2016年9月。新千歳空港・国際線ターミナルには 海外からの旅行者たちが大勢降り立っていました。 皆さん、どちらからいらっしゃったんでしょう? え~、Where are you from?
「香港から来ました!」
アジア有数の大都市「香港」。 高層ビルが立ち並ぶ、近代的な街並み…。 その通りを一歩中に入ると、ご覧のとおり 昔ながらの風景が広がる独特の趣きが 魅力の街です。
街頭インタビュー 「日本の食材は油が少なくて健康的ですよね。 多くの香港人は日本料理が好きですよ」 「日本へは6~7回ほど行ったことがあるわ。 北海道はふらのラベンダーが美しいですね。 生チョコやジャガイモは大好きです!」
今、香港では「日本の食材」が人気で とりわけ「北海道ブランド」に 注目が集っています。
そしてこちらは香港で日本の情報を発信している 雑誌「香港ウォーカー」の編集部です。 あの~北海道って香港で人気があるんでしょうか?
「北海道を特集した号はいつも人気で 香港での北海道の人気を 裏付けていると思います」
香港での人気が高まる「北海道ブランド」!
いっぽうコチラは北海道。 香港からの旅行者達が日本の農業を 体験してます。
旅行で農業体験!? 観光客を虜にするインバウンドツアーとは?
遠く離れた香港から、 北海道にやってきた皆さん。 これからツアーが始まりますが、 何を一番にしたいですか?
「牛乳をいっぱい飲んで 新鮮な野菜も食べたいです」
インバウンドツアーとは 訪日外国人向けのツアーこと。
海外からの観光客に、 より北海道を知ってもらおうと企画されました。 JAグループ北海道としては 初めての取り組みです。
農地の少ない香港の旅行者にとって 北海道での農業体験は 普段なかなか触れる事ができない 魅力的なコンテンツなんです。
男性「日本は初めて?」
香港女性 「NIHON?I went to TOKYO OSAKA OKINAWA First time to HOKKAIDO」
男性「ふむふむ…初めてね!」
新大和(香港)有限公司 Ellie Chowさん 「ジャガイモが新鮮で とても甘くておいしいです。 何かおいしいものを見つけたら 自分の会社に紹介して、 香港に輸入してみたいですね」
エリーさんが香港で勤めている会社は 日本の食材を香港に輸入している貿易会社です。 なかでも一番の主力製品が…
エリーさん 「後ろにある北海道の牛乳を扱っています。 香港人は特に日本の食材が大好きですね」
農畜産物の生産が少ない香港。 データを見ても、日本からの輸出額が 一番多いのは香港なんです。
北海道と香港- 「食」の結びつきが強かったんですね。
あっ、エリーさんたちがランチに出かける みたいですね。 ここは会社の同僚たちとよく利用する、 いきつけの飲茶店だそうです。 さすが本場の小龍包!美味しそうですね♪ ところでエリーさん、 外食はよく利用されるんですか?
エリーさん 「香港の人たちは昼も夜も外食が多いです。 食事には気をつけていまして、 特に野菜を取るようにしています」
香港街頭インタビュー 「日本食は油が少なくて健康的ですよね。 多くの香港人は日本料理が好きですよ」
「私北海道観光から戻ったばかりなのよ! これは妹へのおみやげ「トウモロコシ」。 生チョコやジャガイモは大好物です。 おいしい食べ物がたくさんあって魅力的ね」
彼らが求めるもの… それは 「美味しくて健康的な食事」。
「北海道ブランド」は、 香港の方々のニーズにぴったりで 多少値段が高くても人気だそうです。
そして香港で日本の情報を発信している雑誌、 「香港ウォーカー」の編集者にも、 お話を伺ってみました。 あの~お仕事中にすみません、 北海道って香港で人気あるんですか?
香港ウォーカー 編集部 GIGI LAuさん 「ご覧のとおり香港ウォーカーでは、 何度か北海道特集をしたことがあります。 この上の号は最近出版されたもので、 北海道新幹線を紹介しています。 北海道を特集した号はいつも人気で、 香港での北海道の人気を裏付けています」
北海道のブランドが、 遠く離れた香港で人気とは嬉しいですね。
ジジさん 「香港人はそばが大好きなので そば打ち体験が楽しみです。 自分で打ったそばが本当においしいか? 確かめたいです」
お母さん 「ほらこうやってやるしょ!やってごらん」
当然、稲刈りはみなさん初めて。 四苦八苦しながらも…楽しそうですね!
エリーさん 「香りも歯触りも良くておいしいです」
KaKi Chengさん 「個人的に日本へは何度も来ているんですけど 農地のような自然あふれる所へは あまり来たことないですね。 香港人としては珍しい体験をさせて頂きました」
新十津川町 白石農園 白石昇さん 「海外の人たちと言葉が通じなくても なるべく交流することによって うちの町も変れるんじゃないかなって… 我々受ける側としては 『ところでこういうものしかないけれども この中でどれほどおもてなしをできるか?』 ということが大事なことで こういうことから 心が繋がっていけばいいのかなと思ってます」
ジジさん「もう大丈夫?」
先生「いや。まだまだ!」
ジジさん「まだまだ!!あははは」
そばを通じて国際交流。 先生たちは英語を話せませんが… 大丈夫でした?
お父さん 「いや!関係ないです。 もう打つのは同じだから! 地球の同じ人間なんですからね! 誰が来ようと関係ないです! 人間であれば(笑)」
仁木町 嶋田茂農園 匠 嶋田 茂さん 「上から順番に赤くなって あま味も上からです。 1個取って… 彼女食べてみます?では拭いてあげます!」
「うふふ・・どうもありがとう!」
香港では果樹園が少ないので こういった果物狩り体験が 大人気なんだそうです。
続いては同じく仁木町にある大久保農園へ。
チェリーハントイン&プロイラーガーデンオオクボ 「私の名前は大久保俊哉。 ここではさくらんぼ・プルーン・トマトを 作っています!今日は楽しんで下さい(英語)」
見事な英語! 実は元英語の先生という経歴の大久保さんです。 格好良いですね~!
エリーさん 「ジューシーでとても甘くておいしいです」
質問)香港のスーパーにプルーンは売ってる? 「売っていますけど、こっちのほうが甘いです」
ジジさん「料金は?」 大久保さん「料金は600円です」
ジジさん「うわっ安い!何時間?」
大久保さん 「あっ無制限です。そんなんい食べられないので 2個か3個でお腹いっぱいになるので」
ジジさん「そうですね。チョー美味しいです」
やってきたのは ABCクッキングスタジオ 札幌赤レンガテラススタジオです。
ABCクッキングスタジオ 小野茜さん 「私たちの海外の生徒さんからよく聞くのは 日本の食材は比較的身近で手に入る 環境にあるんだけど、 ただそれをどうやって食べていいか分からない。 ですのでABCクッキングスタジオで学んだ レシピを使って、日常的に日本食の料理を 楽しんでください!」
エリーさん 「とても珍しい体験ですよね。 香港にはABCクッキングスタジオはありますが 日本で料理教室を体験できるのは 素晴らしい。 観光とショッピングだけの旅では体験できない 特別な経験をすることが出来ると思います」
香港のテレビ局員 Pang Yuen Wahさん 「今どきの旅行はショッピングや景色だけでなく 文化交流が求められていると思います。 なかでも飲食はもっともステキな交流だと思うし 料理を作る過程で現地の歴史とか 地元の人の好みも勉強できて 良い経験だと思います」
インバウンドツアー in 北海道 最終日。 この日は札幌市白石区にある、 アサヒビール園の駐車場からスタートです。
ここではJAながぬま収穫祭が開催されていました。
Yeung kin Anneさん 「1本!買うつもりはなかったんですけど みんながめちゃくちゃ買っていて そんなにおいしいかな?と思って お母さんにお土産!」
みなさん、良いお買い物が出来たようですね。
農業法人 有限会社豊夢 佐々木恒候さん 「みなさん、遠いところから ありがとうございます。 わたくし共はキャベツを作っています」
インバウンドモニターツアー最終日。 参加者は南幌町名産のキャベツを収穫します。
ツアー参加者 「どのキャベツを収穫して良いか判らないわ」 「大きさで選んでるのかしら?」
生産者さん「NO!NO!これもNOだね!」
ツアー参加者「why?なぜだめなの?」
通訳 「虫が食べているからダメですって」
ツアー参加者「どうして分かるんですか?」
生産者 「虫食いの跡があるんですよ」
ツアー参加者 「おおおお~OK!」
こうした収穫体験を通じて、 生産者の徹底した品質管理で 生産されている事を肌で感じたようです。
ジジさん 「大きなキャベツを自分の手で収穫できて 嬉しいです!」
キャベツの収穫は機械が入らないから こうやって包丁を持って手作業なんですよね。 腰曲げて辛いでしょう。 でもこの収穫体験、 とっても良い経験になったと思います!
佐々木恒候さん 「こういう体験は初めてでしたが、 自分達のキャベツを世界に向けて 発信できたことが、 有意義で本当に良い一日だったと思います」
ツアー最期のプログラムは、 JAなんぽろとJAながぬま女性部がお出迎え。
先程、収穫したキャベツや新鮮な野菜が使い 料理で国際交流を目指します。
小谷さん 「長ネギ、長イモを細かく切ります」
おっ、ツアー参加者用のレシピは 英語のものを用意していますね。 受け入れ側の準備もバッチリですね。
おっ何をつくっているのでしょうか? キャベツ料理いえば…お好み焼きですね!
ジジさん 「混ぜてからここに入れて 5分後にひっくり返します。 さっきは失敗しちゃったけど… すみません。また失敗です」
女性部「大丈夫ですよ!」
Yeung Kin Anneさん 「地元の人みんながいつも食べてるものを 作るのは勉強になると思います」
さあ試食会がはじまりました。
ジジさん「美味しい!」
受け入れ側 JAながぬま女性部 「やる前は通じるのかな?とか 食文化が違うので味噌って大丈夫かなとか! 楽しく進んで料理してくれたので 楽しくできました!」
女性部 「海外なんで全然無い!無い!」
ツアー参加者 「ぜひ香港にいらしてください!」
女性部 「行きたい!行きたい! ジャッキーチェンとかに会えるかな(笑)」
エリーさん 「私はこれまで農場に行ったことが無かったので 期待と緊張が混ざった気分でした。 自分の手で果物を狩り、 自分の手で料理をすることができて 本当に珍しい体験をすることが出来ました。 香港の人にとってこのツアーは 珍しい体験だと思います。 香港人にとって一般的な北海道旅行は 雪を見たり、ショッピング、 海鮮を食べたりなどですが 新鮮な果物や農産物のイメージは あまりないと思います。 今回のような農場体験ができるツアーは 旅行者はより新鮮な気持ちに なれると思います」
森崎 「遠く離れた香港の国際交流に 北海道の「食と農」が貢献しているのは これはちょっとした驚きでした。 やっぱり北海道の農業は 私たちの誇りです!
正解は「出前授業」でした