たい焼きを口いっぱいに放り込む ソウイチロウ君「おいしい!」
ヒイナちゃん「あま~い!(ニッコリ)」 シオンちゃん「おいひい!」
みんななぜか笑顔になってしまいます!
森崎 「ユウマ、羊かんって渋いねえ」
ユウカ君 「羊かん大好きで…(ニッコリ)」
佐々木 「だけど…甘いだけじゃないんです。 色んなパワーが秘められた“あんこ” あんこの材料になっているもの 知っているかな?」
あぐりっこ 「小豆!」
佐々木 「そう!我々が今日やってきたのは 十勝エリア。十勝と言えば…?」
河野 「十勝と言えば小豆!ボク出身の関西でも 《十勝産の小豆を使用したあんこです》は ブランドですから!」
森崎 「もったいないこと?」
佐々木 「今日はその“もったいない”が何か? そこには画期的な取り組みが あるんです!!」 ロケ先 甘味レストラン 豆地蔵(まめじぞう) 池田町字利別東町15-7 電話0155-72-5577
“もったいない”から生まれた 画期的な取り組みとは? その答えを探るべくあぐり一行が訪れたのは 地元の小豆にこだわる食品メーカー【十勝製餡】。 まずは“あんこ”はどのように作るのか、 佐藤工場長に教えていただきましょう。
詳しい“あんこ作り”はレシピコーナーへ!
佐藤工場長 「まずは小豆に適量の水を入れ火をかけます」
森崎 「水に浸さないんですね」
こうして沸騰したら中火にしておよそ40分。
すると「もうあんこみたいな色だ~」
森崎「すでに美味しそう」 河野「膨らんでる」
匂いをかいでみると-
ヒイナちゃん 「あっあんこ! あんこのニオイがする(ニコッ)」
ここで煮汁を捨てます。
そして小豆の渋みを取るため 水をかえて再び沸騰。 中火で1時間ほど煮て、 軟らかくなったところで煮汁を再び捨てます。
森崎 「二回目の煮汁です。捨てます」
砂糖を加えて強火で砂糖を溶かします。 沸騰してとろみが出てきたら、さらに30分。 焦げ付かないようにまぜながら 水分をとばしていくと…あんこ完成!
森崎 「いやあ~時間かかるもんだね~」
河野 「工場では1日どれぐらい作るのですか?」
佐藤工場長 「7トンぐらい!専用の鍋で作ります」
続いては1日7トンもの あんこを作る工場を見学。 あんこ作りの工程の“もったいない”とは 一体何なのか?
チリ・ホコリを丁寧にとり 入念に手洗いをして、いざ工場へ-
森崎 「うわ~スゴイ!いっぱい鍋あるよ~ でっかいなあ~」
モクモクと湯気を上げる釜。 まさに小豆を煮ている所です。
河野 「あの~今回のキーワード “もったいない”って何なんですか?」
佐藤工場長 「それはこちらから出る“煮汁”です」
ちょうど茹で上がった小豆。 釜を傾けると大量の煮汁が流れてきました。
河野 「スゴイ量ですよ~」
森崎 「うわ~すごい。滝だよ滝」
大量の煮汁は専用のバケツに入れて 捨てられています。
森崎 「なんだか色が濃いですね? この煮汁に栄養がある…と」
佐藤工場長 「工場の女性スタッフはこの煮汁を 家に持ち帰って飲んでいるんですよ」
森崎 「それを今まで捨てていた… それは“もったいな!”」
じゃーん、もんすけです。 食物繊維たっぷりの小豆。 その煮汁には一体どんなパワーが あるのでしょうか? 十勝で食品の機能性を研究する プロジェクトの代表、 帯広畜産大学の伊藤教授に お聞きしました。
伊藤繁特任教授 「帯広畜産大学では十勝の小豆の機能性に 着目してきました。 中でもこれまで大量に捨てられていた 小豆の煮汁にすごい量のポリフェノールが 含まれていることに注目して その解析を進めてきました。 動物実験などによって煮汁を活用した際の 機能性・効果などの実証分析を進めました。 体の中の中性脂肪は多すぎると 心臓や血管に悪さをします。 小豆ポリフェノールは その中性脂肪の消化を抑制する 効果があるんです。 そして体外に排泄する量を増やしてくれます。 それから体内に蓄積する量を控えめにします。 十勝の素晴らしい食材を有効活用するために 帯広畜産大学ではこれからも研究を続けます」
小豆の煮汁ってスゴイんだねえ~ 捨てちゃうなんてもったいない!!
栄養がたくさん含まれた煮汁を 何にするのか?
訪れたのは十勝芽室町の コスモ食品 北海道工場。 こちらは未利用資源の 有効活用の開発に力をいれているのです。
森崎 「小豆が“あんこ”になる時に “煮汁”というモノが出ることを学びました。 そしてこの煮汁が栄養分を秘めていて これを捨てるのが“もったいない”!」
佐々木 「それをこちらでは製品にしているんです」
コスモ食品 北海道工場 柴山進一さん 「煮汁を特殊な加工をすることで 粉末にしました。 これが《あずきの素》という製品です」
煮汁が粉に??早速製品をみてみると-
森崎 「おおっ。すっごい細かい粒子ですね。 小豆パワーの栄養を蓄えているんですね」
佐々木 「この《あずきの素》はオール十勝で 取り組んでできたモノなんです」
佐々木 「オール十勝とは何なのか? それは《産》《学》《官》。 それぞれに役割があり協力し合ってできてます。
《産》は産業界、こちらのコスモ食品さんです。 《学》が学術機関、大学や研究機関で どんな栄養があるか?など研究します。 《官》は官公庁でバックアップしてくれます。 この3つの力が合わさって《あずきの素》が できているんです!」
森崎 「みんなが1つになって 新しいものを誕生させている」
コスモ食品 北海道工場 柴山進一さん 「開発までに5年ぐらいかかりました。 《学》《官》の皆さんと試行錯誤しながら 製品が実現しました」
河野「ケンカとかしなかったんですか?」
柴山さん 「あっ…ありました…! 色々と意見を出し合って 1番良い意見を集結したのが、 この《あずきの素》だと思います」
《あずきの素》を水に溶かしてみました。
あっと言う間に水に溶け、 ほんの少しで水がワイン色に 変化しました。ということで- 河野君にワイングラスを持ってもらうと…
森崎 「なんだなんだ!仕事帰りの一杯みたいな!」
しかし味は【ただの水】。
佐々木 「味はしないけどポリフェノールたっぷり!」
河野 「ボクね…小豆から煮汁がでるのは判ります。 けどこの煮汁から粉末ができるのって よく判らないんですけど…」
柴山さん 「わが社は液体から粉末を作るのが 得意なんです。 スプレードライヤーという もの凄く大きな機械で粉末を作りますが ちょっと見れないので 実験機でどうやって粉ができるのかを 見学していってください!」
森崎 「へえ~~(納得)」
河野 「絶対わかっていない じゃないですか~!」
道立 十勝圏地域食品加工技術センター 佐々木 香子研究員 「小豆そのものには“でんぷん”や “タンパク質”が多く含まれています。 だけどその煮汁をそのまま粉末化すると こんな白茶けた色になってしまいます」
河野 「(小豆の色と)全然違う」
佐々木研究員 「このままだと色がつかない!」
河野 「普通の煮汁にちょっと何か処理すると こんなキレイな色が出てくるって事ですか?」
佐々木研究員「そうですね!」
森崎「何をするんですか?」
柴山さん 「それはちょっと…特許技術になってまして 産・学・官共同で取った特許になってます」
シオンちゃん 「普通に煮汁を捨てるのは“もったいない”事だし こうやって粉にすることでエコにもなるし なんかこうやって諦めないでやったら イイものになったからスゴイ!と思いました」
これまで“産・学・官”オール十勝で 開発した製品は40種類。 5年前に誕生した”ポテあじ”という食品素材を 味見してみると-
あぐりっこ「ポテトチップスみたい」
柴山さん 「原料は十勝のジャガイモです。 北海道はたくさん“でんぷん”を作っていて 先ほどの小豆と一緒ででんぷんの汁は 捨ててしまいます。それも栄養価が高くて おいしい成分が入ってます。 その美味しい成分を取り出して粉末にしたのが この“ポテトペプチド”です」
河野 「捨ててたものから製品ができるって素晴らしい」
柴山さん 「北海道には勿体無いものがいっぱいあります。 それをたくさん見つけて 色々なものに役立てたいと思っています」
森崎 「1つの団体だけでは難しいよね」
さあココからは佐々木研究員が取り組んできた 製品を食べていきましょう!
《あずきの素》が入ったきれいな色のおこわ、 《ポテあじ》が入ったチキンナゲットなどなど…
佐々木研究員 「こちらのパンは生地に 《あずきの素》が練りこんであって さらに十勝産の小豆のあんこを 織りまぜたパンです」
河野 「ほんのり小豆色していますね」
佐々木研究員 「こちらは豆腐が日持ちがしないので 日持ちのする製品を作りたいという相談を受けて 豆腐のスモーク製品を作りました。 冷蔵で二ヶ月大丈夫ですよ」 十勝では食と農を軸とした産業振興策 「フードバレーとかち」を推進しています。 そして去年国から、 食の生産性と付加価値向上による 北海道経済の活性化を目的とした 「北海道フード・コンプレックス 国際戦略総合特区」の指定を受けました。 食糧基地・十勝がますます注目をされています。
さて味わってみると- ヒイナちゃん 「豆腐くんを食べたんですけど、 本当の豆腐は長持ちしないのに こういう加工をして長持ちできるってスゴイ!」
森崎 「そうだよね~工夫だよねえ」 ■とうふくん(200g×1) 840円(税込) ■とうふくんジャーキー(100g×1) 630円(税込)
森崎 「産・学・官。 周りの人と提携して地域ぐるみで 得意分野が合わさって、 新しいものができている! 北海道の食が楽しくなる 新時代の幕開けのキーワードです、せえのー」
あぐりっこ「さん・がく・か~ん」