シリーズ企画 日本一のタマネギ産地でタマネギを学ぼう! 2回目の今回。 あぐりっこがお邪魔しているのは北見市。 まずは前回のおさらいから!
森崎「覚えていることは?」
アヤノ 「1個のコンテナに入っている玉ネギが 全部で約6000個」
そう!貯蔵庫にあるコンテナには 6000個ものタマネギが入っていて、 前回伺った3月には貯蔵庫内に 900万個もの タマネギが貯蔵されていました!
エマ 「1日の箱詰めが約1万1500箱」
またまた正解! ほぼ全国へ出荷されているタマネギ。 選果場は大忙しでした。
森崎 「JAきたみらいエリアで生産される 玉ネギを1個1個並べていくと…」
あぐりっこ声を揃えて 「地球2周分!」
森崎「そう地球2周分!」
佐々木 「今は玉ネギの産地として有名だけど その前に世界一のシェアを 誇っていた作物があるんですが そのヒントというのが…」
藤尾さんの手の中に隠されたものが その世界一の作物。無色透明の液体で 匂いがヒントなんですが…
「薬みたい」「うがい薬みたい」 「鼻にツーンってくる」 「ミント?」「ハッカ?」
藤尾 「答えはハッカ!エマ正解!」
佐々木 「JAきたみらいの北見市は 玉ネギの前はハッカの一大生産地だった」
1939年頃ハッカの生産量世界一を誇っていた 北見エリア。世界中で消費される70%もの量を このエリアで生産していたんです。 実は日本一のタマネギ産地になったのには、 ハッカを生産していた事が関係していました。 という事で今回はJAきたみらいエリアの 農業の歴史を学びます
およそ80年前、今の北見市周辺では ハッカを栽培し生活をしている生産者が たくさんいました。 1934年にはホクレン北見ハッカ工場が開業。 ハッカから油を作り世界中に出荷し 世界の70%ものシェアを 確立していたんです。 北見の礎を形成する重要な産業だったのですが 今ではハッカ畑が広がっていたところが タマネギに畑に変わっています。
ということで、そのナゾを探りにやってきたのは ハッカ記念館。施設長の佐藤敏秋さんに お話しを伺っていきます。 まずはハッカとはどんな作物なのか?
葉っぱをすり潰して匂いを嗅ぐと…
リョウスケ 「なんかスーッて鼻を通すようなにおい!」
森崎「目がさえるね」
佐藤さん 「おぎゃーって生まれてから今まで ハッカにお世話にならない人はいない!」
そこで油を冷やし成分を結晶化させた 「薄荷(はっか)脳(のう)」と その残りの「薄荷油(はっかゆ)」に分けるのです。
佐藤さん 「ハッカは世界中にあるんですが 日本とヨーロッパでは大きな違いがある。 それは結晶ができるかできないか。 ヨーロッパのハッカは日本のに比べて (結晶になる成分が)少ないので 頑張っても結晶が取れないんです。 それで日本の結晶がどんどん世界に 買われていったから世界の70%を占めた という時代ができたんです」
佐藤さん 「例えば…田んぼがありました。 田んぼをつぶして畑に使用とすると 大変なんですよ。色んな土を入れて 土壌をかえなきゃいけないでしょ。 だけど玉ネギの場合は ハッカの根っこを全部取ったら 玉ネギが同じ条件で育った。 土をいじる必要がなかった」
森崎 「転換がうまくいったんですね」 ハッカが衰退の一途をたどる頃、 玉ネギの生産地を拡大する動きが盛んでした。 ハッカを育てていた畑を有効的に使える ‘玉ネギ’はハッカ生産者にとって救世主! こうして北見市を中心に タマネギの栽培が増えたのです。
森崎 「運命めいたものを感じますね、 すごいことがハッカクしましたね」
佐々木「ハッカだけに…」
藤尾 「なんでしょうか。 今のダジャレでスキッとしましたね」
森崎「ハッカだけにね!」
ここで雰囲気をかえて…
訓子府町とタマネギ (みなさん弁士のイメージで!)
薄荷の栽培が下火になる中、 生産量を増やしていった作物 それが‘タマネギ’だったのでございます。 北見市の隣町・訓子府町に タマネギ栽培がもたらされたのは1919年。 後に訓子府町のタマネギ栽培の父と呼ばれる 五十嵐林作(りんさく)がこの地域の土に 着目した事に始まります。
林作(カケル) 「この土なら玉ネギ作れっかなあ」
彼は札幌の丘珠でタマネギ栽培の経験を 積んでいたのであります。
林作 「や~いみんな!この玉ネギっていう 外国から来た野菜。 みんなで作ってみない?」
農民1(リョウスケ) 「玉ネギ?玉ネギなんて初めてみたぞ」
農民2(アヤノ) 「なんか面白そう!作ってみようよ」
農民3(エマ) 「よし!作ろう~頑張るぞ~おー」
1935年、本格的に始まったタマネギ栽培。 収穫したタマネギは売れに売れ、 大変高価な値がついたのであります。 訓子府町の農民もタマネギ栽培に熱中!
しかし…
しかし… 第二次世界大戦がはじまり 状況が一変したのであります。 さらに追い打ちをかける出来事が…
農民1「なんてひどい虫なんだ」 農民2「玉ネギが全然だめだ」 農民3「もうやっていけない~どうしよう」
戦争と当時流行した虫の被害で タマネギの作付けが ほぼなくなってしまったんです。
しかし1960年ごろには良い薬が開発され 虫の被害は減り、食事の西洋化により タマネギの需要が大幅に増えます。 もちろん生産量も飛躍的に伸び タマネギブームが訪れるのです。そして…
JAきたみらい 石丸秀人さん 「1963年ごろ生産者が生産組織を作ろう という声がありまして、 昭和38年に訓子府町玉葱振興会が発足され その後検査体制が構築され 貯蔵庫も建てられ玉ネギ生産に 本腰を入れるようになりました」
こうして何十年もの月日をかけて 日本一のタマネギ産地になった 訓子府町を含むJAきたみらいエリア。 現在は500名の生産者がタマネギ産地を 支えてます。
ということで、そのうちのお一人。 前回もお世話になった 小野洋一さんの畑へ伺いました。
佐々木 「前回来た時は雪で真っ白でしたよね。 今はどういう状態ですか」
小野さん 「畑の渇きも順調に進んで 玉ネギを定植(ていしょく)しています」
森崎「定植って?」
エマ 「玉ネギの育苗を…移し替える?」
森崎「移し替えることだ」
森崎 「今年の定植の状況はどうでしょうか?」
小野さん 「土の状況は今までにないぐらい良いですね。 最高だと思います! 君たちが融雪剤をまいた効果だよっ!」
この畑に植えるタマネギは 9月中旬の収穫を目指しています。 そのためには畑に積もった雪を溶かし、 その雪解け水の量が最適な状態で 苗を定植させたいのです。 その水分量というのが…
小野さん 「みんな泥んこ遊びの条件って分かる?」
アヤノ「水がいっぱい!」
小野さん 「そうだよね。 だけどね畑はそれだと玉ネギを植えた後に 根が張れなくなるので逆なんです。 なので土がサラサラしてる状態(がよい)」
森崎「乾燥してるってことですか?」
小野さん「適度の乾燥ですね」
実際に土に触ってみると- アヤノ「サラサラしている」 カケル「普通の砂よりやわらかい」
小野さん 「いかに根を下に張らせるかが大事! これは去年の春まき小麦のカラなんだけど 有機物を使いながら 土の団粒性を作りながら… 土のサラサラを作りながらって 総合的な要素が含まれてこういう土になる!」 森崎 「定植はここに定めるんだって事。 土をしっかり準備のできた状態でなきゃ いけないですよね」
小野さん 「機械で植えることや耕すことが大事じゃなくて その前にどのような条件に整えるかが 農家の技術のだと思いますよ」 藤尾「へ~なるほど!」
とここでリーダーが…
森崎 「ちょっとすごい玉ネギの苗でできた道! 気持ちがいいねえ~」
ゴロンと横になるリーダー。
森崎 「苗の気持ちでさ…いいなあ」
佐々木「今は苗目線ですね」
森崎「あ~気持ちイイ」
伺った頃は定植作業の真っ最中。 一度に4列植えられるというこの機械を使って 苗を一本一本植えていきます。
藤尾 「畑の奥まで約300メートル。 往復600メートル。 どれぐらい時間かけて定植するんですか」
小野さん「20分です!」
藤尾「早いですねえ」
ではいよいよ苗の登場です。
軽トラックがやってきました。
藤尾「銀色の袋に包まれている?」
小野さん 「光を入れないようです。 そして温度を遮断するためです」
チャックを開けると…苗がいっぱい!
15センチほどに成長した苗。 前回から比べてぐんと大きくなっています。
裏返すと根っこがビッシリ!
あぐりっこの苗植え体験! 普段は機械を使って植えますが、 今回は特別に手植え体験をさせてもらいます。
小野さん 「まずはお尻に力を入れます。 あらかじめ(苗を入れる)穴が開いてます。 ここに苗を入れてぎゅっと押さえます」
森崎「いまお尻に力は?」
小野さん「いれました!ギュッギュッ!」
アヤノ「そんなに力を入れて大丈夫?」
小野さん 「葉っぱを押さえたんじゃなくて 土のかたまりのところを押さえています。 入れてギュッと押さえています。 一人一人の植え方次第で秋に収穫する 玉ネギの大きさが変わります」
藤尾「これは大事だよお~」
では定植にチャレンジ!
カケル 「大きい玉ネギになるように頑張ります!」
ではスタート!
小野さん 「白い部分が見えない程度に植えます」
苗を穴に植えてギュッ。植えてギュッギュッ。
風に倒れないように… しっかり根が張れるように みんなで作業しましたよ。
さあ定植完了しました!
「大きくなりますように」
いつも明るく楽しい小野さん。 ご指導ありがとうございました。
さてお次はガラリと場所を替えて…
佐々木 「みなさんご覧ください。 玉ネギを使った加工品もこんなにある!」
JAきたみらい 山原大祐さん 「どれも自慢の商品です」
森崎 「玉ネギ・玉ネギ・オニオン…」
佐々木「どれが気になるかな?」
エマ「おひさまカレー!」
山原さん 「JAきたみらい第一号の加工商品です」
■おひさまカレー(甘口・辛口200g)324円
こちらにはお醤油も…試食してみると。
森崎 「うま味がすごい! オニオンペーストのように凝縮感がある」
佐々木 「皆さんはこうした加工品を開発販売だけでなく 加工品を使った料理の提案もしているんです」
■芳醇 玉葱醤油(356円~2484円)
ということでタマネギの加工品を使って 料理にチャレンジ! 今回はオニオンコンソメを使った だし巻き卵を作ります!
※詳しい作り方はレシピコーナーへ!
《JAきたみらいの加工品について》 詳しい商品については情報は JAきたみらいのホームページまで https://www.jakitamirai.or.jp/
オニオンコンソメを使って だし巻き卵にチャレンジ!
さすが女子! とっても上手に作っていきます…
完成♪
森崎「小学生こんなに上手に出来るの!」
藤尾「上手だ!」
さてお次は男子の出番。先に作った女子が アシストしてくれたのですが…
アヤノ 「(油を)もっと入れていいっ!」
ついには カケルから油を取り上げる(笑 (温厚なアヤノが激変です…)
アヤノ 「もういいよっ!押し込んでっ!」 アヤノの指導でカケルの卵焼きは 素晴らしい出来栄え!
さてリョウスケは? 「残念…」
あらら真っ黒! しかもまさかのひっくり返し失敗!
だし巻卵できました~♪ なかなかやんちゃな卵焼きもあり 驚く完成度のものもあり、 あぐりっこの個性が出た ダシ巻き卵が出来あがりました。 さらに他にもお料理を作って頂きました。
ではリョウスケ。 ちょっと焦げただし巻卵のお味は? 「ちょっと苦味があって… 真ん中が甘くておいしい!」
上手にできたアヤノ。
森崎「うまいよ~」 藤尾「アヤノのこと女将って呼んで良い?」 ※詳しい作り方はレシピコーナーへ!
森崎 「あまり玉葱の加工品って無かったと思う。 きたみらいエリアではこんなふうに お醤油からドレッシング… 色々作っていらっしゃる。 町全体がきたみらいの 玉ネギをPRしてる。 もう大プッシュできるくらいの玉ネギに なってくれたってことですよね。 これから世界一の玉ネギ産地に なっていくんじゃないですか?」
山原さん「なればいいですね!」
あぐりっこの作文より~
『4月29日 今回は玉ネギシリーズ2回目。 みんなで玉ネギの歴史を全力で演じました。 苗を手で植えました。 キツかったけど終わった後はすがすがしかった! おおきくな~れ!』
お・ま・け! 実はあぐりっこたちは 小野さんに再会できるのを ものすご~~く楽しみにしていました。 札幌からの移動のバスの中で 小野さんに手紙を書いたり 似顔を書いたり 折り紙を折ってメッセージを書いたり していたんですよ(自主的です)。
小野さん 「どうしよう…泣けちゃうなあ」
玉ネギの形をした折り紙も…
小野さん「よ~し!ビシビシいきますよ」