あぐり王国北海道NEXT、 放送500回スペシャル!
2008年7月のスタートから、 500回の歴史を刻んできた、この番組が、 ゲストにマルチタレントの鈴井貴之さんを迎え、 2週にわたってお送りする特別企画!
そんな豪華ゲストとともに学ぶテーマは 協同組合!
2016年に、ユネスコ無形文化遺産に登録された、 助け合い精神を理念に、生産者や消費者など、 様々な分野で支え合いながら 経済活動を行う組織。
協同組合の父と呼ばれ、 世界三大偉人の一人としても数えられた人物、 賀川豊彦。 一行は、彼のゆかりの地である、 徳島県鳴門市の記念館を訪れ、 助け合い精神の源となるルーツを辿りました。
そんな賀川豊彦が設立にかかわり、 日本最古の市民生協といわれる、 兵庫県神戸市にある 「コープこうべ」の店舗にも訪れ、 彼の精神を今もなお受け継ぐ、 取り組みにもふれました。
そのほか、組合員同士で買い物補助を行う ボランティア活動など、 協同組合の精神が脈々と受け継がれる 「コープこうべ」。
そして一行は、農業と同じく、 北海道の第1次産業を支える協同組合、 「森林組合」を学ぶため、 道北・下川町へ。 番組史上初となる林業の仕事とは…?
今回のあぐり王国NEXT、 500回スペシャル後編は 組合員の山を守り・育てる森林組合とは? 健全な森林の維持が果たす林業の役割とは!? さらに、北海道農業と食の発展のルーツは ジャガイモ!?道民も意外と知らない、 十勝が誇る偉人の功績とは…?
森結有花アナウンサー 「奥で重機が実際に作業してますよ」
鈴井貴之さん「すごいなあ」
森崎博之リーダー 「何だか番組変わってきたね~」
森崎リーダー 「さあ目の前で… えっ!?それを切るの?すげー」
鈴井さん「えっ!つかんだつかんだ」
鈴井さん 「この太いので樹齢何年ですか?」
下川町森林組合 板橋太郎さん 「48年です!」
鈴井さん 「じゃあ48年前に植林したものですか」
板橋さん「そうです!」
森崎リーダー 「ほぼ同級生です…」
鈴井さん「すっごい…」
豊かな森を維持する仕事「間伐」について 学んだ一行は、 続いて、もうひとつの仕事現場にも、 お邪魔させていただきました。
リーダー 「いやスゲー!こういう事!?」
鈴井さん 「かなりな急こう配ですよ」
リーダー「そうですよね」
板橋さん 「植林の作業をやっております」
鈴井さん 「いやこれキツいぞ。マジ」
間伐とは違い、 作業員が苗木を入れた袋を背負い、 1本1本手作業で植えていくのです。
板橋さん 「一人で約350~400本を1日で植える」
鈴井さん「マジですか…」
森「1日?1日??」
リーダー 「いや~ご苦労様です… これは大変だ」
鈴井さん「大変だよ~」
リーダー「うわ~すごい」
鈴井さん 「うわうわうわ…背中に背負って…」
森「本当だ…」
鈴井さん 「苗木背負って斜面を上がるんだよね?」
森「いや~ん」
鈴井さん「それ大変ですね…」
急斜面を登ること10分。 植林を行う作業員のもとに到着です。
板橋さん 「一息ついたところでやってみませんか?」
ということで、まずはゲストの鈴井さんから。
続いては、森アナ!ですが…
まったく登れない(笑)
鈴井さん 「森さん!そんな面白いこと やんなくていいですよ。 アナウンサーなんだから!」
このあと、何とか無事に終え、 ラストは、リーダーが。
リーダー 「よし!なんか… あぐり王国放送500回の記念植樹って 感じですね。 これからも500回1000回… 1万回くらいいけば、この木が切れますかね?」
板橋さん「そうですかね!」
植林をして、間伐をし、伐採する…。
このサイクルを50年から60年という 歳月をかけて守ることで、 健全な自然環境や水資源を育み、 組合員だけではなく、地域、農業、漁業など、 様々なものを豊かにしているのです。
リーダー「林業の魅力とは何ですか?」
板橋さん 「私たちは今植えたものの 育った結果というのは見れないんですけど 今、私たちが切っている木は 先代・先々代が植えたものを 収穫しているので…
感謝の気持ちを込めながら作業をして 次代に繋いでいく!」
リーダー 「切っているものをバトンで 繋いでいるんですね」
リーダー 「ヌーディーな木が見えますよ」
板橋さん 「ある程度、細い木を機械で削って 丸い状態にします!」
リーダー「あ~皮なしに変わってる!」
鈴井さん「あ~まじだあああ」
乳牛の寝床などに用いられる、 ウッドチップも生産しています。
そしてさらに、コチラでは、 木材から、ある特殊な農業資材も 加工しているということで、 その施設内を覗かせて頂くことに。
リーダー 「うわ~なんか煙出てますよ!」
鈴井さん「熱いんですか?」
板橋さん「非常に熱いです」
中を見てみると…
森「あ~中が黒い!!」
木材から作られる農業資材の原料とは、 「粉炭」と呼ばれるもの。 円柱加工をする際に出る木クズを 炭化させて作るもので、 田畑の土壌改良剤や融雪剤などとして 活用されているのです。
板橋さん「燻している…」
リーダー 「中の木クズは炭になっているってこと?」
板橋さん「そうですね」
板橋さん 「完全に燃やしてしまうと燃えてしまうので…」
鈴井さん「灰になっちゃうよね」
板橋さん 「なので完全に燃やさないように 消しながら… 空気を混ぜないようにして…」
森 「これって火を使う作業じゃないですか? 放っておいていいんですか?」
板橋さん 「これは24時間体制で 火の管理をして…」
鈴井さん「ええええええ」
鈴井さん 「夜中でも誰かいるってことですか?」
板橋さん 「そうです。夜勤の方がいらっしゃいます」
組合員の山林を守り、育てるのはもちろん、 木材加工を通して、農業の手助けも行う 下川町森林組合。
そんな第1次産業同士のつながりについて、 どのように感じているのでしょうか。
板橋さん 「私たちの目的としては 森林所有者さんの利益を 最大限にするのが目的ですが…」
板橋さん 「農業・林業・漁業と それぞれの協同組合という組織で お互い助け合いの精神をもっているので 共存共栄というのでしょうか。 お互いにいい影響をしあえるのは 大変うれしいです」
リーダー 「互助の精神ですよね」
鈴井さん 「いいんだよ。いいんだよ… 君が汚れそうになったら 僕が汚れてあげるよ!」
リーダー「いや別に!何ですか?これ」
鈴井さん 「いいよいいよ… 全部キミたちの尻拭いは僕がするよ!」
リーダー 「重たいなあ…」
森「さてその農作物の畑にやってきました」
リーダー「もうわかっちゃうねえ」
生産者 高橋晶広さん 「馬鈴薯の収穫をしております」
士幌町では、およそ1930haの畑で ジャガイモが作付けされ、 年間およそ8万トンを生産。
近隣の町を含めたこのエリアでは、 加工用ジャガイモの生産が 盛んに行われています。
せっかくなので、 あぐりメンバーも収穫機に乗せていただき、 その作業を体験させていただきました。
リーダー「でてきた!」
鈴井さん 「すごいね。どれだけ埋まってるの?」
森「思ったより辛いです…」
鈴井さん 「これでポテトフライ食べるときにも ありがたく食べられますね」
リーダー 「でかいね~ここに来ているのは 全部士幌町のジャガイモなんですか?」
JA士幌町 宇井康介さん 「士幌町を含めて5農協から送っていただき ちらで管理しています」
リーダー 「近郊の農協から一度集まるわけだ」
この施設では、ピーク時に、 1日最大、150トンものジャガイモが 処理されているのです。
リーダー 「ここではじかれたものはどうなるの?」
宇井さん 「デンプンの原料として使われます」
リーダー「無駄にはならないんですね」
ポテトチップス、フライドポテト、 コロッケ、ポテトサラダといった 様々な用途に加工されるのです。
森 「農作物を加工して付加価値をつける取り組みは 士幌町から始まった…とお聞きしました。 それってきっかけがあったんですか?」
宇井さん 「十勝では有名な方なんですが JA士幌町の元組合長が 農民の暮らしをラクにしたい という考えから こういった加工事業が始まりました」
十勝・士幌町で、 JAが行う農産物加工を学んでいる一行が、 続いて訪れたのは、町内のとある施設。
森 「偉人と言われている方を よく知っている鈴木さんです」
元士幌町議会 議長 鈴木洋一さん 「よろしくお願いします」
森「この場所は?」
鈴木さん 「JA士幌町農業記念館です」
リーダー 「そういう記念館があったんですね」
さらに、その偉人の記念室があるということで、 案内していただきました。
鈴木さん 「ここが太田寛一さんの展示スペースです」
森 「この方が士幌町で加工品などを作り始めた方」
士幌町のみならず、 北海道農業の発展に尽力した人物、 太田寛一(おおたかんいち)。
記念室には、彼が行った取り組みの足跡や 功績などを伝える、 様々なものが展示されています。
さっそくジャガイモからスタートしたと言われる、 JAによる農産物加工のルーツについて 教えていただくことに…。
かつて輸送費が多くかかるような遠隔地の農家や、 貧しく力のない農家などは、 収穫した農産物の買い取りを 満足にしてもらえませんでした。
このため、農家ごとの収入格差が激しく、 貧しい農家は貧しいままでした。
鈴木さん 「今から60年前はね そんなこと考える人誰もいなかったから 大改革ですよね」
リーダー 「すごい、その後も影響を与えてますよね」
太田寛一は、デンプン工場に次いで、 よつ葉乳業の設立にも着手。
現在、道内各地で当たり前のように行われている、 JAが各酪農家から生乳を一括して集め、 乳業メーカーへ販売するという仕組み。 これもまた、 生産者の不平等をなくすために確立させた、 太田寛一の功績だったのです。
北海道大学農学部 小林国之准教授 「1913年(大正2年))に大凶作があって 産業組合というものを自分たちで作って 今年の農業をやるために資材を買ったり お金を集めたりしましょう…と、 特に小林篤一という方がですね リーダーシップを発揮して 地域の仲間を募ってまとめて 生活を作っていくには協同するしかない!と。 今から想像しても 最初の人達の決意・熱意がすごいものが あったんだろうなと思います」
こうした先人たちの苦労と情熱で確立した 協同組合の動きは、 「JA士幌町」や「JAみねのぶ」だけではなく、 全道各地に広まって、 日本の食料基地!農業王国・北海道!が 築き上げられたんだよー
そんな北海道農業を支えるJAは今、 世界から注目されているんだ!
開発途上国の支援をしている JICA(国際協力機構)は 10年ほど前からJAの運営方法を 中央アジアの国々の人たちに教えていて、 そのノウハウは、現地の農業発展のヒントに なっているんだって!
かくして「協同組合」をテーマに学んだ、 放送500回スペシャル。
ラストは、感謝の思いを込め、 リーダーから視聴者の皆さんへメッセージを…
リーダー 「500回も続けさせていただいて たくさん応援してくださる皆様と 北海道農業の従事者、 北海道農業のおかけです。 いつもありがとうございます」
リーダー 「これからもますます北海道の奥行き深い まだ見ていない農業がたくさんあると思うので 1000回、2000回と繋がっていく 番組ですから」
リーダー 「二度と呼ばないで!!」 ---------------------------------- 11月24日のクイズ 「2016年にユネスコ無形文化遺産に 登録された組織は何だったかな?」
正解は「協同組合」でした。