およそ140年前。 北海道での栽培は困難と言われた 作物がありました。 しかしそれは今、 国内トップクラスの生産量を誇り、 日本の食を支えています。 あぐり王国では番組がスタートした 2008年から毎年、 道内各地でその栽培を見守り 作物を育てる苦労や収穫の喜びなど、 シリーズで食の大切さについて学んできました。 そして今年もまた、その季節がやってきます…
「お米作り頑張ろう~」
佐々木 「今日私達がやって来たのは JAたいせつエリアの鷹栖町です。 見渡す限り…田んぼ! 北海道の中でも空知に次いで ここ上川エリアは米どころです。 では今回もあぐりっこを呼びましょう~」
「あぐりっこ~~」
森崎 「今回は全員が初参加です。 札幌から来た子?」
マナト・しずく「は~い」
森崎「旭川から来た子?」
ミチル「ハイッ!」
河野「いいね。ミチル」
森崎 「お米の品種知っているのあるかな?」
あぐりっこ 「ななつぼし!」
佐々木 「こちらはJAたいせつで生産されている お米の量の多い順に並んでいます」
森崎 「意外です!1位の品種は きらら397(サンキューナナ) なんですね」
JAたいせつエリアで最も多く作られている 品種『きらら397』は主に 全国の飲食店へ出荷され、 その品質の高さから人気が高く 生産量も多いんです。
佐々木 「ということで今回は“きらら397”が 多く作られているJAたいせつエリアで お米作りを学びます!」
森崎 「じゃあ田植えから稲刈りから 全部この場所で学ぼうぜ! 米作り頑張ろう~」
あぐり一行「お~~!」
道内有数の米どころである JAたいせつエリア。 秋の収穫までお米作りを 教えて頂くのは お米生産者の高橋雄二さん。 およそ15ヘクタールの田んぼで 米作りをしています。
佐々木 「ここ全部、高橋さんの田んぼですか?」
高橋さん「だいたい見えるところは!」
森崎 「すげ~!ところで今は何の作業してる?」
高橋さん 「ハウスで育てています」
森崎 「稲は田んぼに植えられる前は どういう状態か知ってる?」
あぐりっこ 「知らない」「あんまり見たことない」
苗を見たことがないあぐりっこには 想像もつかないようです。
早速ハウスに行って見ると-
森崎 「見てごらん稲はどんな状況?」
あぐりっこ「緑色!」
森崎「これ芝生だね」
佐々木「こちらの品種は?」
高橋さん「きらら397です」
河野 「ハウスの中で何日ぐらい育てるんですか?」
高橋さん 「だいたい1か月くらいなので もう10日後には田植えが始まります」
ハウスで大切に育てられているお米の苗。 田植え前のおよそ1ヶ月間で 種から元気な苗に成長させる 『育苗(いくびょう)』が行われます。
佐々木 「みんなはまだどう育っていくか 想像できないかもしれない…」
高橋さん 「もしよかったら抜いてみてください!」
早速1本だけ苗を抜いてみました。
マナト 「なんか種みたいのついてる」
森崎 「種もみついてるよ。これお米だよ」
ミチル 「えっ!これがお米の最初なの?」
森崎 「種もみから苗が出来てるのがわかるね!」
高橋さん 「この時期は温度と水が 一番大事なところです。 まだ朝晩は寒いので温度を保ったり 昼間だとハウスの横を少し開けて 風通しを良くして温度を下げます」
森崎 「このハウスの中にいる1か月は 本当に温度管理が大切なんですね」
高橋さん 「そうですね。苗が重要で昔の言葉で 【苗半作】というぐらい一番大事です」
農業では昔から 『苗を上手に育てることができれば、 半分は成功した様なもの』 という言い伝えがあるほど、 育苗は気が抜けない作業なんです。
森崎 「ゴールデンウィークは 家族で旅行とか…?」
高橋さん 「本当に1日だけ。 泊まりでは出かけられない」
森崎「大変だな…」
高橋さん 「天気が良いといけないので くもりの日に出かけるです。 子どもには悪いんですけど…」
河野 「お子さんは晴れた日に出かけたいけど 曇りの日がチャンスなんですね」
森崎 「よし曇りだから出かけるぞっ!」
本当に今時期は目が離せないんですね。
ここで苗への水やりを見学! この特殊な機械をリモコンで 操作するそう…
ではスタート
するとポンプがまわりだして…
あぐりっこ「あっ水!」
河野「上から水が出てきた~!」
森崎 「シャワーだシャワー!」
河野 「(バケツのような入れ物に) 水がパイプを通って下に落ちて…」
高橋さん 「落差で水が落ちているんです!」 森崎 「リモコンにする意味はどこにあった(笑)」
高橋さん 「ハウスがいっぱいあるので 離れて遠隔操作が出来るのでリモコンは便利!」
ハウスで苗の生育状況を見学した後、 いよいよ田んぼにやってきました。 佐々木 「この目の前にある圃場(ほじょう)が 田植えをする田んぼですか?」
高橋さん「そうです!」
森崎 「みんなここが田植えする場所だって」
マナト「なんか荒れてる…」
ミチル 「土がゴジャゴジャで 植えずらそうな感じ」
高橋さん 「ちょうど田んぼおこしが終わって 水を張って“荒くり”をする前です」
森崎 「あの~~ 『うおおお~酒と食料はどこだ~!』 ってやつですか?」
河野「それは荒くれ者!」
佐々木「田おこしとは?」
高橋さん 「去年、稲刈りが終わった田んぼに 空気を含ませるために一回起こします。 植物ですので空気を入れるのもあるし 土の養分は乾いたほうが吸収しやすい! なので土全体を乾かすためにもします」
佐々木 「これから荒くりをしますが どういう作業をしますか?」
高橋さん 「水を張った田んぼを“平らにする”のと 水と土と空気を混ぜていきます」
森崎 「けっこう長くやってますけど 田植え以前を取材する番組があるとは!」
トラクターで行われる荒くり作業。 さっそく、その様子を見せて頂きました!
トラクターの後部に装着されたロータリーが 土と水を混ぜていきます。
河野「後ろの機械が回っている!」
森崎 「トラクターが通り過ぎた後は どうなったかな?」
アミ「きれい!」
河野「全然違うな」
森崎「きれいになったね」
河野「こんな一気に作業できるんだ」
荒くり作業が終わったら、 さらにかき混ぜて田んぼを平らにする 『しろかき』を行います。 こうした入念な準備を経て、 田植えは行われるんです。 高橋さん 「だいたい一回で終わりますが 粘度(ねんど)がキツイ田んぼなどは 2回は入ることもあります」
佐々木 「この作業を終えないと次の作業にいけない」
この後あぐりっこもトラクターに乗って 荒くりを体験。米作りの最初の仕事に触れる、 貴重な体験となりました。
マナト 「楽しかった! 自分では荒くってないけど 荒くった気分だった!」
じゃー~ん もんすけです! 田んぼの準備作業が始まった JAたいせつエリア。 美味しいお米の生産はもちろん、 米どころならではの様々な取り組みを 行っています。
JAたいせつ 池田修さん 「水田に消費者が来る機会は なかなかないと思いますが ぜひ消費者のみなさんに水田に 足を運んで頂くきっかけになればと思って 異なる6色の稲を使って 水田に巨大アートを描く <田んぼアート>などを 行っています。 その他に地元の小学生に 田植え体験など水田学習にも 積極的に協力しております。 実際に水田に入って お米作りを見て頂くことで 日々食べているお米が一層 おいしく感じてもらえればと思います」
豊かな自然とお米作りが体感できる、 JAたいせつエリア! みんなも体験してみてね~!
佐々木 「手作業で“荒くり”を体験しましょう」
ということでクワを使った昔ながらの 『荒くり』に挑戦!
まずは生産者の高橋さんがお手本を 見せてくれます。
高橋さん 「まだ土がゴロゴロしてますよね。 それを足で潰して小さくしながら クワで中に空気を入れながらならしていく」
高橋さん 「昔の人はこうやっていたんです」
森崎 「いや!オレもやってたわ! 実家が米農家だったので。 トラクターが入る前。全部手作業でした」
クワを使っての大変な作業。 頑張れ!あぐりっこ!
まずおそるおそる水田に入ります。
しずく「冷たいっ!」 アミ「すんごく冷たい」
ミチル「気持ちいい!」 マナト「なんじゃこりゃ」
森崎 「みんな荒くり頑張るぞ~」
あぐりっこ「お~~!」
マナト「踏んで…踏んで…」
水田に入って動くのも大変です。
森崎「やってみてどう?」
マナト「意外に楽しい!」
クワを持つのも初めてのあぐりっこ。 使い方もなかなか習得できません…
しずく「重い~」
森崎「クワ重たい?クワか土か?」
しずく「土が重い…」
ドロッと水を含んで重くなった泥を クワでならすのは重労働なんです。
森崎 「疲れて交代したいときは 河野マンカード使えるからね」
あぐりっこ「大丈夫です!」
大人達の心配をよそに 黙々と作業を続けるあぐりっこ。 コツをつかんできたのか、 クワを持つ手も慣れて来ました。 そこで出番ナシの河野君も体験!のはずが…
佐々木「力自慢の河野さん!お願いします」
とここでバランスを崩して…
バシャーン!!(転倒)
河野「河野マンまだ0(ゼロ)荒くり!」
作業終了後…
森崎「あれ?なんでそんな顔に?」
そうみんな顔が泥だらけです!
森崎「朝と違う!いい顔になったな」
しずく「楽しかった!」 ミチル「体力が…全部なくなりました」
高橋さん 「(子供たちと一緒にやってみて) 童心に帰ったようで楽しかったです。 子供たちのやったのも上手!」
みんなお疲れ様でした!
頑張ったみんなにご褒美です。 JAたいせつ名産のお米と特産品を使った、 お手軽料理を頂きます。 作っていただいたのは JAたいせつ女性部の 森山美和子さん、相澤裕子さんたちです。
相澤さん 「きらら397に五目ごはんの素を使ってます」
森崎 「加工品を女性部で作っているんだ」
相澤さん 「ハイ!それを混ぜ込みました」
森崎 「比較的忙しくない時期に (加工品を)作っておくことで これから忙しくなる田植えとか 収穫時期に活用できるんだ!賢い!」 <五目ごはんのもと 300g450円> お買い求めは- JAたいせつ 農産物直売所たいせつ 住所)旭川市東鷹栖1条3丁目635-15 電話)0166-57-2141
ではいただきま~す!
ミチル「ちょ~うまいっ!」
アミ 「作っている人の想いが こもっている…味がする!」
森崎「おお~作文!(笑)」
佐々木 「お米がもっちりしていて 五目の素も多くて贅沢な気持ちになります」
そのほか地元産のネギを入れた 手作りみその『みそ汁』、 そして湯がいたネギに手作りの甘みそをかけた 『ネギの甘みそかけ』も頂きました。
しずく「楽しみ!」
森崎「楽しみだよね~」
河野「マナトは今日何が楽しかった?」
マナト「荒くり!(ニッコリ)」
次回はいよいよ田植えだぞ~ それまで田んぼよ。待ってておくれ~!
こんにちは週刊あぐりNEWSの時間です。 「食と農」を考える『あぐり大学』が まもなく始まります。
「あぐり大学」は北海道大学農学部と 北海道新聞が連携して始める 小学校4年生から中学生までの男女と その親を対象にした連続講座です。
北大農学部の先生を講師に 今年度11回にわたって 農業に関する様々な知識を学びます。
中には先月「あぐり王国」でも紹介した ロボットトラクターの最新研究や コメの食味試験を体験する講座もありますよ。
詳しくはあぐり大学事務局、 電話011-210-6008まで お問い合わせください。 月曜から金曜の午前10時から午後5時まで、 問い合わせが可能です。
農業に関する知識を学ぶことができる 貴重な機会ですから是非ご参加ください!
以上、週刊あぐりNEWSでした。