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2013年03月30日(土) | ♯236 総集編 あぐり王国で学んだこと編
2013年03月30日(土) | 珍解答にリーダーもご満足!?
2013年03月30日(土) | 北海道農業の奥深さを学んで…
>>

2013年03月16日(土) |  ♯234 JA伊達市 震災から2年目の復興の姿編

今回あぐり一行が訪れているのは、
北の湘南とも言われる「伊達市」の物産館。
店内には町の特産品が所狭しと並んでいます。

なかでも今回取り上げるのは…イチゴ。
しかし、ただのイチゴではなく-

佐々木
「東日本大震災で津波の被害を受けた
 宮城県亘理町の皆さんが
 姉妹都市である伊達市に移り住んで
 この土地で作った“イチゴ”が並んでいます」

森崎
「ここに飾ってある皆さんの写真、
 懐かしいねえ~」
 
あぐり王国では去年、海を越えて
北海道の伊達市でイチゴ栽培を始めた
生産者を取材しました。
気候や栽培方法の違いに
戸惑いを隠せない皆さんでしたが
あれから一年、
新しい一歩を踏み出したというのです。

そこで…

河野
「これから皆さんに会いに行くんですね!」

佐々木「1年ぶりです」

森崎「再会ですね。嬉しいですね!」

北海道に移住し伊達市でイチゴ栽培に
奮闘する生産者さんたち。

「伊達市をイチゴの産地に!」

今回は生産者さんが踏み出した
一歩を紹介します。

ロケ地
■道の駅だて歴史の杜 伊達市観光物産館
住所:伊達市松ヶ枝町34-1

今回のあぐりっこは、
宮城県亘理町編の放送回にも
参加してくれたタクヤ君。

一年前の伊達市のイチゴの回に
参加してくれたレン君。

そして宮城県亘理町の回と
1年前の伊達の回の両方に参加してくれた 
ワカナちゃんの3名です。

1年前に訪れたイチゴハウスの前で
待ち合わせ…すると遠くに皆さんの姿が!

佐々木「お久しぶりで~す」

森崎「お久しぶり!1年ぶりです~

走るあぐり一行。

森崎「お久しぶりです~」

生産者さん「こんにちは~」

温かく迎えてくれた皆さんに、
ちょっとした変化が…

森崎
「お久しぶりなんて挨拶しましたが
 初めてお会いする方も 
 いらっしゃいますね…」

 

佐藤長市さん
「人恋しくなったんだか…あの…
 追っかけてきました!

そうです!佐藤さんの奥様の恵里子さんが
去年4月から伊達市に移住
されてきたのです。

森崎「北海道の印象は?」

恵里子さん「雪が毎日降るんで…(驚)」
 
森崎
「今年は雪がスゴイですねって
 去年も言いました(笑)」

そして鈴木秋衛(あきえ)さんの奥さん、
和子さんは去年6月に伊達市に移住。
離れ離れだった期間は約1年でした。

和子さん
「何より2人でいるのが一番楽しいです!」

森崎「あら~~ヒューヒュー♪

秋衛さん「オレは憂鬱だ!」

森崎「またあ~」

照れ屋の秋衛さん特有のごまかし術。
でもとっても良い顔してますよっ♪


2013年03月16日(土) |  営農スタート!伊達にイチゴを根付かせる…

宮城県亘理町のイチゴ生産者が
伊達市に移住する決意をしたのは、
2011年3月11日
「東日本大震災」がきっかけでした。
冬場、北海道で消費されるイチゴの
およそ60%を担ってきた亘理町を
大きな津波が襲ったのです。

そしてイチゴ生産者のほとんどが
生活の糧を失いました。

そこで復興の兆しがまだ見えなかった
その年の5月。
亘理町と姉妹都市だった伊達市
亘理町のイチゴ生産者に
伊達市への移住を提案-

将来的には「伊達市をイチゴ産地にする」
という構想を掲げ、亘理町で培った
栽培技術を普及してもらいたい…
そしてなによりイチゴ生産者としての
生活を送ってもらいたい…
ということからでした。

森崎
「実は先日、亘理町に行ってきました。
 まさに津波を被った場所にもお邪魔しまして
 かなり塩の被害があったという事でしたが
 少しずつですが復興してきて
 イチゴが育っている…
 そのイチゴが北海道のスーパーにも
 並びだしているという事を取材しました」

ワカナちゃん
「(海の)塩がいっぱいあって
 除塩するにも時間がかかるし
 大変だなって事がすごくわかった

佐々木
「改めて現場にいくと、この先もっと
 時間のかかるものなのかなって感じましたが
 その中で砂地を利用したイチゴ栽培を
 やっていこう!という生産者さんもいらして
 勇気をもらいましたね」

森崎
「あの砂地で農産物が育っているのを
 僕も農業番組5年近くやっているんですけど
 初めて見て印象的でした!

秋衛さん「勉強不足!」

森崎
「勉強不足??秋衛さん!
 一言も二言も余計だよ~

みんなでお腹を抱えて大笑い!

佐々木
「さてみなさんは新しいことを
 スタートしていると聞いたのですが…」

佐藤さん
「今月いっぱいで私達はここを独立して
 自分達のハウス“すずあかね”という
 夏採りのイチゴ栽培を再開します」

佐藤さんたちは伊達市に移住してから
試験栽培用のハウスで、
伊達市の気候に合う品種を見つけるための
テスト栽培を行うなど、
本格生産に向けての準備を
みんなで行っていました。

そして今年の4月からは
生産者ごとのハウス
でイチゴを栽培し、
自分たちが育てたイチゴで
生計を立てていくことになるのです。

佐々木「この1年間どうでしたか?」

小野彰吾さん
「あまりにも忙しすぎて
 記憶が飛んでいるんです!夏場の!

佐々木
「そんなに忙しかったんですか?」

雪が降り積もる中でのハウスの設立作業、
イチゴの収穫サイクルの違いや
病気などのトラブル…
亘理町とは全く違う環境で
数々の試練が襲いかかる中、
それでも伊達市に残り
生産者としての道を歩む事にしたのには
理由(ワケ)がありました…
小野さん
「メーカーからのサポートや
 選果場や出荷場のサポートがあって
 今まで教えてもらったし
 やはり伊達市にイチゴを
 根付かせていこう
 という気持ちです!」 

鈴木博之さん
「触ったことのない品種を育てて
 自分の営農にむけてのシュミレーションが
 しっかりできたので
 ありがたい環境だと思います」

奥様の志野さん
「復興が終わったから“帰ろう”というのは
 簡単だと思うんですが、
 その気持ちだけだと
 亘理町で『行っておいで』って
 言って下さった方にも、
 それから伊達市で迎え入れて下さった
 皆様にも本当に申し訳ないんじゃないか
 と思うんです。
 頑張ってきた時間があるので
 その成果を出せるように
 まずはここでしっかり頑張ると考えてます」

秋衛さん
「プレッシャーなんて全然感じてないよ!
 必ずいい物ができる自信があるから!

森崎「でかいっすね!」
河野「力強い!」


2013年03月16日(土) |  営農ハウスでお手伝い♪ベット作り挑戦

続いてお邪魔したのは今年の4月から
皆さんがそれぞれ経営をしていく営農ハウス。
各世帯それぞれ3棟から8棟のハウスを
管理することになります。

森崎「新しいハウスですよね」

丸子裕人さん「出来立てホカホカです」

森崎「まるで新居のよう!」

これがこイチゴを栽培する高設栽培の
土が入ってない状態です。

丸子さん
「このパイプ(赤)が培地暖房の管です。
 水を温めてそれを通します。
 そして培地を温めたら戻ってきます(青)
 
森崎
「ここに全部土をいれるんだよ~」

ピートモスを高設栽培のベッドに
入れるのですが、
重要なポイントがあるのです。

丸子さん
「モコモコしているので手でならします。
 押したら分かるですけど、
 土って均一じゃないんですよね。
 なので端っことか土を補充してならす!」

丸子さん
「去年あまり補充とかしなかったんです。
 そうすると生育にムラが出たり
 水の流れが良くなかったので、 
 それをふまえた上で自分のハウスで
 やってみようと思います」

ではここで-
チームに分かれてお手伝い~~!

イチゴの苗がすくすく育つベッドを作ろう。
スピードではなく、
いかにいいベッドを作れたかが勝負!
判定は丸子さんご夫婦にお願いしま~す。

リーダーチームと河野チームに分かれて
まずは重たいピートモスをベットに入れます。
たったコレだけでも大仕事…どうなるかな?

じゃ~ん もんすけです!
丸子さんたちイチゴ生産者は、
今年の2月26日に「いちご部会」を発足。
4月からは「いちご部会」のイチゴとして
共同販売していくんだって!
さらに…

JA伊達市 佐々木康行さん
「“野菜集出荷貯蔵施設”の中に
 新たにイチゴの棟を建てまして
 重量選果機”や“冷蔵庫”を整備して
 そこで共同選果をやろうと思ってます。
 選果は労力がかかるので農協が引き受けて
 生産に集中してもらうことです!」
 
皆さんが販売するいちごは
伊達いちごってネーミング!早く食べたいな~

あぐりっこは作業を続行中。
いよいよ終盤にさしかかりました!

丸子さん
「もともと(ピートモスは)フワフワなので
 もっと圧縮してもらわないと…」

森崎「なるほどね…」

あぐりっこ、真剣にベットを作ります。

さて作業終了~~!
各チームのベットをみてみましょう。

まずコチラがワカナ・タクヤのベットです。
出来栄えは?

タクヤ「大丈夫だと思います」

佐々木「リーダーのアドバイスはどう?」

ワカナ
「人生のアドバイスをされて
 イチゴのアドバイスが無かった!

そうなんです!振り返ってみると-

森崎
「1つの事に絞るにはまだ若い!」
「見たもの触れたもの全てチャレンジ!」

あれれ~大丈夫かなあ?

こちらは河野チーム。レン君が作りました。

レン「台形にするのがいいって…あっ! 」

河野
言ったらアカン!
 それコッソリ教えてもらったん…
 間違いなく、勝ちました!」

では丸子さんにジャッジしてもらいましょう。
土の入れ方が良いのは~?


2013年03月16日(土) |  イチゴを食べ比べ♪

丸子さん
「こちらで!(リーダーチーム)」

リーダーチーム「やった~~!」

丸子さん
「(リーダーチーム)
 土量が足りないぐらいなんです。
 (河野チームは)
 もう少し土を押してほしかったかな!」

ということでリーダーチームの勝ち!
しかし両チームとも真剣に取り組んでくれた
ということで、
丸子さんが別なハウスに案内してくれました。

森崎「じゃ~~ん」

ハウスの扉を開くと…
真っ赤なイチゴがズラリ! 

あぐりっこ「うわ~~!」

丸子さん
「こちらのイチゴを食べてもらおうと思って」

ワカナ「すっごく嬉しい!」

丸子さん
「丸い果実の“さがほのか”、
 少し細長い“あきひめ”の2種類を
 食べ比べてみてください!」

完熟の“さがほのか”を収穫。
ハサミで丁寧に収穫しました。

レン「美味しい!」

ワカナ「おいしい!甘い」

森崎「甘い!ジュースタップリ」

お次は“あきひめ”を試食。

タクヤ「さっきよりジューシー!」

丸子さん
「道の駅で販売するときは
 みなんさんこれが美味しいって言って
 買っていく方が多いですね」

森崎
甘みと酸味が両立しているので
 次々食べちゃいたい!」

森崎
「では改めて…試験栽培期間が終わって
 4月から営農が始まります。想いは?」

丸子さん
「これから独立して自分で経営して
 いかなきゃいけないので
 “頑張るぞ”という強い気持ちではいますが
 不安材料も無くなった訳ではないので
 手放しに喜べないんですけど、
 その不安材料は亘理から一緒に来た方や
 伊達の農家さんの栽培技術を聞きながら
 一緒にやっていければと思います

奥様
「新しいことをいっぱい吸収して
 毎日楽しく頑張っていきたいと思います
 
今年の4月以降、いちご部会の皆さんは
自らの経営と新規就農者や
試験栽培ハウスのアドバイザーとして
生活をしていくことに…
伊達市で実ったイチゴは、
市内の物産館で販売されている他、
道内の菓子店でも使われています。

そして市内のお店でも
あるものに変身しているんです!

とココで美味しい物には目がない河野くんだけ、
あま~い香りのする場所…

河野「美味しい臭いする…ハハハハ」

河野くんが匂いを嗅ぎつけてやってきたのは、
伊達市内にあるパン屋さん。

河野
「おいしそうなパンいっぱいありますよ」

河野
「スゴイ!見渡す限りイチゴになってる!」

パンの店コスモス 篠原雅之さん
「商工会議所から試験栽培のイチゴを使った
 商品開発をしてみないかと話をいただいて
 2月から伊達市民のみなさんに提供してます」

さてこのパン、どうなるのかな?

■パンの店 コスモス
住所:伊達市松ヶ枝町59-4


2013年03月16日(土) |  日本の農業のたくましさ知る…

佐々木
「亘理町の名物をいちご部会の奥様に
 作っていただきました」

教えてくださったのは
佐藤恵里子さんと鈴木和子さんです。

恵里子さん
「これは“ほっきめし”です。
 お店でもたべますけど味が違うので
 各家庭でもたべますね」

今回は宮城県亘理町のご当地メニュー
「ほっきめし」を北海道の食材で
作っていただきました!

※詳しい内容はレシピコーアをご覧ください。

さてお味は?
レン「美味しい!」

ワカナ「おかわり何杯でも出来そう

ポイントはホッキ貝をさばく時に出る汁も使い
だし汁を作ること。
ご飯ひと粒ひと粒にホッキ貝の旨みが
染み込んでいます。

とココで河野君が「デザート」を持って登場!

あぐりっこ「すご~い」

目の前には先ほどのイチゴパン!

河野
「試験栽培で作ったイチゴを使って
 この商品を作っているんです!」

篠原さん
「全部で10種類あるんですが
 今回は厳選して持ってきました」

※期間限定のため販売終了商品もあります。

ではみんなで頂いちゃいましょう!

タクヤ「おいしい~」
ワカナ「おいしい!」

二人が食べているのはお店の一番人気
シュークリーム!
まとめ買いするお客さんも多いんだとか!

恵里子さん
しょっちゅう買いにいってるんです!
 私達のイチゴだな~
 食べるのもったいないなあ~(笑)」

東日本大震災をきっかけに
苦渋の選択を余儀なくされた
亘理町のイチゴ生産者たち。

それぞれの道を歩み始めた生産者を
取材して思ったこととは-

河野
「亘理町でいちご団地が始まるのと
 伊達でも始まる風景…
 同じ風景が見れて嬉しいなあと思いました」

森崎
北海道に残る!
 ここでイチゴを育てていくからって
 伊達市の皆さんに恩返ししていくんだって
 その言葉とかすごく響きましたね」

ワカナ
「不安もあったかもしれないけど
 今こうやって『イチゴ作りをしよう』
 意気込みを持って北海道で頑張って
 くれていることがスッゴク嬉しかったし
 それに宮城県にいてもあきらめずに
 “いちご団地”で頑張っていこうって
 気持ちを持っていた人もいたから、
 すごい頑張ってほしいと思った!」

産地を復興させることも、
産地を作り出すことも、
とても大変なことですが
一歩一歩、確実に進んでいる様子。

そこで頑張る生産者の姿に
日本の農業のたくましさを感じました。


2013年03月09日(土) |  ♯233 東日本大震災から2年 イチゴ産地復興にかける思い編

森崎「宮城県にやってきました~」

あぐり一行「いえ~~い!」

森崎「ようこそ我が城へ!」

河野「違う違う違う…違いますから」

佐々木
「私達の後ろにありますのが
 宮城県亘理町の駅に隣接している
 悠里館(ゆうりんかん)という建物です」

森崎「そうなんだ~」

佐々木「そしてここ亘理町は…」

佐々木「この作物の産地なんです」

あぐりっこ「イチゴ!!」

佐々木「真っ赤なイチゴの一大産地」

河野「札幌のスーパーでよく見ます」

佐々木
「亘理産イチゴの多くが
 北海道に出荷されていて、
 冬場の北海道で消費されるイチゴの
 約6割が亘理町産だったんです!」

しかし、2011年3月11日。
東日本を襲った未曾有の大震災。
亘理町のイチゴ産地も
壊滅的な被害を受けました。

多くのイチゴハウスや住む家までもが
津波の被害に-

森崎
「実はあぐり王国北海道では
 1年前に亘理町から被災された方々が
 北海道の伊達市に移住して
 そこでイチゴ農家をしている…
 という取材をしました」

去年の放送では慣れない土地で
試行錯誤をしながらイチゴ栽培に
挑戦している生産者の皆さんを取材。
応援の気持ちを込めて
あぐりっこが考案した
スイーツをみんなで食べました。

森崎
「その時に来ていたのがワカナちゃんです。
 あの時どんな事が印象に残っているかな?」

ワカナ
「震災があったけど頑張って北海道でも
 一生懸命イチゴを作っているところが
 すごい感動した!

東北のイチゴ産地、亘理町。
産地復興に向けて頑張る生産者…
そして被災地を離れ
新天地の北海道で頑張る生産者…

今回のあぐり王国北海道は
イチゴを通して北海道との縁が深い
宮城県亘理町を取材。
産地復興に向けて歩み始めている
生産者と町の姿をお届けします。

希望の光は着実に大きくなっていました!

さて一緒にお勉強するあぐりっこは
伊達市に移住して来た
イチゴ生産者を取材した回にも
参加してくれたワカナちゃん。
小学5年生しっかり者のタクヤくんの二人です。

まずあぐり一行が向かったのは、
JAみやぎ亘理吉田支所。

お話を伺うのは
JAみやぎ亘理中部営農センター
土生(はぶ)利仁センター長です。

森崎
「震災以前からイチゴ栽培は盛んだったと
 お聞きしました。どのくらいの規模だった?」

土生さん
96ヘクタールの面積のイチゴを
 生産していました。
 今は26ヘクタールまで
 やっと回復してきています!

これは亘理町の地図。
イチゴを栽培していた地域が
あちこちにありましたが、
一番盛んだったのは海沿いの
この赤で囲ったエリア。

土生さん
「(このエリアは)3メートル以上
 津波が来た場所です」

森崎「3メートルだって…」

あぐりっこ言葉が出てきません…

土生さんが亘理町の地図を使って
津波被害にあったエリアを解説。
被害は地域の半分以上にも及んでいました。

河野「高速道路を越えているんですね」

土生さん
「そうなんですがこの高速道路のおかげで
 津波の力が弱まってはいます。
 ただ海水は押し寄せました…」


2013年03月09日(土) |  震災を乗り越えて…イチゴ栽培再開へ!

津波が襲った後の町の様子です…

土生さん
「これは鉄骨のイチゴ大型ハウスです。
 波の強さで押されちゃったんです…
 この年は秋から寒さが続いていまして
 これから本当の収穫期になる!
 という直前でした…」

土生さん
「震災の時間帯もこのように生産者さんが
 イチゴを持ち込んで(箱詰めなど)
 やっていました。
 どうやって入ってきたのか?
 分からない物までありました…」

河野「言葉が出ないです…」

森崎
「僕達は規模が大きすぎてニュースでも
 東日本全体を捉えていましたけど
 こうやって一部分にズームしていくと
 また違った想いが出てきます」

津波が押し寄せた農地には
海水がはいりこみ、
水が引いたあとも土の中には
塩分が残っています。

そのままだと作物を育てる事が出来ないので
塩分を取り除くため、
雨水や川の水をかけ流れ出るようにします。

この「除塩作業」は町内のいたるところで
行われています。

亘理町がある宮城県では
津波などの被害を受けた農地は
沿岸部を中心に
13000ヘクタールにも及びました。

そのうち55%、7200ヘクタール
除塩などの復旧作業が始まっています。

河野「どのくらいの期間かかるものですか?」

土生さん
「こまめに“耕うん”して雨に当てれば
 1~2ヶ月ぐらいで
 なんとかなるんです、表面は。
 ただ下に溜まっているんです。
 でハウス栽培っていうのは
 下から(水分が)上がってくるので
 極力こまめに水をかけなければいけない」

さらに地下水が塩水化してしまい、
イチゴ栽培を再開できない生産者も多いのです。

佐々木
「これまでと同じように自分の畑で
 イチゴを作る方もいらっしゃるんですか」

土生さん
「ハイおります!今年だけで吉田地区では
 20名が再開されております」

震災の前、亘理町吉田地区の
イチゴ生産者は200名ほど。

現在は66名の生産者が
イチゴ栽培を再開しています。

さて続いては念願のイチゴ栽培を再開した
生産者のところへ-

佐々木
「イチゴ栽培をしている小野秀男さんに
 お話を伺います。宜しくお願いします」

森崎
「寒いですね!宮城!
 小野さん北海道の雪まつりの格好ですね」」

小野さん「これで犬の散歩しているんで」

さてココでリーダーがあることに気付きました。

森崎「みんな足元どうですか?」

タクヤ「サラサラ!」

河野「砂浜みたい!」

小野さん「この辺一体は全部“砂地”なんです」

河野「イチゴ栽培に適しているんですか?」

小野さん「適しているんです」

森崎「知らなかった!」

佐々木
「さてここでイチゴ栽培に大切な水の話です」

小野さん
「今までは地下水をかけていたのですが
 まだ塩分濃度が高いので、
 そのままかけるとイチゴが枯れちゃうので
 水道水と地下水を半分に割って
 かけている状態です」

森崎
「水道水を軽トラに乗せて運んできている?」

1棟のハウスに必要な水の量はおよそ1トン。
2日に1回はこの作業をしイチゴ栽培を行います。


2013年03月09日(土) |  食べる度に言いたくなる“もういっこ”

では早速ハウスの中を見せてもらいましょう!

森崎「うわ~なってるよ」

あぐりっこ「真っ赤だ~」

河野
「真っ赤な立派なのもイッパイなってる!」

小野さん
「これは《もういっこ》という品種です。
 宮城県の初めてのオリジナル品種なんですね」

森崎
「北海道でも震災前は私たちは
 たくさんいただいていたイチゴですね」

小野さんがイチゴの栽培を再開したのは
去年の3月。

もともとは17棟のハウスで
栽培をしていましたが、現在は6棟。

規模は小さくなりましたが
再開できた喜びは大きかったと言います。

小野さん
「再開できるのは時間がかかる…
 と思ってたんだけど
 1~2年で再開できたのはみなさんの
 ご支援があったからだと。
 感謝は忘れないようにしたいです」

河野
「再開が去年の3月ってことは
 震災から1年後ですよね。
 その前の1年はどう過ごされていたのですか」

小野さん
「仮設住宅で暮らしながら、会社に一回
 入りました。収入が無かったので…。
 いつかはイチゴ栽培が再開できる!
 考えながら、会社勤めをしてました」

しかし震災前にハウスがあった場所は
海沿いだったため
他の土地を探さなければいけませんでした。

そこで小野さんは、
今まで育苗用のハウスがあった土地を
利用することにしたのです。
栽培に必要な土をトラックで運び、
地下水は水道水で薄めて使う事で
準備を整えました。

小野さん
「今年は特に寒かったんで
 形はちょっと悪いかな…とも思うんだけど
 味は前と変わらないくらい甘いと思います」

森崎「いただいてみたいなあ~」

小野さん「どうぞ~」

それではちょっとユニークな
収穫方法を教えてもらい、
美味しいイチゴをいただこう!

小野さん
「イチゴを指と指の間に挟んで、
 手首をこうします!
 (きゅっと手首をスナップさせます) 」

あまりのスピードにビックリ!

手首のスナップを利かせて
イチゴを収穫していく方法でした。

あぐりっこも収穫!さてそのお味は…

タクヤ「甘いっ」

ワカナ
「美味しい!何個でもいける気がする!」

佐々木
「イチゴがこのように実るには
 ミツバチが受粉のお手伝いをしてくれないと
 いけないですよね?」

小野さん
「広島県で育てたミツバチをもらって…」

森崎
「それはイチゴ農家に重要なアイテムですよね」

小野さん
「そうですよね。本当にありがたいです」

佐々木
「宮城で頑張る小野さんの力もそうですが
 全国からの応援の力もあって
 《もういっこ》が実っているんだな~
 と思いました」

森崎
「1ついただきました…
 みなさん言いたいこと、ありますね?
 せ~のっで言いましょう!
 いいですか?せーのっ!」

あぐり一同
もういっこ!
 (「もう1個ほしい」って事ですね!)」
 
小野さん「どうぞ!もういっこ(1個)!

森崎「やった~~」


2013年03月09日(土) |  亘理イチゴ復活へむけてイチゴ団地建設へ!
こんにちは、もんすけです。
小野さんのようにイチゴ栽培を再開したけれど、
震災前ほどの面積を持てない生産者さんや、
今までの土地では栽培できない方のために
亘理町内にはイチゴハウスを集合させた
「いちご団地」が建設中なんです。
宮城県亘理町農林水産課
鈴木幸徳さん
「ここは“浜吉田いちご団地”です。
 町には3ヵ所ありまして
 “開墾場いちご団地”
 “逢隈いちご団地”の3つです。
 いちご団地は参加農家が99戸で
 浜吉田いちご団地には56戸が入ってます。
 全体で“103”棟ハウスが建ちます」
亘理町では土に直接苗を植える方法が
主流でしたが、
いちご団地では高設栽培といって
イチゴの苗を植えるベッドを使って栽培します。
管理がしやすくなる反面、
栽培方法が変わってしまうので
イチゴ生産者さんは研修会などに参加し、
新しい栽培方法に備えています。

亘理町イチゴ生産者さんの声
「やっと生活していく基盤ができるかなという
 ちょっとした安心した気持ちがあります」

「これも新しいチャンスととらえて
 宮城県亘理町のイチゴ復活に向けて
 頑張っていきたいと思います」

この‘いちご団地’が完成すると
震災前の栽培面積の約3分の2が
回復するんだって!
8月完成予定! 
工事が順調に進むといいな~

続いてあぐり一行が向かったのは
亘理町内でも最大規模の仮設住宅があるエリア。
現在もおよそ480戸、
1400人以上の方が生活されていています。
中にはいちご団地の完成を待っている
イチゴ生産者の方も多くいるんです。

この仮設住宅の隣にあるのが…

佐々木
「上の所に文字が書いてありますけど…」

あぐりっこ
「ふるさと復興商店街!」

森崎「華やかにペイントされてますね」

佐々木
「こちらは亘理町の仮設商店街で
 今30のお店や事業所が軒を連ねて
 この辺りでは最大の大きさの
 仮設商店街になります」

仮設住宅の方もよく利用するという
「ふるさと復興商店街」。
組合長・齋藤邦男さんにお話を聞いてみよう。

佐々木「こちらが全体図ですか?」

齋藤さん
「そうです。東郷地区の仮設施設になります。
 荒浜地区や吉田地区の方々が被災されて
 ここでオープンしたということです」

森崎
「場所を変えてこうして商店街で
 やっているということですね」

河野「齋藤さんはどんなお店ですか?」

齋藤
「私は仙台インターネット通信社で、
 パソコン教室をやったり
 カラオケ教室もやっているんですね!
 狭い場所にいるでしょ。
 なので憩いの場所を作ってですね
 みんなでカラオケをやってます!」


2013年03月09日(土) |  宮城と北海道は繋がっていた!

宮城県亘理町におじゃましているあぐり一行。
ふるさと復興商店街の中を散策していると、
遠く離れている北海道と宮城県との
嬉しい“繋がり”
をたくさん見つけました。

まず佐々木アナとあぐりっこが見つけたのは
コロッケやさんです。

佐々木
「こんにちは~北海道から来ました!」

菊地なみ子さん
「こんにちは!うちは揚げ物専門店ですよ」

串かつ・うずらの卵・ひれかつ
とんかつ・エビフライ・アジフライ…などなど。
安くて豊富なメニューがズラリと並びます。

では早速お店で一番人気の
『手作りコロッケ』をいただくことに!

タクヤ「おいしい!ホクホク!」
ワカナ「う~ん美味しい!」

菊地
「男爵じゃないとやっぱりダメなんだよね!
 ずっと前から北海道の男爵
 使っていますよ」

佐々木
「宮城と北海道が繋がった気がするね!」

続いてリーダーと河野くんが伺ったのが
八百屋さんの「丸舟商店」。

菊池多恵子
「(以前のお店は)全壊と言う形で
 全部て流されてしまいました」

森崎
「ここにはまだ1000人を超える人がいて
 そういう方からすると、
 新鮮な野菜や果物がここにあるってことは
 みなさんにとって励みになるんじゃないかな
 とも思うんですけど…」

菊池さん
「それは反対だと思います。
 私たちの方がみなさんに
 助けられているんだと思います。
 みなさんに助けられてここまで
 来たんだと思います。全て感謝ですね。
 感謝しかないと思ってます」

涙ながらに話をしてくれた菊池さんのお店には
イチゴの産地復興が進んでいることを
感じさせてくれる嬉しい商品がありました。

菊池さん
「亘理のイチゴをふんだんに使って
 作ったワインです」

2年ぶりの復活販売された
「いちごだワ・イン『夢みる乙女』」です。
(数量限定となります)

森崎
「このワインはもともとあったけども、
 製造をストップしていたって事ですか?」

菊池さん
亘理のイチゴで作っている
 “イチゴワイン”なんで!」

森崎
「亘理のイチゴじゃないと作れないから!
 復興が始まりつつある象徴でもあるお酒!」

河野「製造が函館なんですね」

菊池さん
「函館にイチゴを送って製造してもらって
 またこちらで販売しているんです!」

なんと北海道産のジャガイモ・玉ねぎも発見!
北海道と亘理町。
遠く離れているように思うけど、
しっかり繋がっているんです。

さてお次にリーダー達が訪れたのは
魚屋さん「丸八佐惣商店」。

森崎「魚屋さんの前で何かやってますよ~」

河野「この段階で美味しそうですよね」

大きなお鍋の中身は…

荒浜港でとれた「タラ」と
仙台特産の「白菜」をたくさん入れて
煮込んだ「タラ鍋」です。

あぐり王国が復興商店街にやってくると
いうことで、この時期、
宮城県などではよく食べられている
「タラ鍋」を用意してくれていました。

ではいただきま~す。

河野「うわっしみる~~!」

森崎
おいしい~~!
 白菜もシャキシャキで美味しいよ」

丸八佐惣商店さん
「寒い時期だとタラ鍋はみんな食べますね」

さて今日一日振り返ってみて…

ユカナ
「すごい津波がきて見ているだけで
 怖かったけど…
 実際にいた人はもっと怖かったのに
 今では一生懸命復帰しようと頑張っているし
 その温かさをすごい感じて
 こっちが元気をもらった気がした
 
タクヤ
「津波でイチゴとか全部なくなったけど
 みんな共通して一生懸命
 元に戻そうと頑張っていると思います!」

河野
「こっちからできることって…
 頑張って一歩を踏み出した人を応援する!
 北海道でも食べられますから
 亘理のイチゴを美味しく食べたいと思います」

森崎
「宮城のイチゴ“もういっこ”は
 北海道の人もスゴイ愛していますって
 言いたかったんですけど、
 どうでしょうか?
 逆に僕らが言われたことって…
 『北海道の野菜、使ってるよ~』とか
 『北海道美味しい!けど宮城も美味しいよ』。
 どっちがエールを送っているかわからない、
 そんな想いがありました。
 僕は北海道の野菜・果物が大好きだけど 
 こうなってしまった今…
 亘理のイチゴ大好きだ!!
 美味しく食べようと思います。
 みんなも美味しく食べようね」




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