佐々木 「今日は本別町にお邪魔していますが ここは北海道立農業大学校(の敷地)」
河野 「これが学校の景色ですか??」
佐々木「緑がキレイですよね」
河野 「なんか白衣着たりとか… なんかリーダーがいないとか…」
佐々木 「そうなんです! リーダーを呼んでみましょう」
佐々木・河野 「リーダー!!!!」
森崎「おおおおお~~い!」
森崎「待たせたな!」
リーダーが乗って登場したのは「運搬車」。 肥料を運んだり、 広い敷地を移動するのにとっても便利な乗り物。 240ヘクタールもの敷地を有する 農業大学校を移動するには 欠かせない乗りものなんです。
ところでリーダーが仰々しく登場したのには ある理由があるんです。
佐々木 「実はここではリーダーを育成 しているんです!」
森崎 「私、ちっとも育成された覚えがないです」
佐々木 「森崎リーダーではなく 21世紀の農業を担う未来のリーダーを ここで育てているんです!」
農業の未来を担うリーダーとは? 今回は驚きのカリキュラムを実践する 「北海道立農業大学校」を探ります。
今回お邪魔しているのは北海道立農業大学校。 農業を志す人のための学校で 69年の歴史があります。
稲作について学ぶ「稲作経営専攻コース」 乳牛や肉牛について学ぶ「畜産経営学科」 そして畑作コース・野菜コースがある 「畑作園芸経営学科」です。
それぞれ2年間、 専門的な知識はもちろん実習授業に大変 力を入れている学校なのです。
森崎 「農業大学校ならではの学ばせ方って?」
増子優子主任講師 「ここに来ている学生の8割は農業後継者として 将来自分の家の酪農なり畑作なり野菜農家なり 継ぐわけです! だから将来社長になる学生たち!」
森崎 「農家が勉強するのは社長学なんだ!」
増子さん「未来の経営者ですから」
河野 「それが未来のリーダーという事なんですね」
ということで校舎にお邪魔してみると 真剣な議論を交わしていましたよ。
学生 「人も余るんで露地除草も入れたいと思った」 「あああ~いいんじゃないかな」
なんか専門用語が飛び交っていますよ。
河野「これどんな状況???」
森崎 「学校側から渡されてやるもの?」
畑作園芸経営学科 野菜コース2年 農場長 荒川雄史さん 「そうではないですね。 あくまで学校の主体は学生たちなので 農場を動かしているのは、あくまで学生。 その補助に先生方がいる」
森崎 「やること多いぞ… 月曜のAMなんて、いくつやるんだよ。 これ出来るんの??」
河野「畑作部!」
森崎「畑作部。大丈夫なの?」
畑作園芸経営学科 畑作コース2年 多田 和樹さん 「けっこうこういうは多いんですけど 人数配置が多くない作業もあるんで けっこう回せます!」
荒川さん 「毎朝みんな各部で集まって ほ場を見に行ったら まだトラクター入れないわとか うまいことづらしながらやってます」
畑作園芸経営学科 畑作コース2年 東海 翔也さん 「人の動かし方なども学ぶので 実践的ですごい良いと思います」
畑作園芸経営学科 野菜コース2年 吉田 皓貴さん 「一週間単位でやっていくと 明日これあるから今日これやろうとか 早めに準備できたり…」
畑作園芸経営学科 野菜コース2年 櫻井 慶さん 「ぼくは元酪農家です」
森崎「…?というのは?」
櫻井さん 「ボクが高校1年の時に離農しました」
河野 「それでも農家になるのを辞めなかった?」
森崎「ズバリ今のあなたの夢って?」
櫻井さん 「ボクは新規就農をしたい!」
森崎「新規就農になるのか」
佐々木「継ぐということではないんですね」
森崎 「なんてシッカリしているんだ!!」
農業大学校では学生それぞれが主体となって 様々な作物の育成管理を行っています。
さっそく荒川くんの実習の様子を 見せてもらいましょう。
実家は酪農・畑作を営んでいるという 荒川雄史くんが研究している 「ベビーリーフ」について どのようなことを行っているのか 教えていただきましょう!
荒川さん 「5種類作っています。 これをミックスさせて売る!」
河野「売るってどういうこと?」
荒川さん 「道の駅で販売しているんです」
三角形のパックに入ったベビーリーフ♪
荒川さん 「パック詰めまで自分でやっているんで 全部自分でやっています」
森崎「商品にして売るところまで…」
荒川さん「自分はそこまでしたい!」
河野 「5種類は育つスピードは同じなんですか?」
荒川さん 「全部バラバラなものを選んでいるんです」
河野 「こうやって一緒に売るのは難しい?」
荒川さん 「それをうまい具合に一緒に 収穫できるようにしている! 腕の見せどころですよね」
荒川君が研究している「ベビーリーフ」 実はちょっとした問題が…
荒川さん 「いま育苗培土を使っていて 良い土ですね。土が良いので… 土代がすごくかさんでしまって なかなか利益に繋がっていない問題がある。 今後は土のコストを どう下げるか?が1番の課題」
森崎 「そういったことも大学で学べたら… 将来有利だよねえ」
荒川さん「有利ですね!」
荒川さん 「先生方に頼るんでなくて 自分が学びたいことを自分で学ぶ、 そして学ぶために何をするか? それがこの農業大学校の良い所だと 思っています。 すごく楽しいですし。 自分の考えで自分で行動して それが結果に繋がれば楽しいです!」
佐々木 「いつの日か我々もお邪魔できることを 願っています」
森崎 「小学生を連れて行くんで! 憧れの農家さんになってください!」
さて続いては畑にやってきました。
佐々木 「畑にやって来ました。 実はプロジェクト実習という 実習事業にお邪魔しようと思います」
河野 「まさに作業してらっしゃいますかね」
森崎「またあれも学生なんだろ?」
河野 「あの様子だけ見れば プロの農家さんだよね」
森崎「もう農家さんですよ」
森崎 「いまはどんな作業をしていたの?」
小野さん「金時豆の種植えです」
森崎 「今日は播種だから大イベントじゃない?」
小野さん 「機械トラブルがあったらまけないで… ちょっと緊張しています」
この日の作業はトラクターを使っての 種まきでしたが 前日にはその準備をしていました―
【前日の様子】 種をまく前に行う「種子消毒」。 強い薬を使って種をコーティングします。 もちろんこの作業も2人が主体となって 行うのです。
表さん 「これが金時豆です。 これに(薬を)いれて シャカシャカ~ってします」
種の準備が整ったら、やっと播種作業。 もちろんトラクターを動かすのも自分達です。 ある程度のトラブルは自分たちで 解決できるように学んでいます。 手際良く進める2人。
トラクターを乗りこなす様子は まさにプロそのもの!
河野 「どうしてこの学校に入ろうと思った?」
小野さん 「自分の家の経営データを持ってきて (授業の中で) 直接当てはめたりできるんです。 そういうところがいいなあと思って」
河野 「“うちの経営甘いわ~”ってことあるの?」
小野さん 「いやもう~ 父親とおじいちゃんは越えられない…」
河野「すごさが分かる?」
小野さん「わかりますね」
佐々木 「生産者が来て話を聞く機会がある?」
小野さん 「十勝中の良い農家が来たり 機械のメーカーに勤めている方が来たりして 直接、先人の話が聞ける」
講演会では指導農業士の資格を持つ生産者が 経営の心構えや信念を伝えてくれます。 さらに農場主としての素養を身につけるため この学校は全寮制なんです。
実は小野さんは寮長さんでした!
小野さん 「今は1年生と同室です。 最初の三か月くらいは1年生に生活を 覚えさせるために一緒の部屋です」
森崎 「どんな農家さんになりたいですか?」
表さん 「農業大学校で学んだ栽培技術を活かして 実家に帰っても色んな作物を作って 規模を拡大してやっていきたいと思います」
じゃ~んもんすけです! 農業大学校では生産者を対象に トラクターの知識や機能を学ぶ 「農業機械高度利用研修」も行っているんだって。
北海道農業大学校 主査 須田耕さん 「初級・中級・上級とランクアップする研修で 中級・上級を履修すると北海道知事から 『農業機械士』『指導農業機械士』の資格が 与えられる研修です」
若手農業者や新規就農を目指す人を中心として、 毎年300人の方が受講しているんだってさ!
酪農関係の仕事に就くために この学校で学んでいる2人。 音田(おとだ)まどかさんは江別出身。 遠藤奈未さんはなんと、 山形県からやってきました。
遠藤さん 「昔から農業をやりたいと思っていて その中でも牛が好きで… 酪農にどんどん興味がわいてきて 酪農を勉強するんだったら北海道が 酪農が盛んなので勉強しに来ました」
森崎「すごい思い切ったなあ」
森崎「将来どうするの?」
遠藤さん 「将来は北海道で就農したいと思います」
森崎「北海道は大喜びだ」 音田さん 「将来的にはご縁があればお嫁さんになって 農家になりたいって夢がありますが 私も最初は雇用就農でいろんな農家を見て 勉強したいと思っています」
森崎 「やっぱり農家さんのお嫁さんがいい?」
音田さん 「女ひとりで新規就農は難しいので… いい人がいたら…(笑)」
森崎 「たとえば選択肢があって 政治家の妻と農家の妻があったら…」
音田さん 「農家の妻ですね!」
河野「即答!!」
今野さん 「ボクは我が家の5代目ですし 地元の農業をもっと盛り上げていくのは 私たちだと思っています」
同じ志を持つ仲間が道内各地にいるのは 心強いという今野さん。 大学校での貴重な2年間が 今の今野さんを支えています。
そして将来農業者になるべく その時間を有意義に使おうとしているのが こちらの2人。 学生だからこそ出来る研究をしていました。
2人は‘牛のエサにハーブを加え、 牛乳の味がどう変わるか’を研究しているんです。
音田さん 「私たち普通の牛乳はあまり得意ではない…」
森崎「そうなの?よくそれで酪農するね」 音田 「それでもやりたいので 私たちでも飲める牛乳を作りたいねって…」
佐々木 「ではハーブ牛乳を飲んでみましょう」
およそ2週間、 通常のエサにハーブを加えた牛のミルク。 実際に飲んでみると…
森崎 「ハーブを感じますね… ハーブが残る反面モタッとするね」
河野 「ハーブを入れたら 爽やかになるんかと思ってた…」
音田さん 「想像と違っていて… もうちょっと試行錯誤して 良い結果に持って行きたいなって!」
ハーブ牛乳はまだ研究途中! 今後は自分達で育てたハーブ使ってみたい!と ヤル気は満々です。酪農家を志す2人にとって この学校での時間はどの様なものなのでしょうか。
音田さん 「ここじゃないとここまで学生に任せて やらせてもらうことは出来ないと思うので それも農業大学校の良さだと思う」
遠藤さん 「どんどんやりたいことが見つかって 挑戦していこうという気持ちがあって 毎日充実していますね」
さてここで農業大学校からお知らせです♪
遠藤さん 「オープンキャンパスが 7月31日(金)と8月22日(土)10時から 行います。 子牛の哺乳体験、作物の栄養診断、 農作業機械のデモンストレーションなど 体験コーナーもあります」
音田さん 「また学食でボリューム満点のランチも 準備をして待っています! たくさんの実習授業やたくさんの仲間たちとの 農場運営が見られるので農業大学校に入校を 考えられているみなさんは ぜひお越しください。農大サイコ~!」 <2015オープンキャンパス> 日時:7/31(金)、8/22(土)10:00~15:00 場所:本別町西仙美里25-1 問い合わせ:北海道立農業大学校 0156-24-2122