奥深い風味を楽しむ日本古来の食文化、 味噌汁。 味わいの基本となる味噌は、 1000年以上も前から 日本人の食と健康を支えてきた 発酵食品であり、 「味噌を買う家は蔵が建たぬ」 と言われるほど、 それぞれの家庭で当たり前のように 作られていました。しかし、現状は…
インタビュー 「市販の味噌を使ってます」 「スーパーで安めの味噌を買っています」 「味噌までは自分で作りません」 「大変そうなので作ったことはありません」
現代の味噌事情は手作りではなく 購入する方がほとんど。 その作り方はもちろん、 優れた栄養価を皆さんは知っていますか?
天使大学看護栄養学部 荒川義人教授 「大豆は畑の肉と言われています。 それはタンパク質という成分が豊富で 栄養面でも優れているから。 しかも最近の研究で大豆のタンパク質は ■△を下げてくれることが分かってきた!」 今回のあぐり王国は無添加の手作り味噌に触れ、 発酵食品ならではの美味しさや栄養価など、 日本伝統の調味料味噌の魅力に迫ります。
佐々木「今日は味噌です!」
森崎「基本じゃないですか」
佐々木 「おばあちゃんが家で味噌を作っていたので ずっと手作り味噌を食べて育ちました」
森崎 「実はボクも今年やろうと思っています! 味噌を習って個人的に帰ります!」
では一緒に学んでくれるあぐりっこです。 今回の初参加の6年生ふたり。 みんなを楽しませることが大好き! 好奇心旺盛な堀田晴斗(ハルト)君と、 目標は農業高校への進学! 北海道農業についてたくさん知りたい 半澤拓武(タクム)君です。
森崎「味噌汁、好き?」
あぐりっこ「はい!」
森崎「何の味噌汁?」
ハルト「なめこです!」
タクム「豆腐です!」
佐々木 「今日は旭川市の東旭川に やってきました。 こちらには旭川市街からも わざわざ買いにくる人がいるという 大人気の味噌があるそうなんです」
あぐり一行「へええ~~」
早速あぐり一行は大人気の味噌を 販売しているAコープ東旭川店へ やってきました。
ここで味噌についての詳しいお話を、 JA東旭川の加藤麻衣子さんに 教えていただきます。
加藤さん 「こちらが兵村味噌(へいそんみそ)と 呼ばれる人気の味噌です」
佐々木「兵村ってどういう意味?」
加藤さん 「上兵村・下兵村と言った地域名があり “兵村”と名付けました」
加藤さん 「昔ながらの製法で作られていまして 無添加で体に優しい味噌に なっています。 ほのかに甘くクセのない まろやかな味になっています」
兵村(へいそん)味噌は、 地元産の大豆とお米に こだわって作られた商品。 独特の風味と食感が特徴ということで、 試食をさせていただきました。
ハルト「ポロポロしている」
タクム 「食べた後に甘みが出ている気がする」
藤尾 「大豆の粒以外にやわらかい食感が別にある」
佐々木 「まろみのある甘みのある味!」
森崎 「このツブ感ですよね。 麹(こうじ)…というか米ですね! 米をものすごく感じる味噌です」
藤尾 「ここまで米の感じが残っているのは 珍しいかもしれないですよね」
加藤さん 「ところが高齢化などで惜しまれつつ 解散することになってしまったんです」
森崎「え~解散しっちゃったの?」
加藤さん 「ええ。ですが味噌のお問い合わせが 農協にいっぱいきまして…」
加藤さん 「そこで“こんなに愛されている味噌を 絶やしてはいけないな…” と思いまして、JAの加工事業として 引き継いでいます」
森崎「素晴らしいじゃないですか!」
森崎 「その人達じゃなきゃ出来ないこともあるけど それを次の世代がちゃんと引き継ぐ! そして受け継いだものを出す… スバラシイ(ガッチリ握手!) 作っているところを見られます?」
加藤さん「はい!」
さっそく兵村味工房にやってきました。
白衣と帽子、そしてマスク… 味噌作りの繊細な作業とはいったい何なのか。
森崎「完全武装ですよ」
加藤さん 「そうですね。 これからやる作業は本当に繊細なので…」
森崎「これはなに?」
あぐりっこ「おコメ?」
加藤さん 「こちらは麹の出来上がりになります。 蒸し上がったお米に麹菌を混ぜ合わせて 繁殖させたものです」
佐々木 「私達この取材にむけて “あるモノ”を食べないでくださいって 言われたんですよ」
森崎 「納豆とヨーグルトを昨日は 食べないでと言われました」
加藤さん 「この麹菌は他の菌に弱いので マスクをしても多少は漏れる場合もあるので」
藤尾「なるほどね~」
佐々木 「お米はどんなものを使っているのですか?」
加藤さん 「地元の東旭川でとれた 『ななつぼし』を使っております」
森崎「特Aランクじゃないですか~!」
藤尾「(麹)菌も幸せですね!」
昔ながらの味噌作りは、 大豆・麹・塩だけで作るのが基本。
兵村味工房では添加物を 一切加えないのはもちろん、 原料の麹からすべて手作りしているのです。
まずは麹作りを学びましょう。
加藤さん 「蒸し上がったお米です。 こちらに麹菌を加えて混ぜます」
サラサラと麹菌を振りかけ ほぐしながら冷ましていきます。
加藤さん 「麹菌は60度以上になると死滅してしまうので」
お米を混ぜるにもポイントがあります。
兵村味工房 西島さん 「米にキズを付けるようにして 麹菌をなじませるんです。 うわっつらでやるんじゃなくて シッカリやります」
森崎「わざとなんだ~」
あぐりっこもゴシゴシやってみました。
西島さん「いい感じですよ」
森崎「これだけでいいの?」
西島さん 「明日の午前、午後に反転させます」
藤尾 「麹を作りのに何日かかるんですか?」
西島さん 「米とぎからいれるから4日です」
藤尾「うわ~大変だ」
麹作りを学んだあとは、 いよいよ味噌作りへ。
加藤さん 「大豆が煮上がったところです」
森崎 「うわ~ホクホクだなああ」
加藤さん 「地元産のトヨコマチと言う品種で とても甘みが強い大豆です」
森崎「煮汁どうするの?」
加藤さん「味噌を練るときに使いますよ」
甘みが特徴のトヨコマチを頂くと…
ハルト 「甘い風味が出ています! 食感はやわらかくて… すぐに溶けるっていうか壊れちゃう!」
森崎 「優しい~ほのかな甘みも感じるね」
兵村味噌は“煮た大豆”と“蒸した大豆”を 合わせて作るのが特徴とのことで…
加藤さん 「蒸した大豆は味が違いますよ」
ハルト君、食べ比べをすると― 「こっちは実がしっかりしていて かんでもポロポロ崩れないで ギュッとしている」
藤尾 「同じ大豆を使っていても 手の加え方で若干味が変わってくる。 さっき味噌をいただいたときの バラエティな味わいは多分この違い?」
加藤さん 「大豆の食感と麹の食感ですね」
広げた大豆に大量の麹が投入!
ザバ―
藤尾「麹ってこんなに入れるんだ」
加藤さん 「大豆と麹は1:1ですが 少し麹が多めに入っています」 藤尾「半分はお米なんだ」
あぐりっこ「知らなかった!」
底からしっかりと撹拌。
あぐりっこもなかなかですよ。
次に煮汁を入れます。
加藤さん「煮汁がつなぎの役割をします」
煮汁が入るとズッシリと重くなります。
みんなで力を合わせてコネコネコネ…
森崎 「味噌、重っ! 味噌作りって団結しますね。 もう豆にむかって真剣勝負!」
このように滑らかになるまで 味噌を練ったら樽に詰めていきます。
加藤さん 「空気を抜きながらボールを作って下さい」
森崎「ハンバーグ作るみたいだ」
ペチペチペチペチ… 味噌ボールを作ります。
藤尾「なぜ空気を抜くんですか?」
加藤さん 「樽に入れる時に空気を抜かないと 腐食してしまったりするんです」
身体全体を使って味噌をまぜ 最後は力いっぱい樽に向かって 味噌ボールを叩きつける! 思っていた以上に体力勝負の味噌作りに…
タクム「疲れました…」
森崎「疲れた顔してるもん(笑)」
現在、JA職員へ技術指導などをしている 兵村味工房の元代表、西島八重子さん。 兵村味噌という伝統のバトンを渡した方です。
森崎 「若い世代が引き継いだっていうのを どういう想いで見ていますか?」
西島さん 「ものすごく心強いし 今後も続けてもらえることに期待してます。 世代が代わっても続け頂きたいですし 私達もできる事は協力させて頂けたら…」
森崎「改めてやってみてどうですか?」
加藤さん 「本当に大変な作業だなって思いました。 今まで続けてこられたみなさんは 本当にすごいなと思いました」
森崎 「こんなに素晴らしいものが 消えずにすみました… ありがとうございます」
じゃーん もんすけです! 味噌作りや麹作りなどを積極的に 行っているJA東旭川。 JA職員による加工品販売のほか、 農業経営にも取り組んでいるんだよ。
JA東旭川 広田拓也さん 「JA東旭川では2011年より 農地の維持や生産基盤の構築、 担い手の育成などを目的とし 遊休農地を利用した 農業経営を行っています。 当初の見よう見まねだった作業から 今では技術も向上し、 兵村味工房で使用している 大豆「トヨコマチ」をはじめ 水稲・春小麦・秋小麦・ソバの 5品目を作付けから収穫まで JA職員で行っています。 JAが農業経営を行うことで 高齢農業者の農地が維持され、 将来的に新規就農希望者が 現れた際に 円滑な経営移譲が実現できると 期待されています」
北海道ではJA東旭川を含めて 2つの例だけと言われる、 JAが自ら農業経営を進めています。 地域農業の活性化や地産地消を進めるために 様々な取り組みを行っているんだね!
その昔「みそは医者いらず」と言われるほど、 健康な生活には欠かせない存在だった味噌! いったい、どんな栄養があるのかな?
天使大学 看護栄養学部 荒川義人教授 「大豆は畑の肉と言われています。 それはタンパク質という栄養分が豊富で 栄養面で優れているんです。 また最近の研究でこのタンパク質が コレステロール値を下げるということが 分かってきました。 それとイソフラボンという成分は 女性ホルモンの働きをします。 高齢の女性がかかりやすい骨粗しょう症には しっかりイソフラボンをとっていれば かかりにくいことが分かっています。 また出来上がった味噌は褐色です。 発酵・熟成の段階で反応がおきて メラノイジンという色素ができます。 この成分が体の中で酸化を抑えてくれます」 味噌ってスゴイな! でも塩分の取り過ぎには注意しようね!
では兵村味噌を使った3品をいただきます。
地元産大豆“トヨコマチ”の豆腐と 千本ネギの「味噌汁」。 そして東旭川ブランド米に兵村味噌を塗った 「焼きおにぎり」と、 ニンニク練り味噌で味わうポークステーキです。
※詳しい作り方はレシピコーナーへ!
タクム 「すごく美味しくて… すぱっぱっぱっぱっぱって いけます!」
美味しくってぽんぽんいけちゃう! ってことですよ~
ハルト「うん…うまいです」
森崎 「しっかりした食感! 味噌のチカラすごい」
藤尾「これビンでください」
では味噌汁にいきましょう。
ハルト「いやあ~うまいです」
タクム「はあ~落ち着く…」
森崎 「なんで味噌ってこんなに 落ち着くんでしょう。 また身体に間違いなくいいものですよね」
西島さん 「味噌汁の一杯が一日を力づけて 仕事できるなって感じがします」
森崎 「でもさこれさ、もしかしたら 食べられなかったかもしれないんでよ。 加藤さんたちが立ち上がって 受け継がれたから 今、僕たちは食べられてるんだ。 今度加藤さんが私辞めるって言ったら どうする?」
ハルト 「身体を張って引き止めます!」
出演者もスタッフも大爆笑~♪
藤尾「頼んだぞハルト!」
佐々木「頼もしい」
藤尾「何がなんでも引き止めてな」
最後に…お母さんたちの息ピッタリ♪ 全く無駄のない動きの 味噌作りの様子を見て―
タクム「息があってる!」 森崎「すごい早いっ!」
佐々木「お姉さま方はカッコイイです♪」
《兵村味噌情報》 ■兵村味噌 800g 575円 ■兵村味噌 450g 380円
お買い求めは- Aコープ東旭川店、ホクレンショップ北部店、 ホクレンショップ豊岡店まで!
お問い合わせは東旭川農業協同組合 Aコープ東旭川店 TEL0166-36-1144 生産部営農販売課 TEL0166-36-2115
また番組の中でもご紹介した 焼きおにぎりとポークステーキですが それぞれ専用のお味噌が 5月頃に商品化される予定です!
手軽に美味しい一品がこのお味噌で あっという間にできちゃいますよ。 ぜひお試しくださいね。
■味みそ 兵村味噌を使いほどよい甘みと しょっぱさが絶妙に美味しい 焼きおにぎりに最適な味噌です。 ご飯だけでなくお豆腐や野菜につけても 美味しくいただけること間違いなし!
■ニンニク味噌 兵村味噌を使い、 ニンニクと生姜が食欲を誘う お肉に合う味噌です。 兵村こうじで作った醤油糀も入っており、 味噌に深みを増します。 調味料としてラーメンや野菜炒め等 いろいろご使用いただけます。