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2018年12月15日(土) | ♯503 ドキュメント企画 北大ホームステイ物語編
>>

2018年12月15日(土) |  ♯503 ドキュメント企画 北大ホームステイ物語編

NA(森結有花アナウンサー)

今月7日、北海道大学。

「生産者も消費者も安いものがほしい」

「地産地消じゃないけど日本で作ったものは
 日本で食べられる仕組み…
 ただそれで日本の消費者が食べるか…」

「どれだけ品質が良いものを作っても
 それには価格が上がっていって…」

「うちらの地域は長イモとか輸出はしてるけど
 それでも中国とかのほうが安いんですよ…
 だから勝つには安心安全なものを作るのが
 一番の武器というか…」


農学部の講堂に集う、学生たちと生産者たち。
日本の農業について熱く意見を交わしている、
この集まりは一体?

さかのぼること、およそ2か月前。
10月6日の朝、札幌の中心部。
バスに乗り込んでいるのは、
北大農学部の学生たち。
8時、バスが出発。
学生たちは、何を目的に、
どこへ向かったのでしょう。
学生
「十勝に農家さんの所に行って
 農家さんの暮らしを体験しに行きます」
十勝。
北海道の…日本の食料を支える一大農業地帯。
その十勝で、農協青年部が中心に進めている
知られざるプロジェクトがあります。
「とかち農業・絆プロジェクト」。
学生の農村ホームステイや、
その後の勉強会を通じて、
生産者と消費者が、お互いに理解を深め、
十勝の農業をより発展させようと、
2012年度から行われている取り組みです。
NA(森崎博之リーダー)
これからご覧いただくのは、
現役バリバリの生産者と
農業の未来を担う学生たちとが結んだ
固い絆の話です!

2018年12月15日(土) |  これからは農業が1番大事だ!
「みなさんはじめまして。
 ようこそ十勝へお越しくださいました!」

十勝地区農協青年部協議会
寺島 達記さん
「折からの台風が接近している中での
 開催となるんですけど…
 一泊二日で十勝の農業の魅力を
 余すとこなく…とはいかないかもしれませんが
 存分に味わって体感して 
 色々持って帰っていただけたらと思っています」

北海道大学大学院 農学研究院
小林国之准教授
「わずか1日の体験でその後の人生が変わった!
 という学生も何人か時々います。
 それが良い方向に行ったか分かりませんが(笑)
 色んな方向に変わるきっかけに
 なるんじゃないかな」

「平田さん長嶋さん。
 受け入れ盟友(農家)は須藤さんです」

学生のグループ分けと、
その受け入れ先が発表されます。
番組では道外出身者の女子学生2人と、
今年初めて受け入れを引き受けた
生産者に注目しました。

「吉田と申します。よろしくお願いします」

更別村の畑作農家・吉田明史さんと、
北大農学部2年の片岡真友美さんと
神山明日香さん。

吉田さん
「ちょっと緊張感がお互いありますけど
 じき何とか打ち明けられると思いますので
 よろしくお願いします」

(リーダー)
生産者の吉田さんにご挨拶が済みました。
片岡さんと神山さん、
この2人も初顔合わせなんですね。
このプロジェクトは
「仲良しグループの思い出作り」の
ためのモノではないんです。
主催者側は、学生と農家それぞれに、
どのようなことを感じてほしいのでしょうか?

十勝地区農協青年部協議会
寺島 達記さん
「学生さんは農業を勉強されているけど
 現場はそんなに見たことがないと思うので
 座学で学んだことと比べて
 現場の感じで新たに気付くことがあるのかな…
 それと盟友の側から言いますと
 逆に盟友はこれが当たり前だと思っているので
 外部から見られて
 あっそうだったのかって、
 はたと気付くこともかるかなと思います」
吉田さん
「今回参加しようと思った
 きっかけとかあったんですか?」

神山さん
「小林先生からメールが来た時点で
 これ絶対面白そうだなって思って
 行こう!と思いました」

片岡さん
「私もメールを見て面白そうだったんですけど
 一人だったら不安だなって…
 応募を迷ってたんですけど
 同じ学科の友達が興味ある!と言っていたので
 一緒に行こうといってきました」

長野県出身の神山さんと、
滋賀県出身の片岡さん。
2人はどうして北海道で農業を学びたいと
思ったんですか?

神山さん
「私は農学部に行きたいなと思って
 それで北大がいいかな~って…
 おっきなこと言うみたいになっちゃうんですけど
 この先一番大切になっていくのが
 農業じゃないかなと思うから。
 そういう関係で自分が何かやりたいなって」

片岡さん
「私は単純に北海道に憧れがあって
 乳製品もおいしいし
 肉類も魚介類も野菜類も全部おいしいっていう
 イメージがあってこっちに来ました!
 食べるのが好きなので
 食べ物系を学びたいな~って進学しました」

吉田さん
「ここが家です。妻です!」

奥様の恵さんと長男の遥紀くん
「寝起きなの!」

吉田さん
「部屋は自由に使ってください」

まだ緊張ぎみの二人…

吉田さん
「ちょっと落ち着いたら仕事しましょう」

二人「…はい…」

さあ!いよいよ農作業の始まりなんですけど、
台風は大丈夫かな…


2018年12月15日(土) |  学校から畑へ飛び出せっ!
吉田さん
「これがビート(てん菜)!あと1~2週間…
 10月最後くらいには収穫するんだけど、
 ビートは日中と夜の寒暖差で糖分が増すから
 できるだけ引っ張って…収穫するんだけど…
 1つ抜いてみましょうか?」

さてトライしてみますが…

神山さん「ん?えっ?ん??」

なかなか抜けません。

吉田さん「大丈夫?」

やっと1本収穫できました。

神山さん
「うおおおお~でかい!すごい大きい」

吉田さん「これが砂糖になります」

吉田さん
「で!なんでカマ持ったかっていうと
 ビョーンと出てるやつ(雑草)があるんだよね。
 それが収穫の邪魔になるから根もとから切る!」

吉田さん
「かなりつらいと思うんで」

片岡さん「歩きづらい…」

吉田さん「これでも葉っぱが元気ないんで…」

片岡さん「なんか雑草が見当たらない」

吉田さん
「なんか収穫とかできればよかったんだけど
 横の畑。黄色っぽいっちゅうか…
 あれが小豆を収穫した後」

実は吉田さん、
この日、学生に小豆の収穫作業を
体験してもらう予定だったんです。
ところが、ある事情で、
前の日にその作業を終えてしまったんです。

吉田さん
「小豆落ちてますね…
 今年は天気悪かったから豆は小っちゃいよね。
 もっと本当は背が大きいんだけど
 小さいし収量も少ないです

神山さん「この黒い模様みたいのは?」

吉田さん
「濡れてカビみたいな…。
 ちなみになんで昨日やっちゃったか。
 ちょっと濡れてるの触ってみて」

吉田さん
「なかなか触ってもパリッといかないしょ?
 乾いていると機械で脱穀すると
バチバチバチって割れるの!」
吉田さん
「だから晴れて乾燥しているときじゃないと
 なかなか難しいの。
 濡れちゃうともんでも全然出てこないからダメ。
 本当は今日、小豆を収穫したかったけど
 この天気だから止めました。すみません…」
小豆は、茎や殻が乾燥していないと、
収穫が難しいんですよね。
その時、雨が降っていないとしても、
小豆が濡れていると収穫はできないんです。
吉田さん
「だから天気をみながら
 例えば今日は曇りだから止めようか?とか。
 一回濡れちゃうとなかなか乾かないし
 濡れすぎるとこっから芽が出るから
 そうなると使い物にならないから…
 だから今時期は天気予報見たりとか
 本当に計算しながら仕事をしてる
小豆の収穫を学生に体験させることは
吉田さん自身が
とても楽しみにしていたんですけど…。
背に腹は変えられません。

2018年12月15日(土) |  納屋で学ぶ小豆の収穫作業

吉田さん「全部小豆です!」

神山さん・片岡さん「すごーい」

神山さん「触っていいですか?」

吉田さん「どうぞどうぞ!」

二人とも「すごーい」を連発。

吉田さん
「あんな鞘に何個かしか入っていないのに
 こんなに…。
 豆も物によって品質・等級が決まって
 値段が変わってきます。
 適期収穫をしていかないとモノが悪くなる!」

吉田さん
「扇風機!ダクトで風を送って乾燥させる。
 うるさいからびっくりしないでね」

ブオオオオオオ

吉田さん
「風が来てるでしょ。これで乾かします」
吉田さん
「これが豆の収穫期。
 豆を拾ってこの中で脱穀して
 このタンクの中に豆が入ります。
 本当はこれを見せたかったんだけど…」

吉田さん
「たまたま豆がありました。
 さっきベチャベチャだったでしょ。
 これ乾燥している豆」

片岡さん「割れそう」

吉田さん
「ちょっと揉んだだけでパラパラっていくしょ。
 今まだ雨降ったりして空気湿ってるけど
 いつもなら触っただけでバリっといきます!」

小豆の収穫は体験できませんでした。
でも、貴重な話をたくさん聞けたし、
何よりホームステイというイベントが
あったとしても、
最優先するのは作物の品質だという、
生産者の心意気。
こちらは多いに伝わったんじゃないでしょうか。

吉田さんの畑は、およそ48ヘクタールの広さ。
ビート、豆の他にジャガイモや小麦なども生産。
機械化を進めて、基本的に吉田さんと父親の
2人で農作業をしています。
(リーダー)
なるほど。十勝らしい大規模機械化農業ですね。
ちなみに更別村は、総面積のおよそ7割が農地。
そして、農家1戸当たり4台を超えるという、
日本有数のトラクター所有台数を誇ります。
さて一日の作業が終わりました…

神山さん「この黄色いのって何ですか?」

恵さん
「カボチャ団子!イモ団子のカボチャバージョン」

吉田さん
「今日は疲れた?
 あまり作業はしてないと思うけど
 二人が満足してくれたかなって。
 あまり仕事なかったから心配なんだけど…」

片岡さん「すごい大満足です」

吉田さん
「他の家はなんか一労働力として働いてる!」

吉田さん
「親の時代から比べたらラクになってる。
 小っちゃいときの思い出とかあるけど
 あのまんまだったらねっ
 農家やってないかもしれない!」

「嫁に来ない!」

神山さん「あははは」

こうして、ホームステイ初日が終わりましたが、
この夜、天候が悪化しました。

吉田さん
「明日は何もできない前提なので
 うちのジャガイモ・メークインを使って
 イモ団子みたいなの作って…
 ピザなんかも作れたらいいかな!」


2018年12月15日(土) |  雨の日の過ごし方もちょっと贅沢な気分に♪
翌朝、前の晩からの雨が降り続いています。

片岡さん「でかいですね」

恵さん「これがメークインの形なの」

片岡さん「イモ料理だったらどんなの?」

恵さん
「煮崩れしづらいからカレーとか煮込み料理!」

片岡さん「肉じゃが?」

恵さん「そうそう!

吉田さんの畑で採れたじゃがいもで、
いも団子を作ります。
いもモチという名前の方が、
ポピュラーかもしれませんけど、
十勝地方では「いも団子」と呼んでいるみたいです。

片岡さん
「みなさんイモ団子作るんですか?」

恵さん
「作る!買うもんじゃないもん。作るもの!」

吉田さん
「親のほうからくるんだ。作ったからって!
 けどとんでもない量が来るからさ!(笑)
 食べれないよと思って(笑)」

恵さん
「1個2個茹でてつぶして丸めて
 お味噌汁に入れたりカレーに入れてもおいしい。
 少ないんだったら電子レンジでもできる!」

片岡さん
「前やった時、電子レンジでやってみた」

いも団子のほかに、
十勝の野菜やチーズをたっぷり乗せた、
ピザも焼いてもらいました。おいしそう!
吉田家では雨の日、
このように有意義に過ごしているようです。

吉田さん
「どうぞ召し上がりください」

片岡さん「おいしいです。イモ感ある」

神山さん
「ジャガイモの味がしっかりしてます」
こうして、天気に恵まれない中、
1泊2日の農村ホームステイが終わりました。

翌日。帯広で「退村式」が行われました。

なんだかんだと、あっという間の2日間でした。
それぞれ何を感じてくれたんでしょうか?

生産者さん
「ぜひこれからも農業の応援団でもいいし 
 実際に働いてくれてもいいし
 ぜひこれからも活躍してもらいたいと思います」

「作業が終わった後に色々話をしたら
 みんな将来のことに関して
 すごく考えているんだなって。
 僕ももっともっと農業に関して
 考えていかなきゃいけないなって感じました」

吉田さん
「こういうホームステイを受け入れるの苦手で…
 どうしようかなと直前まで悩んだんですけど、
 なので今朝まで緊張して気持ち悪くて。
 でも車で着いたときに早かったなあって。
 二人に言ったらあっという間でしたねって
 言ってもらえたんで。
 楽しめてくれたかなって…
 自分も楽しめたんでよかったです。
 これから地元に戻ってなかなか更別産って野菜
 みること少ないと思うんですけど
 ジャガイモとか砂糖とかみたら思い出して
 頑張っているなっていうの思い出してもらって
 少しでも農業を応援してほしいなと思います。
 ありがとうございました」
最後はみんなで集合写真!
吉田さん
「次12月に行きます! 
 その時は宜しくお願いします」

神山さん
楽しかったです!
 いろいろ話ができて
 いろいろ聞けて、来てよかった」

片岡さん
「本当にあっという間の二日間でした。
 農家さんらしい農作業は
 全然できなかったんですけど
 農作業をしてない時は何をしているか、
 本当に農家のありのままの姿
 体験させていただくことができて
 本当に楽しかったです」 

吉田さん
「色んな話ができたので
 自分の知らないこともたくさんあったんで
 よかったな。楽しかったです」
十勝では一旦お別れです。 
2か月後に今度は札幌で勉強会です!

2018年12月15日(土) |  絆を農業の未来にかえていこう!
12月7日、北海道大学。
とかち農業・絆プロジェクト、事後学習会。
今度は十勝から受け入れ農家が
札幌にやってきました。
吉田さん
「自分的によかったなって思います。
 奥さんもバタバタしてたけど
 楽しかったな~
 また受け入れてもいいかなって話してました」
吉田さん
「二人のおかげだわ。ありがとう」

この日、2か月前を懐かしむために
集まったのではありません。
農業について、それぞれの立場からの意見を
交換するためです。

テーマは「市場開放に負けない農業」。

学生
「生産者も消費者も安いものが欲しい」

生産者
「地産地消じゃないけど日本で作ったものは
 日本で食べられる仕組み…
 ただそれで日本の消費者が食べるか…
 安いほうに目が行っちゃうんじゃないか…」

学生
「安いけど品質のいいものが欲しいって
 わがままばっかり言ってて。
 でも農家が大変なことは知らないし…」

生産者
「うちらが本当の意味を伝えていかないと
 いけないのかなって思うんだよね」
生産者
「やっぱ勝つには安心安全なものを作るのが
 日本は一番の武器というか…」
十勝で親しくなったのも、
生産者と消費者、
それぞれの現実を理解しあったのも、
全ては、農業の未来を
真剣に考えるためのキッカケ。

日本の農業をリードする北海道で、
農業を担う現役バリバリの生産者が、
毎年こんな取り組みを行っているんです。
改めて北海道の農業の未来、
なまら楽しみですね!

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12月8日のクイズ
「冬至の時期に食べ頃を迎えるカボチャの、
 ブランド名は何だったかな?」

正解は「りょうおもい」でした。




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