篠津村一帯は、
こうした先人達の苦労と努力によって
作り上げられたんだね~!

藤尾
「普段食べていたお米は
 そんな苦労をして作ったお米なんですね」

森崎
「田んぼの土の中に
 大人も子供もビックリするような
 秘密が隠されていたとは…

佐々木
「それでこの暗きょで排水された水は
 どこに行くんですか?」

梅田館長
≪篠津運河≫に行きます。
 地区の真ん中に幅50メートルほどの
 水路が掘ってあるから、その中に流れて
 それは石狩川に通じているから
 石狩川に流れていく…」

森崎「篠津運河って有名な所ですか?」

梅田館長
「あれ?超有名!世界的に有名!」

では暗きょの排水が流れていく、
意外と知られていない篠津運河にレッツゴ~!


2013年11月09日(土) |  頭首工に行ってみた~!

佐々木
「新篠津村のお隣・月形町にやって来ました。
 ここからは篠津運河についてお勉強します」


篠津運河について運河の管理などを行っている
北海道開発局・中野利尚さんに詳しく
教えて頂きます。

まずはその篠津運河を見学!!

中野さん
「これが篠津運河です。
 ぱっと見ると川か?と思います」

森崎「みんな何に見える?」

あぐりっこ「川!」

中野さん
「ベチャベチャだった原野の水を
 流している運河です。
 そして最終的には石狩川に通じて行く。
 全長23.4キロほどあります」

全長およそ23.4キロの篠津運河は、
月形町をスタートに新篠津村、当別町、
そして江別市を通り石狩川へと繋がっています。

中野さん
「この川の先(上流)に
“頭首工(とうしゅこう)”という施設があり
 石狩川から田んぼに引くための水
 取ってます」

藤尾「とう…とうしゅこう…??」

中野さん
「さきほどこれは排水路という話もしましたが
 結局、田んぼを作るためにはが必要です。
 その水を供給するための施設のひとつです。
 川にせき止めるような施設を作って
 石狩川からこの篠津運河に水を引いてくる…
 田んぼに水は必要ですから
 そのための水も供給しなければならない。
 その排水と供給の両方の役割
 篠津運河にはあるんです!」

では石狩川に設置された
その“頭首工(とうしゅこう)”を見学!

目の前に巨大な建造物が見えてきました…

藤尾「あんなスケールでかい?」

森崎「もう巨大マンションじゃん!」

中野さん
「石狩川が非常に大きな川なので
 そこから水を引くにはそれなりの規模になる」

石狩川に設置される
『石狩川頭首工(いしかりがわとうしゅこう)』は、
月形町や新篠津村など7460ヘクタール、
札幌ドームおよそ1350個分の水田へ水を供給する
国内最大級の施設なんです。
そして今回特別にその中を案内して頂きました。

 

足元の網目の鉄格子から
悠々と流れる石狩川を見下ろせます。

藤尾「うわあ~高い!」

佐々木「ちょっと下、すごい…」

中野さん
「ここで20メートルあると思います」

あぐり一行「ひえ~~」

森崎「たけ~~」

ハヤト「下みたらダメだ!」

森崎
「足元がちょっとこわいね…」

タクヤ「下みたら怖くなる」

藤尾「だろっだろっ」

さて石狩川を正面に見てみましょう。

森崎
「いや~すごい景色だね。あれは?」

中野さん
「篠津運河とあわせて作った(旧)頭首工です。
 古くなって新しい頭首工を作り直したんです」

石狩川頭首工から見る雄大な景色と
そのスケールを体感したところで、
一行は続いての場所へ…


2013年11月09日(土) |  暗きょ工事潜入!貯水・排水を管理する!

さてここからは実際に暗きょ工事を
見学させてもらいましょう。
ご説明していただくのは北海道石狩振興局の
井上秀治さんです。

藤尾
「奥のほうもずっと…すごい広い範囲だ」

森崎「この敷地、全部やるんですか?

井上さん「全部やります」

井上さん
「今動いているのは
 暗きょ排水の溝を掘る機械です」

森崎「あのホースは?」

井上さん
「あれが暗きょ管です。
 排水の溝を掘った後に
 暗きょ管を埋めているんです」

藤尾
「ってことは掘り出されている
 黒い物体は?」

井上さん「泥炭(でいたん)です」

トレンチャーと呼ばれる機械で埋めているのは、
合成樹脂で作られた長さ4メートルのパイプ。
無数に空いた小さな穴から
を浸透させて排出します。

溝をのぞいてみると…

森崎「もうパイプが入ってる~~」

佐々木「結構、深い!」

藤尾「ホントだ!綺麗に掘れてますね」

さてこの暗渠溝はどの位なのか
高さを測ってみると…

森崎
15センチしか幅がないのに
 90センチも掘ってる!」

パイプをひいたあとは排水性に優れた
火山礫(かざんれき)と呼ばれる
特殊な土を溝に流して埋めていきます。
こうして地中に埋めたパイプの中を
水が流れて排水されます。
いったいその水がどのように流れるのか
実際に見せて頂きました!

さてここで井上さんがあるものを
引っ張り上げました。

藤尾
「井上さんが何かを引っこ抜いたら
 出てきた~~

大量の水がドパーっと出てきました。

井上さん
「これはなんです。
 お米を作るときは水を張りますよね。
 その時に水が抜けていくと困りますよね。
 その時にはこれで弁を止めるんです。
 畑の時には水が溜まると困るので
 弁を開けておくんです」

森崎
「弁を開けるとこんなに一気に出るんだ~
 排水おもしれ~」

この水田では暗きょ排水工事のほか、
いくつかの水田を一つにして、
大きな区画に広げる工事も行い、
生産性の向上を計っています。

明治時代から現在に至るまで
土地の改良工事は続けられているんです。

森崎
「先人からずっと取り組み続けている
 ことじゃないですか~」

井上さん
「そうですね。歴史の一部を私たちが
 やらせてもらっている…」

森崎
「研究・設備そして農家さんのみなさんの
 たゆまぬ努力で私たちがいただくお米が
 おいしくなっていく!
 すごいことを今日は学んだね!」




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